全世界ナイトメア◆2G4PiPq.z.
落ちかかった夕日の下を、レベッカは魔導ボードで突っ切っていく。
障害物には事欠かない森の中とはいえ、少なくともレベッカが走るよりは速度が出る。
……だが。
障害物には事欠かない森の中とはいえ、少なくともレベッカが走るよりは速度が出る。
……だが。
「どわっ!?」
ガツリと音がしたのと同時に、レベッカは魔導ボードごと派手に転倒した。
もともと大して高いところを飛べるわけではないのだ。森の中なら、木の根っこなどに引っかかる可能性もありうる。
視界が暗ければそういった不注意は尚更起こるだろう。今回は、まさにそれだった。
もともと大して高いところを飛べるわけではないのだ。森の中なら、木の根っこなどに引っかかる可能性もありうる。
視界が暗ければそういった不注意は尚更起こるだろう。今回は、まさにそれだった。
「いったぁ……」
なんとか起き上がろうとしたレベッカの顔が歪む。
それほど大した怪我ではない。骨折や捻挫の類はしていないし、動けば痛む程度でしかない。それも直に、我慢できる程度まで収まるだろう。
だがそれでも、痛みで悶絶している間にしんベエが追いつくくらいなら十分だ。
それほど大した怪我ではない。骨折や捻挫の類はしていないし、動けば痛む程度でしかない。それも直に、我慢できる程度まで収まるだろう。
だがそれでも、痛みで悶絶している間にしんベエが追いつくくらいなら十分だ。
「だ、大丈夫……?」
「平気だ、これくらい! 先生なん……」
「平気だ、これくらい! 先生なん……」
レベッカの言葉は、あっさりと爆音に遮られた。
目に入ってきたのは遠く離れていても視認できるほどの、爆発。
明らかに尋常な事態ではない。その割にあまり木々が吹き飛んでいないのが少し気になったが、
そんなことを考えている場合じゃないこと位、レベッカにだって分かる。
レベッカは魔導ボードにもう一度乗ろうとして……あきらめて、しまい込んだ。
衝撃のせいか、どうも調子がおかしくなっている。……なら、足を使うだけだ。
目に入ってきたのは遠く離れていても視認できるほどの、爆発。
明らかに尋常な事態ではない。その割にあまり木々が吹き飛んでいないのが少し気になったが、
そんなことを考えている場合じゃないこと位、レベッカにだって分かる。
レベッカは魔導ボードにもう一度乗ろうとして……あきらめて、しまい込んだ。
衝撃のせいか、どうも調子がおかしくなっている。……なら、足を使うだけだ。
「しょうがない、走っていくぞ!」
「…………ひ!」
「転んだ私がへこたれてないのにお前がへこたれてどーする!」
「じゃ、じゃなくて、あれ!」
「……?」
「…………ひ!」
「転んだ私がへこたれてないのにお前がへこたれてどーする!」
「じゃ、じゃなくて、あれ!」
「……?」
そうして走り出そうとしたレベッカの足を、指を刺したまま動かないしんベエの姿がとめた。
最初はバテて弱音でも吐いてるんだろうと思ったものの、それにしてはどうも様子がおかしい。
首を傾げながら、彼女もしんベエに釣られてその先を見て。
最初はバテて弱音でも吐いてるんだろうと思ったものの、それにしてはどうも様子がおかしい。
首を傾げながら、彼女もしんベエに釣られてその先を見て。
「う、うわ……!」
絶句しながら、思わず二、三歩引いていた。
その先にいたのは、一人の少女。
ただし――全身血まみれで地面に倒れたまま、彼女達に対してぴくりとも反応していないけど。
その先にいたのは、一人の少女。
ただし――全身血まみれで地面に倒れたまま、彼女達に対してぴくりとも反応していないけど。
「い、生きてる……のか?」
それでも教師としての矜持から、なんとかレベッカがその少女へと歩き出した。
あくまで、その少女を助けるために……そう、別にその人物を知っているから歩み寄っているのではない。
……運がよければどこかで見たことあるな、くらいは思えたかもしれない。だが如何せん状況が悪すぎた。
森という地形の中では落ちかかった陽は通らない上、レベッカが会った時とは服装が全くと言っていいほど違う。
そう――そのとき相手は、やたらと大きなコートで身を隠していたのだから。
あくまで、その少女を助けるために……そう、別にその人物を知っているから歩み寄っているのではない。
……運がよければどこかで見たことあるな、くらいは思えたかもしれない。だが如何せん状況が悪すぎた。
森という地形の中では落ちかかった陽は通らない上、レベッカが会った時とは服装が全くと言っていいほど違う。
そう――そのとき相手は、やたらと大きなコートで身を隠していたのだから。
※ ※ ※
少しだけ、遡った時のこと。
「……それ、ボクの服だ」
「へ?」
「へ?」
平地の片隅。
服を取り出した金糸雀に返ってきたのは、そんな言葉だった。
思わず金糸雀の脳裏に「ひとのものをとったらどろぼう!」というフレーズが走る。
この場合問題となるのは泥棒をしたことではなく、泥棒だと見なされることだが。
服を取り出した金糸雀に返ってきたのは、そんな言葉だった。
思わず金糸雀の脳裏に「ひとのものをとったらどろぼう!」というフレーズが走る。
この場合問題となるのは泥棒をしたことではなく、泥棒だと見なされることだが。
「とりあえず、ボクの服を持ってきてくれてありがとう。
だいぶ乾いてるみたいだし……」
だいぶ乾いてるみたいだし……」
金糸雀が混乱しているのを余所に、イエローはあっさりと服を受け取った。
もっとも、あまり空気を読めない金糸雀でも分かる。
なんで金糸雀がその服を持っているのか、気にしていないわけではない。とりあえず聞かなかっただけだ。
一応それはイエローがお人よしだという証であり、漬け込む隙だと考えれるのだが。
もっとも、あまり空気を読めない金糸雀でも分かる。
なんで金糸雀がその服を持っているのか、気にしていないわけではない。とりあえず聞かなかっただけだ。
一応それはイエローがお人よしだという証であり、漬け込む隙だと考えれるのだが。
(し、しくじっちゃったのかしら~!?)
そういったことを考えられず焦るだけなのが金糸雀である。
「それより……このまま野晒しだとかわいそうだと思うんだ。
ちゃんと埋めてあげたいんだけど……手伝ってくれないかな?」
「え……あ、服は?」
「どうせ汚れるだろうし、これが終わってから着替えるよ」
ちゃんと埋めてあげたいんだけど……手伝ってくれないかな?」
「え……あ、服は?」
「どうせ汚れるだろうし、これが終わってから着替えるよ」
そうして、ダイレクを使って穴を掘り始めるイエローの脇。
早速、金糸雀はその目をネスのランドセルへと向けていた。
早速、金糸雀はその目をネスのランドセルへと向けていた。
(荷物を探ってみるチャンスなのかしら!
