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  • 自分用SSまとめ
  • 岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑭

自分用SSまとめ

岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑭

最終更新:2011年06月11日 20:11

meteor089

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管理者のみ編集可

岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑭

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142 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:20:02.19 ID:SkilSIER0

  1983年(昭和58年)
       6月20日(月)

露伴は早朝に魅音に起こされた。魅音は昨日頼んだ時間にきっちりと起こしてくれた。
沙都子や梨花が学校に行く前に家に戻り、着替えや風呂を済ませたかったからだ。

露伴「それじゃあ、お邪魔したね。お魎さんにもよろしく言っておいてくれよ。」
魅音「うん。それじゃあまたね。」
露伴「あぁ、またね。」

露伴はそう言い、門から出ようとした。

魅音「露伴さんッ・・・ちょっと待って。」
露伴「うん?なんだい?」
魅音「また、会えるんだよね?
   綿流しも終わっちゃったけど、すぐ帰っちゃったりしないよね?」
露伴「あぁ、もう少しはいるよ。それに、お別れの時にはちゃんと挨拶に来るから心配するなよ。」
魅音「う、うん・・・。」

露伴はそれだけ答え、門から出て行った。

144 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:21:05.33 ID:SkilSIER0

家へと戻ると、沙都子は既に起きて朝食の準備をしていた。

露伴「ただいま。」
沙都子「あら、お帰りなさいませ。
    ちょうどご飯ができるところですわよ。」
露伴「あぁ、そのまえにちょっとシャワーを浴びてもいいかい?」
沙都子「そのくらいの時間ならありますわ。
    それじゃあ露伴さんが出たら朝食にしましょうかしら。」

露伴は風呂場を借りることにする。
この時代のシャワーは温度が安定しないんだよな。
そんな愚痴を考えていると、扉からにゅっと人が入ってくる。

露伴「う、うわ、な、なんだぁッ!?」

145 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:22:13.78 ID:SkilSIER0

流石の露伴もこれには慌てて前を隠す。
入ってきたのは羽入だった。

沙都子「露伴さーん、どうかしましたのー?」
露伴「い、いや、なんでもないよ、すまない。」

つい声を出してしまったので沙都子に返事をしておく。
それからはスタンドで聞こえないように会話した。

露伴「なんだよ、覗きのつもりか?」
羽入「僕は露伴の体になんて興味ないのですよ。」
露伴「ふん、僕だっていきなりでびっくりしただけさ。」

露伴はそういうと、羽入にかまわずシャワーを浴び続ける。
羽入は興味がないといいながら頬を赤らめていた。

146 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:24:00.99 ID:SkilSIER0

露伴「で、何の用だよ?」
羽入「富竹と鷹野は・・・どうなったのですか?」
露伴「鷹野は何も知らないが、昨日園崎家に富竹がどうのこうのって電話がかかってきていた。
   おそらく、祟りで死んだんだろう。」
羽入「やはりですか・・・。」
露伴「用はそれだけか?」
羽入「露伴でも祟りを食い止めるのは無理なのですね。」
露伴「・・・。」
羽入「用はそれだけなのです。ボクももう露伴にくっついているのはやめますです。
   もし、真相がわかったなら教えてほしいのです。」
露伴「それは、この岸辺露伴が真相を暴けないと、そう言いたいのか?」
羽入「露伴がこの世界に来て一週間が経ちました。
   もっとも手がかりになりそうな鷹野ももういないのです。
   梨花が死ぬまであと数日しかないのですよ。」
露伴「ようは期待はしてないってことか。わかったよ。ほら、出てけよ。
   人に見られながらシャワー浴びるのは気持ち悪いからな。」

露伴はそうして羽入を追い出す。
あと数日か・・・入江が真相を知らなければ・・・鷹野に会うしかないのか。
既に死んでいるはずの鷹野三四に。

149 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:25:02.40 ID:SkilSIER0

シャワーを出ると、既に梨花も起きており食卓の準備は終わっていた。
沙都子にせかされながら朝食を食べる。学校へ向かう時間が迫っているそうだ。
遅刻させるのは悪いので急いで朝食をとり、沙都子達を学校へと送り出した。
羽入も梨花の後ろについて学校へと向かっていく。
露伴は一人境内に残された。

露伴「いつもうるさいやつがいないと静かでいいな。」

露伴がそんな嫌味を言っても、誰も答えてくれなかった。
やっと露伴も自分が一人であることを実感する。
ここ一週間、常についてきていた羽入がいなくなったのには不思議な感覚がした。

