水和ぐ盾(前編)

Soothing Waters
依頼者:
 ファリワリ(Fari-Wari)
  / アルザビ辺民街区・茶屋シャララト
依頼内容:
 ファリワリが、借金取りに追われて
 困っているようだ。
 再びヒットを飛ばすために
 何か思いついたようだが……。


アルザビ


Iphaaf : 見てよ、あの娘。可愛いだろ?
ミリ・アリアポー(Mihli Aliapoh)っていうんだ。
あれでも、五蛇将のひとり、水蛇将なんだぜ。
Iphaaf : なんでも、我が皇国の
属国の出で、故国の期待を一身に背負って、
がんばってるらしい。ぼくも応援してるんだ。

Mihli Aliapoh : うるさい。
ボク、傭兵は嫌いなんだ。
Mihli Aliapoh : もし、ここが戦場になっても、
足手まといにだけはならないでよね。

>>Mihli Aliapoh捕虜時
+ ...
Iphaaf : …………。
側で戦っていたのに……
ぼくの力が足りないばかりに……。
Iphaaf : ぼくは、ぼくは……
ミリ・アリアポー(Mihli Aliapoh)を
護ることができなかった……。


アトルガン白門 / 茶屋シャララト


Sahnadjean : 頼みますよ、先生……。
そろそろ、ご返済の期限を過ぎて
1週間にならんとしてるんですがねェ……。

Fari-Wari : おしい! じつにおしいなぁ!
明日……、そう明日来られていれば、今晩の
ライブで稼いだ金で一気に完済できたものを!

Dalfhum : おうおう! その手はくわねえぜ?
ウチの方は、もう1日も待つなって
オヤジから言われんだ。
払うのか払わねえか……、ここで白黒つけろや、コラ。

Fari-Wari : ……ええ、ええ、もちろん払いますとも!
わたくしも詩人。ピュアハートが売りの詩人です。
誠心! 赤心! 
真心! 至心! きっちりきっぱり……

Sahnadjean : ファリワリ先生……
アタシだって子供の使いじゃあ、ございません。
手ぶらで帰るわけにゃ、いかないんです。
言葉じゃない物を、頂かないことには……

Fari-Wari : ……え、ええと
お、おや? ポーチにチョコがありましたよ。
さ、さ、御土産におひとつ……

Sahnadjean : ………え、ええと
辺民街の超高級クラブ「メローズ」のロゴが……?

Fari-Wari : アーーッ!! それは……
そ、そうだ、
バルラーン大通りで拾ったのでした!

Dalfhum : なにい!?
道端で拾ったものを、俺たちに
食わせようってのか、テメエはっ!

Fari-Wari : し、しまっ……
いえ、そのようなことは決して! 決して!!
どうか、どうか、今日は勘弁してください。
数日中にはキチンと耳を揃えてお返ししますからっ。


Dalfhum : 耳ィ!?
2つしかねえ、そんな汚えモン揃えられたって
こちとら、なんの役にもたたねえんだよ。あぁん?

Sahnadjean : ……おや、耳といえば、先生
さすがは詩人だ。流行を押さえてますねえ。
そのピアス、クシャマの作品と
お見受けいたしましたが?

Fari-Wari : え、そう!? わかるぅ?
これさ~、バストゥークに里帰りする
冒険者に頼んで買ってきてもらった特注品でね~。
これ着けてると、もう女の子がキャーキャー……
Fari-Wari : !!
Fari-Wari : ああ、いや、これは、その、あの
祖母の甥のハトコの親友の形見なのですよ。
ごめんなさい。これだけは、これだけは……

Dalfhum : ふざけんじゃねえ!
だったら、その頭のトンガリでも
引っこ抜かせてもらおうじゃねえか、ああ?

Fari-Wari : ィヤァアアアァァァァァ!
……ん?
Fari-Wari : アァッ! これぞ天の助け、
ワラーラさま! ザッハークさま!
[Your Name]さま!!

