二人はとある村の道場に生まれた双子だった。
幼い頃から二人は仲が良く、互いに日々研鑽していた。
「はっ!やっ!たあっ!」パシッパシッ
「おらっ!どりゃっ!でぇえい!」バシンッバシンッ
道場からは連日、竹刀のぶつかり合う音が聞こえていた。
そんなある日、流派の跡継ぎを決める為、二人は決闘をすることになった。
「そんな…他に方法は無かったのですか⁈」
「黙れ、頼朝!強え奴が当主を継ぐ。当然だ。へへっ、決闘が楽しみだ…」
とある無人島、そこで二人は対峙した。
剣の腕では頼朝より阿修羅が優っていたため、程なく頼朝は窮地に陥る。
「くっ…」
「おらおら、どうしたぁ⁈そんなんで当主になれねぇぞ!」
キンッ!ザシュウッ!
「ぐああっ!」
この時、頼朝は顔に深手を負う。
「チッ、浅かったか…だが!」
阿修羅が止めを刺そうとした刹那、
「ぐうっ⁈」
物陰から矢が飛来し、阿修羅の胸を貫く。
「…?…阿修羅⁈」
「…くっそ…そういうことかよ…」
阿修羅を抱きかかえる頼朝。
「阿修羅!どうしたんだよ!何があったんだよ!」
「…頼朝…今すぐ…この島から出ろ…」
「…え?」
「良いから…早く…」ガクッ
「おい!しっかりしろよ!阿修羅!」
ビシィッ
「ぐっ…」ドサッ
頼朝もまた背後から手刀を喰らい気を失う。
数日後、道場で目を覚ます頼朝。
「…んっ…あれ…」
「頼朝様!気が付きましたか!」
「ここは…ああ、道場か…」
「ああ!良かった!皆も安心しましょうぞ。」
「おお!頼朝よ!気が付いたか!」
「父上…あの…阿修羅は…!」
そばにいた者達に阿修羅の事を聞いたが答えはなかった。
「いいか、頼朝よ、よく聞け。
まず一つ。お主はこの家の当主となった。
二つ、ギルドからお主に呼び出しが掛かっておる。傷が癒えたら向かうように。」
ギルドからの紅蓮隊局長就任依頼を引き受け、家に帰った頼朝。
その夜、頼朝は夢を見る。
「…とも…頼朝…」
「阿修羅…」
「当主襲名、か。やったな。」
「なあ、阿修羅、あの時」
「頼朝。いいか。家と皆を頼むぞ。」
「えっ」
「大丈夫だ。お前は一人じゃねぇ。俺がついてやる。二人でテッペン目指そうや。」
そういって阿修羅は頼朝の中に入り込んだ。
そこで頼朝は目を覚ます。
そして、決意する。
阿修羅の為にも、自分の為にも。
誰も死なせない、決して逃げないと。
最終更新:2015年03月25日 22:42