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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • you-destructiv(前編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

you-destructiv(前編)

最終更新:2007年05月09日 18:03

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だれでも歓迎! 編集

you-destructiv ◆NaLUIfYx.g


グレーテルは機嫌がいいのか、鼻歌を歌いながら颯爽と森の中を歩く。
敵など気にせずに、変わらない光景に飽きる事なく見渡し続ける。
一人、二人と遊べた。それもどちらとも星五つ評価、文句なしだ。
そして次なる子を探してまた遊ぶ。そう思うと、嬉しさが零れ落ちてしまうほど込み上げて来る。
今何処を歩いているのかは分からないし、調べる気もない。
まだまだ遊ぶ人は沢山いる。ただ歩き続ければ自然に出会えるに違いない。
と、いつまでも続くであろう森が突如開けた。
太陽がギラッと直接降りかかり、思わず目を瞑りかける。
片手で光を遮ると、目の前に聳え建つ建物に足を止めた。
廃病院。人がいなくなって随分経っているのか、外装は悲鳴をあげているかのようにボロボロである。
このような森の中に、ポツリと孤独に建っている廃病院を見たら、間違いなく幽霊関連を
想像するだろう。
しかし、今は昼であるし、何よりも常に生と死の狭間で暮らして来た彼女にとって、その
ような思考は持ち合わせていなかった。
むしろ、窓を通して見える人物に注目していた。

「あれは……?」

ズラリと横一列に並んでいる二階の窓に、一か所だけ人がいた。
もちろん幽霊なわけがない。立派な人間だ。
グレーテルはその人物に見覚えがあった。
このゲーム開始直後に出会った二人。尤も女の子の方とは出会ったわけではないが……
ついている、と率直に思った。
とりあえず窓から見えるのは二人だけ、恐らくあの後ここに向かったのだろう。
グレーテルの存在に気付く様子はない。彼らは口喧嘩に夢中なご様子。
それも好都合、と手に持っているウィンチェスターM1897の銃口を彼らに向ける。
距離は高さを含めても十数メートル、銃一つあれば余裕で埋められる距離。
スコープなる物はない。ちゃっちい照準合わせと、己の目だけを頼りにする。
最初と同じ展開。しかし先程と違って邪魔される心配はない。
正直つまらない、と一瞬新たな思考がグレーテルの手を止める。
ここで二人をちゃっちゃと殺していいのだろうか? 彼女の頭の中で短い討論が行われた。
沢山の意見がそれについて飛び交う中、グレーテルは迷う事もなく結論にへと辿り着く。
どうせまだまだ遊ぶ人はいるから殺そう。
彼女の方針は効率よく殺す事、不意打ちなど最も効率のよい殺し方だ。
それに、男の子の方はグレーテルの『殺し』を邪魔立てた。
それは許されぬべき行為。
最初に殺した子のように死体と戯れましょ、と思いながら、手に掛けてる引き金を迷わず引いた。


 *  *  *


「だ、か、ら! 小太郎はもう存在の力を沢山消費したから足手纏いなの!」
「なっ……足手纏いやと!? んなわけない、俺はいつも通り戦える!!」
「そんなわけない! 強がらなくても分かるんだから!!」
「そこまで言うんならこっちも言い分があるぞ! シャナに任せたらどーせまた変な状況に持っていくやろ!? 自覚なしが一番怖いんや!」
「う、うるさい、うるさい、うるさーい! そんなわけない!!」

双葉を瀕死の状態へと追いやり、ビュティを亡き者にしたブルーとイヴは既にこの病院から去ってったのに、相変わらず状況は変わらない。
むしろ、また当の目的を忘れてるように……見えはしないが、疑わしい。
とりあえず、床がコンクリートではちょっと……と感じ、二人は一つの病室へと双葉を運んだ。
人に安らぎを与えるベッドは一応健在。そこにそぉっと乗せると、再びどうするかで討論が行われたのだ。
顔と顔が喋る度に少しずつ近付いていき、終いには相手の息が地肌にかかる位置まできた。
新たな単語は吐き出されない。代わりに、お次は視線と視線の勝負。
どちらとも退く気はなく、無言の重圧をひたすら与え続ける。
端から見えば初々しい状況でもあるが……

(まぁ確かにシャナの言う通りなんやけど……)