Dalfhum : おう、あんだよ、テメエは?
人の仕事に首つっこんでんじゃねえぞ、コラ?

Fari-Wari : ま、待ってください!
こちらの[Your Name]さま。
こう見えましても、わたくしのパトロンでして!

Dalfhum : ほほおぉぉ……
じゃあ、ナンだ?
Dalfhum : そっちの
[姉ちゃん/兄ちゃん]が、
テメエの借金、肩代わりしてくれるってのか?

Fari-Wari : そ、そうでーす!!

Dalfhum : 口から出まかせ言ってんじゃねえぞ!
こいつ、キョトンとした顔してるじゃねえか!

Fari-Wari : そんなぁぁ!
後生です、[Your Name]さま!

Sahnadjean : ……ようございます。
アタシは、そのパトロンの方のお顔に免じて
しばらく待つことにいたしましょう。

Dalfhum : なんだ?
急にどうしたってんだよ?

Sahnadjean : ちょっと、失敬……。
Sahnadjean : 兄さんはお聞きになってないですか?
噂の天蛇将や土蛇将の詩……。
実際に取材をしたのは、あの者じゃないかと
世間では、もっぱらの噂なんですよ……。

Dalfhum : あんだとぉ?
あの、へっぽこ詩人め。合作だったのかよ。
借りるときは、泉のごとき詩想、とかなんとか
さんざん、でけえ口たたいてやがったクセになあ。

Sahnadjean : まあまあ、つまりですね、
あの者が噂どおり
五蛇将と知己ならば、エセ詩人から回収するより
何倍にも、額を膨らませる方法だって……

Dalfhum : どういうこった?

Sahnadjean : 五蛇将は、皇都防衛の要。
体面を重んじる立場です。借金問題で、市井の徒と
揉め事など、なんとしても避けたいでしょうねえ。

Dalfhum : そいつぁひょっとして……
五蛇将から回収って寸法か!

Sahnadjean : それどころか、うまくすれば
皇宮からだって引っぱれるかもしれません……。
その代わり、命がけの大勝負でしょうがね。

Dalfhum : へっへっへ、おもしろそうじゃねえか……
よし、のった!
Dalfhum : ……おう、今日んとこは
この[姉ちゃん/兄ちゃん]に免じて
見逃してやる……だが、次はねえぜ?

Sahnadjean : 先生、
[Your Name]さん。
アタシらだって、商売人の端くれ。
事を荒立てるのは本意ではございません。
Sahnadjean : よろしいですね?
次にお会いするまでに
黄金貨200枚、きっちりご用意のほど……。

Fari-Wari : お任せください!
この[Your Name]財閥の総力を上げて
バッチリお返しいたしますとも!
ね、[Your Name]さま~!!

Dalfhum : のヤロ……!

Sahnadjean : ふふふ、お願いしますよ。
さあ、さあ、おいとましましょう。

Fari-Wari : …………。
Fari-Wari : フゥ…………。
Fari-Wari : ええ、ええ。
君の言いたいことは、わかっていますとも。
文句は後ほど、まとめて受けつけましょう。
Fari-Wari : ……しかし今は一刻の猶予もなりません。
わたくしのトンガリと、
付き人君の命の危機なんですから!
Fari-Wari : ああ、金、金、金、金……
どこかに金が転がってませんかねえ……
付き人君の金庫とか…………冗談ですよ。
Fari-Wari : ……え?
また五蛇将をテーマに
詩を書いたらどうかって?
Fari-Wari : いや、だってほら
わたくし、いわゆる天才系クリエイターでしょう?
続編ばかり、というのが性に合わないっていうか……
Fari-Wari : もっと、こうイノベーションな
コンテンツを、ファンタスティックに
クリエイトしたいわけなんですよ。
Fari-Wari : そうだなあ、たとえば……
Fari-Wari : お客さんがドキドキ、ハラハラ
思わずわたくしに抱きついたりするような……
いえ、決していやらしい意味ではないんですが……
Fari-Wari : ……んル?
……んルルルルルッ?
ああっ、この感じ!
き、きましたぁぁぁぁぁっ!!
Fari-Wari : 1度、聞き始めたら
ラストまでどっぷり釘付けの緊張感あふるる詩。
そう、題して、サスペンスポエムゥゥッ!
Fari-Wari : どうですか? どうですか?
メガヒットの予感がしてきませんか?
付き人くぅん?