いつまでもここにいてもしょうがない。
露伴は入江診療所へと向かうことにした。

150 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:26:15.67 ID:SkilSIER0

幸い、今の露伴には診療所へと向かう理由がある。
左手の消毒をしてほしいとでも言えば大丈夫だろう。
保険証はないが、金はいくらでもある。昨日の屋台で2007年の一万円札を使い込んだからだ。
もちろん、ホログラムの部分などは入念に削り取っておいた。
保険証は自分の家に忘れてきたとでも言えばいいだろう。

露伴は診察時間までかるく時間をつぶしてから診療所へと向かった。

診療所へ着くと、診察時間ちょうどにもかかわらず沢山の年寄り達がいた。
まぁ田舎の病院なんてこんなものだろう。
受付に名前と保険証がない旨を伝えて待つことにした。

自分の番が来るまでは新聞でも見てみる。
富竹の死は書いていない。そういえばこの新聞。
2007年の図書館でも見たな。

152 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:26:52.38 ID:SkilSIER0

看護士「岸辺さーん。こちらへどうぞー。」

かなり長い時間を待つと、露伴の番がやってきた。
看護士に通され、診察室へと向かう。

入江「こんにちわ、露伴さん。変わったお名前なのですぐにわかりましたよ。」
露伴「こんにちわ、ちょっと左手を見てもらおうと思いましてね。
   よろしくお願いします。」

露伴が椅子に座ると、入江は看護士になにやら命じた。

入江「保険証がないということですが、よろしいんですか?
   一応ですね、保険証をあとからコピーして郵送していただくこともできますが。」
露伴「いえいえ、ご迷惑になると思いますので、大丈夫ですよ。」

看護士が露伴の左手を置く台を持ってくる。
入江はその上に左手を乗せ、包帯をとっていった。

155 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:30:22.13 ID:SkilSIER0

入江「これは・・・爪が・・・。いったいどうしたんです?」
露伴「それは伏せさせてほしいと前に言ったと思いますが。
   化膿したりしないように、消毒してもらおうと思いましてね。」
入江「露伴さん、私は医師として事件性のありそうな怪我に関しては警察に報告する義務があります。」
露伴「医師法ではそこまで定められていなかったと思いますが・・・」
入江「私個人が医師として報告すべきであるという考えを持っているんです。」
露伴「まぁ、別にそこまで隠すほどのことではないんですが・・・。
   んー、医師の入江先生にではなく、友人として話したい内容ですね。
   よかったら、今日のお昼ご一緒しませんか?」
入江「お昼ですか・・・。えぇと、ちょっと今日は忙しいんですが。」
露伴「そうですか。とりあえず、治療をお願いしてもいいですか?」
入江「えぇ、わかりました。」

話す約束をしたため事件の疑いはあまりないと思ったのだろうか。入江は露伴の爪に処置をする。
といっても化膿していたりするわけではないので簡単な処置で済んだ。
大して時間はかからずに新しい包帯が巻きつけられた。

156 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:32:40.10 ID:SkilSIER0

入江「これで大丈夫だと思います。
   すでにかなり治ってきていますので、様子を見て包帯をとっても結構ですよ。」
露伴「ありがとうございました。
   それでは今日は失礼しますね。」
入江「えぇ、お大事に。」

露伴が立ち上がったので診察室から出て行くと思った入江は目を逸らした。
しかし、なぜか露伴の体が入江の真横まで近づいてきていたことに気づく。
露伴は入江以外には聞こえないように小さな声で話しかける。

露伴「この前お渡しした封筒、誰にも見つからないように開けてくださって結構ですよ。
   内容も誰にも見られないようにしてくださいね。」

露伴はそう言うと、入江から離れ、本当に診察室から出て行こうとした。
そして扉から出るところでもう一言口を開いた。

露伴「僕は今からお昼ごろまでは神社にいます。
   気が変わったら、来てくれると嬉しいですね。ふふふ。」

露伴はそれだけ告げて診察室から出て行った。
入江は露伴から渡された封筒を思い出すが、所長室に置いてあるためすぐに開けることはできなかった。

226 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 00:58:13.49 ID:zkfK4uZq0

診察を終えた露伴は入江に伝えたとおり神社で待つことにした。
診療所から神社へと戻る。戻る途中に偶然すれ違った村人が露伴に声をかけてきたりもした。
昨日の祭りで顔が売れたんだろうか。ちょっと気分がいい。

神社に戻り、入江が来るのを待つ。
診察終了の時間も過ぎたが一向に入江が来ない。
露伴が自分の予想が間違っていたかと思い情報を整理していると、やっと入江が現れる。

露伴「おっと、入江先生。遅かったですね。」
入江「・・・。」

入江は厳しい顔をしている。それを見て露伴は手紙を読んだことを察した。

露伴「手紙にも書きましたが、僕はあなたの敵じゃあない。
   とりあえず、お昼でも食べに行きませんか?おなか減ってるんですよね。」
入江「えぇ、そうしましょうか。」