小太郎は確かに気を根こそぎ奪われていった。
例えるならフルマラソンを終えたかの状態。
今の彼は気を使わない普通の体術がメインとなるだろう。
普通の体術だけで勝てるであろうとは、小太郎自身そんなに思っていない。本来ならここはシャナが偵察し、気の回復と共に小太郎が双葉を見張るのが普通の展開。
しかしそうしない。彼が女性に身を預けるのが好きではないからだ。
簡単に言うならば、つまらない意地を張っているだけであるのだ。
と、小太郎の視界に何かが写った。
無意識の内に、僅かにだけ右目を窓の方に向けたのか、何かがそこにはいた。
木や草だろと思ったが、別に減るものでもないし、なんとなく気にかけたのか、チラッとシャナから視線をちょっとだけずらした。
その瞬間彼は考える間もなく、小太郎は前へ出る。
外側から、銃口から、無数の銃弾がばらまかれるその直前で、小太郎はシャナの元へ突っ込んでいた。
最初から距離はない。そのまま勢いを殺さず、身を低く屈め、両手をシャナの腰に回すようにして、地面へ叩き付けるように一気に押し倒す。

「え? え?」

何が起きたのかわからず、間抜けな声をかき消すかのように、ガッシャァァン!! というガラスの悲鳴が炸裂した。
グレーテルがいたのは一階、小太郎達が二階、ならば必然的に銃弾の軌跡は下から上。つまり身を地面に預ければ避けられるという事。
双葉は窓から遠く離れた位置なので心配ない。
後は小太郎の方である。
倒れたシャナに覆い被さり、頭だけを守るかのように両手で盾を作る。
パラパラッと自分の体にガラスの破片が降りかかる。しかし、痛みは感じられない。
破片が地面に散らかり終わると、辺りは静寂が支配した。

(おしっ、なんとかなったか!?)
二発目が来る様子はない。相手から視界が外れたのだ。敵もそう馬鹿ではないという事。
「ねぇ……」

言われて、小太郎は意識を目の前の少女にやる。
先程シャナを押し倒して、手は身を守る為に後頭部へと持って行ってる。つまり……
二人は体と体が接触してるのだ。それも小太郎が押し倒す格好で、
シャナの小さなふくらみが今更になって感じてしまう。
既にシャナの顔が爆発したみたいに真っ赤にへと変貌していた。

「あ……え、と、これは……その……」
幾ら何でもこんな体験はそうそうない。小太郎の顔も見る見る内に赤く染まっていきカチコチに凍り付いている。
先程までは気にしなかったが、シャナの薄い吐息がさらに彼を混乱された。
「いい加減……」
シャナの足裏が小太郎の胸に触れる。何をされるのかわからない程小太郎は焦っている。
「離れなさいよっ!!」

思いっきり蹴飛ばした。
「グハッ!?」といういかにも負け犬な台詞を吐き出して、小太郎は後頭部を壁に激突した。
恥じらいと怒りに任せた蹴りは、予想以上に力が発揮する。しかし、そんな事をシャナが知るわけがない。
ゴン! という鈍い音にシャナはビクッと肩が震える。

「あっ、と……小太郎?」

呼び掛けるが返事はない。よく見ると頭上に星が回っている……わけないが、パッと見ても分かる通り、脳浸透でも起こしたのか気絶している。
慌てて声をかけようとするが、寸での所で飲み込む。
敵が襲って来たのだ。
ここにはまだ重傷の子がいる。こんな場所で戦場にするわけにはいかない。
小太郎にいたっても気を消費しすぎた。シャナは彼が戦闘で足を引っ張ってしまう可能性は多々あると判断している。
相手の力量がわからない今、シャナは一人で戦うべきだと決心する。今小太郎を起こしても、万全の状態ではない。

(大丈夫……きっとやれる)

彼女は坂井雄二や、アラストールといった仲間と一緒に戦ってきた。しかし、今はいない。
一人で、敵に立ち向かわなければならない。失敗は死。
負けてしまったら小太郎や双葉の命も危ない。
今万全に戦えるシャナが負けてしまったら、二人に勝てるわけがない。
プレッシャーが、見えない重圧が襲いかかってくる。暑くもないのに汗がツーっと顔を駆ける。
一回、二回と深く深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。
そしてチラッと小太郎の方を向く。

「…………」

なんて声をかければいいかわからない。むしろなんで声をかけようとしたのかわからない。
ちょっとだけ別れるだけだ。別に何の問題もないではないか。
プイッという効果音が合うように視線を戻す。彼女は気付いていないが、ホッペが少し赤くなっていた。
一歩一歩扉へと近付いていく。敵が迫りくるのにも関わらず、重りをつけられたかのように遅くなってしまう。
そして辿り着く。
自分より何倍も高く感じる。ただのドアなのに、開ける事がためらわれてしまう。
しかし、ここで止まるわけにはいかない。自分だけが頼りなのだ。
ぱんぱん、と自分に喝を入れるかのように頬を叩き、もう一度深呼吸。
そして彼女はドアノブを掴んだ。


