概要
楼蘭皇国海軍が皇紀2602年(世暦1942年)に九九式艦戦の後継機として制式採用した艦上戦闘機。開発は
八幡重工による。
対G戦闘を前提に設計された楼蘭初の艦戦であり、高速性能と運動性能を両立すべく苦慮が重ねられた。
そのため完成は遅れたが、配備された機体は非常に完成度が高く、パイロットからも「八幡の錦」と賞賛されている。
大出力エンジンに限界まで絞り込んだ胴体、比較的小型の層流翼に左右非対称の火器を備えた機体で、
前縁部が水平で長く滑らかな後縁部を持つ主翼が特徴的。
翼面積を削減する事で速度を増しつつも翼平面形を工夫し、大型の空戦フラップやスポイラーを備える事で運動性能を維持する事に成功した。
その反面、複雑な機構を機内に収めたために燃料搭載量の減少は避けられず、
主翼を非防弾の全面インテグラルタンク構造にしたにもかかわらず航続距離は低下している。
なお、大型プロペラの強い反力を打ち消すため翼内機銃は左翼側に集中して装備されている。
後に防御性能に問題ありとして防弾鋼板と自動消火装置を追加、空戦フラップの自動化や過給器の改良などが施され、性能の向上が図られた。
さらに重量が増大した事から滑走距離が長くなり小型空母での運用に支障をきたしたため、落下増槽に木製の離陸補助翼が追加されている。
しかしこのタイプの二式艦戦は元来の構造に輪をかけて複雑化しており、
技術レベルの低い楼蘭においてはエンジンの焼き付きやフラップの片利きなど、運用に多々困難をきたした。
皮肉にもライセンス譲渡先である
エントリヒ帝国フォイゲヴュスト社で生産されたモデルの方がはるかに高い稼働率を示し、
あるエントリヒ人パイロットはこれについて「素晴らしい機体だが、楼蘭で作るにはまだ早すぎる」というコメントを残している。
主要諸元:
制式名称 |
A7Y 二式艦上戦闘機 |
機体種別 |
艦上戦闘機 |
機体形式 |
単発逆ガル型低翼単葉・引込脚 |
機体構造 |
全金属製応力外皮構造 |
乗員 |
1名 |
全長 |
8.92m |
全幅 |
11.30m |
全高 |
3.48m |
主翼面積 |
21.37㎡ |
発動機 |
八幡 新星22型 空冷複列星型18気筒1820馬力 |
プロペラ |
可変ピッチ定速3翅 |
全備重量 |
3023kg |
最高速度 |
615km/h |
航続距離 |
1690km |
実用上昇限度 |
10500m |
武装 |
機首20mm機関砲×2、左翼内12.7mm機銃×2 |
爆装 |
落下増槽×1 |
生産機数 |
約1020機 |
製作会社 |
八幡重工 |
派生型
A7Y1 17試艦上戦闘機 |
1941年初飛行の原型機 |
A7Y2a 二式艦上戦闘機11型 |
主力生産型 |
A7Y2b 二式艦上戦闘機12型 |
防御能力強化、新星22型甲(1900馬力)装備の発展型。生産は遅れている |
Feuge-Wüst(Yahata) Ya371 |
12型のエンジンをNMW 808Df(1930馬力)に換装し各部を改修した斗国製ライセンス生産機 |
関連項目
最終更新:2008年09月18日 02:26