シナリオ:
序章
──異端の騎士が現れる
心と願いを歪ませた、星喰の騎士が現れる
此度の決闘、願いの決闘場に咲き乱れるは、赤のオダマキ、黄色のツバキ、琥珀色のアネモネ
そして舞台の中央に咲くは一輪の歪な黒のヒガンバナ
心と願いを歪ませた、星喰の騎士が現れる
此度の決闘、願いの決闘場に咲き乱れるは、赤のオダマキ、黄色のツバキ、琥珀色のアネモネ
そして舞台の中央に咲くは一輪の歪な黒のヒガンバナ
銀剣のステラナイツ
願いあるならば剣をとれ
二人の願い、勝利を以て証明せよ──
二人の願い、勝利を以て証明せよ──
赤色の騎士の物語
第一幕
学園都市のどこか、フラワーガーデンの見えるカフェテラスにて。
早朝とも呼べる時間。白髪の男は珈琲をテーブルに起き、手元の書類を捲っていた。
早朝とも呼べる時間。白髪の男は珈琲をテーブルに起き、手元の書類を捲っていた。
「シェムさんどこかな〜、研究室鍵しまってたしな〜」
「……あ!!」
「シェムさーーん!!!!おはよう!!!!今日も愉快にどこか爆発してましたね!」
「……あ!!」
「シェムさーーん!!!!おはよう!!!!今日も愉快にどこか爆発してましたね!」
「おや、アンドラナ。朝早くだというのにもう登校かい?」
「だって!やっぱりあの家にいるのやだもん……それくらいだったらこの学校でシェムさんと一緒にいる方がいい!でも研究室にシェムさんいなくて焦った〜><」
「シェムさんはここで何してたの?あ、うちもコーヒー買ってこよ!」
「シェムさんとお揃い〜^^」
「シェムさんはここで何してたの?あ、うちもコーヒー買ってこよ!」
「シェムさんとお揃い〜^^」
「今日は外の冷たい空気に当たりたくてね。」
「さすがシェムさん!テラスでも綺麗に映える髪と瞳!シェムさんのすごさ綺麗さは変わらない〜!」
アンドラナはコーヒーを買い、持ってくる。
「外の空気に当たって、何か難しい資料読んでたの?」
幼女のような笑顔でシェムに迫る。
アンドラナはコーヒーを買い、持ってくる。
「外の空気に当たって、何か難しい資料読んでたの?」
幼女のような笑顔でシェムに迫る。
「これかい?講義用の資料の確認をしていたところだよ」
「座って飲むといい、ここのコーヒーは目覚めの一杯におすすめでね」
「座って飲むといい、ここのコーヒーは目覚めの一杯におすすめでね」
「シェムさんの勧めるコーヒーだから美味しいに決まってる!」
と言いながらアンドラナはコーヒーを一口飲んだ後砂糖とミルクをぶち込んでいる。
と言いながらアンドラナはコーヒーを一口飲んだ後砂糖とミルクをぶち込んでいる。
「講義の資料?ってこれ3年次の履修単位のやつ!!まだ履修できない〜〜〜〜〜うう……読んじゃダメ?」
「ダメだよ。」
「しゅん……1年次前期オールA以上取ったのに……」
「誰か1人に融通がきくだなんて、教員としてここにいる以上するわけにはいかないからね」
「さすがシェムさんって感じ!そう言われたら確かにって引っ込むしかない!シェムさん本当好き……(顔に手を当てる)」
「今は教員だからね。自分の立場というのは理解しておかないと」
アンドラナは言われたことを嬉しそうに体を揺らしている。
「……にしても」
「髪切ったシェムさん、本当にお兄様にそっくり」
「……にしても」
「髪切ったシェムさん、本当にお兄様にそっくり」
「そうなのかい?」
「そう言えば、アンドラナの口から家族の話が出るのは珍しいね」
「そう言えば、アンドラナの口から家族の話が出るのは珍しいね」
「そう?……だってお兄様のいないあの家のことを話すのは億劫だもの でもお兄様の話はたくさんできる!後シェムさんの話もね!」
「シェムさんには、兄弟姉妹やそう呼べる人はいたの?」
「シェムさんには、兄弟姉妹やそう呼べる人はいたの?」
「同じ製造者を持つ個体ならいるけど……それがどうかしたかな」
「そうか……うちとシェムさんは、いろいろ違うとは思ってた。だからそれも含めてシェムさんは大好き。論点ずれてるかもしれないけど」
「うちのお兄様はね、小さい時に本を読んでくれたり、鶴を一緒に折ってくれたりしてたの……でも、からだがよわくてうちが7歳の時に死んじゃった。……思い入れがあるから、勝手にしんどくなっちゃうのかな、シェムさんみたいに産まれた母体が同じだけの他人って割り切れてたら、楽だったかなって……時々思うんだ」
「うちのお兄様はね、小さい時に本を読んでくれたり、鶴を一緒に折ってくれたりしてたの……でも、からだがよわくてうちが7歳の時に死んじゃった。……思い入れがあるから、勝手にしんどくなっちゃうのかな、シェムさんみたいに産まれた母体が同じだけの他人って割り切れてたら、楽だったかなって……時々思うんだ」
「アンドラナはそのままでいいんじゃないかな。割り切れないということは、割り切らなくていいということでもある」
忘れたくないものを忘れないように、その思い出は大切にするといい」
忘れたくないものを忘れないように、その思い出は大切にするといい」
「シェムさん……」
アンドラナは立ち上がって、シェムの後ろに行き、ぎゅっと抱きしめる。
アンドラナは立ち上がって、シェムの後ろに行き、ぎゅっと抱きしめる。
「シェムさん……シェムさんは本当に優しい。そんなところもお兄様みたい、好き」
「私は君の兄ではないけどね」
「わかってる、勝手にお兄様の面影を見てるのは、自己中心的で過去に縋ってるだけだって言うのも」
「でも、ちょっと見ちゃった時は、許してほしい」
「……シェムさんの思い出話も聞きたいなあ……」
「でも、ちょっと見ちゃった時は、許してほしい」
「……シェムさんの思い出話も聞きたいなあ……」
「否定はしないよ、肯定も出来ないけど」
「……それでいい」
「思い出、と言われてもね。話せるようなことはないかな」
「特別面白いことは何も無いし、私自身興味が持てなくて覚えていないことの方が多いんだ」
「特別面白いことは何も無いし、私自身興味が持てなくて覚えていないことの方が多いんだ」
「そう……」
アンドラナはシェムを抱きしめたのを一旦離し立ち上がる。
「じゃあ、うちと思い出、作れたらいいな!……うちにも思い出ってお兄様くらいしかないから」
「過去に縋ってばかりじゃ暗くなっちゃう。だから、シェムさんとの思い出も作りたい!それはダメ?」
アンドラナはシェムを抱きしめたのを一旦離し立ち上がる。
「じゃあ、うちと思い出、作れたらいいな!……うちにも思い出ってお兄様くらいしかないから」
「過去に縋ってばかりじゃ暗くなっちゃう。だから、シェムさんとの思い出も作りたい!それはダメ?」
「いいんじゃないかな。それなら、私の他にも交友を広げるといい。明るさというのは、人の多さに比例するものだからね」
「都市なんかがいい例だ。あれも人が集まるところはいつでも明るいだろう? それと同じで、暗くない方がいいと言うのなら、アンドラナ。君はもっと色んな人と関わりを持つべきだよ」
「都市なんかがいい例だ。あれも人が集まるところはいつでも明るいだろう? それと同じで、暗くない方がいいと言うのなら、アンドラナ。君はもっと色んな人と関わりを持つべきだよ」
「シェムさん……」
「うち、頑張ってみるよ。友達なんて、離れてくか死ぬしかいなかったけど」
「シェムさんが後押ししてくれるのなら、頑張る……!!!」またぎゅっとする
「うち、頑張ってみるよ。友達なんて、離れてくか死ぬしかいなかったけど」
「シェムさんが後押ししてくれるのなら、頑張る……!!!」またぎゅっとする
「それはいいんだけど……コーヒーが冷めてしまうよ?」
「……!ほんとだ、せっかく入れたてにしてもらったのに」
「シェムさん!授業始まるまで、シェムさんなりの遺伝工学の話して!うち、気になるから!!」
「シェムさん!授業始まるまで、シェムさんなりの遺伝工学の話して!うち、気になるから!!」
「……まあ、補習くらいならいいかな。」
第二幕
アンドラナは、戸惑うシェムの手を引き、格式高そうなレストランに入る。アンドラナ案内されるがまま、席につく。
「シェムさーん!たまには一緒に食べたいなって……ほら、昨日も言ったでしょ?思い出作りたいって!だからまず他の人よりシェムさんと作りたいなって」
「シェムさーん!たまには一緒に食べたいなって……ほら、昨日も言ったでしょ?思い出作りたいって!だからまず他の人よりシェムさんと作りたいなって」
困ったようなあきれたような顔で、白衣を脱ぎ荷物の上にまとめる。
「それはいいけど、せめて着替える時間くらいは欲しかったかな。どう見ても実験着のまま来るような場所じゃないよね」
「それはいいけど、せめて着替える時間くらいは欲しかったかな。どう見ても実験着のまま来るような場所じゃないよね」
「でもでも〜その格好のままでもシェムさんは十分かっこいいからいいの!予約時間過ぎるよりはマシ!」
「シェムさん、何食べる?ワインはどれにする?デザートは?」アンドラナはシェムにグイグイくる。
「シェムさん、何食べる?ワインはどれにする?デザートは?」アンドラナはシェムにグイグイくる。
「待ってね、ゆっくり決めさせてね。」
「わかった!」
「はああ〜メニュー見てるシェムさんほんと様になってる〜研究着でも全然劣らない〜さすがシェムさん❤️❤️」
「はああ〜メニュー見てるシェムさんほんと様になってる〜研究着でも全然劣らない〜さすがシェムさん❤️❤️」
「……じゃあ、牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニと、ワインは赤にしようか。」
「じゃあシェムさんと一緒で〜!」
注文を終え、ウェイターがいったあと。
「一緒でいいのかい。てっきり違うものを注文して交換すると言い出すかと思ったけど」
「一緒でいいのかい。てっきり違うものを注文して交換すると言い出すかと思ったけど」
「だって!一緒に同じもの食べて、別の視点から共有したら人類学的にいいんじゃないかなって!と言うかうちが一緒に同じの食べたかっただけ!うふふ」
「そう、それならいいけど」
アンドラナがルンルンしながら待っていると、食事が運び込まれる どうやら互いに無言でも楽しそうだ!