掘るための物を探すっていう言い訳もできるかもしれないのかしら……)
掘るための物を探すっていう言い訳もできるかもしれないのかしら……)
そうして、ランドセルをこっそりと探り始めた数分後。
靴下のとんでもない匂いに卒倒しかけ、イエローに生温かい視線で見られる羽目になった金糸雀がいた。
靴下のとんでもない匂いに卒倒しかけ、イエローに生温かい視線で見られる羽目になった金糸雀がいた。
※ ※ ※
少し離れたところ。
一つの命が生死の狭間をさ迷っている脇で。
一つの命が生死の狭間をさ迷っている脇で。
「アナタ、いったい何様のつもりですの!?」
「私は私よ。早く服をよこしなさい」
「……あの」
『もう、気が散るから少し黙っててくださいです!』
「私は私よ。早く服をよこしなさい」
「……あの」
『もう、気が散るから少し黙っててくださいです!』
二人の少女が服を取り合っていた。
あまりに馬鹿らしいと言えばそうだけれど、割って入ろうとする人間は居ない。
当然と言えば当然で、桜とリインはそんなことより治癒に専念しているしプレセアはそんなことに反応する余裕なんてない。
あまりに馬鹿らしいと言えばそうだけれど、割って入ろうとする人間は居ない。
当然と言えば当然で、桜とリインはそんなことより治癒に専念しているしプレセアはそんなことに反応する余裕なんてない。
『私に、一つ提案があります』
ただし、それはあくまで人間の話。
あまりに馬鹿らしい争いを見かねたグラーフアイゼンが、一つ提案をした。
あまりに馬鹿らしい争いを見かねたグラーフアイゼンが、一つ提案をした。
『私なら、魔力で衣服を編み上げることもできますが』
「ふぅん。魔法の杖ってわけかしら?」
「金槌だと思いますわよ……ともかく!
そうと決まれば、私が服を渡す必要はありませんわね」
『…………』
「ふぅん。魔法の杖ってわけかしら?」
「金槌だと思いますわよ……ともかく!
そうと決まれば、私が服を渡す必要はありませんわね」
『…………』
間違いなく、グラーフアイゼンが人間だったら溜め息を吐いていただろう。
ともかくレミリアはプレセアの足元から金槌を拾い上げて、魔力を込め始めた。
ともかくレミリアはプレセアの足元から金槌を拾い上げて、魔力を込め始めた。
『あなたが思い浮かんだ姿に合わせれば、私が魔法でその衣服を編み上げます』
「魔法ね……」
「魔法ね……」
彼女が呟くと同時に、魔力が粒子へと変換されていく。
粒子は糸となり、布となり、輝きながら衣服を編みあげていく。
機械なんて比較にならない正確さと速さで、過程はあっさりと終わった。
粒子は糸となり、布となり、輝きながら衣服を編みあげていく。
機械なんて比較にならない正確さと速さで、過程はあっさりと終わった。
「……まぁ魔法だし、なるとしたらこんな感じかしら。それなりに気に入った」
『…………』
『…………』
そうして、パチュリー・ノーレッジが着ているものとそっくりな服を着たレミリアが言った言葉は、そんなもの。
露骨に上から目線で告げられては、さすがにグラーフアイゼンもいい気にはならない。
露骨に上から目線で告げられては、さすがにグラーフアイゼンもいい気にはならない。
……もっとも、ベルフラウにとってはそんなことはどうでもいい。
服を渡さずに済んだし、心配しなくてはいけないことは他に山ほどある……というより、
普通はそちらの心配をした方がいいのだが。
ともかく、他の場所へ視線を向けようとして。
服を渡さずに済んだし、心配しなくてはいけないことは他に山ほどある……というより、
普通はそちらの心配をした方がいいのだが。
ともかく、他の場所へ視線を向けようとして。
――木の影から、歪な笑みを浮かべた人形が現れるのを、見た。
※ ※ ※
墓と言うには貧相な土山に手を合わせて、イエローは立ち上がった。
シルフェのフードは首にスカーフのように巻きつけている。
一応、もう方針は決めてある。ここで躊躇っている暇はない。
シルフェのフードは首にスカーフのように巻きつけている。
一応、もう方針は決めてある。ここで躊躇っている暇はない。
「行こう。みんなを探さなきゃ」
「……か、かしら」
「……か、かしら」
そう言って森へ向けて歩き出したイエローの歩調と金糸雀のそれは全く違った。
イエローのそれが、するべきことを見つけた前の強い歩調……
あるいは悲しみから目を逸らすための後先省みない猛進であるのに対し、
金糸雀は周囲に目を向けがちな、隠れているような歩調だ。理由は単純。
イエローのそれが、するべきことを見つけた前の強い歩調……
あるいは悲しみから目を逸らすための後先省みない猛進であるのに対し、
金糸雀は周囲に目を向けがちな、隠れているような歩調だ。理由は単純。
(どうにかして、あの剣を奪えないかしら……)
ただ機会を窺っているだけ。歩調に出る辺り、彼女はものすごい正直なのだが……本人は全く気付いていない。
とはいえ、今の金糸雀がイエローから武器を力ずくで奪うのは不可能だというのは流石に彼女にも分かる。
となると、方法は一つ。交渉しかない。
イエローに続いて森へ足を踏み入れながら、金糸雀はあらかじめ考えたとおりの言葉を出した。
とはいえ、今の金糸雀がイエローから武器を力ずくで奪うのは不可能だというのは流石に彼女にも分かる。
となると、方法は一つ。交渉しかない。
イエローに続いて森へ足を踏み入れながら、金糸雀はあらかじめ考えたとおりの言葉を出した。
「い、イエロー」
「?」
「これを見てほしいのかしら」
「?」
「これを見てほしいのかしら」
そう言って金糸雀が取り出したのは、スケルトンめがね。
その表情はどこか自信ありげだ。
その表情はどこか自信ありげだ。
「この辺りは木が多くて誰かいるか分かりづらくて危ないけど、
これを使えば木をすり抜けて人を探せるのかしら」
「確かに暗くなってきてるけど……」
「そう!
だから、武器は敵を素早く発見できるカナが持ってた方がいいのかしら!」
これを使えば木をすり抜けて人を探せるのかしら」
「確かに暗くなってきてるけど……」
「そう!