入江に案内され、入江の車へと乗る。
露伴は終始無言だった。入江の出方を探っているのだろう
入江もそれは同じで露伴の出方を探っているようだ。
我慢できずに動いたのは入江だった。

227 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 00:59:24.94 ID:zkfK4uZq0

入江「なぜ、知っているんですか?」
露伴「質問に質問で返すようで悪いけど、何に関してです?
   心当たりがたくさんありすぎてね。くっくっく。」
入江「・・・梨花ちゃんから聞いたのですか?」
露伴「まぁ、それもありますね。

   次に、アンタはなぜ二人を助けてくれなかったのか、と言う。」
入江「なぜ二人のことを警察に・・・ハッ!!」
露伴「ふふふ、入江先生。僕の言うこと、なんでも信じてくれますか?」
入江「内容に・・・よります。」
露伴「話すと長くなるんですが、どうしますかね。」
入江「午後は空けてきました。遅くなったのは職員に午後を任せるためです。」
露伴「それはありがたい。時間があるのであれば、食事の間は友人として仲良くできそうですね。」
入江「友人として、ですか・・・。」

入江の車は雛見沢にある蕎麦屋へと入っていった。
診療所でもよく出前を取るお薦めの店だと言う。

229 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:00:20.05 ID:zkfK4uZq0

時間が遅いせいか、客は露伴達だけだった。
だが、店員に話を聞かれる可能性もあるため祟りに関する話はしたくない。
露伴は食事の間は友人として話すことがあるといい、爪の件について話した。

入江「それで、お祭りの日は大人たちが沙都子ちゃんに普通に接してくれていたんですか。」
露伴「まぁ、そんなところです。
   どうやってお魎さんが沙都子ちゃんを許したのが広まったのかは僕は知らないですがね。」
入江「・・・先ほどは、あなたに失礼な態度をとって申し訳ない。」
露伴「なんのことです?」
入江「あなたにこうしてお礼を言うのは2度目ですね。
   沙都子ちゃんと救ってくれてありがとうございます。
   私はあなたが沙都子ちゃんを救ってくれた恩人だということを忘れていました。
   あの手紙の内容だけであなたを疑ってしまった・・・。」
露伴「ふふふ。まぁ、話を聞いてもらえそうでよかったですよ。」

露伴に対する不信感が和らいだのか、入江は少しリラックスしたようだった。
二人は蕎麦をすすりながら、沙都子について話すのだった。

230 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:01:21.78 ID:zkfK4uZq0

やがて食事を終えて二人は店を出る。

入江「どこでお話しますか?」
露伴「人に聞かれない場所ならどこでもいいんですが、入江先生に任せますよ。」
入江「私の家に行きましょうか・・・。」
露伴「お任せします。」

こうして露伴は入江の家へと案内された。
入江の家は興宮にある平凡なアパートだった。
男の一人暮らしならこの程度だろう。いや、医師にしては質素な家だろうか?
入江に案内されるままに露伴は家へと入った。

入江「コーヒーかお茶くらいでしたら用意できますけど、どうしますか?
   紅茶もありますよ。」
露伴「紅茶でお願いしようかな。」

入江は台所へと向かい、露伴の紅茶と自分のコーヒーを用意してきた。

232 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:02:23.15 ID:zkfK4uZq0

入江「それでは、お話を聞かせてもらえますか?」
露伴「実は、僕、未来から来たんですよ。
   って言ったら、信じますか?」
入江「ははは、流石にそれは無理がありますよ。
   タイムマシーンでも見せてもらえれば信じなくもないですが。」
露伴「やっぱりそうですよねぇ。
   それじゃあ、僕の言うことが嘘ではないと証明するのと、
   僕の知っていることをすべてお話しするの、どっちが先がいいですか?」
入江「それは、証明を先にしてもらえれば何でも信じますが、本当に未来から来たと言うんですか?」

入江は自分が馬鹿にされていると思ったのか、少しいやな顔をした。
露伴はかまわずに説明をする。

露伴「入江先生、僕は"スタンド"という超能力を持っています。
   これからその超能力をあなたにお見せします。それで信じてもらえませんか?」
入江「超能力が未来から来たことの証明になるのでしょうか?」
露伴「あの手紙が未来から来た証明のつもりだったんですがね。
   超能力と手紙では信じてもらえませんか?」
入江「それは・・・詳しい話を聞かないとわかりません。」
露伴「そうですね、それではまずは"スタンド"を体験してもらいましょうか。」
入江「は、はぁ・・・。」