「お待たせしましたー!ごゆっくりどうぞ」
「じゃあシェムさん、思い出作りの最初の乾杯しよ!」
「あまり慣れていなくてすまないね、いいよ。乾杯しようか」
「うん!乾杯!」
綺麗なグラスの音が静かに響く。
綺麗なグラスの音が静かに響く。
シェムは無言で食べ進めてしまう。 次の料理を待つ間にお話とかする程度のゆっくりさを感じる。
「ああ〜このワインすごく美味しい〜うふふ」
「シェムさん〜〜好き〜〜〜いっぱいしゅき〜〜〜うふふふふ」めっちゃにっこりしている
「この料理もシェムさんが一緒に食べるなら〜シェムさんと〜間接キスしてるのと一緒〜うふふふ」顔がファンデに隠しきれず真っ赤になっちゃう
「シェムさん〜〜好き〜〜〜いっぱいしゅき〜〜〜うふふふふ」めっちゃにっこりしている
「この料理もシェムさんが一緒に食べるなら〜シェムさんと〜間接キスしてるのと一緒〜うふふふ」顔がファンデに隠しきれず真っ赤になっちゃう
「ウェイター、水を持ってきていただいても?」
「かしこまりました〜!」
「シェムさん!?誰よその女〜も〜うちを差し置いて浮気しないで〜〜〜><」
「浮気も何もないよ」
ありがとうといいつつウェイターから水を受け取ってアンドラナのテーブルに置く。
「ハイペース過ぎたんじゃないかな、水を飲んだほうがいい。」
ありがとうといいつつウェイターから水を受け取ってアンドラナのテーブルに置く。
「ハイペース過ぎたんじゃないかな、水を飲んだほうがいい。」
「はあ〜い!うふふふふ」水を飲むがその後立ち上がりシェムの後ろに抱きつく
「シェムさんはやっぱり優しい〜お兄様も優しい〜お兄様になって〜〜〜〜」
「シェムさんはやっぱり優しい〜お兄様も優しい〜お兄様になって〜〜〜〜」
「ならないよ。席に着きなさいアンドラナ」
「はーい!」席につく
「シェムさんのそう言うところが好き〜〜……すごく眠い……シェムさん明日ステラバトルだって……はっ明日!?明日ステラバトル!?」
「シェムさん頑張ってね!うち服になって応援するから!」
「シェムさんのそう言うところが好き〜〜……すごく眠い……シェムさん明日ステラバトルだって……はっ明日!?明日ステラバトル!?」
「シェムさん頑張ってね!うち服になって応援するから!」
「応援はありがたいけどね、今のうちに酔いを醒ましておきなさい。さすがに武器が変わったら戦いにくい」
「はあ〜い!うふふふ、またシェムさんがカッコ良くなっちゃう…… あ、もうワインない」
「シェムさん一緒に帰ろ〜今回のディナーうちがもう支払ってるから〜」
「シェムさん一緒に帰ろ〜今回のディナーうちがもう支払ってるから〜」
「なるほど、だから急いで連れてきたのか。それならやっぱりもう少し早く通知しておくれ」
「外の涼しい空気に当たれば、多少は酔いもさめるだろう。」
「外の涼しい空気に当たれば、多少は酔いもさめるだろう。」
「わかった〜次から早めに言うね〜うふふふふ」
「はぁ……待っていなさい、水を買ってくるから」
「ありがとうシェムさん……❤️」シェムさんにべったり
「話を聞いていたかい?待っていなさいと言ったんだけど」
「はーい」シェムから離れ、待っている。
シェムはコンビニ行ってよく冷えたミネラルウォーター買って来て飲みなさい、と渡した。
「わーい!シェムさんの買ってきた水だ〜!美味しい〜!」
シェムから手渡された水を美味しそうに飲んでいる。
シェムから手渡された水を美味しそうに飲んでいる。
しばらくして、落ち着いてきたアンドラナ。
「シェムさん、ありがとう!ここまで一緒にいてくれて……あ゛ うち、何か変なこと言ってた?」
「シェムさん、ありがとう!ここまで一緒にいてくれて……あ゛ うち、何か変なこと言ってた?」
「牛肉、たまに食べるとおいしいね。久しぶりにちゃんとしたご飯を食べた気がするよ」(答えない)
「……うん、うん!!!!お口に合ってよかった〜〜!!!!」
「ほら、今夜はステラバトルだ。一度体を休めてきなさい。」
「久しぶりに騎士として戦うんだ、失敗はしたくないからね」
「久しぶりに騎士として戦うんだ、失敗はしたくないからね」
「わかった!シェムさん!今日はありがとう!」(にっこり)
「うん、気を付けてね。また夜明けに。」
「うん!夜明けに!」
そう言ってアンドラナは帰路にルンルンと辿っていくのだった。
黄色の騎士の物語
第一幕
聖アージェティアの一角にあるカフェテラス。朝はやい時間では、生徒も先生も誰もいない
……はずであるが、一人だけ、カフェテラスにてのんびりモーニングコーヒーを嗜んでいる男がいる。
「……あーーー、生き返るわ」
リン・エヴァンスは独りごちていた。
……はずであるが、一人だけ、カフェテラスにてのんびりモーニングコーヒーを嗜んでいる男がいる。
「……あーーー、生き返るわ」
リン・エヴァンスは独りごちていた。
そこに、パタ、パタと静かな足音が近づく。
「あ 先生 いたのか おはよう」
「うっわあ!?」
「…、足音してたっけ」
「…、足音してたっけ」
「……最終下校 過ぎても 残って いたのに 今 6時半 眠って いるのか」
「あっ、おはよう。スムラット君。」
流石に生徒に正直に仕事を家に持ち込んだせいで余り寝れてないことを言えず、挨拶でごまかす。
「君こそどうしたんだい?こんな朝早くに」
流石に生徒に正直に仕事を家に持ち込んだせいで余り寝れてないことを言えず、挨拶でごまかす。
「君こそどうしたんだい?こんな朝早くに」
「私は 自習で 早めに 来た 家だと かなり 窮屈に 感じる そのため カフェで 自習を しようと 思ったら 貴方がいた」
「えー……真面目ぇ……流石優等生は違うね」
ズズ、とコーヒーを啜る
ズズ、とコーヒーを啜る
「学業を こなしている だけ ……前 失礼する」パグナワはそう言って向かいに座る。
「えっ、俺邪魔じゃん。ごめんね、今どくよ」
「待って」
「邪魔 ではない もし 不快に 思って しまったら 申し訳ない 貴方が 目の前に いるから もしかしたら 美術以外の ことも 聞けるかも しれない そのため 気にせず コーヒー 飲んでて ほしい 私が 貴方の そばに いたいだけだ」
「邪魔 ではない もし 不快に 思って しまったら 申し訳ない 貴方が 目の前に いるから もしかしたら 美術以外の ことも 聞けるかも しれない そのため 気にせず コーヒー 飲んでて ほしい 私が 貴方の そばに いたいだけだ」
「美術以外のことって何……?俺君よりも数学とか解ける気しないのに?」
リンは渋々席に戻る。
「もしかして、アレか?進路相談」
リンは渋々席に戻る。
「もしかして、アレか?進路相談」
「進路相談 確かに 悪くはない ただ 今回 私の 頭を 悩ませている それは 現代文読解」
「私は 昔から 人の気持ちに ついて 親と 同じような アンドロイドから 教わってきた しかし 問題に されると 見当違いな ことが 多い」
「私も 人の はず しかし 分からない こいういうのは 貴方に 聞いてみても いい かもしれない そう感じた」
「私は 昔から 人の気持ちに ついて 親と 同じような アンドロイドから 教わってきた しかし 問題に されると 見当違いな ことが 多い」
「私も 人の はず しかし 分からない こいういうのは 貴方に 聞いてみても いい かもしれない そう感じた」
「ってことは現代文の中でも気持ちを問われる問題が苦手なのか」
「ソレ問題が苦手っていうより悪問が多いんじゃないか」
「気持ちなんて、そこにいた本人しか分からないじゃないか。だから解説よんで、明確な根拠示さない問題はできなくて当然さ!!現代文でも文を引用して説明するタイプの問題を頑張ればイーブンになるんじゃないか」
「ソレ問題が苦手っていうより悪問が多いんじゃないか」
「気持ちなんて、そこにいた本人しか分からないじゃないか。だから解説よんで、明確な根拠示さない問題はできなくて当然さ!!現代文でも文を引用して説明するタイプの問題を頑張ればイーブンになるんじゃないか」
「なるほど ありがとう」
「テストで100点とっても毎日の生活で100点摂ってるやつなんていないし、勉強できない俺だから先生としては失格かもしれんが、無理に100点目指さなくていいと俺は思う」
「得意な分野で頑張ればいいんだよ、無理すんな」
「得意な分野で頑張ればいいんだよ、無理すんな」
「ありがとう そうする」
「先生 ふと思った」
「先生は 昔 どんな 生徒だった というのも 私は この話し方と 変わらない 表情で 気味悪 がられていた 貴方は どうだった のか」
「興味 本位の 話だ」
「先生 ふと思った」
「先生は 昔 どんな 生徒だった というのも 私は この話し方と 変わらない 表情で 気味悪 がられていた 貴方は どうだった のか」
「興味 本位の 話だ」
「あー……君、昔からその話し方だったの?それは虐められるのも理解できちゃうなぁ」
そこでリンはしばらく悩む。
そこでリンはしばらく悩む。
「小さい頃なんて…、特に、普通だよ。当たり前に学校に行って、友達と駄弁って、好きなもの描いて、それの繰り返し。」
「悪い、こんな話じゃ根本的な解決にはなってないな」
「悪い、こんな話じゃ根本的な解決にはなってないな」
「育った 環境が 異質だと 言うことに 気づいたのが 遅かった そのため 世間一般 で言う 普通 が 私には よく 分からない でも、 貴方の その 過ごし方は 普通の 部類に 入るのか なるほど」
「貴方の 話は 本当に 興味深い」
「貴方と 話して いると 楽しい」
「貴方の 話は 本当に 興味深い」
「貴方と 話して いると 楽しい」
「アハハ!そういうふうに解釈するのか。……役に立てたようで良かった」
「貴方は 本当に 素晴らしい 人だ いつも 役に 立っている ……だから」
「無理は しないで ほしい 貴方は 本当に オーバーワーク 気味だ 貴方が 素晴らしい 人 だからこそ 大事に したい 私は 貴方が 好きだから」
「無理は しないで ほしい 貴方は 本当に オーバーワーク 気味だ 貴方が 素晴らしい 人 だからこそ 大事に したい 私は 貴方が 好きだから」
(バレてた?やっちゃったなぁ)
「……そこまで称賛される教師だったらとっくに校長先生になってるよ。ま、嬉しいからその言葉はありがたく受け取っとくね」
「……そこまで称賛される教師だったらとっくに校長先生になってるよ。ま、嬉しいからその言葉はありがたく受け取っとくね」
「よかった にしても こんなに 忙しい 時に あの女神が 言っていた 戦いが あると 私自身は 大丈夫だ しかし 貴方が 心配だ 大丈夫 だろうか」