だから、武器は敵を素早く発見できるカナが持ってた方がいいのかしら!」
これでも、彼女にとっては説得力のある論である。これでも。
決まった、と金糸雀が思った1.5秒後。
決まった、と金糸雀が思った1.5秒後。
「……君の気持ちはありがたいけど、ならそのメガネをボクが持った方がいいんじゃないかな?」
「……う」
「……う」
あっさり返された。
「で、でもほらカナの方が扱い慣れてる、し……!?」
それでも、なんとか苦し紛れに交渉を続けようとして、金糸雀はスケルトンめがねをかけて。
――見えたのは、光弾を受けている雛苺の姿。
※ ※ ※
日がまだ落ちたわけでもないのに、空気が凍りついていく。
そうさせたのは、まるで従者のように脇に人形を従えた小さな人形。
所詮は人形。けれど、二つも生首を持ち歩くような人形は普通とは言えない。
明らかに異様なその光景に、ベルフラウも桜も動きを止める中。
ただ、レミリアだけが声を上げた。
そうさせたのは、まるで従者のように脇に人形を従えた小さな人形。
所詮は人形。けれど、二つも生首を持ち歩くような人形は普通とは言えない。
明らかに異様なその光景に、ベルフラウも桜も動きを止める中。
ただ、レミリアだけが声を上げた。
「何か用?」
「ヒナはね、皆と一緒に遊べるようにするために頑張ってるの♪」
「遊ぶ、ね。まあ楽しいに越したことはないけど」
「うん、そう。だから……」
「ヒナはね、皆と一緒に遊べるようにするために頑張ってるの♪」
「遊ぶ、ね。まあ楽しいに越したことはないけど」
「うん、そう。だから……」
雛苺が告げると同時に、凍りついた空気が変わる。
不確かだった空気が、危機という形を具現化していき。
不確かだった空気が、危機という形を具現化していき。
「――アリスゲームを、始めるの♪」
赤い薔薇が、舞った。
桜もベルフラウも、ほとんど思考が止まっていた。
だから、レミリアがそれを撃ち落とすことになったのは自然な成り行きだ。
そのまま彼女は鏡を入れた自分のランドセルをベルフラウに投げつけて、告げた。
桜もベルフラウも、ほとんど思考が止まっていた。
だから、レミリアがそれを撃ち落とすことになったのは自然な成り行きだ。
そのまま彼女は鏡を入れた自分のランドセルをベルフラウに投げつけて、告げた。
「これを持ってさっさと逃げ出しなさい。壊れるとまずいから。
そうね……城に行って待ってくれてれば助かる」
「な! 私だってたたか――」
「足手まといは三人もいらない」
そうね……城に行って待ってくれてれば助かる」
「な! 私だってたたか――」
「足手まといは三人もいらない」
レミリアに、反論を許す気はない。
もっともこれ以上なく高圧的ではあるが、レミリアの言う事は客観的には正しい。
プレセアは動かせるような状態ではないし、桜も動く気はないだろう。
だから、結局ベルフラウは走り出した。レミリアに対して好印象を持ったかと言えば絶対にノーだが。
もちろん、雛苺だってむざむざ見逃す理由はない。
従者に追撃させようとして――
もっともこれ以上なく高圧的ではあるが、レミリアの言う事は客観的には正しい。
プレセアは動かせるような状態ではないし、桜も動く気はないだろう。
だから、結局ベルフラウは走り出した。レミリアに対して好印象を持ったかと言えば絶対にノーだが。
もちろん、雛苺だってむざむざ見逃す理由はない。
従者に追撃させようとして――
「ジャコ。追いかけて」
「その前に、お前は私と遊ぶの」
「その前に、お前は私と遊ぶの」
紅い弾幕の前に、その行動を阻まれた。
※ ※ ※
スケルトンめがねを使っても、透視できないものはある。例えば、レミリアが撃ち出した魔弾とか。
金糸雀が雛苺を視認できたのは一瞬だけ。それでも、雛苺がそこにいたこと「だけ」はしっかりと確認できた。
金糸雀が雛苺を視認できたのは一瞬だけ。それでも、雛苺がそこにいたこと「だけ」はしっかりと確認できた。
「あわ、あわわわわわ……」
「……どうしたの?」
「……どうしたの?」
完全に予想外の事態だ(もっとも、金糸雀の予想通りに運んだことなんてほとんどないが)。
混乱したときの金糸雀は、卵焼き以上に大甘な思考さえしないで行動するのが常である。
混乱したときの金糸雀は、卵焼き以上に大甘な思考さえしないで行動するのが常である。
「雛苺が襲われて……!」
「君の友達?」
「そう!」
「君の友達?」
「そう!」
そうして我に返ったのは、イエローの言葉に馬鹿正直に答えてから。
金糸雀としてはなんとか雛苺を助けてもらいたいけれど。
金糸雀としてはなんとか雛苺を助けてもらいたいけれど。
「えっと、その……!
雛苺は……いい子で……その、えっと……」
雛苺は……いい子で……その、えっと……」
金糸雀的に説得力がありそうな論が、全く思いつかない。
それでもなんとかして、助けないといけないのだ。だって、同じドールなんだから。
それでもなんとかして、助けないといけないのだ。だって、同じドールなんだから。
「ともかく! 雛苺を助けることはイエローにとっても、いいことで……」
「もういいよ」
「……え?」
「もういいよ」
「……え?」
もうほとんど自棄になって叫んだ金糸雀に、イエローが返した言葉はそれだけ。
思わず一瞬、ダメかと諦めかけて。
思わず一瞬、ダメかと諦めかけて。
「……その人形は君の友達なんだよね? なら、助けなきゃ。
嘘なんかじゃなく君が本気で、必死になって助けたがってるのはボクにも分かるよ」
嘘なんかじゃなく君が本気で、必死になって助けたがってるのはボクにも分かるよ」
そこでやっと、金糸雀はイエローの表情に気付いた。
そう。
結局、イエローは金糸雀の意図なんてお見通しだったのだ。
そして、元々イエローは大人しい性格だし、苛烈に人に当たるような性格ではない。
金糸雀があまりにも駄目すぎて……逆に自分がなんとかしてあげようと、思うくらいに。
呆然としている金糸雀からイエローはめがねを借りて、戦場の観察を開始した。
そう。
結局、イエローは金糸雀の意図なんてお見通しだったのだ。
そして、元々イエローは大人しい性格だし、苛烈に人に当たるような性格ではない。
金糸雀があまりにも駄目すぎて……逆に自分がなんとかしてあげようと、思うくらいに。
呆然としている金糸雀からイエローはめがねを借りて、戦場の観察を開始した。
「君の友達は見えない……あそこにいる紫色の髪の子は危ない。今は動けないみたいだ。
戦ってる青い髪の子はもっと危ないかもしれない。
できるだけどっちにも怪我がないように……でも……」
戦ってる青い髪の子はもっと危ないかもしれない。
できるだけどっちにも怪我がないように……でも……」
そうして呟くイエローの表情には、迷いがある。
彼女がお見通しだったのは、金糸雀についてだけ。金糸雀に至っては何も分かってはいない。
イエローにせよ金糸雀にせよ、見たのが戦闘中だったのが不幸だった。
レミリアが弾幕を展開しているせいで、スケルトンめがねを使っても詳しい様子が見えなかったのだ。
彼女がお見通しだったのは、金糸雀についてだけ。金糸雀に至っては何も分かってはいない。