234 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:03:45.40 ID:zkfK4uZq0

入江は多少は真面目に返答をしたものの露伴の言うことをあまり信じられなかった。
いくら沙都子の恩人だろうとも、未来から来たと言い出したならそれは異常者にしか見えない。
当然である。

露伴「疑ってくださって結構です。僕の"スタンド"の能力は、
   『他人の体に残された記憶を読む。』です。
   本人が忘れてしまった記憶だろうと、覚えている記憶だろうと、
   体験したことなら全てを読み知ることができます。これから、あなたの体の記憶を読んでみます。
   そして、あなたしか知りえない僕が知るはずのないことを調べてみましょう。」
入江「はぁ・・・たしかに僕しか知りえないことがわかるのなら、超能力を認めざる終えませんが・・・。」
露伴「そう、疑ってくれてていいんです。僕がこれから証明するんですから。」
入江「それでは、どうぞ記憶を読めるというなら読んでください。」
露伴「わかりました。記憶を読んでいる間はあなたは意識を失います。
   危害は加えませんのでご安心を。それでは・・・。」

────天国への扉(ヘブンズ・ドアー)ッ!!









249 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:22:20.68 ID:zkfK4uZq0

■TIPS
        • 露伴からの手紙----

入江京介様へ

これを開いているころにはもう綿流しは終わっているはず。
いまは6月20日か、それよりもっと後かな?まぁ、どうでもいいか。

まず、先に言っておく、多分僕はあんたの敵じゃあない。
あんたが鷹野と富竹を殺したのでなければね。

もし、鷹野と富竹を殺したのがあんたなら、それはそれでおもしろい。
僕も殺しに来てくれよ、ふふふ。まぁ、僕の推理ではその可能性は低いんだけどね。
だから、一応あんたが犯人じゃないという仮定で話させてもらうよ。

鷹野と富竹の件については、山狗またはそれ以上の組織が関わっている可能性が高い。
なのでこの手紙に関しては山狗や診療所の職員には知らせないでほしい。
詳しくは二人きりで話そうじゃないか。なぜ山狗が関わっている可能性が高いのか話すよ。

いや、なぜ山狗のことや、富竹と鷹野が殺されることを知っているかの説明のほうが先になるかな?
とりあえず、人に話を聞かれない場所で二人で話がしたい。
二人で話をしたあとに、僕が信用できないなら山狗に言うなりなんなりしてくれてかまわない。
だから、僕から話を聞く前に山狗に言うのは勘弁してくれよ?

君が僕の願いを聞いてくれることを祈っている。

                  1985年6月18日 岸辺露伴

251 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:24:07.94 ID:zkfK4uZq0

        • 露伴からの手紙2----

園崎お魎さまへ

綿流しの次の日にこの手紙を開いていてくれているでしょうか?
今年のオヤシロさまの祟りは富竹ジロウと鷹野三四の二人が死にます。

これが僕がオヤシロ様の使いとして未来から来たことの証明です。
二人の死を阻止されるのは困るのでこういった形で伝えさせてもらうことになりました。
来年以降はオヤシロ様の祟りは起こりませんのでご安心ください。

                  1985年6月17日 岸辺露伴











13 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 15:57:22.16 ID:txQpUNu50





富竹「また、入江機関につきましては、最長3年以内を目処に研究の収束を図ってまいります。
   予算もそれにあわせ、段階的に縮小する方針です。」
入江「ちょっとまってくださいッ!
   近年、雛見沢症候群の解明も進み、たしかに病気の研究としてはかなり好調な部類に入るとは思います。
   ですが、3年という短い期間で確実に完成させられるというお約束はできませんよ・・・。」
富竹「理事会では、入江機関はすでに治療薬について充分な研究を完成させているという認識です。
   治療薬C117が完成し、その臨床データを、」
入江「完成なんてとんでもないッ!!まだまだ臨床試験の段階に過ぎません。
   すべての村人に有効であるという結果もでていません。まだ村人全員を治療できる目処はまったく立っていないんです。
   現時点では研究を完成させるまでの期日を論じることさえ不可能だと考えます。
   それを3年という短い期間に完成させろというのは・・・。」
富竹「なるほど、それでは入江機関は現時点で感染者全員を治療し、
   雛見沢症候群を撲滅することは不可能だということですね?」
入江「そうです。村人全員の治療と雛見沢症候群の撲滅は将来的に不可能ではありません。
   我々もそのために最大限の努力をしてきました、そしてこれからもそれを続けるつもりです。
   しかし、それには充分な時間が必要ですし、予算も少なからず必要となってきます。
   研究というものは常に同じペースで進むものではありませんし、
   費やした時間に比例して必ず成果がでるというものでもありません。
   どうかそこをお考えいただきたいです。」

14 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 15:58:07.39 ID:txQpUNu50

