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  • 岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑩

自分用SSまとめ

岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑩

最終更新:2011年06月11日 19:56

meteor089

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管理者のみ編集可

岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑩

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25 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:34:31.14 ID:87786avZ0

  1983年(昭和58年)
       6月15日(水)


沙都子と梨花は学校へと行き、露伴は一人村を散策していた。
露伴には鷹野三四と接触する方法が思い浮かばなかった。
明日の入江との接触があるので無理な行動はしないという前提がある。
そのため、露伴には偶然富竹や鷹野に会う可能性にかけるくらいしかすることがなかったのだ。

いや、正確には露伴は入江に会うまでは何もするつもりはなかった。
しかし、梨花達の家にいるわけにもいかず、羽入がうるさいので村を散策しているだけだった。

28 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:35:26.57 ID:87786avZ0

露伴は詩音に会って話をしようとも考えていた。
しかし、昨日の夜には電話が繋がらなかった。

そしてこの日の夕方、学校が終わっているであろう時間に電話をかけたがやはり繋がらなかった。
露伴は雛見沢に来てから初めて、何事もない日を過ごすことになる。
1日を終え、帰宅してからも特に変わったことはなかった。

変わったことといえば。
魅音からの伝言で明日の綿流し実行委員会の会合への出席をするよう言われたこと。
レナが学校を休んだらしいということくらいだろうか。

会合は出し物の都合だろう。レナも父と話し合いでもしているに違いない。
今の露伴にとってとくに興味が出るようなことは何一つなかった。

29 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:36:54.84 ID:87786avZ0

  1983年(昭和58年)
       6月16日(木)


この日も露伴は午前中は無駄に過ごす。
特にするべきこともなかったし、富竹や鷹野に出会うという幸運に恵まれることもなかった。

午後になると、露伴は入江に出会うため興宮へと向かった。
野球の練習が始まるのは学校の授業が終わってから。
子供たちが興宮まで自転車で移動する時間を考えると、まだまだ始まらない。

露伴は雛見沢探索に飽き、図書館で時間を潰すためだけに早めに興宮に来たのだ。
しかし、図書館にも露伴の暇を潰せるものはなかった。

戯れに新聞を見てみるが、自分にとっては過去の出来事。
無論、知らないことばかりだが、露伴にとって意味はない。
一面に史上最年少将棋名人誕生と書いてあったので、将棋の本を読んでみたりもした。

30 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:38:18.12 ID:87786avZ0

ただただ無駄に時間を過ごす露伴に羽入は呆れているようだった。

羽入「露伴・・・、綿流しのお祭りまではもう時間がないのです。
   それまでに梨花を、いえ、富竹や鷹野を殺す犯人がわからなければ・・・。」
露伴「そうだな。このままいけば5年目の祟りは起こるだろうな。」
羽入「あぅあぅ。それなのにこんな暇をしていていいのですか?」
露伴「これから入江に会うんだ。会ってみないとどうしようもないだろう。」
羽入「入江に会うのはわかっているのですが、それでどうするのですか?」
露伴「鷹野三四と接触できるようにしてもらう。鷹野三四が実質の診療所の長なんだろう?
   (鷹野のことは黙っていたが、鷹野三四と接触すること自体は隠せないしな。)」
羽入「鷹野から全てを調べるつもりなのですか?」
露伴「少なくとも、彼女がもっとも情報を持っているだろう。
   下っ端や実質研究員の入江より、危機管理者の鷹野三四に当たったほうがいい。
   鷹野に接触できたなら、天国への扉(ヘブンズ・ドアー)を使うつもりだ。
   入江は、どうしても話がつかないなら天国への扉(ヘブンズ・ドアー)を使わせてもらうか。」
羽入「わかったのです。それでは鷹野との接触に期待していますです。」
露伴「あぁ、まずは入江をうまく使わないといけないがな。
   そろそろグランドへ行くか・・・。」

31 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:39:05.25 ID:87786avZ0

露伴は図書館を出る、興宮小学校はすぐ近くだった。
小学校へと近づくと野球の球を打つような音や子供の声が聞こえてくる。
どうやら、練習は始まっているようだ。

露伴が学校の正門をくぐると、入江の姿はグラウンドの中にあった。
子供と共に練習に参加し、指導しているようだ。
露伴は入江に気づかれないようその様子を眺めていた。

やがて入江の指導も終わり、子供たちだけでの練習が始まる。
入江はベンチに座り子供たちを見ているようだった。
露伴は入江へと近づいていく。すると入江は露伴に気づいたようだ。