イエローにせよ金糸雀にせよ、見たのが戦闘中だったのが不幸だった。
レミリアが弾幕を展開しているせいで、スケルトンめがねを使っても詳しい様子が見えなかったのだ。
例えば……雛苺がジャコに何を括り付けているかということに、金糸雀もイエローも気付いていない。
いや、そもそも。ジャコがどちら側の陣営かという事さえ、まだ分かってはいない。
当然、雛苺の今の状態にも。
いや、そもそも。ジャコがどちら側の陣営かという事さえ、まだ分かってはいない。
当然、雛苺の今の状態にも。
そして更に、本来ならイエローという少女はできるだけどちらにも怪我がないように立ち回るけれど。
ここまでの経験が、そんな行動様式に対して疑問を持たせてしまっている――
ここまでの経験が、そんな行動様式に対して疑問を持たせてしまっている――
※ ※ ※
戦況は、負傷者二人というハンデを負っているにも関わらず圧倒的にレミリアが優勢だった。
今まで暴れ続けてスタミナ切れ寸前の雛苺と、余裕綽々のレミリア。
ジャコの動きは明らかに鈍くなっており、雛苺には遠距離戦の経験が不足している。
それならそれでさっさとケリをつけてしまえばいいのだが、レミリアはそうしようとはしない。
この辺りも金糸雀やイエローが勘違いした原因だろう。
さすがに見咎めたのか、苛立ったようにグラーフアイゼンが声を上げた。
今まで暴れ続けてスタミナ切れ寸前の雛苺と、余裕綽々のレミリア。
ジャコの動きは明らかに鈍くなっており、雛苺には遠距離戦の経験が不足している。
それならそれでさっさとケリをつけてしまえばいいのだが、レミリアはそうしようとはしない。
この辺りも金糸雀やイエローが勘違いした原因だろう。
さすがに見咎めたのか、苛立ったようにグラーフアイゼンが声を上げた。
『敵を排除するなら、私を使えばもっとスムーズにできますが』
「これはあくまで『弾幕ごっこ』よ。
それに、遊びたいってせがんだのはあの人形」
『その場合も、私を使えば殺さずかつ効率よく相手を取り押さえることも……』
「お前は服を作っていればいいの。私は私の基準で遊ぶし、加減も私の基準で私がやる」
「これはあくまで『弾幕ごっこ』よ。
それに、遊びたいってせがんだのはあの人形」
『その場合も、私を使えば殺さずかつ効率よく相手を取り押さえることも……』
「お前は服を作っていればいいの。私は私の基準で遊ぶし、加減も私の基準で私がやる」
返ってきた命令はそんなもの。
それが当たり前だと言わんばかりの口調に、グラーフアイゼンは閉口するしかない。
そのまま、レミリアは周囲に生えてきた蔓をあっさりとグラーフアイゼンで切り払う。
厄介と言えば厄介だ。締め付けられる前に払っているとはいえ、払わされているのは確か。
それにレミリアだけではなく、桜やプレセアも攻撃対象に入っている。
怪我の関係上むしろそちらを優先して刈り取っているが、余計な動きをさせられているのには変わらない。
とは言っても、あえて彼女が雛苺に近接戦を挑まないのはそんな理由からではない。
そもそも、蔓を避けたいなら飛べばいいだけだ。
それをしないのはもっと単純な理由……ただ、遊んでいるから。
それが当たり前だと言わんばかりの口調に、グラーフアイゼンは閉口するしかない。
そのまま、レミリアは周囲に生えてきた蔓をあっさりとグラーフアイゼンで切り払う。
厄介と言えば厄介だ。締め付けられる前に払っているとはいえ、払わされているのは確か。
それにレミリアだけではなく、桜やプレセアも攻撃対象に入っている。
怪我の関係上むしろそちらを優先して刈り取っているが、余計な動きをさせられているのには変わらない。
とは言っても、あえて彼女が雛苺に近接戦を挑まないのはそんな理由からではない。
そもそも、蔓を避けたいなら飛べばいいだけだ。
それをしないのはもっと単純な理由……ただ、遊んでいるから。
「二番目――秘符『千本の針の山』」
紅い魔弾が芸術を紡ぐ。場合によっては血の雨を降らせかねない芸術を。
それでもジャコなら、雛苺を乗せて回避運動を取ることは十分に可能だ。
だが、ジャコはそれをしない。理由は単純、エネルギー切れだ。
ジャコが吹っ飛ばされて見えなくなったのは、雛苺にとってむしろ幸運だったろう。
自分自身はまだなんとか能力を行使できる段階で、ジャコに力を注ぐことをやめる踏ん切りがついて。
それでもジャコなら、雛苺を乗せて回避運動を取ることは十分に可能だ。
だが、ジャコはそれをしない。理由は単純、エネルギー切れだ。
ジャコが吹っ飛ばされて見えなくなったのは、雛苺にとってむしろ幸運だったろう。
自分自身はまだなんとか能力を行使できる段階で、ジャコに力を注ぐことをやめる踏ん切りがついて。
(いい? 作戦通りにするんだ)
(か、かしら)
(か、かしら)
イエローも金糸雀も、雛苺の狂気の象徴に気付かずに済んだ。
レミリアの後方、木々に隠れていた二人は、作戦通り動き出す。
イエローはダイレクを従えて全力疾走、金糸雀はこちょこちょ手袋を持ってこっそりと。
イエローの方は、危険でしかも不意打ちというには穴だらけの策としか言いようがない。
自分は一撃入れられればいい方……けれどそれさえこれ以上なく甘い判断だという事は、
提案したイエロー自身がよく分かっていた。
レミリアの後方、木々に隠れていた二人は、作戦通り動き出す。
イエローはダイレクを従えて全力疾走、金糸雀はこちょこちょ手袋を持ってこっそりと。
イエローの方は、危険でしかも不意打ちというには穴だらけの策としか言いようがない。
自分は一撃入れられればいい方……けれどそれさえこれ以上なく甘い判断だという事は、
提案したイエロー自身がよく分かっていた。
『さくらちゃん!』
「……ふぅん、お前も遊んでくれるわけ?」
「う……!」
「……ふぅん、お前も遊んでくれるわけ?」
「う……!」
案の定レミリアどころかリインにさえあっさりと感づかれ、慌ててイエローは足を止める。
もっとも、これは想定内だ。イエロー自身はあくまで囮。
だから、まだイエローには周囲を冷静に見渡せる余裕があった。
……雛苺の表情に気付ける程度の、余裕は。
もっとも、これは想定内だ。イエロー自身はあくまで囮。
だから、まだイエローには周囲を冷静に見渡せる余裕があった。
……雛苺の表情に気付ける程度の、余裕は。
(あの子が……友達? なんだろう、あの目)
ポケモントレーナーだからこそ分かる、明らかな異常。
けれど、イエローがそれについて答えを出す前に、既に金糸雀が行動を起こしていた。
イエローに目が向いているうちに、金糸雀がこっそりとプレセアに接近する。
できるだけ気付かれないように、慎重に。目指すのは半径5m。
けれど、イエローがそれについて答えを出す前に、既に金糸雀が行動を起こしていた。
イエローに目が向いているうちに、金糸雀がこっそりとプレセアに接近する。
できるだけ気付かれないように、慎重に。目指すのは半径5m。
――プレセアほどの重傷なら、くすぐるだけでも傷は一気に悪化する。
一回くすぐってみれば脅しとしてはこれ以上なく有効のはず、そうイエローは金糸雀に言ったのだ。
(よし、あとちょっとなのかしら……!)