選択肢:どうおもう?

>>売れそう
  Fari-Wari : でしょ? でしょ?
  やっぱ、そう思いますよねえ?
  いやあ、わたくし、自分で自分の才能が怖い。

>>売れなさそう
  Fari-Wari : ああ、ザッハークよ!
  この恵まれぬ凡人にも
  一片の情けを授けたまえ!
  Fari-Wari : 付き人君、そんな石頭では
  この生きチョコボの目を抜く吟遊詩人業界で
  とても生き残ることなんてできませんよ!

??? : ……話はききましたよ
ファリワリさん。
私に、一肌脱がせていただけませんか。

Fari-Wari : え? ご店主。
ひょっとして
ご融資の申し出ですか? ありがたい!


Ratihb : い、いえいえいえ。違います。
そうじゃありませんよ!
Ratihb : ほら、先ほどの
サスペンスポエム、でしたかな?
参考になるかと思いまして……。

Fari-Wari : なるほど、
ネタのご提供ですか。
そちらも、オールウェイズ・ウェルカムです!
Fari-Wari : で、どんなネタでしょうか?
わたくしのお眼鏡にかなえば、
ポエムに採用してあげてもいいですよ。

Ratihb : は、はあ……
「パママ連続殺人」という事件についてです。
耳にされたことはありますか?

Fari-Wari : ……ぱ、パママ?
まさか、パママの皮ですべって転んだ人が
続出とかいう、低俗なネタではないでしょうね……?

Ratihb : やはり、ご存じない。
一時は瓦版にも載るほど、ニュースになりましたが
すぐにヤラセだとして不滅隊が揉み消しましたからね。
Ratihb : 2年ほど前になりましょうか。
皇国の要職についている重臣や軍高官が、毎夜
1人ずつ暗殺される事件が発生しましてね。
Ratihb : 皇都では、夜間外出禁止令が
出される騒ぎにまで、発展したのです。

Fari-Wari : なるほど! 謎が解けたぞ!
道理で、あの頃ナンパ成功率が落ちこんで……

Ratihb : はい?

Fari-Wari : コホン……
なんでもないです。どうぞ、つづけて。

Ratihb : それが、奇妙な事件でして。
殺された被害者は資産家ばかり。
だのに、盗まれたものは一切なし。ただ……

Fari-Wari : ただ……?

Ratihb : 被害者の顔には
きまってパママの皮が被せられていたそうです。
まるで、黄色い花が一輪、咲いたように……。

Fari-Wari : プッ……なにそれ?

Ratihb : 笑い事ではありません。
そのまま下手人は見つからず、緘口令が布かれ
迷宮入りになってしまったのですから。

Fari-Wari : ふむう……東国のスーパーニンジャか。
はたまた、ラミアのヒットマンか。
これはプンプン臭いますね。サスペンスの臭いが!

Ratihb : それは、よかった。
当時、皇宮から捜査を依頼された
蛇の目探偵社の元探偵が、ウチの常連さんです。
なんなら、ご紹介しましょうか?

Fari-Wari : それは願ったり叶ったり!
そうだ、感謝のしるしに、あなたの店のために
直筆のサインをお贈りしましょう。

Ratihb : い、いえいえ、礼には及びません。
ファリワリさんのファンのおかげで
ウチの店も繁盛させてもらってますから。
Ratihb : その常連さんは
ヒュームのウニーム(Eunheem)氏。
Ratihb : その事件をきっかけに
探偵社を辞めて仕官し、今では
バルラーン大通りで衛兵を務めておられますよ。

Fari-Wari : ありがとう、ご店主。
サスペンスポエムがメガヒットした暁には
この人気吟遊詩人ファリワリ、格安料金で
この店のCMポエムを作って差し上げましょう。
Fari-Wari : いっただっきま~す♪
シュトラ~ッチ♪
とか、そういうやつを!

