スク「蒼天に日輪の輝く限り!余は不屈!不死身!不可抗力!」
中庭にスクナの叫び声が響き渡る。
上手く三段オチで締めたかったのだが、スクナのボキャブラリーでは意味不明な三段締めが精一杯。
リリ「え?何?何が始まるの?」
クロ「つうかなんか違うだろ!」
直後、轟音と共に何かが振ってきて土煙が舞い上がる。
副『だれだ!?』
土煙がはれ、そこに現われたのはスクナだった。
スク「くぅおら、そこな男!!
余の妃を誘惑するとは万死に値する!
今!ここで!決闘を申し込む!!」
ビシッと副会長を指差し高らかに宣言するスクナの左腕にはケオスの肩が抱かれていた。
クロ「…どこまで色ボケなんですか?
この自称王様は。」
リリアーナのメイド服の肩口に付けられた糸を手繰ってきたので、当然といえば当然の結果なのだが・・・
なんとも締まらない光景であるには間違いない。
リリ「ちょっとスクナさん、ケイティに何するのよ!!今すぐ離れなさいよね!!」
容姿こそフリージアの努力で別人になったものの、胸にはまだ詰め物をしていない。
それ以前に、男性と女性では骨格が違う。
何かの弾みでより密着することになれば、ケイティが男だとばれてしまうかもしれないのだ!!
その時、レベッカが目を覚ました。(といっても目が細いのでわかりにくいが)
そして、周りの光景を見渡したとき、彼女は何を感じただろうか?
屋外ベッド、
包帯でぐるぐる巻きにされた生徒達、
服が入れ替わったケオスとリリアーナ、
マオのデコジャージ…
レベッカはそれら全ての様子を一言で表現した。
レヘ「そうか、お前らは変態だったんだな。」
ギ「なんでそうなるの!!」
副『無事だったか!頭に刺さっていたから一番重症かと思ったが、
そんなことは全然なかったな!!だが一応のことちゃんと保険室に行った方がいい!』
リリ「ちっがーう!!・・・・・ってあれ?レベッカさん目がさめたの?いつの間に。
でも良かった~! なかなか目を覚まさないから心配していたの。
まだどこか痛いところは無い?保健室に行こうと思うんだけど、歩けそう?」
レヘ「あーよ。心配すんな、かすり傷だ。」
クロ「どう考えても刺さっていたと思うのは気のせいか?」
レベッカは、ケオスの肩を抱くスクナに言った。
レヘ「ていうか、お前らホモだったのかよ。許せる。」
フリ「殿方同士が・・・いや!やめて!そんなもの私に見せないで!!」
その何気ないセリフにトラウマスイッチがオンになってしまうフリージア
ギス「落ち着いてお母さん落ち着いて!・・・・・・斜め45度チョップ!!」
フリ「はう・・・」
あっけなく気絶するフリージア
ギス「ふう・・・これでよし!!」
力いっぱいガッツポーズをするギズモ。本当にそれでいいんだろうか?
ここに至って漸くスクナは自分が肩を抱いている人物がリリアーナでない事に気がついた。
スク「ぬお?誰だそちは!何故リリアーナの服を着ておる!」
リリアーナとは似ても似つかぬケオスに驚きながら肩から手を離すと、リリアーナの手を取った。
骨格も胸もしっかり男なのだが、そこまで気が回らなかったのだ。
なにより、フリージアのミラクルメイクアップ術の為、ケオスと思うどころか男とすら思わなかったのだ。
それゆえレベッカの言葉の意味に一瞬???となったのだが、状況の混迷さと優先順位ゆえに聞き流されて深く考える事はなかった。
スク「全く女の戯れは可愛い事じゃのう。安心せい、余の寵愛を受けるのはそちに間違いない!」
軽く息をつきリリアーナの手を取りその薬指に糸を結び付けていく。
リリ「お断りしますってさっきも言いました!っていうか何するんですか!止め・・・止めてったら~!!」
ぐぐぐぐ!!と力を入れてるものの、力比べでリリアーナがスクナに勝てるはずもなかった。
リリ「もう!何なんですかこの糸は~!!」
さすがに腹が立ったリリアーナは薬指の糸を抜き取ろうとしたが、なにぶん極細の糸である。
きちんと全部外せたのかどうか、リリアーナにもよく分からなかった。
さっきから好き放題やっていたことにクロウの我慢の限界が近づいてくると、
副『面白い!!よくは分からないが男が決闘を申し込んだ以上、背負うべきものがあると見たぁ!!!