「先生として、生徒を守るのは義務だ。君が心配する必要はないよ」
「そうか でも 思った 貴方は どうして そこまで オーバーワークに なりながらも 生徒を守るのは 義務だと 言うのか 生徒を 守る 教師が 過労で 倒れたら 守るものも 守れなく なって しまうのでは ないか」
「貴方の 行いを 悪と 言っている のではない 単純な 疑問だ」
「貴方の 行いを 悪と 言っている のではない 単純な 疑問だ」
「確かに俺のやってることは実は意味のないことかもしれない。生徒が先生の陰ながらの努力なんて知る必要ないからね。だから俺がやってるのは自己満足でしかないんだ」
「君が心配してくれるのは嬉しい。けど、俺がやりたくてやってることだから、もし倒れたとしても自業自得なんだなぁくらいに思っててほしい……ってのはずるいかぁ」
「これからは体調管理に気を付けるよ」
「君が心配してくれるのは嬉しい。けど、俺がやりたくてやってることだから、もし倒れたとしても自業自得なんだなぁくらいに思っててほしい……ってのはずるいかぁ」
「これからは体調管理に気を付けるよ」
「……わかった」(表情は変わらないのに少ししゅんとしているようだ……)
「先生 やはり ……いや なんでもない」
(気持ちを 理解するのは 難しい でも 貴方は 最後 とても 悲しそうな 顔を していた 何か あったの かもしれない でも 必要以上の 詮索を リンは 望んで いないだろう)
「……リン 私は やはり 貴方が 心配だ そのため しばらく ついていく もちろん 授業以外で」
「……これも 私の 自己満足だ」
「先生 やはり ……いや なんでもない」
(気持ちを 理解するのは 難しい でも 貴方は 最後 とても 悲しそうな 顔を していた 何か あったの かもしれない でも 必要以上の 詮索を リンは 望んで いないだろう)
「……リン 私は やはり 貴方が 心配だ そのため しばらく ついていく もちろん 授業以外で」
「……これも 私の 自己満足だ」
「へ?????なんでそうなるの」
「うわぁ……他の先生に何言われるか……」
「うわぁ……他の先生に何言われるか……」
「親と 別れたくないと ひたすら ついてくる 子供 みたいな ものだと 思って 構わない」
「いやそれはそれで問題あるから!生徒と先生の距離じゃないじゃん!」
「あ………でも君、言い出したら聞かないもんね……仕方ないか……俺が我慢すればいい話だもんな……」
「あ………でも君、言い出したら聞かないもんね……仕方ないか……俺が我慢すればいい話だもんな……」
「我慢…… いや なんでもない」
「あ もうすぐ 貴方は 朝の 職員会議の 時間 ではないか」
「あ もうすぐ 貴方は 朝の 職員会議の 時間 ではないか」
「あ゛」
「行ってくる!!君も授業に遅れないようにね!!」
リンはコーヒー片手にカフェテラスを飛び出す。
「行ってくる!!君も授業に遅れないようにね!!」
リンはコーヒー片手にカフェテラスを飛び出す。
「わかった」
(貴方のことを もう少し 知りたい しかし その壁は 分厚そうだ 叩くには 硬すぎる いつか ちゃんと 寄り添える ように したいけれど)
(貴方のことを もう少し 知りたい しかし その壁は 分厚そうだ 叩くには 硬すぎる いつか ちゃんと 寄り添える ように したいけれど)
第二幕
最終下校が近くなった、静かな美術室。
「失礼する」
そう言ってパグナワは静かに美術室に入り、その足でそのまま、美術準備室に入る。
「先生 まだ いるのか」
「失礼する」
そう言ってパグナワは静かに美術室に入り、その足でそのまま、美術準備室に入る。
「先生 まだ いるのか」
「……あ」
リンは、描きかけの日本画から顔を上げる。
「なに、どうしたの?」
リンは、描きかけの日本画から顔を上げる。
「なに、どうしたの?」
「その絵 とても 素晴らしい」
「今日は まだ 帰らない のか」
「今日は まだ 帰らない のか」
「うん……明日のこと、色々考えちゃって」
「怖い のか それとも 私が 心配なのか」
「どっちもさ」
「……ちょっと昔の話をしていいかい?」
「……ちょっと昔の話をしていいかい?」
「この前、スムラット君が話してくれたじゃない。昔のこと」
「……ちゃんと自分のこと話しておかないとフェアじゃないと思ったんだ」
「時間、いいかい?」
「……ちゃんと自分のこと話しておかないとフェアじゃないと思ったんだ」
「時間、いいかい?」
「……もちろん リンの 話 気になっている そのため 話してくれる のなら いくらでも 聞きたい そう 思う」
「生徒を守るのが義務だって言ったけど……俺の場合、義務というより、償いに近い物なのかもしれない」
「昔、先生に成りたてのころね、ある生徒が自殺しちゃったんだ」
「いや……若かったから担任とか任せてもらえてないし、その子とあって話したのは美術の授業のときくらい。けどね、ある日あっさり亡くなってしまった」
「それでも……やっぱり『自分にできることがあったんじゃないか』ってすごく後悔した、苦しかった。……もう二度とそんな思いはしたくないし、生徒にさせてしまうのは、嫌だ」
「だからステラナイトになりたいという君の話を聞いて、一瞬迷ってしまったけど、最後には肯定の返事をしてしまった」
「……世界を救うなんてだいそれたことは出来ないけど、自分が手を差し伸べられる範囲で、救えるものがあって、そのおまけで世界を救うって考えたら……ね、答えはもう決まってた」
「……ハハ、こんな話、本来なら生徒に聞かせられないけど、君は俺のブリンガーだから」
「俺の後悔と決意表明を聞いてもらいたくなった」
「昔、先生に成りたてのころね、ある生徒が自殺しちゃったんだ」
「いや……若かったから担任とか任せてもらえてないし、その子とあって話したのは美術の授業のときくらい。けどね、ある日あっさり亡くなってしまった」
「それでも……やっぱり『自分にできることがあったんじゃないか』ってすごく後悔した、苦しかった。……もう二度とそんな思いはしたくないし、生徒にさせてしまうのは、嫌だ」
「だからステラナイトになりたいという君の話を聞いて、一瞬迷ってしまったけど、最後には肯定の返事をしてしまった」
「……世界を救うなんてだいそれたことは出来ないけど、自分が手を差し伸べられる範囲で、救えるものがあって、そのおまけで世界を救うって考えたら……ね、答えはもう決まってた」
「……ハハ、こんな話、本来なら生徒に聞かせられないけど、君は俺のブリンガーだから」
「俺の後悔と決意表明を聞いてもらいたくなった」
「……そうか 話して くれて ありがとう リン」
「ずっと 私の 中で リンが 何か 抱えてる のではないかと 思っていた」
「でも それほど 重く 辛く 苦しいこと だった それにも かかわらず こうやって 私に 話して くれた」
「壁が ぶあつく どう 叩こうか 迷っていた 迷っていたのも あるが ただ 気になった リンを 尊敬し 好きだから」
「自分から 話すのは とても 勇気の いる ことだと 思った そのため 話してくれて 嬉しかった」
「……リン 明日の ステラバトル 私も 正直 リンの 体に 影響を 及ぼす のではないか そう 考えた」
「もし そんな ことが あれば リンは 許して くれるか そうしないように 努力は する リンを 守りたい そして リンを これ以上 ステラバトル でも そうだが」
「この今いる 時間でも リンを 大切に したい」
「昨日は 思いっきり 踏み込んで しまって 申し訳 なかった」
「ずっと 私の 中で リンが 何か 抱えてる のではないかと 思っていた」
「でも それほど 重く 辛く 苦しいこと だった それにも かかわらず こうやって 私に 話して くれた」
「壁が ぶあつく どう 叩こうか 迷っていた 迷っていたのも あるが ただ 気になった リンを 尊敬し 好きだから」
「自分から 話すのは とても 勇気の いる ことだと 思った そのため 話してくれて 嬉しかった」
「……リン 明日の ステラバトル 私も 正直 リンの 体に 影響を 及ぼす のではないか そう 考えた」
「もし そんな ことが あれば リンは 許して くれるか そうしないように 努力は する リンを 守りたい そして リンを これ以上 ステラバトル でも そうだが」
「この今いる 時間でも リンを 大切に したい」
「昨日は 思いっきり 踏み込んで しまって 申し訳 なかった」
「ああ、体のこと?老い先短い俺のことより自分の心配しなさい。それに、許す許さないの問題じゃないから君のやりたいことをやらせて後悔する先生なんて……もちろん犯罪以外でだけど、いないから。思う存分やりなさい」
「それと、謝るのはこっちのほうだろうに。勝手に壁作ったのは俺の方なんだから!」
「それと、謝るのはこっちのほうだろうに。勝手に壁作ったのは俺の方なんだから!」
「…… 貴方は 優しい 人だ」
そう言ってジーーーーーーーーっとリンの顔をめっちゃ近づいて覗く。
そう言ってジーーーーーーーーっとリンの顔をめっちゃ近づいて覗く。
「ちょ……なに?」
「もしかして顔に絵の具とんでた?」
「もしかして顔に絵の具とんでた?」
「リンを 見つめているのは 楽しい」
「答えになってない!」
「……リンみたいな 人が 父親 であれば よかった」
「……補習申請 もうしている 補習だと 思って 貴方の そばに ギリギリまで いさせて欲しい」
「帰る のであれば 共に 帰る」
「……補習申請 もうしている 補習だと 思って 貴方の そばに ギリギリまで いさせて欲しい」
「帰る のであれば 共に 帰る」
「父親…、はちょっと重いなぁ(苦笑い)」
「明日はステラバトルだし……一緒にいたほうがいいか。仕方ない」
「じゃあもうちょっと絵、描いてから帰るか……。そうだ、アドバイス、もらっていいかい?」
「明日はステラバトルだし……一緒にいたほうがいいか。仕方ない」
「じゃあもうちょっと絵、描いてから帰るか……。そうだ、アドバイス、もらっていいかい?」
「私で いいので あれば」
「ふふ、ありがとね」
(リンから 話して もらえて 嬉しかった この日常を 守る そのためにも 頑張る)
「これ いると 思って コーヒー 買ってきた ……補習 しよう」
「これ いると 思って コーヒー 買ってきた ……補習 しよう」
「ありゃ、そこまで気使われちゃった?……ホントはもらっちゃ不味いんだけど、誰もいないし、いいよね」