そう、金糸雀がほくそ笑みかけた瞬間。
「なら……三人まとめて戯れようか?」
「!?」
「!?」
手をかざして、レミリアは宣言した。
「魔符『全世界ナイトメア』」
名は体を示す。
その弾幕は文字通りに、全方位に悪夢をばら撒いた。
その弾幕は文字通りに、全方位に悪夢をばら撒いた。
『な……!』
「ちょ、ちょっと!」
「ちょ、ちょっと!」
慌ててリインと桜が非難の声を上げたが、一応この二人には当たらないようにレミリアは調節していた。
もっとも、彼女が敵とした見なした三人――正確には一人と二体には何の調節も加減もない。
当然一番被害を受けるのは接近していたイエローだ。
かろうじてシルフェのフード(今はスカーフだが)がイエローに向かう魔弾を逸らすものの、
その布地を魔弾が掠めるたびに、その力はどんどん弱まっていく。
もっとも、彼女が敵とした見なした三人――正確には一人と二体には何の調節も加減もない。
当然一番被害を受けるのは接近していたイエローだ。
かろうじてシルフェのフード(今はスカーフだが)がイエローに向かう魔弾を逸らすものの、
その布地を魔弾が掠めるたびに、その力はどんどん弱まっていく。
「な、なんとかしないと、なんとか……ってきゃー!?」
混乱して右往左往する金糸雀の傍に、容赦なく魔弾が着弾する。更に。
「リインちゃん!」
『ブラッディダガー!』
「ひっ!?」
『ブラッディダガー!』
「ひっ!?」
プレセアの状態が安定し始めたのか、治癒途中で襲われるより先に倒した方がいいと思ったのか。
水色の短剣が金糸雀を追撃する。僅か2,3本とは言え、その弾速は驚異的だ。
金糸雀が避けられたのも、レミリアの弾幕に反応していたらたまたま外れたのに過ぎない。
水色の短剣が金糸雀を追撃する。僅か2,3本とは言え、その弾速は驚異的だ。
金糸雀が避けられたのも、レミリアの弾幕に反応していたらたまたま外れたのに過ぎない。
『ちゃんとこっちに合わせて下さい! さくらちゃんの魔力、残り少ないんですよ!?』
「後から攻撃し始めたのはお前達よ。私に合わせなさい」
「リインちゃん、私は大丈夫だから……」
「後から攻撃し始めたのはお前達よ。私に合わせなさい」
「リインちゃん、私は大丈夫だから……」
ほんの一瞬だった。
レミリアと桜達が言い争った瞬間。
その隙に、金糸雀は慌てて近くに落ちていたランドセルに走り寄った。
せめて、何か武器が入っていないかと思って。
レミリアと桜達が言い争った瞬間。
その隙に、金糸雀は慌てて近くに落ちていたランドセルに走り寄った。
せめて、何か武器が入っていないかと思って。
そのランドセルは、ご褒美のものだった。鏡を取り出して使ってから、放置されていた物。
鏡の存在、重傷のプレセア重傷に雛苺の襲撃。誰しもがその存在を忘れていた物だ。
ベルフラウは他に何か入っていたのに気付いていたかもしれないが、彼女はここにはいない。
鏡の存在、重傷のプレセア重傷に雛苺の襲撃。誰しもがその存在を忘れていた物だ。
ベルフラウは他に何か入っていたのに気付いていたかもしれないが、彼女はここにはいない。
「な、何かないかしら……!」
手で探る余裕なんてない。ランドセルを文字通りひっくり返して、金糸雀は中の物を取り出した。
そうして、出てきたのは。ランドセルの口よりはるかに大きい、顔が付いた岩だった。
そうして、出てきたのは。ランドセルの口よりはるかに大きい、顔が付いた岩だった。
「……は?」
あまりのことに、金糸雀は口を開けることくらいしかできない。
もっとも、驚いたのは他の面子も同じだ。
ランドセルから出てくるにしては巨大な物体。しかも、目を見る限り生きている。
周囲の視線を集めた状態で……岩は何をするでもなく、笑った。
もっとも、驚いたのは他の面子も同じだ。
ランドセルから出てくるにしては巨大な物体。しかも、目を見る限り生きている。
周囲の視線を集めた状態で……岩は何をするでもなく、笑った。
「ちょ、ちょっと! カナが出してあげたんだから、なんとかしてくれてもいいんじゃないかしら!」
思わず金糸雀は憤慨したものの、岩は動かない。そもそも動くように作られていないのだから。
例えジェダが命じたとしても、この岩が動くことはないだろう。
それでもう、レミリアは岩への興味をなくした。
例えジェダが命じたとしても、この岩が動くことはないだろう。
それでもう、レミリアは岩への興味をなくした。
「……それなら、それでいいけど」
レミリアが呟くと共に、再び弾幕が展開される。慌てて、金糸雀は岩の後ろに隠れた。
数発が岩に当たったが、岩は微動だにしない。どうやら予想以上に硬いらしい。
数発が岩に当たったが、岩は微動だにしない。どうやら予想以上に硬いらしい。
「――やっぱり、目障りね」
動かない相手に弾幕ごっこを仕掛けても意味がない。
さっさと岩を排除するべく、全ての弾を岩へと集中することにした。
さっさと岩を排除するべく、全ての弾を岩へと集中することにした。
※ ※ ※
ばくだんいわ。
このモンスターの起源として、ある世界で通説となっているものがある。
それはとある魔王が、侵入者を道連れに作り上げた魔物であるという説。
事実、このモンスターは何も動きはしない。ただ相手を笑って見ているだけだ。
このモンスターが持つ意志はたった一つ。攻撃してきたものに対し、ある一つの魔法を唱えることのみである。
このモンスターの起源として、ある世界で通説となっているものがある。
それはとある魔王が、侵入者を道連れに作り上げた魔物であるという説。
事実、このモンスターは何も動きはしない。ただ相手を笑って見ているだけだ。
このモンスターが持つ意志はたった一つ。攻撃してきたものに対し、ある一つの魔法を唱えることのみである。
――いかなる者でさえ粉砕される……最悪の呪文を。
「メ、ガ、ン、テ」
※ ※ ※
……そうして。時と場面は現在に至る。
メガンテで派手に吹っ飛ばされたレミリアは、それでもなんとか生きていた。
それでも体中は血だらけで、文字通り精根尽き果てている状態で、だけれど。
つまり……地面に叩きつけられて血液を撒き散らし、レベッカ達に怖がられている状況だ。
それでも、レベッカはなんとかレミリアのすぐ近くまで歩み寄っていく。
いくら暗くても、近くにいればきっと見える。けれど、レミリアだと気付く前に、
メガンテで派手に吹っ飛ばされたレミリアは、それでもなんとか生きていた。
それでも体中は血だらけで、文字通り精根尽き果てている状態で、だけれど。
つまり……地面に叩きつけられて血液を撒き散らし、レベッカ達に怖がられている状況だ。
それでも、レベッカはなんとかレミリアのすぐ近くまで歩み寄っていく。
いくら暗くても、近くにいればきっと見える。けれど、レミリアだと気付く前に、
「う、うわ!?」
「…………」
「…………」
抱きつかれていた。それも、痛々しいくらいに。
レベッカの声が上ずる。少なくとも、この抱擁は友好的なものだとは思えない。
捕まれたレベッカの肩からは血が滲んでいるし……何より、紅い目に何か尋常でないものを彼女を感じ取っていた。
ここまで接近している以上、レベッカが平常心を保っていれば気付けたかもしれない。