32 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:39:56.43 ID:87786avZ0

入江「おや、こんにちわ、露伴さんでよかったですよね?」
露伴「えぇ、こんにちわ。入江先生。」
入江「お名前を覚えていただけているとは光栄です。
   今日はどうなさったんですか?」
露伴「梨花ちゃんから聞いたんですよ。
   ぜひ野球の練習を見に来てほしいと入江先生が言っていたとか。」
入江「なるほど。本当に来て頂けるとは思っていませんでしたよ。
   沙都子ちゃんの件を聞きましてね。」
露伴「叔父のことですか?」
入江「えぇ。私も去年からあの叔父のことは知っていました。
   帰ってきたと聞いたときは・・・、どうしようかと思ったのですが。
   露伴さんが追い払ってくれたと聞きました。いったいどうやったんですか?」
露伴「あまり人様に誇れる方法じゃあないんですよ。
   叔父は麻雀を生業にしていたみたいなんで、麻雀でちょこっと懲らしめたんですよ。
   まぁ、そのあと殴りかかってきたんで実力行使した部分もありますが。」

そう言って露伴は苦笑いした。

33 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:42:17.43 ID:87786avZ0

入江「暴力を肯定するわけではありませんが・・・。
   あの叔父はかなり乱暴な人間です。
   正当防衛ということであれば、露伴さんが非を感じることはありませんよ。」
露伴「そう言ってくれるとうれしいですね。」
入江「私は沙都子ちゃんのことを本当に大切に思っています。
   未婚の私には無理だったんですが、養子として迎え叔父から沙都子ちゃんを救うことを考えたこともありました。
   結局、他人である私達にはもうどうすることもできなかった。そう考えていました。

   しかし、あなたは沙都子ちゃんを救ってくれた。
   あなたのとった方法が人として正しいのか、それは私にはわかりません。
   ですが、私は、入江京介は沙都子ちゃんを助けてくださった露伴さんに心から感謝しています。
   本当にありがとうございました。」
露伴「改まって言われると恥ずかしいですよ。僕は泊めてもらってる恩を返しただけなんです。」
入江「理由がなにであれ、あなたは沙都子ちゃんを救った。それが全てです。
   沙都子ちゃんもあなたが大好きなようです。うらやましいですよ。」

34 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:43:39.43 ID:87786avZ0

露伴「入江先生も長い付き合いなのではないんですか?」
入江「そうですね。沙都子ちゃんとは長ーい付き合いです。
   そもそも私と沙都子ちゃんにはご主人様とメイドという大切な関係があります。
   私達二人の間にはメイドさんの純白のエプロンのように清らかな絆があるんです。
   いくら露伴さんでも、私の沙都子ちゃんを奪うというなら容赦しませんからね。」
露伴「あ、ははは、そんなことしませんよ・・・。
   (この人も前原父と同じタイプのような気がする・・・。
   メイド喫茶にでも行ったら発狂するんじゃないか?)」
入江「露伴さんッ!!」
露伴「は、はい?」
入江「今あなたの目にとても美しい光景が映っていました。
   メイドさん達がたくさんいらっしゃるお洒落な喫茶店のような・・・。
   やはり露伴さんもメイドがお好きなんですね。いま目に映ったのはなんなんですか!?
   まさかそんな場所が実在しているんですか!?」

35 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:44:25.29 ID:87786avZ0

入江がすっかりメイドモードになり、しばらく付き合わされることになる。
露伴は雛見沢には変人が多いと思った。同人作家やらカレー狂やらメイド王やら。

そのメイド王の話もなんとか一区切りついたようだ。

入江「すみません、興奮してしまって。
   てっきり露伴さんもメイド仲間かと思いまして・・・。
   まぁ、お嫌いではないようで嬉しいです。」
露伴「ははは。まぁ、その話はまた今度にしましょう。」
入江「そうですね。私はあなたに沙都子ちゃんの件のお礼を言いたかっただけですから。」
露伴「それじゃあ、お礼ついでに僕のお願いを聞いてもらえませんか?」
入江「お願い・・・ですか。
   沙都子ちゃんの恩人に言われては断れませんね。
   私にできる範囲でしたら、どうぞおっしゃってください。」