「ありがとう」
「ありがとう」
「楽しみだ リンの 絵が できるところ」
「ま、期待を裏切らない程度に頑張りますか!」
琥珀色の騎士の物語
第一幕
昼下がりのシトラ女学院附属淑女学校の歳上級生の教室。
お昼やすみの鐘が鳴ると同時にタッタッタッタッと足音が聞こえてくるだろう。
ガラッと勢いよくドアが開けられる。
「ご機嫌よう上級生の皆さま!!!立華牡丹さんはいらっしゃいま…すね!お借りいたしますわ!!」
姉を見つけるとぱぁっと笑顔になって枸杞は駆け寄る。
お昼やすみの鐘が鳴ると同時にタッタッタッタッと足音が聞こえてくるだろう。
ガラッと勢いよくドアが開けられる。
「ご機嫌よう上級生の皆さま!!!立華牡丹さんはいらっしゃいま…すね!お借りいたしますわ!!」
姉を見つけるとぱぁっと笑顔になって枸杞は駆け寄る。
「ちょっと!枸杞さん!いきなり過ぎますわよ!」
「もう少し礼儀正しく、淑やかにできませんこと?」
「もう少し礼儀正しく、淑やかにできませんこと?」
「えへへ、ごめんなさい姉さん」
「"例の件"に関して詳細が出てましたので作戦会議にでもと思いまして…ダメですか?」
枸杞は首をかしげて返事を待っている。「ば と る」と口パクで付け足す。
「"例の件"に関して詳細が出てましたので作戦会議にでもと思いまして…ダメですか?」
枸杞は首をかしげて返事を待っている。「ば と る」と口パクで付け足す。
「あ……」
牡丹はちょっと驚いた顔をする。
「し、仕方ありませんわ」
枸杞の案内するあとに続く。
牡丹はちょっと驚いた顔をする。
「し、仕方ありませんわ」
枸杞の案内するあとに続く。
「内密のお話しですので、ちょっと悪いことしちゃいましょうか」
悪戯っぽく笑って枸杞は牡丹の手を引いていく。そこは神殿のように真っ白なシトラ女学院の旧校舎。
悪戯っぽく笑って枸杞は牡丹の手を引いていく。そこは神殿のように真っ白なシトラ女学院の旧校舎。
「ここなら多少バトルに突っ込んだお話しをしてもバレませんよね!」
「それはそうですけど……ここは入ってもよろしいのでしょうか」
「うふふ、勿論本来は立ち入り禁止です。でも……規則と世界どちらの方が大切かなんて自明ですよね?」
立ち入り禁止のチェーンの前でニコニコと枸杞は笑う。
立ち入り禁止のチェーンの前でニコニコと枸杞は笑う。
「あぁ…、そうですわね(言われなくてもわかってるわよ)」
ちょっとムキになって
「行きますわよ!」
ずんずん旧校舎の中へ進む。
ちょっとムキになって
「行きますわよ!」
ずんずん旧校舎の中へ進む。
「思いきりがついたら速いですわね姉さんは。そういうところ私は好きですけどね」
ぴょんっと立ち入り禁止のチェーンを飛び越えて旧校舎の中へ。
ぴょんっと立ち入り禁止のチェーンを飛び越えて旧校舎の中へ。
「……このあたりでよろしいかしら」
先に校舎に入っていた牡丹は日当たりの良さそうな教室に入る。
先に校舎に入っていた牡丹は日当たりの良さそうな教室に入る。
「ええ!バッチリ!」
教室に置き去りにされた机の上に枸杞はすわ…ろうとして椅子を引いて椅子に着いた。
教室に置き去りにされた机の上に枸杞はすわ…ろうとして椅子を引いて椅子に着いた。
「それで、あなたの掴んだ情報とは何かしら」
牡丹は枸杞の近くにあった椅子に座る。
牡丹は枸杞の近くにあった椅子に座る。
「…ええ、それは。」
携帯端末の画像を開いて枸杞は写真を見せる。そこには舞台に禍々しく咲く歪な黒のヒガンバナが映し出されていた。
「次のステラバトルはどうやらエクリプスの討伐戦になりそうです。」
携帯端末の画像を開いて枸杞は写真を見せる。そこには舞台に禍々しく咲く歪な黒のヒガンバナが映し出されていた。
「次のステラバトルはどうやらエクリプスの討伐戦になりそうです。」
「ということは、元ステラナイトということね」
「ああ、初戦から気が重くなってしまいます」
「ああ、初戦から気が重くなってしまいます」
「ええ、強敵になるとは思いますが…大丈夫ですよ。ほら、琥珀色のアネモネだけではありません。赤のオダマキに黄色のツバキ…仲間がいますから!」
牡丹を元気付けるように画像をスワイプして赤と黄色の花と並ぶ自分たちの花を見せる。
牡丹を元気付けるように画像をスワイプして赤と黄色の花と並ぶ自分たちの花を見せる。
「どんな方かしら……仲良くできるといいのだけれど……」
「…赤のオダマキといえば、フィロソフィアのシェム教授が有名ですわね。仲間でしたら心強いかと!」
「まぁ!それは素敵ね!」
「でしょう!黄色のツバキの方には心当たりは御座いません。…ということは私たちと同じ初めての方かもしれません!それなら打ち解けやすいですよね。」
「そ!そうですわね!足を引っ張らないようにしませんと!!」
「そのための作戦会議ですわ!…攻撃に自信がなければ攻撃が得意な方を支えるような動きをすればよろしいですからね。誰かを支えるということも大切な役割ですもの!」
「が……!頑張りますわ!枸杞さん、情報集めありがとうございます!」
「うふふ、お褒めに預かり大変光栄です。」にっこり!
「はい、姉さんちょっとしつれーい!肩を上げてください!」
「そしたら、そのままパッと下ろしてください。…肩の力が張ってますよ?適度な緊張感は大切ですけど、ガチガチではどんどん悪い方向に転がりかねませんから。」
「はい、姉さんちょっとしつれーい!肩を上げてください!」
「そしたら、そのままパッと下ろしてください。…肩の力が張ってますよ?適度な緊張感は大切ですけど、ガチガチではどんどん悪い方向に転がりかねませんから。」
「な、なるほど……」
「私、緊張しすぎでしたか……」
牡丹は自覚できてなかったことにちょっと落ち込む
「私、緊張しすぎでしたか……」
牡丹は自覚できてなかったことにちょっと落ち込む
「う~ん…そうですね。姉さんは「頑張ろう!」じゃなくて「頑張らなくちゃ」になってるんですよ。そうなるとちょっとミスで「足を引っ張った!」って体がすくんじゃうんです。だからちょっとだけ気楽にいきましょう!」
「きらくに……」
牡丹はすぅ、はぁ、と深呼吸する。
「妹に情報集めさせてしまう上緊張すらみぬかれてしまう情けない姉ですけど、命を預けるパートナーですものね。こうであってよかった……のでしょう」
「世界を守るのは「立華」の役目でもあるのでしょうし、あなたと二人で戦うことになったのはきっと運命というものなのかもしれませんね」
「ありがとう、枸杞さん」
牡丹はすぅ、はぁ、と深呼吸する。
「妹に情報集めさせてしまう上緊張すらみぬかれてしまう情けない姉ですけど、命を預けるパートナーですものね。こうであってよかった……のでしょう」
「世界を守るのは「立華」の役目でもあるのでしょうし、あなたと二人で戦うことになったのはきっと運命というものなのかもしれませんね」
「ありがとう、枸杞さん」
「えへへ、どういたしまして!フットワークの軽さが私の強みですからね。適材適所ってやつです。立華の在り方と同じです。」
「私には無いものが姉さんにはあります。私の欠点とも言えるものが。だから姉さんが私のパートナーなんですよ。」
「…もっと自信もって良いんですよ!姉さんと私が揃えば立華も世界も安泰です!」
「私には無いものが姉さんにはあります。私の欠点とも言えるものが。だから姉さんが私のパートナーなんですよ。」
「…もっと自信もって良いんですよ!姉さんと私が揃えば立華も世界も安泰です!」
牡丹はちょっと泣きそうになるのをぐっとこらえる。
「ありがとう、枸杞さん」
「ありがとう、枸杞さん」
「こちらこそ、ありがとうございます。姉さん。私、貴女の剣になれてすごく嬉しいんですよ?」
「本当にあなたはどうして……、私に対して肯定のことばかりいうのですか。姉ですけど、元はといえば赤の他人ですのに…」
「…血の繋がりが全てではありませんから。姉さんは私にとっても立華にとっても貴女は救世主なんですからね?」
そう牡丹に言った後に枸杞は小声でこう付け足した。
「喩え、貴女は覚えてなくてもね」
そう牡丹に言った後に枸杞は小声でこう付け足した。
「喩え、貴女は覚えてなくてもね」
「え……?」
「…こちらのお話しです!いつかちゃんとお話ししますから!」
(貴女の過去に踏み込むお話しですから)
「…さ、お昼のお時間ですし枸杞ちゃん特製サンドイッチとハーブティーでも如何です?」
お弁当の包みを広げて枸杞は笑う。
「私のお話しが気になるのならまた日を改めてしますから!」
(貴女の過去に踏み込むお話しですから)
「…さ、お昼のお時間ですし枸杞ちゃん特製サンドイッチとハーブティーでも如何です?」
お弁当の包みを広げて枸杞は笑う。
「私のお話しが気になるのならまた日を改めてしますから!」
「えっ……?こ、ここで食べるのですか???」
「あぁ……もう広げちゃった……仕方ないかぁ」
「あぁ……もう広げちゃった……仕方ないかぁ」
「こういうものはやったもん勝ちですからね!」(どや)
「自慢げにすることではありません!」
「さぁ姉さんは諦めて私のお昼に巻き込まれてくださいね!」
ウィンクします
ウィンクします
「あぁもう……!」
「いただきます!」
「いただきます!」
第二幕
塔とは名ばかりの、各委員会が部屋を構える大きなお屋敷。
「あら……あの子、どうしたのかしら」
「あら……あの子、どうしたのかしら」
「うう……ここはどこ……?」
「もしかして、道に迷っているの?」
「そうなんです、編入してきてから何度も迷ってしまって……」
「そう!私も編入生でしたのよ!ここって最初は似たような部屋が多くて迷いますわよね……どちらをお探しになっていたの?」
「図書委員会の部屋です……」
「図書委員会。えと……たしか……。着いてきてくださる?」
そう言って彼女の前に進み出た。
そう言って彼女の前に進み出た。
「ありがとうございます……!」
二人があるいていると枸杞が廊下の反対側から歩いてきた。
「あら、姉さんご機嫌よう!!」
「あら、姉さんご機嫌よう!!」
「枸杞さん!?」
「ご、御機嫌よう……!!」
「お隣の貴女もご機嫌よう!」
にっこり笑って挨拶を返す。
「私も委員会でしたので!お二人はどちらへ?」
にっこり笑って挨拶を返す。
「私も委員会でしたので!お二人はどちらへ?」
「図書委員会にちょっと用事がありまして」
(こくこく)
「図書委員会ですか…それなら彼方ですね。私、ちょうど委員会終わりましたのでついていきますね!」
枸杞は牡丹と迷子の手を握って真ん中に入る。
枸杞は牡丹と迷子の手を握って真ん中に入る。
(ちょっと、ええ……なんで?)