鷹野「両親の死後は親戚がいませんでしたので、施設に引き取られたんですわ。
   同時はまだまだ多かった戦災孤児を集めて補助金を受け取るだけの施設。
   本当にひどいものでした。そこを脱走した時に助けてくださったのが、
   ・・・高野先生でしたの。」

高野先生とは我々雛見沢症候群を知る者にとってはただ一人。
戦時中に雛見沢症候群を予見した高野一二三という人物に他ならない。

入江「それでは、鷹野さんは高野先生と面識がおありで・・・。」
鷹野「高野先生は父の恩師でして、そのあと私を孫として引き取ってくださいました。」
入江「そうですか。しかし、なぜ今までそれを伏せられていたのですか?」
鷹野「大人の事情というやつですわね。」

15 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 15:59:27.35 ID:txQpUNu50

富竹「どうしたんですか?入江所長。
   僕と二人で話したいことがあるなんて。」
入江「先日の、鷹野さんが東京に行った件についてです。
   鷹野さんの元気のない様子から大体のことは察しているのですが、
   さすがにあの様子ですと、詳しい話をお聞きできなくてですね。」
富竹「なるほど、それで僕に聞こうというわけですね。」
入江「えぇ、申し訳ないのですが、ご存知なら伺いたいと思います。」
富竹「・・・。所長のお察しのとおりですよ。
   東京の上層部は鷹野さんの説明を受けても、研究には否定的でした。
   症候群の存在自体は理解して頂けたようですが、
   やはり症候群を撲滅して隠蔽する決定には変わりはないそうです。
   ノーベル賞がとれるかどうかより、世論や他国を敵に回したくないのでしょう。」
入江「そうですか・・・。」
富竹「私も力になりたいのですが、こればっかりはどうも。ははは。」入江「いえ、富竹さんのおかげでなんとか研究の資金を出してもらっています。
   富竹さんは最大限の努力をしてくださっていますよ・・・。」

16 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:00:45.15 ID:txQpUNu50

露伴は入江のページを捲り、鷹野に関すること、雛見沢症候群に関することを次々と読んでいった。
それもほとんど読み終えると、入江という人物に関することも読んでおく。
まずは、梨花への殺意・・・それはない・・・それ以外にも梨花の死に関わるであろう情報はない。
入江は現時点では梨花を殺す犯人と関係はないようだ。

露伴は他を読むことにする。
彼の研究に対する葛藤や苦悩、沙都子を救うために今までに様々な努力をしてきたこと、彼が医師を目指した理由。
他にも様々な内容を読んだ。やはり人の人生というものはおもしろい。入江は人としてはよくできた人間だろう。
そういう人間の人生は読んでいておもしろいし、漫画へも活かせる内容が多い。 
露伴は時間の経つのも忘れて読みふけってしまう。
日が傾き始め、部屋が薄暗くなってからやっと露伴は自分が必要以上のことを読んでいることに気がついた。

暗くて読みづらいと思ったが、こんな時間か。
露伴は入江を元に戻してやろうと思い、最後に書き込む内容を考える。

17 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:01:41.60 ID:txQpUNu50

入江が山狗に露伴のことを話すのは避けばければならない。
では、『岸辺露伴の仲間になる』とでも書くか?
いや、入江は実質山狗の監視下にあると言ってもいい。
入江が変に露伴のために行動を起こし、それを山狗に察知される可能性は否定できない。
山狗が梨花殺しの犯人である可能性は消えていないし、そうでなくとも露伴は山狗にとって防諜上排除するべき存在だ。
すると、あまり行動を起こす可能性のあることは書き込めないな・・・。
それじゃあ、こんなところか。

『岸辺露伴に不利益な行動をしない。』
露伴はこの一文だけを書き、入江に対して発動していた能力を解除した。
そして、意識を失っている入江を起こす。

露伴「入江先生、起きてください。入江先生。」
入江「ん・・・、ろ、露伴さん?」

露伴が入江の肩を揺らしながら話しかけると、入江は意識が戻ったようだった。








18 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:02:32.12 ID:txQpUNu50

露伴「あなたの記憶を読み終えましたよ。
   大丈夫ですか?さっきの話、覚えてます?」
入江「え、えぇ、覚えてます。もうこんな時間ですか?
   私はずっと意識を失っていたんですか?」
露伴「あなたの記憶を呼んでいる間は意識を失わさせてもらいました。
   さきほど能力を解除したところです。」
入江「・・・それでは、私しかしらない記憶を聞かせてくれるんですよね?」
露伴「えぇ、お聞かせしますよ。入江先生が信じてくれるまでね。ふふふ。」
入江「お茶を淹れなおしますね。私のコーヒーももう冷めてしまったようです。」
露伴「あぁ、お願いしますよ。さっきより砂糖一本多く持ってきてください。」