俺で良かったら相手になってやろう!!・・・と言いたいところだ。
だが俺には怪我人を保険室に届けるという大きな使命があるっ!!
悪いが後でにしてくれ、なんだったらケイティの背負っているけが人を運んじゃあくれないか!?』
クロ「ああ、そんな話もあったな。」
たまった分は副会長に思いっきり殴ってもらいましょうか
リリアーナがレベッカに話し掛けていると、視界の隅を何かキラキラしたものが掠めた。
リリ「マオマオ、着替えたのn―――― うおっまぶし!」
なにげなくマオのほうを見たリリアーナは、あまりの輝きに目が眩んでしまった!
マオ「大袈裟な反応をするな!」
副『おおっ!!素晴らしい!マオ君!・・・いやマオ!!
これで今日からお前も俺達と苦楽を共にする真の仲間になった!!
今俺の中の全米が拍手喝采しているぅぅぅううう!!』
マオ「え、えーと…・・どうもありがとうございます」
スク「おおお!素晴らしい!どこのブランドのモデルぢゃ!
フィジルにこれほどの美的感覚を持つものがいるとは!!
そのほう、後で話を聞かせてもらうぞ。」
マオ「あ、ありがとう……」
クロ「あんたらの美的センスはいったいどうなっているんだよ!!!」
マオを絶望の淵の追いやった副会長ジャージだが、スクナには最先端ファッションに見えたらしい。
感嘆の賛辞を送るが、本来の目的を思い出して副会長へと振り返る。
副会長は怪我人を運んだ後決闘の相手になってやるといった。
ただ言われただけでは耳を貸すことはなかっただろう。
しかし怪我人を数人背負っての言葉だと、その重みも違ってくる。
先程リリアーナに怪我人の扱いについて謗られたばかりで、スクナといえどもここで無茶をとうせる事はなかった。
スク「む~、仕方があるまい。貸せい。
では保健室へと案内するがよい。その後決闘ぢゃ!
ええい!その服を讃えるのは余も我慢しておるのぢゃ!後回しにせんか!!」
ケオスの担ぐ怪我人を半ば強引に担ぐと副会長へ保健室へ案内するように促すのであった。
副『色々と悪いな!!なあに怪我人を保険室に預けたら
ちゃんと決闘してやる!男が背中を見せるわけにはいかないからな!』
リリ「へえ、スクナさんって結構良いところあるんですね。ちょっとだけ見直しました。」
どうやらリリアーナは、変な単語は「気のせい」という事で脳内スルーしたようだ。
ミル「なんなんだこれは……」
ルス「見事なまでのカオスっぷりですわね~・・・・・・・あらん?」
ルズはケオス・・・もとい、ケイティの姿をみるなり腹を抱えて爆笑した。
ルス「にゃっははははは!はっははははは!あ――――ははははははは!!
すごい!すごすぎるのですわ!すご・・・・・・にゃはははははは!」
ルズはバンバン地面を叩いて転げまわっている。
笑いの発作は当分続きそうだ。
ミル「はーい、みんなちょっと注目ー!
学園長とスカーフェイスさんは、事件の背後関係を調べに出かけたみたいです。
で、こちらはスカーフェイスさんの娘のメイリンさん。
さっきの襲撃みたいな妖怪絡みの事件に対応するため、残ってくれました。
ただし、西方の言葉は分からないので、中つ国語で話すか身振りで会話する必要があるそうです」
ここまで言ってからあたしはお目当てのレベッカを探す。
いたいた。無事に目を覚ましたみたい。
レヘ「よう、メイリン。アモーレ(愛してるぜ)。」
レベッカはメイリンに声をかけたが、メイリンは何も答えなかった。
リリ「レベッカさん、メイリンさんとはお友達なの?」
ミル「で、レベッカに通訳をお願いしたいと思うんだけど、いい?
それから、お願いばかりで悪いけど、文化革命の真実についても解説してもらえないかな?
『魔法使いみな死すべし!』って、結局どんな考えなの?」
レヘ「さっきも言ったが、それは後年の創作だ。文化革命の目的は、流入する西方圏の文化を一掃し、
本来の中つ国の文化を見直す事にある。魔法なんてのは西方文化の代表みたいなもんだから、相当目の敵にされたのよ。
…っとまあ、これが文化革命の表向きの真実だ。ところで、ミルクよ。 どっかで3P や ら な い か ?」
クロ「ぶはっ」
やばい思わず吹いてしまった。というか俺らよりあんたの方がよっぽど変態だ!!