だが、こんな状況で平常心を保てるはずもなく。レベッカは震えながら声を出すことしかできなくて。
レベッカの声が上ずる。少なくとも、この抱擁は友好的なものだとは思えない。
捕まれたレベッカの肩からは血が滲んでいるし……何より、紅い目に何か尋常でないものを彼女を感じ取っていた。
ここまで接近している以上、レベッカが平常心を保っていれば気付けたかもしれない。
だが、こんな状況で平常心を保てるはずもなく。レベッカは震えながら声を出すことしかできなくて。
「い、いったい、何を……?」
「……血が」
「へ……血?」
「……血が」
「へ……血?」
レミリアにも、相手を気遣う余裕なんてなかった。
「血が、足りない」
吸血鬼が、レベッカの喉に噛み付く。
レベッカの悲鳴は、声にならずに消えた。悲鳴を出す余裕さえ、恐怖に塗りつぶされて消えた。
普段のレミリアならすぐに終わったかもしれない。
けれど今のレミリアには、少なくとも普通の吸血鬼並みに血が必要だった。
それでもやはり、吸う血は零れていく。
だから吸血行為は長引き、零れる血も増え、その光景を更に凄惨なものとしてしまって。
レベッカの悲鳴は、声にならずに消えた。悲鳴を出す余裕さえ、恐怖に塗りつぶされて消えた。
普段のレミリアならすぐに終わったかもしれない。
けれど今のレミリアには、少なくとも普通の吸血鬼並みに血が必要だった。
それでもやはり、吸う血は零れていく。
だから吸血行為は長引き、零れる血も増え、その光景を更に凄惨なものとしてしまって。
「う、うわーん!」
「こ、こら、待て、見捨てるなあ!」
「こ、こら、待て、見捨てるなあ!」
耐え切れず、しんベエはその場から逃げ出していた。
それでもしんべえが悲鳴を上げたことでレベッカも自失状態から立ち直れたのか、
慌てて腕に力を込めてレミリアを突き飛ばした。
本来、レベッカ程度の腕力でレミリアを引き剥がすことなんてできない。
けれど、レベッカが見ただけで怖がるほど血まみれだったということは……
それくらい、レミリアの体はボロボロだということだ。
あっさりレミリアは引き剥がされて地面に倒れこみ、レベッカはといえばしんベエを追ってふらつきながら森の中へと消えていく。
言うまでもなく、レミリアの状態は全快と言うには程遠い。
そもそもレベッカの失血量に比べると、レミリアが吸えた量は明らかに少ない。
それでもしんべえが悲鳴を上げたことでレベッカも自失状態から立ち直れたのか、
慌てて腕に力を込めてレミリアを突き飛ばした。
本来、レベッカ程度の腕力でレミリアを引き剥がすことなんてできない。
けれど、レベッカが見ただけで怖がるほど血まみれだったということは……
それくらい、レミリアの体はボロボロだということだ。
あっさりレミリアは引き剥がされて地面に倒れこみ、レベッカはといえばしんベエを追ってふらつきながら森の中へと消えていく。
言うまでもなく、レミリアの状態は全快と言うには程遠い。
そもそもレベッカの失血量に比べると、レミリアが吸えた量は明らかに少ない。
「ま、ったく、本当、吸血鬼って、病弱、ね」
それでも、血を吸ったことで大分マシになったのか。なんとか姿勢を直して木に寄りかかる位はできた。
……けれど、この状態では万全どころか五割の力も出せないだろう。
……けれど、この状態では万全どころか五割の力も出せないだろう。
「……この味、B型、かな。好物の血で、助かった」
名残惜しげに、自分の指とそれに付いた血を舐める。
視界には、どんどん城から離れていくしんベエとそれを追うレベッカの姿しか見えない。
パニック状態で、自分がどこへ向かっているのか分かっていないのだろう。
……もっともさっきまでのことを鑑みれば、レミリアも人のことは言えない。
ここまで吹き飛ばされてから血を吸うまでは、まともに思考する余裕さえなかった。
視界には、どんどん城から離れていくしんベエとそれを追うレベッカの姿しか見えない。
パニック状態で、自分がどこへ向かっているのか分かっていないのだろう。
……もっともさっきまでのことを鑑みれば、レミリアも人のことは言えない。
ここまで吹き飛ばされてから血を吸うまでは、まともに思考する余裕さえなかった。
(攻撃したら、爆発する岩か……考えたこと、なかった)
今はせめて、なんとかまともに動き始めた思考を体の代わりに動かす。
撃ったら無条件敗北が確定する岩。幻想郷でそんな物を使ったら確実に顰蹙を買うに決まってる、間違いなく。
……舐めていたのはレミリア自身も認める。
所詮幻想郷でやっていた弾幕ごっこの延長で十分、なんて思った結果がこのザマだ。
相手を殺さずに取り押さえるにはいいかもしれないが、
こう追いこまれては殺していい相手にまで弾幕ごっこをしてやる義理はない。
撃ったら無条件敗北が確定する岩。幻想郷でそんな物を使ったら確実に顰蹙を買うに決まってる、間違いなく。
……舐めていたのはレミリア自身も認める。
所詮幻想郷でやっていた弾幕ごっこの延長で十分、なんて思った結果がこのザマだ。
相手を殺さずに取り押さえるにはいいかもしれないが、
こう追いこまれては殺していい相手にまで弾幕ごっこをしてやる義理はない。
(……次は本気で返すわ、ガラクタ人形)
日が落ちて、月が昇る。それは、吸血鬼の時間を示す証。
復讐に燃える吸血鬼の紅い瞳に……道具が口を挟める余地など存在しなかった。
復讐に燃える吸血鬼の紅い瞳に……道具が口を挟める余地など存在しなかった。
【E-4北部/川岸/1日目/夕方・放送直前】
【レミリア・スカーレット@東方Project】
[状態]:魔力消費(大)全身への魔力ダメージ(大・自然治癒中)
[装備]:飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心、グラーフアイゼン(ハンマーフォルム)@魔法少女リリカルなのはA’s
[道具]:なし
[服装]:バリアジャケット・パチュリーフォーム
[思考]:傷を……治さないと……
1:ともかく動かずに夜を待つ。
2:フランを探したいけど……福富しんべヱに浄瑠璃の鏡を使えそうにない。
3:B型なんて贅沢は言わないからもっと血が欲しい。
4:あのガラクタ人形二体&イエローに相応の対価をプレゼント。というか殺す。
5:爆薬で加速の実験をするような状況じゃない。
基本:フランを捜す。ジェダは気にくわない。少しは慎重に、しかし大胆に。
殺すべき相手は遊ばずに殺す。ただし仕返しの場合は苦しめてやりたいとは思う。
※フランドールに関する情報、
『紙の束』『赤い宝石』『レイジングハートと遊ぶ』『喋る杖』『貴女自身の魔法、スペルカードを使ってください』『仮面の女』
を手に入れました。
※グラーフアイゼンはレミリアをあまり好いてはいません。
【レミリア・スカーレット@東方Project】
[状態]:魔力消費(大)全身への魔力ダメージ(大・自然治癒中)
[装備]:飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心、グラーフアイゼン(ハンマーフォルム)@魔法少女リリカルなのはA’s
[道具]:なし