露伴の図々しい要求に入江は返事をすると、台所へと向かっていった。

22 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:12:17.62 ID:txQpUNu50

再び入江が紅茶とコーヒーを淹れ戻ってくる。
入江が椅子に着くと露伴は話を始めた。

露伴「入江先生が医師を目指したのは、ご両親の影響ですね。」
入江「もっと具体的に仰ってくださらないと信じられませんよ。
   一般的に可能性の高いことを言って相手を信用させるのは占い師がよく使う手法です。」
露伴「ははは、そういうつもりじゃなかったんですがね・・・。
   あなたの父は、建設関係のお仕事だった。そして建設現場でちょっとした事故で頭を撃った。」
入江「・・・。」
露伴「それ以来、あなたの父は性格がまったく変わってしまい家庭内暴力を振るうようになる。
   それが原因であなたの母は、上京して大学へと通っていたあなたのアパートまで逃げてきた。
   その後、あなたの父は近所などにも迷惑をかけるほど騒ぎを起こしていた。
   ついには、暴走族と揉め事を起こして殺されてしまう。」

入江は何も反論しない。露伴の言っていることがすべて間違っていないからだ。
露伴は一口紅茶に口をつけると、続きを話した。

23 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:14:30.01 ID:txQpUNu50

露伴「これをあなたは器質精神病であると考えた。
   だが、当時の医学的知識のない人間はそんなことは信じてくれない。
   あなたの母もそうだった。あなたがいくら説明しても父を恨み続けた。
   そしてそのままお亡くなりになった。あなたは、それ以来、脳に関する医学を勉強するようになる。
   そして神経外科の道を進むようになる。所長室には神経外科の本がいくつかありましたね。
   1975年に日本では神経外科は否定されたので不思議に思っていましたよ。
   おっと、これは医師を目指した理由とはちょっと違いますかね?大学に入ってからの出来事ですから。
   大学に入るまでは、ただ漠然と医者というものに憧れてたんですよね。」
入江「あなたの言うとおりです。ですが、それは私しか知りえない情報ではありません。
   雛見沢に来てから話したことは覚えている限りありませんが、知っている人間がいてもおかしくはありません。
   ですから、あなたがどうにかして知りえる情報だったわけです。」
露伴「なるほど、たしかに探偵か何かに依頼すれば調べられる内容ですね。
   それじゃあ、探偵に調べられない内容がいいですか?」
入江「そうですね。そのほうがいいでしょう・・・。」

入江はすでに動揺していた。
いくら探偵に調べられる可能性のある内容だとしても、具体的過ぎる。
ここまで詳しい話を自分は誰かにしたことがあるだろうか。
そう振り返ると露伴が超能力を使っているとしか思えなかった。
この男は本当に超能力者で未来から来たとでも言うのだろうか?
入江は混乱する頭を落ち着けようとしていると、露伴から不思議な単語が聞こえた気がした。

24 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:15:26.82 ID:txQpUNu50

露伴「・・・・・・号。」
入江「え?」

入江はその言葉がなんだったのか認識できなかった。
露伴が知るはずのない言葉を発しているからだ。
だから、露伴からそんな言葉が出たとしても入江には認識できない。

露伴「聞こえなかったですか?入江先生。」
入江「あ・・・、はい、もう一度お願いします・・・。」
露伴「緊急マニュアル第一号。つまり、オヤシロ様の祟りの1年目と4年目の真相ですよ。」

入江は自分の体中の血液が引き抜かれたような気がした。
自分の体の血液を何か冷たい水にでも入れ替えられたような錯覚。
自分たちが行った罪を知るものがいた、その事実が入江の思考を停止させる。
体は血の気が引いて寒い、頭も凍ったように停止した。

25 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:16:06.40 ID:txQpUNu50

だが、露伴はやめない、彼らの罪を、彼しか知りえない形で語る。

露伴「緊急マニュアル第一号、自然発生的末期発症者(以下L5と表記)が確認された場合、
   施設長はL5が異常社会行為を起こす前に迅速に事態を収拾しなくてはならない。
   ただし、機密保持に厳重に注意すること。その際、施設長は機密保持部隊に対し応援を要請できるものとする。
   機密保持部隊は、確保に当たり必要と判断した場合は発砲許可を施設長に対し申請することができる。
   L5の確保は極力、生体であることが望ましいが、機密保持上の理由でそれが困難である場合、生死を問わないものとする、
   全てにおいて機密保持と外部発覚阻止を最優先とすること。ただし、機密保持は外部発覚阻止に優先するものとする。
   一字一句書類と変わらないはずです。これも、探偵ならわかることですか?ふふふ。」
入江「・・・うちの職員に聞けばわかる内容です・・・。」