ミル「や ら な い わ !このド変態!!
そんなにやりたきゃ、あんたと王様の2人でやってろ!」
レヘ「落ち着けミルク。要はそれくらいプライバシーの保護される場所でなけりゃ、軽々しく言えねーって事よ。
140年前の中つ国で起こった文化革命の裏の真実をよ。」
クロ「裏の真実?」
ミル「それならそうと最初から言えよ紛らわしい……
あんたどこでこっちの言葉を勉強してきたんだ……」
レヘ「南島部だ。(前スレ19)」
ともかく、プライバシーの保護された場所を探さないと、レベッカから裏の真実とやらは聞けない事はわかった。
スク「おお、ミルク。再び敢えて嬉しいぞ。
しかし今は立て込んでおるでな。3Pはもうしばし待っておれ。
さあ、はよう案内せんか!」
王とは多忙なのだ!とポーズを取りながらミルクに一声かけて副会長に再度保健室へ案内するように促した。
ミル「お元気そうでなによりです王様。
さっきも言いましたが、妃にはなりませんので3Pしたけりゃ他を当たってください。
それと、後で合流して学園祭の案内をしますから、それまでおとなしくしててくださいね」
スク「ああ、そうであったな。それにしても女の嫉妬というのも可愛いというものよ!」
レヘ「そうだ、メイリン。この団子うまいらしいぞ。食ってみろよ。」
レベッカは、メイファが襲撃する前に座っていたテーブルの上の月見団子を勧めた。
メイファが何故かレベッカを避けて攻撃したため、きれいに残っていたのだ。
メイリンは月見団子を一口食べると、突然だらだらと目から涙をこぼした。
レヘ「…おいおい、うまいからって泣くことないだろ。」
そう言われたメイリンは、ぴたっと泣き止んだ。
レヘ「…お前って本当に素直だよな。」
王様に返事を返してから、ミルクはプライバシー保護されてそうな部屋を持ってる人物を思い出した。
アルナワーズには会話が筒抜けになるかもしれないけど、肝心な情報を漏らすようなことはないだろ。
ミル「リリアーナの部屋って、確か攻撃魔法封印とかいろいろ仕掛けがあったよね?
あそこなら寮だから部外者も入れないし、話も外に漏れないんじゃない?
リリアーナが部屋使うのイヤじゃなかったらだけど」
リリ「いや、それはいいんだけど・・・・・・あ、歩きながら話しても良いかな?
レベッカさんは動ける?よかった!じゃあメイリンさんに通訳してくれない?
『お団子が気に入ったのなら、よろしかったら全部召し上がれ』
それと、『色々お話が聞きたいから、申し訳ないけれど一緒にきて欲しい』って」
レヘ「ああ?」
レベッカは何故か怪訝そうに眉をひそめた。
メイリンはといえば、また団子を口にして涙を流している。
レヘ「だから、うまいからって泣くこたーないだろ。……あいかわらず素直な奴だな。」
リリ「あ、マオママ。預かってた吸血鬼の子供なら、そこのゴミ箱の中に隠れてるわよ。
ママがいなくなってすごく心細そうにしてたから、いっぱい抱きしめてあげてね。
でもあの子、ゴミ箱が気に入るなんて変わってるわね。それともかくれんぼうが好きなのかな?うふふ」
とっくにヴァンが逃亡したなど知る由も無いリリアーナは、ころころと能天気に笑った。
マオ「もしかしてリリアーナ。お前さっきナイチチ言われたからって苛めたりしてないだろうな?」
そして声を潜めてマオに耳打ちする。
リリ「今日はお祭りだから、そのジャージでもきっとそんなに変じゃない・・・・・・と思う。
堂々と着てれば、きっとこんなものだと思ってくれるんじゃないかな?
だから私も執事服、サイズが合って無くても堂々と着るわよ~!!お互いがんばろうね!」
マオ「そんなこと言われてもなぁ、胸に名前までは言っているんだぞ?
……まあいい、
ヴァンエレンを探したら僕もお前の部屋に行くよ」
リリアーナはガッツポーズをした後、今度こそ保健室へと向かった。
(19で〆)
最終更新:2009年01月07日 10:17