「!?」
「枸杞さん、このあとの予定とかはないのですか!?」
「この後ですか?課題は計画表通りにしてますし…寄り道してしも問題がない程度ですよ!」
「図書委員会のお部屋は…あっち!」
二人の手を掴んで早歩き
「図書委員会のお部屋は…あっち!」
二人の手を掴んで早歩き
「わあっ」
「…あら、ごめんなさい。少々速く行きすぎましたか?」
足を止めて迷子ちゃんのほうを見る
足を止めて迷子ちゃんのほうを見る
「うわぁ!」
「だ、大丈夫ですわ!その……ありがとうございます」
「…あら、貴女……」
迷子ちゃんの制服のロングスカートを見て枸杞がそっとそれに触れる。
「何処かで転ばれました?スカートに汚れがついて…姉さんこういう時ってどうしたら汚れ落ちやすくなります?」
迷子ちゃんの制服のロングスカートを見て枸杞がそっとそれに触れる。
「何処かで転ばれました?スカートに汚れがついて…姉さんこういう時ってどうしたら汚れ落ちやすくなります?」
「えっ……あっ……!?」
「そ、そうですわね、重曹ってご存知?」
「そ、そうですわね、重曹ってご存知?」
「ジュウソウ……?」
「そう、重曹、よ。それを水とちょっと混ぜて、汚れのところに馴染ませるようにおいてあげると汚れが落ちやすいの」
「ここでは流石にできないから、お家に帰ってからになってしまうけど……試してみて頂戴」
(流れで話してしまったけど、これで良かったのかな……)
「ここでは流石にできないから、お家に帰ってからになってしまうけど……試してみて頂戴」
(流れで話してしまったけど、これで良かったのかな……)
「ありがとうございます…!試してみます!」
「いいえ、お礼を言われるほどの話じゃないわ」
「制服の汚れって厄介ですからね…委員会が終わったら試されると良いかと」
「…それにしても、姉さんは図書委員会ではなかったような。何故図書委員会のお部屋に?」
「…それにしても、姉さんは図書委員会ではなかったような。何故図書委員会のお部屋に?」
「す、すみません私が迷ってしまって案内してもらってたのです」
「そういうことですわ」
「あら、迷子…そうでしたのね」
ちょっと枸杞の目が細められ、柔らかな笑顔を浮かべた
「…やっぱり姉さんはそういう子を放っておけない方なんですね。」
「…ふふ、私としたことがお恥ずかしい!姉さんがとうとう妹<ロイカ>を決められたのかと思って焦りましたわ。ご無礼をごめんなさいね。」
ちょっと枸杞の目が細められ、柔らかな笑顔を浮かべた
「…やっぱり姉さんはそういう子を放っておけない方なんですね。」
「…ふふ、私としたことがお恥ずかしい!姉さんがとうとう妹<ロイカ>を決められたのかと思って焦りましたわ。ご無礼をごめんなさいね。」
「はぁ……私は妹など持てる立場ではないのです!」
「公にも妹にはしないと言っております。あなたが焦る必要は……って、そういうこと。まだ諦めてなかったのね枸杞さん。」
「公にも妹にはしないと言っております。あなたが焦る必要は……って、そういうこと。まだ諦めてなかったのね枸杞さん。」
「諦めるわけないですよね!…勝手に勘違いして嫉妬なんてお恥ずかしい。」
「…では、迷子の方を一緒に送り届けましょうか!」
誤魔化すようにまた二人の手を掴んで歩く
「…では、迷子の方を一緒に送り届けましょうか!」
誤魔化すようにまた二人の手を掴んで歩く
「お二人、本当に仲が良いのですね、素晴らしいですわ」
「責任を持って私も一緒に行きますから!」
「わーい三人で移動ですね!」
にこっと笑って少しスピードを緩めて歩き始める。
「…次の廊下左に行きますね。そしたら右側の手前から2番目が図書委員会のお部屋になりますから。合ってますか?姉さん」
にこっと笑って少しスピードを緩めて歩き始める。
「…次の廊下左に行きますね。そしたら右側の手前から2番目が図書委員会のお部屋になりますから。合ってますか?姉さん」
「そうね……たしかそのあたりのはずよ」
「本当に頭が上がりませんわ……!!」
「なんとお礼したら良いのか……!」
「なんとお礼したら良いのか……!」
「いえいえ、私達にできることをしたまでですから、ねぇ枸杞さん?」
釘を指すような目線込み
釘を指すような目線込み
「ええ!このくらいはお安いご用ですわ!」
「お二人、本当に素敵です……!」
「でしょう!私の姉さんはすごく素敵な人なんですから!」(どや)
「もう!枸杞さん!は、恥ずかしいことを大声で言わないで!!コホン、それでは……ご機嫌よう、素敵な委員会活動になることを祈ってますわ」
「重ね重ね本当にありがとうございました、御機嫌よう……!」
「ばいばーい!また校内でお会いできたら嬉しいですわ!」
迷子を手を振って見送る。そして、その手を下ろす。
迷子を手を振って見送る。そして、その手を下ろす。
「で、どうして貴方はこちらに?委員会でもありまして?」
「ふふ、緑化委員の帰りでしたの。」
くるりと牡丹さんを振り返る。そして微笑む。
「…やはり姉さんは変わらないのですね。」
くるりと牡丹さんを振り返る。そして微笑む。
「…やはり姉さんは変わらないのですね。」
「どういう意味?」
「…そのままの意味ですよ。姉さんは変わらない。昔からずっと。」
「昔って……。貴方は私の何を知ってるというの!それとも哀れんでいるの?親を失ってからずっと必死で……」
「………そうよね、貴方からしてみれば私はちっとも変わってないのかな」
「………そうよね、貴方からしてみれば私はちっとも変わってないのかな」
「…変わらないでほしいんですよ。」
「え?」
「あの日私を救ってくださった貴女に、ね」
「…覚えていらっしゃらないかしら?貴方は8年前も1人の女の子に手を差しのべてくださいました。さっきの編入生にしたように」
目を閉じて口許を緩く微笑ませる。
「…ふふ、この間は黙ってましたけど私はシトラの壁の向こうによく情報を集めに行くんです。それは昔から。」
「…幼い私はシトラの籠から出て歩き回って……気がつけば知らない道にはいって、帰れなくなってしまいました。ふいに怖くなったんです。世界の何もかも全てが私のまわりに壁を作っているような……世界に私がひとりぼっちで置き去りにされてしまったような。」
「…そんな時に「どこから来たの?」って手を差しのべてくれたのが貴女だったんです。」
「…泣きじゃくって貴女の質問に1つも答えられなかった私の手をとって、色んな話をしながらおうちに招待してくださいました。ちょっと困った顔をしながらも私が泣き止むように。その話の一つ一つに引き込まれて貴女のお家につく頃にはすっかり笑顔になっていました。」
「…姉さんのお家の方々は見ず知らずの私の怪我の手当てをして…立華の迎えが来るまでの間一緒にごはんをご馳走していただきました。あの日に姉さんから聞いたお話も皆さんの温もりも箱入りお転婆の私にとっては新しく、何より大切なものに見えました。」
夕日に照らされながらにっこりと枸杞は笑う。
「…それからですよ。私が立ち居振舞い、勉強…一つ一つに打ち込むようになったのは。あの日私を救ってくださったお姉さんを目標に、ね。」
「…だから貴女は貴女のままが良いんです。貴女だからこそ幼年学校一のお転婆と言われた私がここまで立派な立華の跡取り娘になったんですよ。」
「…覚えていらっしゃらないかしら?貴方は8年前も1人の女の子に手を差しのべてくださいました。さっきの編入生にしたように」
目を閉じて口許を緩く微笑ませる。
「…ふふ、この間は黙ってましたけど私はシトラの壁の向こうによく情報を集めに行くんです。それは昔から。」
「…幼い私はシトラの籠から出て歩き回って……気がつけば知らない道にはいって、帰れなくなってしまいました。ふいに怖くなったんです。世界の何もかも全てが私のまわりに壁を作っているような……世界に私がひとりぼっちで置き去りにされてしまったような。」
「…そんな時に「どこから来たの?」って手を差しのべてくれたのが貴女だったんです。」
「…泣きじゃくって貴女の質問に1つも答えられなかった私の手をとって、色んな話をしながらおうちに招待してくださいました。ちょっと困った顔をしながらも私が泣き止むように。その話の一つ一つに引き込まれて貴女のお家につく頃にはすっかり笑顔になっていました。」
「…姉さんのお家の方々は見ず知らずの私の怪我の手当てをして…立華の迎えが来るまでの間一緒にごはんをご馳走していただきました。あの日に姉さんから聞いたお話も皆さんの温もりも箱入りお転婆の私にとっては新しく、何より大切なものに見えました。」
夕日に照らされながらにっこりと枸杞は笑う。
「…それからですよ。私が立ち居振舞い、勉強…一つ一つに打ち込むようになったのは。あの日私を救ってくださったお姉さんを目標に、ね。」
「…だから貴女は貴女のままが良いんです。貴女だからこそ幼年学校一のお転婆と言われた私がここまで立派な立華の跡取り娘になったんですよ。」
「あの時の……!救ったなんて、そんな、私がしたかったからしただけで─」
「…えぇ、そうですよ。あの日の迷子が私です」
「…立華は決してただ慈善アピールのために姉さんをお迎えした訳じゃないんです。真面目で他者への配慮を忘れない。他の人々と同じ目線に立って物事を考えるその思考。全てを本当に「立華の跡取りの一人にふさわしい」と評価しています。」
「…立華は決してただ慈善アピールのために姉さんをお迎えした訳じゃないんです。真面目で他者への配慮を忘れない。他の人々と同じ目線に立って物事を考えるその思考。全てを本当に「立華の跡取りの一人にふさわしい」と評価しています。」