36 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:45:18.33 ID:87786avZ0

露伴「いえ、大したことじゃあないんですよ。
   僕が雛見沢に来ている理由はご存知でしたっけ?」
入江「漫画の取材ですよね?この前お会いしたときに聞いた気がします。
   一応、富竹さんからも聞いています。オヤシロ様の祟りを調べているとか。」
露伴「えぇ、それでですね。診療所の鷹野三四さんというかたが雛見沢の風土に詳しいと聞いています。
   それで紹介していただきたかったんですよ。」
入江「そうですか。まぁ、そのくらいでしたら大丈夫ですよ。
   鷹野さんは人に雛見沢の風土について話すのが好きですからね。
   紹介すれば話してくれると思います。」
露伴「それではよろしくお願いします。できれば、早めにお願いしたいんですが大丈夫ですか?」
入江「いつごろがいいですか?鷹野さんに聞いておきますよ。」
露伴「実は綿流しのお祭りが終わったら、取材を終えて帰らないといけないんですよ。
   できるだけすぐがいいんですが・・・。」
入江「そうですか・・・。」

37 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 15:46:48.97 ID:87786avZ0

入江は少し考え込んだが、すぐに返答した。

入江「では、わかりました。明日の昼に診療所に来ていただけますか?
   お昼休みの間に鷹野さんを紹介しますよ。お昼休みは12時半から2時半までなので、その時間に来てください。」
露伴「入江先生、申し上げにくいんですが、雛見沢の人はお嫌いな話になるかもしれません。
   他の職員の方が祟りの話を耳にされると気分を悪くされると思います。できれば診療所の外でお会いしたいんですが。」
入江「えぇ、私も少しは鷹野さんから話を聞いているのでわかってますよ。
   他の方には聞こえないよう応接室をお貸ししますので、ご安心ください。」
露伴「そうですか。それでは明日の昼に伺いたいと思います。
   よろしくお願いします。」
入江「はい、お待ちしております。
   露伴さんにメイドの素晴らしさをお伝えする資料も準備しておきますので、覚悟してきてくださいね。」
露伴「ははは、それは遠慮したいですねぇ。」

一度固くなった雰囲気を入江が冗談で紛らわせてくれた。
そのあとも二人は村の子供たちについてなど雑談を続けた。
入江は本当によくできた人間だった。
診療所では鷹野がもっとも権限を持っているかもしれない。
だが、入江は人としても医者としても素晴らしく、雛見沢の診療所所長としてふさわしい人間だった。
露伴は彼をただの研究者扱いしたことを少し悪く思った。

54 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 17:12:13.21 ID:87786avZ0

日が落ち始め、入江が子供たちに練習を終わるように指示する。
露伴もそろそろ実行委員会の会合へと向かわなくてはならない。
入江にそれを伝えると、一緒に行くように誘われた。

入江は綿流し実行委員会の総務部で医療担当をしているそうだ。
ちなみに露伴はイベント部の出し物に参加することになる。
自転車も車に積んでくれるそうなので、露伴は入江の厚意に甘えることにした。

55 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 17:13:43.05 ID:87786avZ0

綿流し実行委員会の会合は、古手神社の境内にある集会所で行われる。
露伴と入江が着いたときには、すでに何人かの村人が中に入っていた。
集会所の中で入江と話をしながら待っていると、圭一が入ったきた。

圭一「あ、露伴さーん。こんちわっす。あれ、そちらの方は?」
入江「前原さんですよね?入江と言います。はじめまして。
   入江診療所の所長をやっています。よろしくお願いします。」
露伴「圭一君は病院に行くことはなさそうだからなぁ。」
圭一「へへッ。まぁ、体だけは丈夫っすからね。」
露伴「いやいや、なんとかは風邪ひかないってやつだよ。」
圭一「露伴さん、それはひどいですよ!学校じゃあ一番勉強できるんですよ?」
露伴「そうなのかい?意外だねぇ。ふふふ。」
圭一「あー、もう絶対信じてないなぁ。」
梨花「露伴の頭がよすぎるのです。しょうがないのですよ。」

いつの間にか梨花が現れ、圭一の頭を撫でていた。
そのまま梨花も混ぜ雑談になる。露伴たちは会合が始まるまでそうしていた。
ちなみに圭一は露伴の出し物の司会をするため、今日の会合に来たらしい。
梨花はもともと奉納演舞があるので、会合には毎回参加していたそうだ。

56 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 17:14:58.21 ID:87786avZ0

会合の時間になったため、公由村長がはじまりの挨拶をする。
魅音が用事があったため遅れて来るそうだ。
そのため、露伴と圭一に自己紹介を求める。

露伴も圭一も無難な挨拶を済ませたところで魅音が到着した。
その後はいろいろと決めることがあるらしく、各部に分かれて話し合いをする。
露伴と圭一は新参なので何もわからなかったが、村人がいろいろと必要なことは教えてくれた。