[服装]:バリアジャケット・パチュリーフォーム
[思考]:傷を……治さないと……
1:ともかく動かずに夜を待つ。
2:フランを探したいけど……福富しんべヱに浄瑠璃の鏡を使えそうにない。
3:B型なんて贅沢は言わないからもっと血が欲しい。
4:あのガラクタ人形二体&イエローに相応の対価をプレゼント。というか殺す。
5:爆薬で加速の実験をするような状況じゃない。
基本:フランを捜す。ジェダは気にくわない。少しは慎重に、しかし大胆に。
殺すべき相手は遊ばずに殺す。ただし仕返しの場合は苦しめてやりたいとは思う。
※フランドールに関する情報、
『紙の束』『赤い宝石』『レイジングハートと遊ぶ』『喋る杖』『貴女自身の魔法、スペルカードを使ってください』『仮面の女』
を手に入れました。
※グラーフアイゼンはレミリアをあまり好いてはいません。
【E-4西部/1日目/夕方・放送直前】
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:背中に裂傷(応急処置済)、疲労(大)、血を吸われて貧血気味、右ひざ打撲、パニック状態
[服装]:普段通りの服と白衣姿
[装備]:木刀@銀魂、魔導ボード@魔法陣グルグル!(故障している可能性有り)
[道具]:支給品二式、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
[思考]:まずい、なんかふらふらする……
第一行動方針:とにかく逃げる、あとしんベエに追いつく。
第ニ行動方針:殺し合いのゲームに乗っている奴がいたら、ぶっ飛ばす。
第三行動方針:後で改めて湖底都市を探索する
基本行動方針:主催者の打倒。
参加時期:小学校事件が終わった後
※パニック状態のため、あれがレミリアだと気付いていません。
ただ、落ち着けばあれがレミリアだと気付くことは十分にありえます。
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:背中に裂傷(応急処置済)、疲労(大)、血を吸われて貧血気味、右ひざ打撲、パニック状態
[服装]:普段通りの服と白衣姿
[装備]:木刀@銀魂、魔導ボード@魔法陣グルグル!(故障している可能性有り)
[道具]:支給品二式、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
[思考]:まずい、なんかふらふらする……
第一行動方針:とにかく逃げる、あとしんベエに追いつく。
第ニ行動方針:殺し合いのゲームに乗っている奴がいたら、ぶっ飛ばす。
第三行動方針:後で改めて湖底都市を探索する
基本行動方針:主催者の打倒。
参加時期:小学校事件が終わった後
※パニック状態のため、あれがレミリアだと気付いていません。
ただ、落ち着けばあれがレミリアだと気付くことは十分にありえます。
【福富しんべヱ@落第忍者乱太郎】
[状態]:体のあちこちに軽い傷、疲労(大)、びしょぬれ、パニック状態。
[装備]:なし
[道具]:ヒラリマント(チョンマゲに纏わりつくように引っかかっている)
[思考]:ともかく逃げる。
[備考]:
[状態]:体のあちこちに軽い傷、疲労(大)、びしょぬれ、パニック状態。
[装備]:なし
[道具]:ヒラリマント(チョンマゲに纏わりつくように引っかかっている)
[思考]:ともかく逃げる。
[備考]:
- 凶暴化は一旦治った後、何かのきっかけでフラッシュバックのように再発した例も報告されています。
- 体力消費が激しいため、いつ気絶してもおかしくない状態です。
- パニック状態のため、あれがレミリアだと気付いていません。
ただ、落ち着けばあれがレミリアだと気付くことは十分にありえます。
※ ※ ※
「はあ、はぁ、これで、いい、のかしら……」
息を切らせながら、金糸雀は気絶したイエローを木陰の窪みに押し込んだ。
もうすぐ夜。少なくとも、隠れることくらいならできるはずだ。
もうすぐ夜。少なくとも、隠れることくらいならできるはずだ。
「……にしても、どうしてカナに怪我がないのかしら。
イエローにもあんまり怪我はないし……」
イエローにもあんまり怪我はないし……」
思わず、金糸雀は首を捻っていたが……もっとも種を明かせば単純な話だ。
メガンテは味方と見なされたパーティには効かない、それだけの話。
そしてばくだんいわはジェダの手により、イリヤをマスターとするように仕込まれている。
イリヤが死んでからもそれは変わらない。ばくだんいわが生きている以上、パーティが全滅したわけではないからだ。
レミリア達が敵と見なされたために金糸雀とイエロー、雛苺はイリヤのパーティと見なされ、メガンテの対象から外された。
イエローが気絶したのは、ただ単にその前に受けていたレミリアの魔弾が原因だ。
もっとも怪我がなくても吹き飛ばされたのは変わらないので、結局雛苺とははぐれてしまったのだけれど。
メガンテは味方と見なされたパーティには効かない、それだけの話。
そしてばくだんいわはジェダの手により、イリヤをマスターとするように仕込まれている。
イリヤが死んでからもそれは変わらない。ばくだんいわが生きている以上、パーティが全滅したわけではないからだ。
レミリア達が敵と見なされたために金糸雀とイエロー、雛苺はイリヤのパーティと見なされ、メガンテの対象から外された。
イエローが気絶したのは、ただ単にその前に受けていたレミリアの魔弾が原因だ。
もっとも怪我がなくても吹き飛ばされたのは変わらないので、結局雛苺とははぐれてしまったのだけれど。
「ともかく、使える荷物は取り出しておかないと……!」
息を切らせながら、金糸雀は荷物の整理にかかる。
イエローの装備を片っ端から押し込んでランドセルに入れて戦場から逃げ出したので
(なぜか知らないが、ランドセルに入れると重量を感じなくなるようだった)、
いざという時手元にないと困るまでランドセルに押し込んでいたのだ。
イエローの装備を片っ端から押し込んでランドセルに入れて戦場から逃げ出したので
(なぜか知らないが、ランドセルに入れると重量を感じなくなるようだった)、
いざという時手元にないと困るまでランドセルに押し込んでいたのだ。
「まず、剣に……このフード、もう駄目かしら。
コインとグローブは……とりあえず出して、と」
コインとグローブは……とりあえず出して、と」
ひとまずランドセルからイエローがつけていたものをひとしきり出した後、
金糸雀はフードだけ廃棄してあとはイエローに返すことにした。
ある意味これは大チャンスなのだが……疲れきった金糸雀の頭はそんなことには少しも気付かない。
大きく溜め息を吐きながらその場に寝転がって……ばくだんいわが入っていたランドセルも持ってきたことを思い出した。
金糸雀はフードだけ廃棄してあとはイエローに返すことにした。
ある意味これは大チャンスなのだが……疲れきった金糸雀の頭はそんなことには少しも気付かない。
大きく溜め息を吐きながらその場に寝転がって……ばくだんいわが入っていたランドセルも持ってきたことを思い出した。
(まだ何か入ってる……の、かしら?)