Ratihb : ええ!?
いえいえいえいえ、
礼には及びませんよ、礼には……。

Fari-Wari : さあ、聞きましたね、付き人君?
それでは早速、取材にレッツゴー!
あー、もちろん、君がね!



Fari-Wari : さあさあ、付き人君
捜査を開始してください!
Fari-Wari : ……血湧き肉躍る
サスペンスポエム……
大ヒットの予感がしますよ……!


アトルガン白門


Eunheem : ん、なんだ、お前は……
Eunheem : なに?
「パママ連続殺人事件」
について、知りたいだと?


Eunheem : (私の探偵時代、最後となった
ヤマを、なぜ今頃、お前が調べている?)
Eunheem : (……まあ、理由は詮索するまい。
このまま、アレをお蔵入りにするのは
私としても不本意だったからな……。)
Eunheem : (……いいだろう。
お前に賭けてみよう。)
Eunheem : (いいか?
私は今の職を失言で失いたくない。
だから、私は独り言をつぶやく。
独り言だ。わかったな?)
Eunheem : (事件発生の頃、
私は蛇の目探偵社の一級探偵だった……)
Eunheem : (当時の私は
数々の難事件を解決に導いた探偵として
軍からも指名されるほどの
名声と信用を得ていたのだ……)
Eunheem : (そう、あの呪われた
「パママ連続殺人事件」の依頼が
天蛇将様より舞い込むまでは……。)

…………………………………………………………………………………………

Rughadjeen : どう見る?

Eunheem : ……背後から
正確に腎臓を一突きされ、えぐられています。
相当な手練と見て、間違いないでしょうな。

Rughadjeen : 発見した使用人の話では
口にパママの皮が押し込まれていたそうだ……。

Eunheem : おそらく、気道を塞ぎ
声を上げさせないためでしょう。

Rughadjeen : 私もそう思った……
だが、なぜパママの皮なのだ?
なにか他にも理由がある気がするのだが……

Eunheem : 確かに……
この豪華な装飾品を前にして
手をつけようとした形跡すらありません。
怨恨の線も多分に考えられますな……。

Rughadjeen : 怨恨……か。
この被害者は、やんごとなき身分の御方で
属州総督を歴任された名士でもあられる。
Rughadjeen : 善政家とも聞いた。
人から怨まれるようなことは
なかったと思いたいが……。

Eunheem : 失礼ながら
人は思わぬところから恨みを買うもの。
先入観は、判断を鈍らせる元です。

Rughadjeen : そうだな……。

Raubahn : ……これは、ルガジーン殿。
防衛軍は、いつから犯罪事件も
担当するようになったのでしょうか?

Rughadjeen : ラウバーンか。
皇都で起こった犯罪に、蛮族関与の可能性が
認められる場合、我々にも調査権があるはずだ。

Raubahn : ……ほう。
よろしい。では、お教えいたしましょう。
Raubahn : 実は、その男
属州総督時代に、各地の地方領主から
賄賂を受け取っていた疑いが濃厚でして……
Raubahn : 我々不滅隊が
内偵を進めていたところだったのです。

Eunheem : やはり……
怨恨の線が濃厚になってきましたな。

Raubahn : ご存じでしたかな?
これで12人目ですぞ。

Rughadjeen : なんだと?
どういうことだ!?

Raubahn : 頚動脈切断、延髄破壊、
吹き矢の毒、アムルタートの蔓……
殺害方法や凶器は状況により異なりますが……
Raubahn : すべての被害者の口には
パママの皮が押しこまれていた。
Raubahn : そして、被害者は
いずれも皇国の要職にあるものばかり。

Rughadjeen : 同一犯ということか……。


Raubahn : さらに、我々の調査によると、
汚職に手を染めている点も共通していました。
Raubahn : 蛮族の仕業にしては
いささか、趣向が過ぎることは
御理解いただけましたかな?