入江はもうわかっていた。だが、否定したかった。
いや、逆かもしれない。全ての可能性を消して露伴を信じたかったのかもしれない。
そのどちらにしても、次の露伴の返答は入江に否定する余地を残さなかった。

27 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:18:14.09 ID:txQpUNu50

露伴「緊急マニュアル第34号、複写厳禁・持出厳禁。本マニュアルの許可なき閲覧はこれを厳禁とする。
   本マニュアルは最高決裁者の決裁を持ってのみ適用される。如何なる簡易決裁もこれを認めない。
   また決裁者は本マニュアル適用の決裁に当たっては可及的速やかに判断すること。
   対応不能な事態が発生し最高決裁者がそれを認められる場合、
   機密保持と外部発覚阻止のため、入江機関(以下、機関と表記)は最終的解決をしなければならない。
   最終的解決とは以下を指す。L2以上の潜在患者全員の処分。機関施設の完全な証拠隠滅。本マニュアル適用の隠蔽。」
入江「・・・もう、結構です。それは、私、富竹さん、鷹野さん、小此木さんくらいしか知らない情報です・・・。」
露伴「信じていただけたようですね。」
入江「超能力・・・ですか。
   超能力というのは、もっとこう、スプーンを曲げたりするものだと思っていましたよ。」
露伴「あぁ、物を浮かせるくらいならできますよ。」

露伴がそう言うと、紅茶の入ったティーカップが宙に持ち上がる。
そして露伴の口元へと運ばれ、露伴が一口飲むと、またゆっくりとテーブルへ戻っていった。
入江は、もう露伴の超能力を疑う余地はなかった。

29 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:19:39.84 ID:txQpUNu50

入江「最初からそれをしてくださればよかったのに・・・。」
露伴「いえ、あなたの知る情報を知りたいという意味もあったんですよ。
   あなたが僕の敵じゃあないという確認ができました。」
入江「敵・・・とはどういうことですか?」
露伴「鷹野と富竹を殺した犯人ではないということです。
   そして梨花を殺す犯人でもない。」
入江「梨花さんが殺されるッ!?そ、そんなことッ!!」
露伴「話が元に戻りますね。僕が未来から来たという話をしましょう。」

露伴は入江に説明を始めた。
これから雛見沢で起こること、梨花の死と雛見沢大災害のことを入江へと伝える。

入江「つまり、梨花さんが死に緊急マニュアル第34号が適用される、と。」
露伴「そうですね。雛見沢大災害は、その緊急マニュアル第34号の筋書き通りです。
   そのマニュアルが適用されたと考えるのが妥当でしょう。」
入江「し・・・信じられません。未来から来たことも信じられませんし、
   梨花さんが死ぬというのだって信じられませんよ。彼女は山狗に警護されているんです。」
露伴「だから手紙にも書いたじゃないですか、山狗かそれ以上の組織が関わっていると。」
入江「・・・手紙にあった山狗が関わっている可能性が高いという話をお願いします。」

30 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:22:08.74 ID:txQpUNu50

露伴「簡単なことです。さきほど入江先生も仰ったじゃないですか。
   梨花は山狗に警護されている。それを殺せるのは、山狗を越える組織か山狗自身だけです。」
入江「露伴さんの手紙は山狗の可能性が高いように書いてありましたが。その根拠はないのですか?」
露伴「仮に山狗を超える組織が存在した場合。
   その組織と山狗での戦闘またはそれに類する事態に発展すると考えられます。
   もし、陸自の特殊部隊とそれ以上の組織が戦闘すればただ事では済まないでしょう。
   僕の来た未来ではそのような痕跡は見られていない。つまり、山狗自身が梨花を殺すほうが辻褄があうということです。
   (梨花達の転生に関して話しても証明できなければ信じないだう、こんなところでいいか・・・)」
入江「それでは、最後に手紙にあった私が犯人ではないと推理した理由。そしてなぜ私にこの話をしたのか、その2つをお願いします。」
露伴「あなたが犯人でない理由は・・・あなたも死ぬからです。」
入江「それは、緊急マニュアル第34号の適用の際にでしょうか?」
露伴「いえ、梨花が死んだ朝、あなたは自殺したとして診療所で発見されます。
   それが梨花の死を知り責任を感じたことによる自殺なのか、それとも梨花を殺す人間に殺された後の偽装自殺なのか。
   どちらかは僕にはわかりませんが、その時点で殺されるならあなたは梨花の殺害に関与していない可能性が高い。」