だるそうに寝たままランドセルをひっくり返した金糸雀は、息を呑んだ。
出てきたのは、小さな如雨露。人間が使うには小さいけれど、金糸雀のような人形が使うにはぴったりの。
出てきたのは、小さな如雨露。人間が使うには小さいけれど、金糸雀のような人形が使うにはぴったりの。
「……翠星石」
紛れもなく、彼女の姉妹が使っていたものだ。
金糸雀が守ろうとした……雛苺と同じ、ドールのもの。
思わず、金糸雀は俯いていた。
金糸雀が守ろうとした……雛苺と同じ、ドールのもの。
思わず、金糸雀は俯いていた。
「カナ、どうすればいいのかしら……」
彼女は知らない。彼女の思いは、無辜の犠牲から成り立っていることに。
罪もない相手を、誤解から踏みにじったことに。
本当に間違っているのは、金糸雀だったことに。
罪もない相手を、誤解から踏みにじったことに。
本当に間違っているのは、金糸雀だったことに。
だから。
木影から彼女達が狙われているのも、当前の成り行きだった。
木影から彼女達が狙われているのも、当前の成り行きだった。
※ ※ ※
結論から言えば、ベルフラウは城に行かなかった。
いや、行けなかった。
いや、行けなかった。
「……どうしましょう」
城の前に広がっている白い霧。そこを突っ切っていくか回り込むか躊躇っているうちに、
突如爆発音が聞こえたのだ。
いや……聞こえた、というのは間違いだろう。
爆発による振動を、彼女は肌で感じ取っていた。
爆発があったと思しき場所からはそれなりに離れていたのにも関わらず、だ。
ベルフラウが凄いのではない。爆発がそれほど大きな規模だということになる。
彼女は迷わず、元いた場所に戻り……荷物をイエローを抱えて歩いている金糸雀を見たのだ。
血痕に、大小さまざまなクレーター。第三者である彼女達が疑われるのは当然であるし……
実際、原因となったのは事実だ。
突如爆発音が聞こえたのだ。
いや……聞こえた、というのは間違いだろう。
爆発による振動を、彼女は肌で感じ取っていた。
爆発があったと思しき場所からはそれなりに離れていたのにも関わらず、だ。
ベルフラウが凄いのではない。爆発がそれほど大きな規模だということになる。
彼女は迷わず、元いた場所に戻り……荷物をイエローを抱えて歩いている金糸雀を見たのだ。
血痕に、大小さまざまなクレーター。第三者である彼女達が疑われるのは当然であるし……
実際、原因となったのは事実だ。
もっとも、ベルフラウの推測できる事実はそれだけで。
金糸雀の誤解やすれ違いなんて、知ることできないけれど。
金糸雀の誤解やすれ違いなんて、知ることできないけれど。
【E-4東部/1日目/夕方・放送直前】
【イエロー・デ・トキワグローブ@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:全身に擦り傷と打撲(行動にやや支障)、左目蓋に大きく切り傷、疲労(中)
深い悲しみ、精神不安定、頭部に打撲(生命に危険なし)、気絶中
[装備]:魔剣ダイレク@ヴァンパイアセイヴァー、レッドのグローブ、おみやげのコイン@MOTHER2
[道具]:スケッチブック、基本支給品、城戸丈の首輪
[思考]:気絶中
第一行動方針:金糸雀と行動を共にする。金糸雀を放ってはおけない。
第二行動方針:消えたリルルのことが心配。
第三行動方針:グリーンやブルーと合流し、このゲームを破る方法を考える
第四行動方針:丈の友人と合流し伝言を伝え、協力を仰ぐ
第五行動方針:丈の首輪を調べる。または調べる事の出来る人間を探す。
基本行動方針:絶対にゲームに乗らない。生きてマサラに帰る。
参戦時期:2章終了時点(四天王との最終決戦後。まだレッドに自分の正体を明かしていない)
[備考]:魔剣ダイレクのソードエレメンタル系は魔力を必要とするため使用不可
トリエラのことを「積極的なマーダー」だと認識しました。
ネスからレッドの仇が「白い女の子」だと聞かされました。
レッドの仇に対し、どういう態度を取るべきなのか、まだ考えが定まってません。
【イエロー・デ・トキワグローブ@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:全身に擦り傷と打撲(行動にやや支障)、左目蓋に大きく切り傷、疲労(中)
深い悲しみ、精神不安定、頭部に打撲(生命に危険なし)、気絶中
[装備]:魔剣ダイレク@ヴァンパイアセイヴァー、レッドのグローブ、おみやげのコイン@MOTHER2
[道具]:スケッチブック、基本支給品、城戸丈の首輪
[思考]:気絶中
第一行動方針:金糸雀と行動を共にする。金糸雀を放ってはおけない。
第二行動方針:消えたリルルのことが心配。
第三行動方針:グリーンやブルーと合流し、このゲームを破る方法を考える
第四行動方針:丈の友人と合流し伝言を伝え、協力を仰ぐ
第五行動方針:丈の首輪を調べる。または調べる事の出来る人間を探す。
基本行動方針:絶対にゲームに乗らない。生きてマサラに帰る。
参戦時期:2章終了時点(四天王との最終決戦後。まだレッドに自分の正体を明かしていない)
[備考]:魔剣ダイレクのソードエレメンタル系は魔力を必要とするため使用不可
トリエラのことを「積極的なマーダー」だと認識しました。
ネスからレッドの仇が「白い女の子」だと聞かされました。
レッドの仇に対し、どういう態度を取るべきなのか、まだ考えが定まってません。
【金糸雀@ローゼンメイデン】
[状態]:中度の疲労、全身打撲及び擦過傷(行動にやや支障あり)、右腕欠損、
心が壊れかけている、疲労(極大)
[装備]:コチョコチョ手袋(片方)@ドラえもん、スケルトンめがね@HUNTER×HUNTER
[道具]:支給品一式、イエローの衣類一式(少し湿っている)、 酢昆布@銀魂
旅行用救急セット(絆創膏と消毒薬と針と糸)@デジモンアドベンチャー、ご褒美ランドセル
[思考]:どうすれば……
第一行動方針:ひとまずはイエローと一緒に。
第二行動方針:腕を失った原因(ネギとトリエラ)に復讐する。
基本行動方針:(基本方針は未だに定まっていない)
[備考]廃棄したシルフェのフードはもう何の力もありません。
[状態]:中度の疲労、全身打撲及び擦過傷(行動にやや支障あり)、右腕欠損、
心が壊れかけている、疲労(極大)
[装備]:コチョコチョ手袋(片方)@ドラえもん、スケルトンめがね@HUNTER×HUNTER
[道具]:支給品一式、イエローの衣類一式(少し湿っている)、 酢昆布@銀魂
旅行用救急セット(絆創膏と消毒薬と針と糸)@デジモンアドベンチャー、ご褒美ランドセル
[思考]:どうすれば……
第一行動方針:ひとまずはイエローと一緒に。
第二行動方針:腕を失った原因(ネギとトリエラ)に復讐する。
基本行動方針:(基本方針は未だに定まっていない)
[備考]廃棄したシルフェのフードはもう何の力もありません。
【ベルフラウ=マルティーニ@サモンナイト3】
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中)、精神的疲労、墜落による軽い打撲傷
[服装]:『ザ・チルドレン』の制服姿(野上葵の物)
[装備]:クロウカード『火』『地』
[道具]:支給品二人分(食料-1)、浄玻璃の鏡@東方Project(残2回)、思いきりハサミ@ドラえもん、
クロウカード1枚(スイート「甘」)、カートリッジ×10@魔法少女リリカルなのはA’s
湿ったままの普段着
[思考]:私がなんとかしないと!
1:これ以上の犠牲は出させない。イエローと金糸雀は自分が倒す。
2:召喚術師と交渉し仲間になってもらいたい。リインと八神はやてに期待。
出来ればメイトルパの少女(アルルゥ)とも交渉したい。アルルゥにはやや同情的。
3:みかの安否が心配。早く戻って合流したいが危険には巻き込みたくない。
4:殺し合いに乗らず、仲間を探して脱出・対主催の策を練る。
基本:先生のもとに帰りたい。
[備考]:
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中)、精神的疲労、墜落による軽い打撲傷
[服装]:『ザ・チルドレン』の制服姿(野上葵の物)
[装備]:クロウカード『火』『地』
[道具]:支給品二人分(食料-1)、浄玻璃の鏡@東方Project(残2回)、思いきりハサミ@ドラえもん、
クロウカード1枚(スイート「甘」)、カートリッジ×10@魔法少女リリカルなのはA’s
湿ったままの普段着
[思考]:私がなんとかしないと!
1:これ以上の犠牲は出させない。イエローと金糸雀は自分が倒す。
2:召喚術師と交渉し仲間になってもらいたい。リインと八神はやてに期待。
出来ればメイトルパの少女(アルルゥ)とも交渉したい。アルルゥにはやや同情的。
3:みかの安否が心配。早く戻って合流したいが危険には巻き込みたくない。
4:殺し合いに乗らず、仲間を探して脱出・対主催の策を練る。
基本:先生のもとに帰りたい。
[備考]:
- ベルフラウは、ロワの舞台がリィンバウムのどこかだと思っています。
ロワの舞台について、「名もなき島」とほぼ同じ仕組みになっていると考えています。
(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
- ベルフラウは、レックスが名乗るのを聞いていません(気絶していました)。
- 見たのはメガンテで全員が吹き飛んだ所まで。
誰が生きていて誰が死んだかまでは把握していませんが、桜達が吹き飛んだのは把握しています。
※ ※ ※
――後半部へ