「…だからそんなに貴女が劣等感を覚えなくていいの。貴女は貴女でいてくださいね?」
「………がんばる」
「…いいえ。姉さん一人で頑張るのではなく二人で頑張りましょう」
「私が貴方がそこまで思うような立派な人ではないと思うけど、そこまで想う貴女の気持ちを無駄にしたくない」
「そうね、明日のステラバトル、絶対に勝ちましょう」
「そうね、明日のステラバトル、絶対に勝ちましょう」
「…そういうところですよ。」
「貴女のそういうところが私は大好きなんですよ」
「ええ!花の王と花の宰、二人揃えば最強ですから!!」
「貴女のそういうところが私は大好きなんですよ」
「ええ!花の王と花の宰、二人揃えば最強ですから!!」
「そ、そういう言い方は恥ずかしいからやめて!」
「えぇ~!!!!なんでですかかっこいいですよ!!!」
とことこと牡丹さんの後を枸杞は追いかけていく。
ステラバトルまであと1日。
ステラバトルまであと1日。
星喰の騎士の物語
第一幕
薄暗いイデアグロリアの地下。
そこで一人の男が絵を描いている。
「…この間の彼らの色は……」
墨色の絵の具をカンバスに塗り広げていく。
「花こそ白でしたけど。その心は墨色でしたよね」
「……いえ、赤も差しましょうか?あの悲劇は凄惨でしたからね!!!」
あはは!と薄暗い部屋に詠の声が響く。
そこで一人の男が絵を描いている。
「…この間の彼らの色は……」
墨色の絵の具をカンバスに塗り広げていく。
「花こそ白でしたけど。その心は墨色でしたよね」
「……いえ、赤も差しましょうか?あの悲劇は凄惨でしたからね!!!」
あはは!と薄暗い部屋に詠の声が響く。
パチン、という音と共に突然部屋に灯りがつく。
「気味悪いことこの上ありませんね」
「気味悪いことこの上ありませんね」
「……おやおやおや。ファルシュさんじゃないですか!」
くるりと詠が振り返る。
「まぁこんなことするのはお前さんくらいしかいませんでしたね!
ワタクシに何か御用で?」
くるりと詠が振り返る。
「まぁこんなことするのはお前さんくらいしかいませんでしたね!
ワタクシに何か御用で?」
「お前がいつまでも部屋から出てこないから私に苦情が回ってくるんです。生徒の間では地下から気味が悪い呻き声がするって怪談になるし」
「それで、またいつもの前衛芸術ですか?」
「それで、またいつもの前衛芸術ですか?」
「それはそれは!対応ご苦労様ですね」
悪びれる様子はない。
悪びれる様子はない。
ファルシュは見下すような顔で盛大にため息をついてしまう。
「ステラバトルで見られた物語を絵にしておこうと思いましてね。…この間の敵もなかなか見物でしたから。思い合う感情が強すぎるが故の行き違い。その先にあるのは悲劇!悲劇悲劇!」
にっこりと笑ってカンバスを見せる。カンバスにはどろどろとした赤色と墨色が走るおぞましい絵が広がっていた。
にっこりと笑ってカンバスを見せる。カンバスにはどろどろとした赤色と墨色が走るおぞましい絵が広がっていた。
「そうですか、楽しそうでなによりですね。何一つ理解できませんししようとも思いませんが」
明るくなった地下のアトリエにはズラリとそのようなおぞましい絵が並ぶ。
「いえ、理解など不要です。理解しようとして発狂されても困りますから。」
「いえ、理解など不要です。理解しようとして発狂されても困りますから。」
「見る人が狂人となるのなら、さしずめお前は狂信者かしら。」
「まあ、感情の色などという曖昧なもの、人工物には関係の無いものですし。」
「まあ、感情の色などという曖昧なもの、人工物には関係の無いものですし。」
「おやおや、狂信者と?」
愉快そうに詠は口許を歪める。
「そんな風にワタクシを評したのはアナタが初めてですねぇ!面白い。」
「色眼鏡がない…人工物ゆえでしょうね。「化野詠は化物だから」等と答えていたら「お前さんもとうとうヒトに成り下がりましたか!!!」と手を叩いて悦んでいましたよ!」
愉快そうに詠は口許を歪める。
「そんな風にワタクシを評したのはアナタが初めてですねぇ!面白い。」
「色眼鏡がない…人工物ゆえでしょうね。「化野詠は化物だから」等と答えていたら「お前さんもとうとうヒトに成り下がりましたか!!!」と手を叩いて悦んでいましたよ!」
「愚かしいですね、化け物も人間も"生きるモノ"に変わりないでしょうに。」
「ほう…」
目を細めてファルシュに歩み寄る。
「元いた世界には「愛されていたから化物に成り果てた道具」なんて妖もいました。彼らはあくまで古びたガラクタ。そんなガラクタも「生きているもの」と?」
「それならば、人工物のお前さんもワタクシと同じに成りますね!アッハハハハ!!!」
目を細めてファルシュに歩み寄る。
「元いた世界には「愛されていたから化物に成り果てた道具」なんて妖もいました。彼らはあくまで古びたガラクタ。そんなガラクタも「生きているもの」と?」
「それならば、人工物のお前さんもワタクシと同じに成りますね!アッハハハハ!!!」
「ふん、お断りします。お前と同じだなんて、不名誉にも程がありますから」
「願われて命を得たものと同列にするのは、少々納得いかないわ。お前、もしかしてその程度の違いも分からないのですか?」
「願われて命を得たものと同列にするのは、少々納得いかないわ。お前、もしかしてその程度の違いも分からないのですか?」
「はい。分かりませんよ。何かを作るということには「何かをしたい」「これを表現したい」という思いがあります。この思いの結果生み出される人工物と「こういうヒトにしたい!」「こういうヒトであれ!」と望まれて生まれた命に何の違いがあるのでしょう?ワタクシにはとんと分かりません。」
「だからこそお前さんを面白がっているのですよ。ファルシュさん。命あるものと自分は違うと言い切って他の者によって色を乱されることのないアナタを。」
「だからこそお前さんを面白がっているのですよ。ファルシュさん。命あるものと自分は違うと言い切って他の者によって色を乱されることのないアナタを。」
「なるほど。作品だけではなくお前のことも理解できないというのがよく分かりました。」
「分からないことが分かるとは何処かの哲学者のようなことを仰いますね。」
「人工物に哲学はわかりませんが、それはひとつの事実ですから」
「おや残念。哲学する『人形』でしたら作品にしてましたのに。」
「私はお前の作品になりに来たわけじゃありません」
「おやおやフラれてしまいました。ショックですね。ショックのあまり胸が張り裂けそうです。」
大袈裟に着物の袖で目許を拭くフリをする。袖からはチラチラと愉しそうに嗤う口許が見える。
大袈裟に着物の袖で目許を拭くフリをする。袖からはチラチラと愉しそうに嗤う口許が見える。
「ではそのまま人間花火にでもなるといいのでは? お前の作品のアクセントになるのではないですか? まあ知りませんけど」
「あはっ、嫌ですよ。満たされない欲望を追い続ける男が人間花火なんて面白くない。」
「う~ん…そうですねぇ…」
腕を組んで顎のしたに手をあて思考を巡らせる。
「じゃあお前さんが「化野詠という化物の願いを利用してでも叶えたい願い」を見つけることができたら、お前さんの思う一番ワタクシに相応しい殺しかたでワタクシを無惨に殺して作品にしてください。それならワタクシは死んでもいいです。」
「…まぁ出来るものならですけどね。」
「う~ん…そうですねぇ…」
腕を組んで顎のしたに手をあて思考を巡らせる。
「じゃあお前さんが「化野詠という化物の願いを利用してでも叶えたい願い」を見つけることができたら、お前さんの思う一番ワタクシに相応しい殺しかたでワタクシを無惨に殺して作品にしてください。それならワタクシは死んでもいいです。」
「…まぁ出来るものならですけどね。」
「死ぬなら勝手にくたばってくださいませ、お前の命がどうなろうと私の知ったことではありません」
「アハハハハハハハ!!!!辛辣ですねぇ!」
「まぁそれでこそお前さんです。誰にも染まることがないアナタではなければワタクシもあのような無茶苦茶はしません。」
「如何ですか?少しずつ他人が攻撃的に見えてくる世界は。」
「まぁそれでこそお前さんです。誰にも染まることがないアナタではなければワタクシもあのような無茶苦茶はしません。」
「如何ですか?少しずつ他人が攻撃的に見えてくる世界は。」
「お前の好きそうな趣味ですね」
「表すなら悪質、その一言で十分です」
「表すなら悪質、その一言で十分です」
「いえ、ワタクシの行為そのものの事実ではなくお前さんの感情の変化としては如何です?」
「見て分からないのだとしたら節穴ね、芸術家を辞めることを勧めますが」
「原因がお前だと分かっている以上、今までと何ら変わりない。そうでしょう」
「原因がお前だと分かっている以上、今までと何ら変わりない。そうでしょう」
「…特に変化は無しですか。いつも通りのお前さんです。相も変わらず溶けぬ氷のよう。」
「…まぁ、少しずつ少しずつと我々の精神は侵食されていくでしょうから 今後に請うご期待ということにしておきましょう。」
「…明日こそお前さんの色を魅せてくださいね?楽しみにしてますよ。ファルシュさん。」
「…まぁ、少しずつ少しずつと我々の精神は侵食されていくでしょうから 今後に請うご期待ということにしておきましょう。」
「…明日こそお前さんの色を魅せてくださいね?楽しみにしてますよ。ファルシュさん。」
ファルシュはそれには答えず、ひと睨みすると部屋を出ていった。
「…あぁ、面白い!!」
楽しそうに高笑いをするとまたカンバスに向き合い色を置きはじめた。