32 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:23:53.57 ID:txQpUNu50

入江「どういうことでしょうか?」
露伴「もし梨花の殺害に関与しているなら、梨花の死亡の後に組織に殺されるはずだ。
   梨花の死亡とほぼ同時刻に殺す意味はあまりないように思います。
   とくに所長という職にあるあなたに責任を負わせるなら、梨花の死が公になってから殺すほうがいい。
   むしろ、緊急マニュアルの適用を最高責任者に具申するのは所長であることを考えると、
   あなたが梨花殺害やマニュアルの適用に積極的でないから殺されたとも考えられる。
   また、あなたが自らの意思で自殺したとするなら、梨花の死はあなたにとって突発的な出来事でなくてはならない。
   事前に計画していたなら、梨花を殺した直後に自殺することはあまり考えられません。
   もし、梨花を殺して自分も死ぬ気なら、梨花を殺してからわざわざ診療所に戻る理由がない。
   以上のことから、入江先生は綿流し直後の時点で梨花の死について関与していない可能性が高い。
   先生が犯人ではないと考えた理由はこんなところです。」
入江「・・・。」
露伴「次に、なぜこのお話を入江先生にしたか、ということですが。
   ひとつ、お願いがあるんですよ。それを話す上で、僕が未来から来たということが関わってくるんです。」
入江「そのお願いとはなんでしょう?」
露伴「診療所で鷹野三四を見かけたり、鷹野と連絡を取っているであろう人物を見つけたら教えてほしいということです。」
入江「意味がよくわかりません。鷹野さんがお亡くなりになったのはご存知なんですよね?」
露伴「これも未来から来たからわかるとしか言いようがないんですが、
   岐阜山中で発見された鷹野三四はおそらく偽装死体です。本当の鷹野三四は生きている。
   ですが、診療所の中にいたり、山狗に匿われていたりすると、僕は接触できない。
   だから、入江先生の出番というわけです。」

33 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:25:07.85 ID:txQpUNu50

入江「鷹野さんが生きていて、梨花さんを殺すと言いたいのですか?」
露伴「直接的に梨花を殺すかはわかりませんが、関与している可能性は高いかと。」
入江「鷹野さんが梨花さんを殺すなんてことは信じられません。
   梨花さんが死ぬということがどれほどの惨劇になるのかを鷹野さんは誰よりも理解しています・・・。
   それに偽装殺人だと言われても、警察で検死が行われたはずですよ・・・。」
露伴「僕も鷹野が梨花を殺す理由がわからないんですよ。だからそれを知るために鷹野に接触したいんです。
   まぁ、これ以上話しても埒があかないですかね。」

露伴のその言葉を入江も理解し、黙りこむ。
しばらくの長考のあと、入江は口を開いた。

入江「露伴さん。あなたの超能力に関しては、信じます。
   そうでなくては説明できませんからね。
   ですが、未来から来たという話や梨花さんの死、鷹野さんが生きているという話。
   それらは全て根拠がない。あなたの妄想と言っても過言ではないでしょう。」
露伴「僕が今年の祟りで二人が死ぬのを予言したことはどうなるんですか?」
入江「たしかにあなたは予言し、それが当たりました。
   ですが、あなたがこれから起こるということも100%起こるとは信じられません・・・。」
露伴「ふふふ、それでは今日はこの辺で終わりにしましょうか。
   もう陽も落ちてきてるようですしね。」
入江「そうですか。それでは、雛見沢までお送りしますよ。」

34 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/27(日) 16:26:10.82 ID:txQpUNu50

その後二人が言葉を交わすことはない。
露伴は何も気にしていないようだったが、入江は気まずい空気を感じながら雛見沢へと車を飛ばした。
入江の車が古手神社へと着く。露伴が車を降りると、入江も車を降りて見送ろうとする。

入江「それでは露伴さん、またお会いしましょう。」
露伴「ふふふ、未来から来たとかイカれたことを言うやつとまた会いたいのかい?」
入江「い、いえ・・・、信じることはできないとは言いましたが、露伴さんを軽蔑したわけではないんですよ。」

露伴は神社の階段を上り始める。
入江は露伴が気を悪くしたのかと思い、引きとめようとする。
そのとき、露伴が入江のほうを振り返り言った。

露伴「僕の目的は達成されている。
   アンタが鷹野の存在に気づいたなら、僕の話を信じざるを得ない。
   そうすればアンタは僕に連絡するしかない。
   あんたが信じようと信じなかろうとどっちでもいいんだよ、僕は。」
入江「・・・。」
露伴「今度はまた友人として沙都子ちゃんの話でもできることを祈ってますよ。入江先生。」

露伴はそれだけを言い残し、再び階段を登っていった。
入江は露伴が神社の境内へと消えるのを見届けると、車に乗り込むのだった。





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