会合も終わりになり、公由のだらしない締めの挨拶の後、解散となる。
魅音はまだ決めることがあると言うので、圭一と入江は帰ることにする。
露伴も彼らを神社の階段の下まで送ると、沙都子の待つ家へと帰ることにした。

57 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 17:15:53.29 ID:87786avZ0

露伴が階段を登り、集会所の前を通ると魅音に呼び止められた。

魅音「露伴さん、ちょっといい?」
露伴「うん?何か決めることでもあるのかい?」
魅音「ううん、会合はもう終わりだよ、ちょっと。」

そう言って、魅音は露伴を呼び寄せる仕草をする。
露伴は人前では話せない話なのだと気づき、魅音についていく。
そのまま神社の境内裏の人気のない場所へと二人は歩いていった。

露伴「このへんでいいんじゃあないか?」
魅音「うん。そうだね。」
露伴「で、何の用だい?」

58 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 17:16:39.39 ID:87786avZ0

魅音「露伴さん、ここからは友人の園崎魅音じゃない。
   園崎家頭首代行園崎魅音として話をさせてもらうよ。」

魅音がそういうと、魅音の目つきがかわる。
いままで露伴に見せたことのない鋭い目つきだった。

露伴「わかった。話を聞こう。」
魅音「園崎家頭首お魎がお会いしたいと言っています。
   このあと、本家のほうにお越しにになって頂けますね?」

魅音の口調は強いものだった。
そこには、露伴の意思は関係なく強制的に本家へと連れて行く意思が込められていた。
露伴もそれを感じ取る。

60 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 17:19:23.09 ID:87786avZ0

露伴「わかったよ。でも、夕食がまだなんだ。
   沙都子ちゃんが用意してくれてると思う。
   夕食の後に伺うんでいいかい?」
魅音「・・・。
   わかりました。私が本家に戻り次第、迎えの車を寄こします。
   階段のところで待たせておきますので、お乗りください。」
露伴「あぁ・・・。
   で、頭首様は何の用なんだい?」
魅音「本家で頭首本人からお聞きください。
   私からの用件は済みましたので、失礼します。」

それだけを伝えると、用件を終えた魅音は硬い表情のまま立ち去った。
羽入が何事かと騒ぎ立てていたが、露伴は無視して家へと戻る。
流石の露伴もまだ何が起きているのかはわかっていなかった。

81 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 19:28:35.59 ID:87786avZ0

露伴は余計なことを言うなと羽入に忠告した後、家へと戻った。
すでに梨花と沙都子が夕食の準備を済ませ、露伴を待っていた。

沙都子「露伴さん、遅いですわよ。何をやってたんですの?」
露伴「あぁ、すまない。ちょっと魅音ちゃんに呼ばれてね。
   このあとお酒の席に呼ばれたから、夕飯を食べたら園崎家に行くことになった。」
沙都子「あら、そうでしたの。大人の方はお付き合いが大変ですわね。」
露伴「まぁ、そういうわけだから、食べたら出かけるよ。」

露伴は特に何もなかったかのように振る舞い、食事を終える。
沙都子に鍵はポストに入れておくから帰ってきたら自分で開けるように言われた。
夜の間に帰ってこれるのかはわからないので、園崎家に泊まってくるかもしれないと伝えておいた。

82 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 19:29:23.12 ID:87786avZ0

露伴が境内を抜け階段を降りると黒塗りのリムジンが1台止まっていた。
中から男たちがぞろぞろと出てくる。その中の髭面の男が話しかけてきた。

??「岸辺露伴さんですね?」
露伴「あぁ。そういえば詩音ちゃんのアパートで見かけた人かな?」
??「はい、葛西と言います。
   園崎家までお送りしますのでお乗りください。」
露伴「ご苦労様。」

露伴はそう言うと、葛西の案内通りに車に乗せられる。
後部座席で2人の男に挟まれて乗る形になった。
よほど露伴を逃がしたくないようだ。


83 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 19:30:22.34 ID:87786avZ0