楽しそうに高笑いをするとまたカンバスに向き合い色を置きはじめた。
第二幕
イデアグロリア内の温室にも西陽が射し込み、その美しさを際立たせている。
調和のとれた美しい花園に1人、場所に似つかわぬ黒い男の影。 スケッチブックに、色鉛筆を持って一心不乱に絵を描いている。…時々景色を見ている様子からは風景のスケッチをしているようにしか見えない。
「ふふっ、あはは…あっはははははははは!!!!!これがエクリプスから見える世界ですか!!」
スケッチブックの上に広がるのは完璧な調和を誇るイデアグロリアの温室に似つかわしくない極彩色で彩られた歪な花園。どの花も願いの決闘場で咲き誇る黒きヒガンバナのように歪にゆがみ、生気がない。
調和のとれた美しい花園に1人、場所に似つかわぬ黒い男の影。 スケッチブックに、色鉛筆を持って一心不乱に絵を描いている。…時々景色を見ている様子からは風景のスケッチをしているようにしか見えない。
「ふふっ、あはは…あっはははははははは!!!!!これがエクリプスから見える世界ですか!!」
スケッチブックの上に広がるのは完璧な調和を誇るイデアグロリアの温室に似つかわしくない極彩色で彩られた歪な花園。どの花も願いの決闘場で咲き誇る黒きヒガンバナのように歪にゆがみ、生気がない。
男の笑い声が響く室内に、カツカツと靴音を立てて近づく小さな銀色。
「端的に申し上げますが、大変クソうるさいですよ」
「端的に申し上げますが、大変クソうるさいですよ」
「おや、これは失敬。とてもとても愉快で。つい。」
「…して、如何ですか?ファルシュさん 今お前さんの世界はどう見えます?」
鉛筆を置きファルシュを振り返る。
「そしてどう思いました?」
「…して、如何ですか?ファルシュさん 今お前さんの世界はどう見えます?」
鉛筆を置きファルシュを振り返る。
「そしてどう思いました?」
「お前の好みそうな視界で、今すぐにでも永眠なさってくれると嬉しいのですが」
「へぇ、流石に世界が歪んで見えるのは同じですか。それはそれは…」
「どう思います?この世界。憎いですか?気持ち悪いですか?それとも美しく思いますか?」
「どう思います?この世界。憎いですか?気持ち悪いですか?それとも美しく思いますか?」
「そんなもの、わざわざ聞かなくてもお前の中でもう答えは出ているのではないですか?」
「…はぁ、やはり「歪んでいる」という事実の理解のみですか。」
詠はため息をつく。
詠はため息をつく。
「面白いですねぇ。常人なら世界への憎しみでおかしくなっているはずなのに。半端者のワタクシと人工物のアナタはいつもと同じ。」
「知らないのですか?元から狂っているのなら、捻じれた世界にいようともあまり大差はないようにみえるものです。モノには関係ない話ですが。」
「おやおや では、お前さんも狂っているのでしょうか?ワタクシと同じ世界を見ても平然としている、ということは。」
ニィと化野詠が不気味に笑う。
ニィと化野詠が不気味に笑う。
「言ったでしょう、モノには関係ないと。そもそも精神汚染の類が"関係ない"のです」
「間違ってもお前と一緒という扱いをされるのは御免ですね」
「間違ってもお前と一緒という扱いをされるのは御免ですね」
「アッハハ!その毒舌が吐けるということは本当にこの世界を見ても狂わないと!認識をしても感じることはない!ああ、なんて面白い。」
「…このままワタクシと世界を破壊し尽くしても同じ状況でいられるでしょうか?ワタクシはこの世界を壊してしまっても一向に構いません。壊れ逝く世界に溢れる見たこともない「色」が見られるのならワタクシの願いは叶ったようなものですからね!」
「…このままワタクシと世界を破壊し尽くしても同じ状況でいられるでしょうか?ワタクシはこの世界を壊してしまっても一向に構いません。壊れ逝く世界に溢れる見たこともない「色」が見られるのならワタクシの願いは叶ったようなものですからね!」
「お前の企みなんて阻止されるにきまってます。知らないはずないでしょう、エクリプスがどのような末路をたどるかなんて。」
「星の騎士は必ず現れる……明日になれば、きっと。どの階層も破壊されず、今まで通りの世界が続く」
「星の騎士は必ず現れる……明日になれば、きっと。どの階層も破壊されず、今まで通りの世界が続く」
「…えぇ、知っていますとも。悪は必ず裁かれます。以前の世界のワタクシのように、ね。」
「お前がなぜ色に執着するかなんて知ったことじゃないですし、私に止める力もありません。それでも」
「…それでも?」
「私は、私の代わりに、そしてお前のためにお前を止めるものが必ず来てくれると信じます。」
「ふふっ、倒せるといいですね。ワタクシを。」
他人事のように笑う詠。
「…星の騎士。敵として対立したら彼らはどのような色をワタクシに見せてくださるのでしょうね。」
おもむろに花園へと手を伸ばす詠。オダマキ、アネモネ、ツバキへと触れ…
「そしてどんな絶望でワタクシを魅了してくださるのでしょう!!!想像するだけでゾクゾクしますね!!」
その花を手元に置いていたナイフで一太刀で切り落とした。
他人事のように笑う詠。
「…星の騎士。敵として対立したら彼らはどのような色をワタクシに見せてくださるのでしょうね。」
おもむろに花園へと手を伸ばす詠。オダマキ、アネモネ、ツバキへと触れ…
「そしてどんな絶望でワタクシを魅了してくださるのでしょう!!!想像するだけでゾクゾクしますね!!」
その花を手元に置いていたナイフで一太刀で切り落とした。
「…まぁ、討伐される悪とはいえワタクシも簡単には討伐などされませんよ。最後までワタクシと足掻きましょう。ファルシュさん。"貴女"が望まずとも。」
「モノに決定権なんてありません。仕方ないので従ってあげますよ、私の騎士」
「…そういうところですよ。無駄にさっぱりしてちっとも黒く染まらない。そういうところがとても興味深い。」
「…地獄の底まで付き合っていただきますよ。ファルシュさん。決戦は明日。私が世界を塗り替えてしまうか、それとも騎士が悪人の首を獲るか。特等席で見ていてください。」
「…地獄の底まで付き合っていただきますよ。ファルシュさん。決戦は明日。私が世界を塗り替えてしまうか、それとも騎士が悪人の首を獲るか。特等席で見ていてください。」
その声を背にファルシュは温室を出ていく。扉を閉め、1人となったホムンクルスは呟いた。
「結末は変わらない、変えさせない。こんな世界、認めない。」
「はぁ……女神はどうして、この馬鹿者を騎士なんかにしたのでしょう。おかげで私の仕事が増えるじゃないですか」
そして誰もいなくなる。黒い彼岸花を残して。
「結末は変わらない、変えさせない。こんな世界、認めない。」
「はぁ……女神はどうして、この馬鹿者を騎士なんかにしたのでしょう。おかげで私の仕事が増えるじゃないですか」
そして誰もいなくなる。黒い彼岸花を残して。
幕間
赤色の騎士達
仮面の男がひとりの人として経営するカフェ、その一角にて。
「そろそろ来てくれるといいんだが。このままでは一組だけ遅刻してしまいそうだ」
「そろそろ来てくれるといいんだが。このままでは一組だけ遅刻してしまいそうだ」
「シェムさ〜〜〜〜ん!!!!!」
「おや、来たね。」
「ひっさびさのステラナイト!シェムさんが仮面を受け取ってたから、どんな感じになるのか楽しみすぎる〜〜〜!!!」
「シェムさんは強いから、世界を守ってくれる!うちはそう信じてる!」
「シェムさんは強いから、世界を守ってくれる!うちはそう信じてる!」
「ふふ。期待に添えられるかはわからないけど、手は尽くそう。」
「うちも、武器としてドレスとして精一杯応援するし、一緒に戦うの!!!!」
「うふふ……ステラナイトなりたての頃を思い出しちゃった……」
「シェムさん、絶対勝とう」
「うふふ……ステラナイトなりたての頃を思い出しちゃった……」
「シェムさん、絶対勝とう」
「もちろん」
「負けるつもりなんてはなからないとも。勝つのは私たちだ」
「負けるつもりなんてはなからないとも。勝つのは私たちだ」
「さあ。」
『『赤に誓え、我らの勝利を』』
アンドラナはステラドレスになっていく。
その姿に、かつての禍々しさはなかった。まっすぐ伸びた深紅の剣を携え、新たなコート<ステラドレス>を翻し、手には見慣れぬ一つの仮面を持つ。
顔を丸ごと覆うような仮面は、新たな力と素顔を隠し、彼は再び花咲き誇る戦場へと向かった。
顔を丸ごと覆うような仮面は、新たな力と素顔を隠し、彼は再び花咲き誇る戦場へと向かった。
「誓約生徒会の力、試させてもらおうか」
赤のオダマキは口元に笑みを浮かべる。その姿を見るものはだれも、居ない。
黄色の騎士達
「……先生」
「なんだい?」
「……昨日は 眠れたのか」
「正直 初めての 戦いで こう見えて 緊張 している」
「正直 初めての 戦いで こう見えて 緊張 している」
「うーん、眠れたっていえば眠れたのかな」
「あーー、君も?やっぱり……?」
頭をがしがししながら話を続ける
「あまり表情が変わらないから、分からなかったけど君でも緊張もするんだな」
「あーー、君も?やっぱり……?」
頭をがしがししながら話を続ける
「あまり表情が変わらないから、分からなかったけど君でも緊張もするんだな」
「それは 私も 人間 だから」
「この世界 あなたと 守れるのか そして あなたも 守れるのか 緊張も そうだけれど 責任感が 少なからず あった」
「でも あなたが いてくれれば 怖く なくなる そう思った」
「リンは どう思う」