 *  *  *


三宮紫穂は一階のとある部屋の中で、体を小さく丸めて息を殺していた。
音一つ立てないように注意を払っている為、心臓の音が、呼吸の音が、必要以上に大きく感じられる。
とりあえず、二階にいる彼らと接触しようと思った矢先、新たな敵が現れたのを紫穂は『透視』できた。
新たな、しかも今度は敵の登場に身の危険を感じたのか、廃病院内へと忍び足で侵入して今に至っている。

(それにしても……)

とりあえず敵は自分の存在を知らない。ターゲットはきっと上の三人達であろう。
安住の地を確保した紫穂は、再び『透視』を始める。
既に敵は廃病院内に侵入して、階段を登っている最中だ。
だろうという願望から確証へと変わる瞬間。このままここにいればやり過ごせる。
紫穂は自分の運の良さに感謝した。
ここで『透視』していれば、上の二人の力量がわかる。仮に負けたとしても自分になんらデメリットはない。
ここで負けるような人達と組んでも、この先生き残れる確率は低い。
それならまた地道に新たな人達を探せばよい。まぁそれにはリスクがやや生じるが……
よって紫穂本人の願いとしては上の人達に勝ってもらいたい。
しかし、
一人は重傷、もう一人は気を失っている。
実質戦えるのは少女一人だけ。
どちらが勝つか、結末を早く知りたい自分と、知りたくない自分が混ざり合わさっている。
紫穂は一人、誰にも気付かれる事なく観戦者へとなった。

 *  *  *


扉から出て、長い一本線の廊下に足を踏み入れたのと、階段からかけ上がり、同じく足を踏み入れたのはほぼ同時であった。
互いに気配を感じ、互いに顔を向け、無言のまま目を逸さない。
グレーテルはシャナの事を見たが、シャナはグレーテルの事は見ていない。しかし、そんな事今は関係ない。
人を殺すのに、殺されないようにするのに、面識などどうでもいい事。
必要なのは敵か否か。そしてそれは互いに十分に理解している。
シャナは舌打ちの代わりに、重たいマスターソードの柄を強く握り締めた。
戦闘前でもわかる事はある。
それは武器。名前まではわからないが、シャナの知識があの形状の武器を伝える。
ポンプ式ショットガン、それはこの幅が狭い廊下では効果を発揮する武器だ。弾をばら蒔く性質上、幅が狭いこの廊下で避けるのは至難の技。
距離は10M弱、彼女の身体能力と存在の力を使おうとも秒単位はかかる。その間に果たして何発貫かれるのだろうか?
そこでシャナは、今までの考えを吐き出した息と共に全て捨て去った。
やるしかないのだ。この距離をなんとしてでも埋めなければならない。

「あなた一人なのかしら?」
「お前など私一人で十分」

グレーテルが尋ね、シャナが迷いなく答える。
本当はシャナしか戦えないのだが、そんな事を言う必要などない。
互いに笑みを崩さない。グレーテルは不敵な笑みを、シャナは相手を見下すかのような笑み。
スッと銃口がシャナの方を向けられる。一方のシャナもそれに合わせるかのようにマスターソードを構える。