車内では会話をすることもなく、園崎家へと着いた。
立派な門の前に案内される。門には園崎と書かれた表札がかかっていた。

葛西が呼び鈴を押した。ビーーー。ビーーー。
呼び鈴とはインターホンではない。相手からの返答はない。
露伴たちはしばらく門の外で待つことになる。

やがて、中から人が歩く音が聞こえる。砂利を踏みしめる音が。
そして閂がゴトリと重い音を立て、扉が開いた。
扉を開けたのは魅音だった。

魅音「葛西さん、ご苦労様です。」
葛西「いえ。」
魅音「さぁ、露伴さん、お入りください。
   ご案内申し上げます、どうぞこちらへ。」

魅音は礼儀正しく頭を下げる。
露伴は今の魅音が園崎家頭首代行であることを理解した。

85 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 19:32:04.61 ID:87786avZ0

露伴「お邪魔いたします。」

露伴は一言だけ答え、魅音に付いていく。
暗くてよく見えなかったが、広い庭を通りぬけ、母屋へと案内された。
葛西達も母屋まで案内された後、玄関からは自分達でどこかの部屋へと向かって行った。

そのままとある部屋の前まで案内される。
露伴はその部屋にお魎がいるものだと思っていた。

魅音「こちらに露伴さんにお会いしたいという方達がいます。
   頭首も彼女達との面会を許されました。
   20分ほどしたら使いを寄こしますので、頭首の部屋にいらしてください。」

魅音はそれだけ告げ、頭を下げると廊下の奥へと消えていった。
露伴はどうすることもできず、障子を開け、案内された部屋へと入ることにした。


障子を開けると、露伴の知る二人の顔が飛び込んでくる。
露伴は冷静を装い、部屋に入り障子を閉めた。

部屋にいたのは、レナと詩音だった。

93 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 20:35:42.81 ID:87786avZ0

レナと詩音は露伴が入ってきたときから俯いていた。
露伴が用意されていた、自分のためであろう座布団へと座る。
それでも彼女達は口を開けなかった。
露伴は少し考えた後、最初の言葉を発した。

露伴「君達が一緒にいたのは驚いたが、大体何があったかわかったよ。」

露伴がそう言うと、二人は互いの顔を見合わせる。
詩音はすぐにまた俯いたが、レナは露伴の顔を見て話し始めた。

レナ「露伴さんは察しがいいからわかっているかもしれないけど、
   露伴さんがここに呼ばれたのはレナ達のせいなんだ。ごめんね。」
露伴「いや、レナちゃんがここまでやるとはね。ふふふ。
   僕の想像以上だったよ。」
レナ「あはは、やっぱりお見通しだね。だね。」

露伴が言った言葉は的確だったらしく、レナは乾いた笑いをしてみせる。
だが、それも続かない。レナはため息をついたあと、覚悟を決めたようだった。

94 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 20:36:52.82 ID:87786avZ0

レナ「あのね、露伴さん。私、露伴さんの言うとおりにしたの。
   魅ぃちゃんに相談してお父さんと話し合った。」
露伴「あぁ、学校を休んだと聞いたから、そうじゃないかと思ったよ。」
レナ「レナのことはね、解決したんだよ。
   それで今度はねレナが魅ぃちゃんの悩みを解決してあげようと思ったの。」
露伴「魅音ちゃんと詩音ちゃんの仲を取り持とうとしたわけだ。
   そこまでは僕の読みどおりなんだが・・・。」
レナ「あはは。余計なことしちゃったかな・・・。かな・・・。」
露伴「うーん、間違ったことはしてないんじゃないかい?
   僕としてはちょっと困るけどもね。」
詩音「私が余計なことを言ったんです・・・。」
露伴「君の悩みは解決したのかよ?」
詩音「レナさんが、鬼婆にいろいろ言ってくれて・・・。
   でも、その上で私が露伴さんの話をしちゃって・・・。」
露伴「悩みが解決したなら、余計なことじゃあないだろ。
   あまり気にするなよ。」
詩音「でも、鬼婆は露伴さんが祟りに関わってると思ってます・・・。」
露伴「ふふふ。大丈夫だよ。僕がやられると思うのかい?
   まぁ、一応詳しい話だけしてくれよ。」

95 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 20:38:08.50 ID:87786avZ0

露伴には魅音と詩音の仲を改善し、発症を防ごうという考えがあった。
そのため、先日レナに詩音のことをさりげなく伝えていた。
しかし、レナが園崎家まで巻き込んで二人の関係を改善することは読めなかったようだ。