Rughadjeen : ……そうだな。
捜査権が不滅隊にあることは了解した。
Rughadjeen : だが、聖皇さまの
身に危険が及ばぬとも限らぬ。
この件の情報は、私にも渡してもらおう。

Raubahn : 承知しました。
天蛇将殿。

…………………………………………………………………………………………

Eunheem : (……それからも私は
天蛇将様の内意を受けて調査を続けたが
被害者は毎晩、増えつづけ、
捜査は遅々として進展せずに……)
Eunheem : (そして、あの
「ワラーラ賞授賞式騒動」が起こった……。)
Eunheem : (騒動の後、
天蛇将様は探偵社に来られて
成功報酬に等しい額を支払い、
事件の捜査依頼を正式に取り下げられた。)
Eunheem : (しかし、私は犯人の尻尾すら
掴めなかった自分が許せなくてな……。
探偵を廃業したというわけさ。)
Eunheem : (……ん、
「ワラーラ賞授賞式」とは何かって?)
Eunheem : (ワラーラ寺院は知ってるだろう?
あそこには昔から
ワラーラ哲学を学ぶため、皇国各地から
数多くの優秀な学生が集まってくるんだ。)
Eunheem : (その中でも
特に成績優秀な学生たちには
聖皇様より賞が授与されるのさ。)
Eunheem : (だが、前回の授賞式のとき
聖皇様のお命を狙う曲者が皇宮に侵入してな。
それが「ワラーラ賞授賞式騒動」だよ。)
Eunheem : (まあ、宮廷内の不祥事でもあり
内々に処理されたから、関係者以外には
ほとんど知られていない事件なんだが……。)
Eunheem : (……よし、
すべて話そうか……。)
Eunheem : (私はな、2つの事件は、
間違いなく関係していた、と睨んでいる。
探偵の勘ってやつだ……)
Eunheem : (しかし、しがない私立探偵の
身分では、皇宮内での自由な捜査など
許されるべくもないからな。)
Eunheem : (そういった意味でも
あの事件は、私にとっては
迷宮に迷いこんじまった物なのさ。)
Eunheem : (……だが、お前のその目。
気に入ったぜ。
この事件に、風穴を開けてみてくれよ。)
Eunheem : (期待してるぞ、名探偵。)



Eunheem : ワラーラ寺院は
そこの蛇王広場を抜けた先だ。
Eunheem : 眠っていた2つの事件が
今になって日の目を見るとは……。
頼りにしてるぞ、名探偵。


アトルガン白門 / ワラーラ寺院


Nadeey : ようこそ、ワラーラ哲学の殿堂へ。
当寺は理を探究する者に、
常に門戸を開いております。
Nadeey : おや、なにか質問ですか?
質問は学問の基本。
どうぞ、遠慮なさらずに……
Nadeey : なるほど……
2年前の連続殺人事件のことを
調べて……ごくろうさまです。
Nadeey : しかし、拙僧は学究の徒。
俗世に疎くて、生憎その事件を知らないのですよ。
お役にたてず、申し訳ありません……。
Nadeey : ですが、前回の
授賞式の騒動なら、よく覚えています。
Nadeey : 留学生でありながら
堂々たる成績を修め、生徒代表に選出された
ミリ・アリアポーを筆頭に……
Nadeey : あのときは
優秀な生徒が揃っていました。
それなのに、あんなことになってしまい……
Nadeey : ……おや、
ご存じありませんでしたか?
Nadeey : 今は五蛇将として知られる
彼女は、当寺の学僧だったのですよ。

…………………………………………………………………………………………

Mihli Aliapoh : ………。

Nadeey : ……ミリ?

