(投稿者:オルサ)
キャラ紹介
Gという脅威が消え去った世界で、
黒百合と共にあった、Gへの憎悪と怒りを持った怨念たちはその方向性を徐々に失いつつあった。
怨念とはもともと厄災であるが、それでもGという仇敵への指向性があるうちはまだ制御できるものであった。
けれどその存在が消滅してしまったために、黒百合の中の怨念は刻一刻と暴走し、いずれはこの平和の世に災いをもたらす悪霊になりかねない。
そして彼らと共にある黒百合もまた、その影響を少なからず受けている。
自らが悪鬼に成り果てる前に、自我があるうちに彼らと地獄へ堕ちること。
それが今の黒百合の目的であった―――――のだが、
「や、KOMってなんか面白そうだから、エントリーしておいたよぉ」という
阿倍野誠明の一言に、黒百合はいつも通り無言で応える。
時間は、もうあまりない。
キャラ仕様紹介
体力・防御力・機動力すべてが最低値という、一見不遇なキャラクターだが、その圧倒的な攻撃性には目を見張るものがある。
とはいえ基本的にトリッキーな技が多く、戦略性が非情に強い。無闇に攻撃しても基本能力の低さで撃ち負けることが殆どだろう。
きちんと戦術立てが出来る人向け。堂に嵌った黒百合の攻撃は、まさに百鬼夜行。
必殺技
下半身のない楼蘭兵士が頭上から落ちてきて、相手を攻撃する不気味な技。Pボタンで弧を描く手榴弾を投擲し、Kボタンで軍刀で下段を斬りつける。
一ゲージ消費することで、一定時間画面に留まり続け、操作に合わせて相手を攻撃する。黒百合がダウンすると一定時間内でも消滅する。
傷だらけの少年が出現して、相手の喉笛に食いかかる凄惨な技。Pボタンで相手前方に、Kボタンで黒百合の前方に出現する。
一ゲージ消費することで、一定時間画面に留まり続け、操作に合わせて相手を攻撃する。
全身を包帯で覆った少女が現れて、笑顔で相手を包帯で串刺しにする技。Pボタンで対空技、Kボタンで中段攻撃となる。
一ゲージ消費することで、一定時間画面に留まり続け、操作に合わせて相手を攻撃する。……どうでもいいが、どこかで見たことのある金髪である。
皮膚が爛れた老人が床から這いずり出て、相手を掴む技。Pボタンで相手の現在地点、Kボタンで黒百合のやや前方に出現する。
ヒットすると相手を地面へと引きずり下ろして、土石流と一緒に地面から吐き出す演出となる。
1ゲージ消費で一定時間画面に留まり続け、操作に合わせて掴もうとする。黒百合がダウンすると一定時間内でも消滅する。
カウンターガード技。被ダメした直後に入力することで、相手に同じだけのダメージを与える非常に嫌らしい呪い攻撃。黒百合の主力でもある。
ただしダウンやノックバックされてしまうと、タイミングが間に合っていても無効となってしまう。また投げ技や「超必殺技」へのカウンターはできない。
特殊技
対戦相手の攻撃力・機動力を一定値削ぐステータス異常技。視線攻撃であるためか、黒百合の眼光が僅かに光程度の演出しかないので、気付かれにくくガードしにくい。
減少値は黒百合の現在ライフの低さに比例している。相手のラッシュを防ぐ意味でも常時掛けておきたい技だが、当然ガードされると無効となる。
超必殺技
一ゲージ消費技。
通常攻撃や「必殺技」にて出現する怨霊の総数を1体増やすことが出来る強化技。増えた分、当然攻撃力や制圧力が増す。
黒百合の基本戦術の要となるので、必ず発動させたい。なお重ね掛けしても意味はない。
この超必殺技名をボソリと呟く黒百合ボイスと、不敵に微笑むカットインは一見の価値あり。
二ゲージ消費技。
画面外から秀雄・光義が現れて援護攻撃してくれる技。
Pボタンで秀雄が相手を竜巻に巻き込むように斬りつけてすくい投げてダウンさせ、Kボタンでは光義がガード無視の矢で強力な一撃を放っていく。
秀雄は相手を巻き込みやすく、光義は相手がハマっている際に決めやすいと特徴があるので、状況に応じて使い分けたい。
なお、この二人は今の所操作キャラクターにはなっていないため、この技の存在はある意味貴重である。この技のためだけの専用の中の人が当てられていたりと、微妙に拘りもある。
二ゲージor三ゲージ消費技。
画面上空に怨念を象った黒い鴉の群れが出現し、一定時間留まり続ける。Pボタンで二ゲージ、Kボタンで三ゲージ消費となり、三ゲージの方が当然持続時間が長い。
通常攻撃や「必殺技」に反応して一匹ずつ相手に襲いかかり、姿がランダムな怨霊へと変貌するため、どんな攻撃なのか非常に把握しづらい。
「必殺技」の怨霊が動く度に襲いかかるため、黒百合の布陣が完了すると、並みの相手ではもはや手が付けられなくなるだろう。
一撃必殺技
ゲージ三本使用。
相手と超密接状態でしかヒットしない。
成功すると黒百合の体から無数の鴉が飛び出し、画面全体を黒い雨のように塗りつぶして暗転させてしまう。
そして黒い画面のまま、おぞましい阿鼻叫喚と、不気味な咀嚼音や骨の折れるような音が響き渡る。
やがて画面が元に戻ると、対戦相手の姿が消えて黒百合だけが一人佇み、勝利が決定する。
非常に不気味な技で、あまりの断末魔とリアルなSEでゲーセンでお子様が泣き出してしまうことも多々あったため、
一時期この技のみ使用不可になってしまったことがあったとか。
なお、家庭ゲームではより凄惨さを増している。スタッフは自重という言葉をしないGJ野郎ばかりである。
(ノーマル)エンディング
KOMに優勝した黒百合だったが、その怨念はより凶悪さを増すばかりだった。
これ以上はもう押さえ込むことは出来ないだろう。
そうして黒百合は、表彰式に現れることもなく、誠明や秀雄、光義たちの前からも姿を消した。
その後、黒百合という白い髪の少女を見た者は、誰もいない…。
(トゥルー)エンディング
※難易度ハードのアーケードモードをノーコンテニュークリアすると出現する。
KOMに優勝した黒百合は唖然とした。自分の中にあった怨念が、幾らか消え失せていたのだ。
この大会で力を存分に発散したためなのか、この平穏の世での戯れ事にほだされたのか、幾らかの怨念が確実に成仏していたのである。
「や、狙い通り」
したたかに笑う誠明と、そんな彼を不信に見やる秀雄と光義。
そうして、自分の肩に止まった、自分にしか見えない鴉。その瞳はいつかの少年のもので。
「………」
まだ、望みはあるのだろうか。
「とりあえずお前、表彰されるらしいけど。どうするよ?」
秀雄が意地悪そうに笑ってくる。
「されちゃいなさいな。たまには表向きにパァっとね」
光義がにこやかに笑う。
「吾輩は賞金が欲しいだけなのだがぁ」
「………」
結局、黒百合は表彰式から姿を消した。けれど
一人ではない。いつもの面子が一緒だ。
怨念がもたらす厄災は、彼らを殺さなかった。
だったなら。この血塗れの業の深い手でも、まだ、この平穏の世で救える魂はあるのだろうか――――。
黒百合は考え始めた。地獄へ行くにはまだ早すぎるのではないかと。
隠し要素
最終更新:2008年11月25日 11:09