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頼朝、鬼を討つ

「んっ…ここはどこでござる…?」
目を覚ますとそこは見知らぬ森の中。
「おろ?この森、それにこの刀は…」
「誰かいるのか!」
振り向けば1人の武士。
「こんな所で何をしている。幻魔ではないようだが。」
「幻魔?なんでござるそれは?それに拙者はそんな変な物ではない。名は仁狼介、狩人だ、お主も名を名乗ったらどうだ。」
「俺は左馬介だ。ふむ…狩人にしては随分重装備だな。まあいい、一体何をしていた。」
「それが…」
頼朝は今までを全て語った。
「ユクモ村…聞いた事ないな。」
「そんな…」
「いや待てよ、もしかしたら…」
「心当たりがあるのか!」
「そうじゃない。恐らく、お前は世界を飛んで来たんだろう。幻魔王の力によってな。」
「幻魔王?」
「ああ、時空を歪ませるほどの力を持つ怪物だ。先ほど、光がここに落ちたので見に来てみれば、お前が居た。」
「諸悪の根源はそやつか…討つ手立ては?」
「あるにはあるが、まだ不完全だ」
「不完全?」
「ああ、俺の持つ鬼の籠手がそうなんだが。未だ力不足でな。何処かにある秘剣が鍵らしい」
「もしかして…この刀を持ってみるでござる」
「今にも折れそうだが…どれ…」
ブワッ!シャキーン!
「これは!」
「やはりか!拙者が呼ばれたのはこの為か!」
「これが鉄砕牙…よし!これならいける!仁狼介とやら、幻魔王の下へ行くぞ、もしかしたら元の世界へ帰せるかもしれん。」
「本当でござるか!」
「確証は無いが、試す価値はあろう。ついて来い。」
二人は幻魔王の待つ、幻魔城へ向かった。
道中、様々な幻魔が行く手を阻むも、力を得た左馬介の前には無力、難なく幻魔王の下へ辿り着いた。
「来タカ…」
「ここまでだ、幻魔王、引導を渡してやる!」
「ヤレルモノナラ…ヤッテミロ!」
「うおおお!!」
壮絶な戦いが始まる。
打ち合うこと数十、いや、数百合。
左馬介にも疲労の色が。方や幻魔王は依然平然としている。
「ドウシタ…モウ終ワリカ?」
「くそっ…」
「…拙者は何か出来ないか?そういえばポーチに確か…」
「ナラバ…トドメヲ刺シテヤロウ…安心シロ、一瞬ダ」
幻魔城が禍々しい鎌のような武器を振り上げる、その時
「左馬介!伏せろ!」
「何?」
「いいから早く!」
バッ
ヒューン 
カッ!
「グウッ⁈」
頼朝が投げたのは閃光玉。
「クッ、何事ダ⁈」
「今でござる!行け!」
「チェストー!!」
ザシュウウ!
「ガアアアア!」
幻魔王は断末魔をあげながら倒れた。
「幻魔王、討ち取ったり…」
ゴゴゴ…
「地震か⁈」
「城が…崩れる…!」
「おい!仁狼介!見ろ!」
左馬介の指す先には光が。
「恐らく、お前のいた世界への道だ!行け!」
「しかし、お主はどうするのだ!早く脱出せねば…」
「大丈夫だ。良いから…行けっ!」
ドンッ!
「うわっ!」
仁狼介を光へ思い切り蹴飛ばす。
「すまんな、仁狼介よ…ん?」
左馬介の視線の先には青い人魂のようなもの。
やがてその人魂のようなものは頼朝を追いかけるように光へ飛び込んで行った。
「なんだったんだ、今のは…まあいい、これも返すか。そらっ!」
左馬介は鉄砕牙を道中に拾得した”牙納”と刻まれた鞘に納め、光へ投げ込む。
光は収束し、やがて消えた。
「急ぎ、脱出せねば」
左馬介は踵を返し、駆け足で城からの脱出を始めた。

ユクモ村 洞窟前

シュウウ…ドサッ
光から現れ、倒れる頼朝。青い人魂もそばにあった
人魂は頼朝の左手に宿り、碧い宝石の腕輪となった
こうして頼朝はユクモ村へ帰ってきた。新たなる力と剣を携えて。

最終更新:2018年06月28日 14:38