「ホント、あなたも楽しめそうね」
「お前にそれが出来るかしら?」

そして静寂。
常人には感知できない一秒の中の一秒という僅かな静寂の後、

『厄災』と『フレイムへイズ』の戦いの火蓋が落とされた。

ドン!! という轟音と共に、火炎放射器みたいな火花が銃口から伸びたのと、
ドン!! という壮絶な足音がしたのは同時であった。
正確に言うなら、足音――シャナの方が早い。引き金にかけていたグレーテルの手がピクリと動いた瞬間の事。
敵を貫かんと襲いかかる無数の銃弾が辿り着く前に、小太郎達がいる部屋の向かい側の方へと迷わず突っ込む。
ドガッ!! と無茶な使用をされた扉が悲鳴を上げながら壊れる。
後で弁償する気などさらさらないシャナは、ガッ! と足に杭で地面へ打ち付けるように無理矢理止めようとする。
ザザザ! と止まらず、滑りながら足を曲げて、身を屈め、バネを溜めて再び地を蹴る。
この部屋は診断室なのだろうか、とにかくもう一つの部屋――グレーテルとの距離を縮める部屋と繋がっている。
幸いな事に、繋りに遮る障害物など何もない。そのまま問題なく部屋を移る。
ここまでシャナは廊下を使わず、グレーテルとの距離を半分に詰めた。
時間に換算して二秒弱。しかし、シャナは止まらない。
部屋におかれてある寂れた物、壊れた物全て素通りして、
次なる部屋へと侵入する。
一方のグレーテルはその場から一歩も動かなかった。
初発目を避けられたのも予想外であったが、あの部屋に隠れたのも何かあるのでは? と思わされる。
だから少し様子見するべきだ、と考えた結論は瞬殺されてしまう。
ドガッ!! と先程シャナが逃げ込んだ一つ前の部屋の扉が豪快に吹っ飛んだ。
そこから現れる何か、いやシャナ以外に誰がいようか。
舌打ちと共に引き金を引こうとするが、寸での所で再び向かい側の部屋の中へと入られてしまう。
と、気付く。先程入った部屋の一つ手前から出てきたという事は――!
結論より体が先に動く。グレーテルは右隣りの部屋の扉を蹴飛ばす。シャナが今いる部屋と繋っているはずの部屋を。
いた。部屋と部屋という形上の区切りがされてるものも、目と目が再び合う。
距離は数M、グレーテルは有無を言わず銃口を向ける。
ピクッと指が動いた瞬間、シャナは一瞬と呼べる時間で素早く部屋から廊下へと移ろうとした。
思った通り――と、グレーテルは勝利を予想した。
相手、シャナはこの生死を賭けた戦いの中、グレーテルの指に視線を集中していた。
弾が出るには引き金を引く。引き金を引くには指が動く。それだけの事。
弾が飛び出るタイミングがわかればギリギリたが、銃口が変わらない限り避けられる。
それを初発目でグレーテルは見抜いていた。
シャナが部屋から離れ、廊下に出る同タイミングでグレーテルの体も独楽のように回転しながら迎え撃つ。
そして、ようやく引き金を引く。確実に避ける事の出来ない弾丸がシャナ目掛けて襲いかかる……はずだった。
しかし、そこにいるはずの人間がいなかった。

「!? ……チッ」

そのまま地団駄を踏むかのよな舌打ちをし、グレーテルは理解する。
シャナもグレーテルがどう対処してくるかを見抜いていた。
相手の力量がわからないなら、見抜かれている上でもう一工夫加えるべき。
しかし、グレーテルをハメるには完璧に廊下に出るふり、もとい出なければならなかった。
ならばこのタイミングだけしか使えない方法をシャナはとったまで。
相手は自分と同じタイミングで廊下に移り、相手の確認を取らずに放たなければならない。
その銃口は一直線。ならば逃げ道は――

空中だ。
シャナは廊下に出たわけじゃない。廊下の方へと飛んだのだ。
彼女は銃弾を飛び越えると、そのまま重力に従って地面と着地したや否や、すぐさまグレーテルの方へと視線を向ける。
あのタイプは弾を装填するのに独特な音がする。それが聞こえないと言うのならば……?
そこにはグレーテルが立っている。銃がいつの間にか何処かへいったのか、何も持っていなさそうなグレーテルが立っていた。

「……?」
シャナには理解できない。何故ここで自分の獲物を捨てるのだろうか? いやそもそも、
何で笑っていられるのだろうか?
「武装、錬金」

言葉を紡ぐ。以前聞いた、その単語を。
紡がれた瞬間、何かがシャナ目掛けて突っ込んできた。
ゾグン、とシャナの中にある知識、経験が、体中の回路に電気を与えるかのように危機感を訴えた。

「……ッ!?」

気付けばもう目前。無意識の内に体が動いた。
咄嗟に右足のバネを使って、中心を横にずらす。それがシャナの出来る精一杯の回避行動である。
ザシュ、と肉を引き裂く水っぽい音が響き渡った。

「クッ……」

熱を帯びた右肩は全身へと激痛とも呼べる痛感が襲いかかる。
幸いな事に、骨には一切ケガを負っていない。ただ、その上部の肉を丸々持っていかれた。
ぼとぼと、と重たい液体のこぼれる音が地面に響き、白い制服がジワジワと赤く染まっていく。

(あれは、槍……?)

