比較(パク/ラレ)その3

比較検証

初夏氏「愛ある世界」と、西村しのぶ氏「ライン」1巻の比較検証


パク:初夏氏「愛ある世界」
 これだけは確かな自慢。彼は心底、ウチのベッドが好きだっていうこと。
 リネンのシーツにカナディアン・グースのダウン・コンフォーター、カシミアの毛布。
 「泊まりにおいで」の一言で楽勝だ。
ラレ:西村しのぶ氏「ライン」


パク:初夏氏「愛ある世界」
「ところでさ、丹さん。こんなでかいシーツやカバー、どうやってプレスしてんの?」
「ん? 洗濯機で洗ったあと、クリーニングに出すんだよ、プレスだけ」
 週一回、通いのハウスキーパーさんに来てもらってんだけど、寝室だけは、さすがに自分で整えてる。そう説明すると、遼はハ?ッと溜息をついた。
「そういう手があるのか…」
「なになに? ひょっとして、240×300センチのシーツと戦う俺のこと、心配してくれたの?」
 確かに、家庭用のちっちゃなアイロン一台で立ち向かうには、難敵だよなぁ、コイツら。
「…まぁ、その裏技の存在、知らなかったもんで」
「そう? うちで洗ってから出せば、ぐっとお安くなるんだよ。覚えときな」
 ハウスキーピングの基礎知識だからさ。
「ごく慎ましく生きてる貧乏学生としちゃ、それが役立つような状況に直面する想像、さっぱりつかないッスけどね。シーツのプレスなんて、しようと思ったこともねえし」
 そもそも、世良さんアイロン自体持ってないッスよ、という。まー、そりゃそうだろ。お前みたく服飾デザイン勉強してるとかでなきゃ、学生のうちはそれが普通だよ。大体、入学式スーツすら遊び潰しちゃった若造が、一体何にアイロンかけるんだっての。パンツか? 靴下か?
「ま、手でパンパン叩いて洗いざらしただけのシーツにも、それはそれで捨てがたい良さがあるよな。プレスしちゃうと、さらさらになるけど、ひんやりするし」
ラレ:西村しのぶ氏「ライン」P.93-94より台詞引用
「リツコさん こんなでかい シーツやカバー どうやってプレスしてるの?」
「洗濯機で洗ったあと クリーニングに出すのよ プレスだけ」
「…… そっか 心配したよ」
「邦彦は 240×300cmのシーツと戦う わたしのことを 心配してくれたのね」
「ごめん 知らなくて そういうの」
「小さい 家庭用アイロンで たいへんだろうと 思って」
「おうちで 洗ってから出せば ぐっとお安いの ハウス・キーピングの 知恵ね」
「そうなんだ!!」
「うちは 手でパンパン!! 洗いざらし派!!」
「それも すてがたい感触ね 好きだわ」
「プレスしたシーツは さらさらだけど 冷たいから」
「でも 恋人といっしょに はいるぶんには それでいいのよ すばらしい 論理の展開」
「すばらしい」
最終更新:2012年09月12日 03:39