何があったのかを簡潔に書こう。
レナは魅音に父の相談をし、翌日に父との話し合いをした。
父の問題が解決したレナは、魅音と詩音の関係について魅音から聞き出す。
そして、魅音と詩音の関係だけでなく、詩音と園崎家の関係も修復しようとしたのだ。
レナは露伴の予想以上の結果をだし、詩音と園崎家の関係を修復する。
だが、その際に詩音から露伴の情報が園崎家に伝わってしまった。
これがここ2日間、露伴の知らない間に起きていたことだ。

園崎家にとって、オヤシロさまの祟りはマイナスでしかない。
村のイメージとしても、自分達と警察の関係にしても快く思っていなかった。
もし露伴が真相を知っているなら、それを聞き出す必要がある。
そして5年目の祟りが起こるなら、それを阻止したい。
園崎家の考えはそんなところだった。

96 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/01/12(土) 20:41:45.35 ID:87786avZ0

大方のあらすじを話し終えると、二人はまた俯き謝り続けていた。
どうやら園崎家は露伴に何をしてでも真相を聞き出すつもりのようだ。
そのため、二人は責任を感じここで露伴を待っていたらしい。

露伴「ほら、もういいって。
   この岸辺露伴がヤクザくらいにどうにかされると思うのかい?
   ふふふ。心配するなよ。」

露伴が二人に強がっていると、廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。
どうやら、お迎えがきたようだ。

露伴「じゃあ、僕は行ってくるよ。
   二人は、もう遅いから帰りなよ。」

二人が何と返事をしていいかわからず困っていると、露伴は部屋から出て行ってしまった。

露伴は迎えに来た葛西に案内され、奥の部屋へと向かう。
何人もの人間の気配がする障子の前まで案内された。
どうやらお魎だけというわけではないようだ。
露伴が覚悟を決め、頷くと葛西が障子を開けた。

139 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:47:10.33 ID:87786avZ0

部屋の中にはかなりの人数がいた。
布団に入ったまま体を起こす老婆が中心に居座る。
魅音の母だろうか。緑髪の美しい着物姿の女性が老婆の真横に座っている。
そしてそこから老婆を囲むように数人の男と魅音が座っていた。
部屋の端にも何人かの男が座り控えている。

その圧倒的な光景に露伴は立ち尽くした。

葛西は一礼をしたあと部屋の端に座る男達のもっとも上座に座った。
おそらく、彼らはお魎を守るためにいるボディーガードのようなものだろう。
魅音が座る位置を考えると、老婆の周りに座る男たちは園崎家の権力者だと考えられる。

露伴は状況を認識し終えると、心を落ち着け、部屋に入ることにした。

140 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:48:16.19 ID:87786avZ0

部屋に入ると、露伴は障子を閉め。
老婆の正面に正座した。そして口を開く。

露伴「初めまして。岸辺露伴と申します。雛見沢へは数日前より訪れております。
   園崎家党首お魎さんへのご挨拶が遅れて申し訳ございません。」

露伴はそう言うと、両手を付き、深々と頭を下げた。

??「おやおや、礼儀正しいお人だねぇ。
   ねぇ、母さん?」
老婆「頭をあげぇ。」

老婆が一言だけ声を発すると、露伴は頭をあげた。
老婆は露伴をにらみ付けている。

老婆の目は俗に言う"鷹の目"。園崎家党首が持つ圧倒的な風格を漂わせる鋭い目だった。
そしてその横に控える女性もまた、同じ"鷹の目"で露伴を見据えていた。

141 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:49:35.81 ID:87786avZ0

しかし、露伴も負けてはいない。
露伴は一度目をすっと閉じると、ゆっくりと目を開け、老婆に限らず親族達を見渡した。
その露伴の睨みに親族の男達は顔を背けた。"鷹の目"を持つはずの魅音もその顔を背ける。

スタンド使いとしてこれまで幾度と死線を潜り抜けてきた露伴の目。その風格。
それはもはや、人間の目ではなくなっていた。いや、人間どころか動物ですらない。
異形の者の目となった露伴の睨みに、ヤクザの大幹部である親族すらも目を合わせることはできなかった。

露伴を睨み返すことができたのは、老婆とその横の女性のみ。
研ぎ澄まされた"鷹の目"を持つ二人だけが、露伴を見据えることができた。
露伴はそれを見て、この二人が今日の場でもっとも力を持つ二人だと認識した。
そのうちの一人である女性が口を開く。

