1-2 ロプトの里

(投稿者:マーク)

ディートリヒの頭の中には今、疑問だけが次々と沸いては消えを繰り返し

彼は自分の視界に写っている様子の非現実さに硬直していたのだ。彼の頭の中にはひとつの言葉が浮かんでいる


 --そんなアホな、と


「うふふ、今日も皆元気ね」
自分の隣に立つ少女--マヤ--は微笑みながら、”それ”に恐れもなく近づきあろう事か頭までなでている、そして振り返り

「あなたも触ってみます?」
とにこやかに言った

「おーい、でぃーとりひ、聞いてんの? おーい」
うしろから現われたオッドアイの少女がディートリヒの肩にのぼり頭をぺちぺちと叩く
それでディートリヒは我を取り戻すと、少女がなでる”それ”に手を伸ばす

戦場でエッケザックスを振るいなぎ払い叩き潰してきた”それ”に手を伸ばしなでる
 ”・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・”
思ったより手触りがよい・・・・・・・





”それ”は気持ちよさげに体を動かすと触覚でディートリヒの腕をつつく



よく見ると”これ”は凶悪な顎をもっていないし大きさも通常のものにくらべ小さい


だがやっぱり目の前に広がるこの光景は信じられないものだった


だが何度ほほを引っ張っても痛みを感じるので夢ではない











この・・・・・











ワモンと子供達が一緒に遊んでる、この状況が











「・・・・・びっくりしたでしょう?」
しばしボーっとしてワモンウォーリア(途中からはいってきた)と遊ぶ子供達をながめていると不意に一人の女性が話しかけてきた
黒い修道服を着た・・・・セントレーアでよく見るシスターといったところだろうか

「”外”の世界ではあのようなGはいないでしょうからね・・・・」
女性は遠い目をしながら言った

「あんた一体・・・・?」

「申し遅れました、私はマーサ、・・・・あなたはエントリヒのメードですね」

「!!・・・・どうして俺が・・・エントリヒだと?」

「あなたが持っていたあの剣の”前”の持ち主と戦ったことがありますのでね・・・・・」

「・・・・・・ハルトムートの旦那を知ってるのか!?あんたメード・・・・・なのか・・・・」

「正確にはメードであった者、Gに取り込まれながらGを乗っ取ったもの・・・・・・”外”ではプロトファスマと呼ばれる者がいるでしょう、それと似たようなものです」
そう言うと立ち上がる、と同時に体が変化を始める、修道服は真っ白な甲殻に変化し、変身したその姿は頭部こそ人間とはかけ離れているものの聖騎士を彷彿とさせる姿だった
体中の甲殻の全てが穢れのない白であり見るものに神々しい印象を与える


「さて・・・・・・ディートリヒ・・・でしたね」



「アナタはココになにをしにきたのですか?」
先ほどとは打って変わって冷たい声と微弱な殺気に思わず冷や汗を流す



「・・・・・・・おれは・・・罠にはめられて・・・・仲間を失い・・エントリヒを・・・・祖国を追われた」
ディートリヒは彼女の目を真っ直ぐ見据え、話し始めた

「ここにたどり着いたのは全くの偶然だ・・・追撃部隊との戦闘で深手を負ったおれは無我夢中でこの森に逃げ込んで・・・気を失った」

「・・・・・・・・・・・・・それを信じろと・・・・?」

「でていけというならでていく」
その後しばらく無言でマーサはディートリヒの目を見つめ、不意に光に包まれるとさきほどの人間の姿に戻る

「あなたはウソはつけない方ですね・・その目はウソなどつけぬほど澄み切った目です、それに・・・・・・ハルトムートの剣を持つ者ならだまし討ちなどしないでしょう」
マーサはくるりと背を向ける
「疑ったりしてごめんなさい・・・・・ここは“外”のGだけじゃなく一部の人間からも狙われていて・・・」

「ここは一体なんなんだ?人間を襲わないGをみたのはこれが初めてだ」
ディートリヒは気になっていたことを一気にマーサにたずねる

「それを話すのなら私のことを話さなければなりませんね・・・」
そういって彼女は話し出した

「私がへリック様とティーナ様・・・・マヤのお父上、お母上にであったのは今から5年前のことです」

「当時の私は・・・・・自分の存在価値を見出せずにルージア大陸を放浪していました・・・・・」
人でもなく、しかしGですらない自分・・・町へ行けば・・・その異質の雰囲気を感じ取ったのか住人に追い立てられ、Gの元へいけば彼らは私を餌と認識して襲ってくる
孤独な日々・・・・

「・・・」










To be continued・・・

最終更新:2009年02月27日 15:34
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