Mihli Aliapoh : ……これは、ナディーユ老師。

Nadeey : そのままで、かまいません。
九時課は休憩してよいことになっています。
他の学生は、みな外に出ていきましたよ……

Mihli Aliapoh : いいんだ……。
ボク、つるむの好きじゃないから。

Nadeey : ……ミリ。
かつてワラーラさまは、こう申されました。
Nadeey : 「我が友よ、大いに飲み、語らん。
そこにこそ、今宵の真理は生まれん」と。
誰しも、友人は必要なのですよ。

Mihli Aliapoh : ボクは故郷の人たちの
寄附でここに来てる。遊んでる暇なんてないんだ。
そのぶん、ワラーラさまと本で語らってるよ。

Nadeey : あなたの成績は
確かに優秀です。ならば、その知識を
他の学生たちにも分け与えてあげなさい。


Mihli Aliapoh : どうして?
ここに来たとき、みんなは、ボクの
発音が可笑しいってバカにしてたのに?

Nadeey : それは、彼らが
無智だったからです。今では
きっとそのときの自分を恥じていますよ。

Mihli Aliapoh : ふぅん、どうかな……
お面を被ってるだけじゃない?
みんなも、老師も、ボクだって……。

Nadeey : ミリ、他者に教わり
教えることで、学問はより深まるもの。
ほら、彼女をご覧なさい……。
Nadeey : あの子は集中力に欠ける所があり
いつも試験で見当違いの答えを書いてしまいます。
あのような迷えるカラクールを救ってあげるのも……。

Mihli Aliapoh : あの子が迷えるカラクール?
老師、やっぱりわかってないよ。

Nadeey : ミリ……!

??? : み、ミリ……
??? : あ、あの、わたくし……
あなたとおやつをいっしょに食べたいと思って……
……午餐のときに
なにも食べてなかったでしょう……?
??? : だから……
バルックサンドを買ってきたの……。
ほら、夜、時々……港でお魚釣ってるでしょう?
だから、きっと、好きなのかなって……。

Mihli Aliapoh : …………。

??? : あ、あのね、わたくし
南国のツァヤに憧れてて……
珊瑚礁とか、オポオポとか……。
よかったら、お話を聞かせてほしいの……。

Mihli Aliapoh : …………。

??? : あ、それから……

Mihli Aliapoh : ……そんなの嫌い。
パンの匂いがするから……
自分で食べれば?

??? : あっ、ミリ……。

…………………………………………………………………………………………

Nadeey : いまでは立派になって……、
拙僧だけの懐かしい思い出です。
Nadeey : ……あ、そうでした。
「ワラーラ賞授賞式」での
騒動について、でしたね?
Nadeey : ……そうですね。
では、そのとき生徒代表を務めていた
ミリ本人に聞いてみては如何でしょうか?
Nadeey : 今でも彼女の
人嫌いはそのままですから
ちょっと難儀するかもしれませんが……
Nadeey : ひょっとしたら
貴方が追っている事件のヒントくらい
得られるかもしれませんよ。
Nadeey : 真剣に求めるとき
真実は、誰の前にも閉ざされることなく
ただ泰然として、そこに在るものですから……。


アルザビ


Mihli Aliapoh : ……ん、傭兵?
ボク、いま忙しいんだ。
キミたちにかまってる暇なんかない。
Mihli Aliapoh : ……ナディーユ老師が?
Mihli Aliapoh : …………。
Mihli Aliapoh : 話がしたいんだね、わかったよ。
Mihli Aliapoh : エジワ蘿洞……。
休憩時間になったら行くから
そこで待ってて。
Mihli Aliapoh : そうそう、
色とりどりの髪って知ってる?
それがないと、会ってあげないからね。


天駆ける剣 詠うは誰そ彼の 水和ぐ盾(前編)>>水和ぐ盾(後編) 炎熾す鎌
風纏う弓
土噛みし拳

■関連項目 アトルガン白門 , 無手の傀儡師
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最終更新:2015年05月09日 15:50
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