??「そんなに怖い顔で睨まないでおくれよ。ふふふ。」

それを聞き、老婆も口元をニヤリと歪ませている。
露伴はその言葉を受け、睨みをやめた。

144 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:51:45.77 ID:87786avZ0

??「もうお分かりだとおもうけど、こちらが園崎家党首お魎。
   私はその娘、園崎茜。本来は魅音が取次ぎをするんだけど、アンタとは"友達"らしいからね。
   私が取次ぎをさせてもらうよ。」
露伴「魅音ちゃんにお世話になっております。
   よろしくお願いします。」

露伴は軽く一礼した。
その様子を見て茜はくすくすと笑う。
おそらく露伴が普段こんなに礼儀正しい人物ではないのに感づいているのだろう。

茜「それじゃあ、とっとと本題に入ろうかねぇ。
  レナちゃんと詩音から大体の話は聞いてるかい?」
露伴「成り行き程度でしたら。」
茜「そりゃあ話が早いね。アンタ、オヤシロ様の祟りについて何か知ってるんだろ?
  それを話してほしいってことさ。」
露伴「オヤシロ様の祟り・・・ですか。」
茜「アンタがやばい話を知ってるっていうのは、詩音に聞いてるよ。
  アンタを警察に突き出したりはしないがね、ここまで来てもらったからには全部話してもらうよ。
  黙ってれば帰してもらえるなんて甘いことは考えないことさね。」
露伴「・・・。」

145 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:52:46.77 ID:87786avZ0

露伴はしばらく黙りこんでしまう。
親類も言葉を発しないため、沈黙が続く。
その沈黙をお魎が破った。

お魎「だぁっとらんで、とっとと喋らんかぃな。
   帰ぇさねだけでねぐ、生きても帰ぇれんかもしれんよ?」

しかし、それでも露伴は喋らない。
お魎は気が長いほうではないらしい。
露伴がすぐに返答をしないと見て、怒鳴り散らす。

お魎「だぁっとったらわからんちゅうんじゃあああ!!
   こん餓鬼ゃ、だあが口聞いとんかわかっとらんかぁぁあああ!?」

お魎の罵声を浴び、やっと露伴は口を開ける。

露伴「申し訳ありません。これだけの人の前ではとても喋ることはできません。」

146 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:54:10.60 ID:87786avZ0

露伴がそう答えると、お魎は茜の耳元になにやら囁いた。
すると茜が葛西に目配せをする。葛西はうなずき、部屋から出て行く。
他の男達もそれに続いて出て行った。
部屋には園崎家の親族だけが残る形となる。

茜「これで満足かい?露伴さん。」
露伴「いえ、お魎さんと二人だけで話をさせて頂きたい。」

露伴はそう言うと、再び両手を畳につけ、先ほどよりもさらに深く頭を下げる。
そしてそのまま頭を上げることはない。
もはやこれは土下座しているのと変わらなかった。

茜「それは無理な相談ってもんだよ。
  頭首とどこの馬の骨かもわからないあんたを二人にできるとお思いかい?」
露伴「ですから、こうして頼んでいます。」
茜「駄目なもんは駄目だよ。頭をお上げ。」

148 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:56:42.58 ID:87786avZ0

茜が促すが、露伴は頭を上げない。誰も喋らないまま数分が過ぎる。
もうどれだけ時間がたっただろうかと露伴が考えていると、誰かの足音がした。

その誰かは露伴に近づいてくる、そして近くに正座した。

魅音「婆っちゃ。露伴さんは私の友達だ。
   絶対に婆っちゃと二人っきりになっても危害を加えたりしない。
   どうかこの通りだから、露伴さんの話を聞いてあげてよ。」

魅音はそう言うと、露伴と同じように深々と頭を下げた。

親族は魅音の行為に動揺したのか、ヒソヒソと何か話し合っている。
その会話を遮るように茜が言う。

茜「魅音。仮にも園崎の頭首代行がそんなに簡単に頭を下げるんじゃないよ。
  それに、この世の中に絶対なんてものはないさね。
  もし、万が一が起こったらどうするんだい?」
魅音「私がケジメをつけます。」

149 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:58:03.98 ID:87786avZ0

茜「『頭首』に万が一のことがあったら、そのケジメをつけると。
  その意味がわかって言ってるんだね?」

茜が『頭首』という言葉を強調する。
しかし、魅音は怯まなかった。

魅音「はい。露伴さんは私の友達です。
   絶対にそんなことは起こりません。
   ですから、どんなケジメでも私は受け入れます。」

茜は魅音からすぐに返答が返ってくると思わなかったようで少し驚いた顔をする。
そしてお魎と何かヒソヒソと話をした。
その話が終わると、茜は立ち上がり、その場の親族全体に向かって言った。