形としては槍の一貫なのだが、どうみても普通の世間一般に知られてる物ではない。
持ち主と合わない程の大きさを、グレーテルは軽々構えている。
何か能力を持っているのか、と頭が警告し、先程の攻撃と関連があるのでは、と詮索する。
思考の中に埋没しかけたシャナは、グレーテルの笑い声で意識を戻す。
憐憫に、皮肉に、哀みに、愉快に、楽しく、嘲り、そして――
勝ち誇ったように、少女は笑っていた。

「この武器を使うなら」
グレーテルは髪の先を引っ張る。それはスルリと頭から離れていった。
「兄様でないとね」

カツラであったのかグレーテルは短髪の姿へと変貌した。美少女から美少年へ。但し服装は変わらない。
シャナは驚く素振りを見せなかった。先程のように油断させる為の罠であるのかもしれないからだ。

「さてと、これで終わりじゃないよね?」

轟! と風のうねりと共に、再び槍がシャナの喉元を貫こうとする。
その巨大な武器がリーチを生む。長さで言うなら贄殿遮那と引けをとらない。
刃が迫りきる前に、シャナは直角に右へと飛んだ。いくらリーチがあり早くても、辿り着く時間は必ずある。その時間に若干の余裕がある分、ゆとりがもてた。
飛び散る汗と血の球体が、槍の先によって弾かれる。
シャナは攻撃に転じようと、懐深くへと突撃しようとするが、
グレーテルが予定通りのように阻止してきた。
キィン! と甲高い金属音が響き渡る。グレーテルの所持している槍は特殊だ。その刃は根元まで及んでいる為、持ち方を変えれば剣みたいな形となる。
突き出した槍をそのまま間髪入れずに、横へと薙払う斬撃へとチェンジする。
懐に潜り込む前に上半身と下半身が別れてしまうので、シャナは咄嗟にマスターソードを壁として防いだ。

(リーチが……足りないっ)

シャナ奥歯をギリッと噛み締める。彼女の武器、マスターソードは小振りの剣。どうみてもリーチがない。
その為、この剣の射程範囲に入る為、彼女の懐へと入るという一動作を余分に行わなければならない。
それは相手に一動作余裕を与える行為でもある。その為、彼女は考える。
逆を言うならば、一動作余分な作業を与えれば良いのだ。
素早く出した結論を実行すべく、シャナは拮抗状態から抜ける。
後ろへと跳ね、距離を置き、痛みが未だに止まない左腕を上げた。
途端彼女の手から炎が巻き上がった。存在の力を炎へと変える、独自の力だ。
本来ならばもっと出力が上がるが、咄嗟に、しかもこの制限下では火炎放射器ぐらいの性質、それでも相手への不意打ちには十分のはず――!
炎が生き物のようにグレーテルに襲いかかる前に、何かが立ち塞がった。
シャナは気付かない。後ろへと距離を置き、炎を生み出す動作がある分、グレーテルにも余分な動作が生み出される事を。
それは扉、シャナが先程蹴飛ばした扉であった。しかし、木で成り立っていた為、みるみる内に灼熱の炎によって溶かされる。
それでも立派な壁としての役割を持つ。敵に姿が見られないようにする為の壁として。
直後、
シャナの右隣りの部屋からグレーテルが視界にへと入り込んだ。
そう、ここの部屋はもう一つの部屋と繋がっている。今気付いたが、自分がいる場所はちょうど扉と目と鼻の先に位置している。
慌てて防御ないし回避を取ろうとするが、遅い。
瞬間、
ザク! とシャナの左肩に刃が食い込んだ。

「がっ……」

熱を帯びた痛み。体の中で何かがブチブチと千切れるような感触。耳からではなく、直接体内を通って響き渡る音。
そのまま槍の勢いに身を預けられ、隣の壁へと激突し停止する。
全身の骨がくだかれたような激痛に、一瞬右肩の痛みを忘れてしまう。

「君もさっきの子の声と似てるんだね」

口調が男の子っぽくなったが、シャナにとってはどうでもよい事。むしろその笑みを気にした。
一言で表すなら狂喜と呼ぶのに相応しい。その狂喜にシャナは嫌悪感を覚える。
なんとかしなければ――と思うが、両肩をやられて、壁に激突したさいに剣も零れ落ちてしまった。炎を生み出してもまた対処されるのでは……
詰まる所、少女に残された手はなかった。

シャナは高い身体能力を持っていた。しかし、今まで敵と戦い勝ってきたのも、贄殿遮那という武器や、アラストールや坂井悠二の助言のおかげ。
それが無ければ、格段に弱くなってしまう。先程まではそうとは思わなかった。
たとえ一人で戦おうと負ける気などしなかった。一人でも勝てる自信はあった。
しかし、相手のちょっとした予想外の行動に翻弄され、
結果がこうだ。
条件が悪かったのもある。最初からシャナの方が不利であったのもある。しかし、そんなものはただの言い訳。
シャナはどうしようもなく、ただグレーテルを睨み付ける。
勝敗は決まったようなものだった。

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