茜「今日はもう頭首はお休みになられる。
  魅音、露伴さんを客間に案内して布団を用意しな。
  皆様方も今日はもうお帰りになるか、お休みになるように。」

150 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 22:59:00.04 ID:87786avZ0

茜のその言葉を受け、親族達はぞろぞろと部屋を後にする。
皆、お魎に一言挨拶をすると出て行った。

親族が出て行っても、魅音と露伴は頭を下げたままだった。
それを茜が一喝する。

茜「魅音ッ!聞こえなかったのかい!!
  さっさと露伴さんを案内しな!!」

茜の剣幕に押され、魅音は頭を上げたようだ。
そして露伴に客間へ行くよう声を掛ける。

露伴は魅音の顔を立てるために頭を上げ、お魎に一礼してから部屋を後にするのだった。

152 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/12(土) 23:01:01.39 ID:87786avZ0

魅音「露伴さん、ごめんね。
   私も露伴さんの味方になりたいんだけど・・・。」
露伴「ふふふ。気にするなよ。
   あぁいうお年寄りとヤクザには筋を通しといたほうがいいのさ。」
魅音「それじゃあ、露伴さん頭下げたのも全部演技ってわけ?」
露伴「ふふふ。僕を誰だと思ってるんだい?
   この岸辺露伴。死ぬまで誰にも屈服はしないよ、心はね。
   あんな表面上のことで話を聞いてくれるなら安いもんさ。」
魅音「あはは・・・。聞いてくれると・・・いいんだけどね。」
露伴「気にするなよ、自分で蒔いた種だからね。
   自分でなんとかするよ。」
魅音「露伴さん、いろいろありがとうね・・・。詩音のこと・・・。」
露伴「レナちゃんに礼を言うんだな。僕は何もしてない。」
魅音「うん・・・ありがとう・・・。」
露伴「・・・。」

客間に案内された露伴は布団を出してもらう。
魅音に礼を言うと、すぐに布団に入った。

羽入が何か騒いでいるが、関係ない。
流石に疲れた露伴はそのまま眠るのだった。

210 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/13(日) 01:40:23.89 ID:YF7VRS8H0

  1983年(昭和58年)
       6月17日(金)

        • 入江診療所----

入江「おかしいですね・・・。」
鷹野「入江先生、いつ来るんですか?お客様は。」
入江「もう来てもおかしくない時間なんですが・・・。」

すでに時間は2時近くになっていた。
午前の診療が終わってから拘束され続けている鷹野はだいぶ機嫌が悪かった。
さっきから入江に文句を言い続けている。なんとか入江は彼女をなだめる。
しかし、入江の努力が報われることはなかった。
その日、露伴が診療所へ来ることはなかった。

211 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/13(日) 01:41:11.47 ID:YF7VRS8H0

        • 古手神社防災倉庫の2階(梨花達の家)----

夜、電話を掛ける沙都子の姿があった。

とおるるるる とおるるるるる ぶっ
??「はい、もしもし。園崎ですけれど。」
沙都子「も・・・もしもし・・・。」
??「どちらさまですか?」
沙都子「・・・。
    ほ・・・、北条です・・・北条沙都子ですわ・・・。」
??「おやおや、沙都子ちゃんかい。こんばんわ。
   魅音の母の茜だよ。わかるかい?」
沙都子は相手が茜だと知り、安心する。
茜と面識があるわけではないが、電話の対応は優しい感じがした。
なにより、鬼婆やお手伝いの人間に出られるよりはましだった。

213 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/13(日) 01:42:06.51 ID:YF7VRS8H0

沙都子「茜さんですわね。こんばんわ。
    昨日の夜そちらにお伺いした露伴さんは知ってますかしら?」
茜「あぁ、漫画家の兄ちゃんね。その露伴さんがどうしたんだい?」
沙都子「その露伴さんがまだ家に帰ってこないんですわ。
    そちらにはお邪魔してませんこと?」
茜「・・・。
  いや、昨日の夜は泊まってたけど、今はうちにはいないねぇ。」
沙都子「そうですか、ご迷惑をおかけしましたわ。ありがとうございました。」
茜「いーえ、お役に立てなくてごめんよ。」
沙都子「いえいえ、それでは失礼しますわ。」

沙都子はそう言って受話器を置いた。

その後、梨花に相談するが、1日帰ってこないくらい様子を見ろといわれる。
沙都子は不安な気持ちを持ったまま床に就くのだった。


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