「この世界 あなたと 守れるのか そして あなたも 守れるのか 緊張も そうだけれど 責任感が 少なからず あった」
「でも あなたが いてくれれば 怖く なくなる そう思った」
「リンは どう思う」
「素直に言っていいの?」
「……それ重くない?」
「君はまだまだ子どもなんだから、そこまで背負い込み過ぎなくていいと思うんだよ。俺は」
「そういう時こそ、俺の立場利用してよ。一応先生なんだから、生徒の悩み相談ならいつでも歓迎するよ」
「……それ重くない?」
「君はまだまだ子どもなんだから、そこまで背負い込み過ぎなくていいと思うんだよ。俺は」
「そういう時こそ、俺の立場利用してよ。一応先生なんだから、生徒の悩み相談ならいつでも歓迎するよ」
「ありがとう」
「貴方は 本当に 優しい 人だ」
「……今なら 言える」
「貴方に 出会えて よかった 貴方が 私の わがままに 付き添って くれて ありがとう」
「……準備は できたか」
「貴方は 本当に 優しい 人だ」
「……今なら 言える」
「貴方に 出会えて よかった 貴方が 私の わがままに 付き添って くれて ありがとう」
「……準備は できたか」
「いや、吐き出してって、そういうことじゃなかったんだけどな……」
「出来てるよ、もちろん」
「出来てるよ、もちろん」
「……わかった」
『この 戦いは 一つの 絵画だ』
『子どもたちの未来を、最後まで描き出す!』
『子どもたちの未来を、最後まで描き出す!』
パグナワの服は、蛍光色の絵具に塗れた、美術実習技のような、白衣。周りには、触れると電子となり溶けてしまう絵具の粒。
「……世界の ためにも 先生…… リンの ためにも」
「絶対に 勝つ」
「絶対に 勝つ」
そう言って、願いの決闘場へ歩いていった。
琥珀色の騎士達
シトラ旧校舎、教室にて。
「はぁ……」
牡丹は憂鬱そうな顔で教室の窓から外を眺めている。
牡丹は憂鬱そうな顔で教室の窓から外を眺めている。
「あら、姉さん。そんなに憂鬱そうな顔をしてどうしました?」
枸杞は牡丹の隣にきて顔を覗き込む。
枸杞は牡丹の隣にきて顔を覗き込む。
「やっぱり、私の選択は間違っていたのかなって思ったの」
「折角、あなたが私に本心を語ってくれたのに、この戦いに負けてしまったら、全て意味もなくなってしまう……」
「私はもう、何も失いたくない」
「折角、あなたが私に本心を語ってくれたのに、この戦いに負けてしまったら、全て意味もなくなってしまう……」
「私はもう、何も失いたくない」
「…無くなりませんよ。」
枸杞はいつになく真剣な表情で牡丹の目を見る。
「だって、私たち二人が揃えば最強ですから!」
にこっと笑って牡丹の手を両手でぎゅっと握る。
「それに、ステラバトルは1人で闘うものではありません!女神も、他の騎士も…そしてシースの私もついてますから。」
「…私がシースでは役不足かしら?」
枸杞はいつになく真剣な表情で牡丹の目を見る。
「だって、私たち二人が揃えば最強ですから!」
にこっと笑って牡丹の手を両手でぎゅっと握る。
「それに、ステラバトルは1人で闘うものではありません!女神も、他の騎士も…そしてシースの私もついてますから。」
「…私がシースでは役不足かしら?」
「役不足……ふふっ枸杞さん」
「役不足の本来の意味は『力量に比べて、役目が不相応に軽いこと』なんですよ」
「まだまだ、教えられることがいっぱいありそうですね」
「役不足の本来の意味は『力量に比べて、役目が不相応に軽いこと』なんですよ」
「まだまだ、教えられることがいっぱいありそうですね」
「…あっ!そうでしたわ!!」
恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「ふふふ!私も存外緊張しているみたいです!」
「忘れてくださいまし!!忘れてください!!!」
恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「ふふふ!私も存外緊張しているみたいです!」
「忘れてくださいまし!!忘れてください!!!」
「いえいえ、私もあなたの言葉で不安が消えましたから!謝らないでください」
(最初は冷たかった指先だけど、枸杞さんの手のひらの温度ですっかり温かくなってる。……これならきっと大丈夫)
(最初は冷たかった指先だけど、枸杞さんの手のひらの温度ですっかり温かくなってる。……これならきっと大丈夫)
「むぅ、姉さんの緊張が解れたのなら構いませんけど…」
ちょっとむくれています。
ちょっとむくれています。
「あら、ご不満かしら?」
「…不満なんてないです!貴女の曇りを晴らすことが出来たなら私もお馬鹿を晒した甲斐がありました」
「…でも、流石に言葉の間違いは恥ずかしいので」
「…終わったら、絶対に、私の国語のお勉強に付き合ってくださいね!!!」
(私は絶対にいなくなりませんから。)
「…でも、流石に言葉の間違いは恥ずかしいので」
「…終わったら、絶対に、私の国語のお勉強に付き合ってくださいね!!!」
(私は絶対にいなくなりませんから。)
「ええ!もちろんですわ!そのためにもさっさと終わらせましょう!」
「ふふっ!私もお手伝いいたしますわ!!」
「参りますわ──」
『温かな日常を、私は守りたい!』
『温かな日常を、私は守りたい!』
「ええ…」
『ではその貴女を守るのは私ですわ!』
『ではその貴女を守るのは私ですわ!』
牡丹の体は光に包まれる。次に現れた姿は頭上に琥珀色に輝くティアラを冠し、その身を包むは白を基調にした詰め襟の馬上服、所々にオレンジの刺繍が入り、豪奢ながらも品の良さも感じさせる。
「さぁ、いきましょうか。私は決して、誰も失いたくないのですから!」
星喰の騎士達
夜明け直前。イデアグロリアの校舎屋上。
そこから見えるのはアーセルトレイ第一階層。星空と朝焼けの間に浮き上がるように見える。
それを背に男は佇む。
そこから見えるのはアーセルトレイ第一階層。星空と朝焼けの間に浮き上がるように見える。
それを背に男は佇む。
星が姿を消す前に、小さな影は屋上に現れる。
「…おや、ファルシュさん。」
白い影に男は気がつき振り返る。その手に持つのは カメラ。
「この歪んだ景色、残しておこうと思いまして。ワタクシが勝った後この世界は消し飛んでしまいますから。」
「…ああ負けるかもしれませんね?負けた後、この景色とこの写真はどう見えるんでしょう?それを知るのもまた一興ですね!アハハ!!」
白い影に男は気がつき振り返る。その手に持つのは カメラ。
「この歪んだ景色、残しておこうと思いまして。ワタクシが勝った後この世界は消し飛んでしまいますから。」
「…ああ負けるかもしれませんね?負けた後、この景色とこの写真はどう見えるんでしょう?それを知るのもまた一興ですね!アハハ!!」
「これが最後の警告です。本当に、止まるつもりはないのですか」
「…止まれていたらワタクシはこう成り果てていませんよ?」
「ではワタクシからも最後の質問です。貴女の目にはこの世界は、ワタクシはどう映りますか?」
にこり と笑みを浮かべる鬼。
にこり と笑みを浮かべる鬼。
「くだらない質問ね、そろそろ飽きたわ。」
「この視界に移るものは歪んでいる、それは前にも伝えたでしょう」
「強いて言うなら、お前も。その在り方は歪んでいるのではないかしら。そう見える、というだけの話ですが。」
「この視界に移るものは歪んでいる、それは前にも伝えたでしょう」
「強いて言うなら、お前も。その在り方は歪んでいるのではないかしら。そう見える、というだけの話ですが。」
「…そうですか。これ程の歪んだ色彩を浴びてもなお、貴女は無彩色。」
「…面白いですね。同じ無彩色であるはずの「黒」のワタクシとはこうも違う。」
「ワタクシとはどこまでも正反対。どこまでもワタクシにはとらえどころがない。「色」が「無い」というのもまた1つの色…」
「…面白いですね。同じ無彩色であるはずの「黒」のワタクシとはこうも違う。」
「ワタクシとはどこまでも正反対。どこまでもワタクシにはとらえどころがない。「色」が「無い」というのもまた1つの色…」
「あなたが何を成そうとしているか、知ったうえで言いますが。」
「無意味だわ、きっと。」
「この戦いは、お前の思い通りにはさせない。させるわけにはいかない。世界を一つ壊すだなんて、そんな結果を、彼らの敗北という名の失敗を、私は信じません。」
「無意味だわ、きっと。」
「この戦いは、お前の思い通りにはさせない。させるわけにはいかない。世界を一つ壊すだなんて、そんな結果を、彼らの敗北という名の失敗を、私は信じません。」
「…ふふっ、ここまで思い通りにならない玩具(ひと)は後にも先も貴女くらいでしょうね。」
口許に着物の袖をあて可笑しそうに笑う。
「…色ではなく光でしたか。どの色に混ぜてもその色彩を壊してしまう「黒色」に交っても 混ざることがない。」
口許に着物の袖をあて可笑しそうに笑う。
「…色ではなく光でしたか。どの色に混ぜてもその色彩を壊してしまう「黒色」に交っても 混ざることがない。」
「お前の記憶力は鶏以下かしら。お前と同じは願い下げだと言っているでしょう」
「アッハハ!それでこそ貴女です!!」
「良いでしょう!!!良いでしょう!!!このワタクシ、化野詠の全力をもって終わりを彩って魅せましょう。貴女の信じるものによってワタクシが終わるのか、それともワタクシによって世界が終わるのか!」
「良いでしょう!!!良いでしょう!!!このワタクシ、化野詠の全力をもって終わりを彩って魅せましょう。貴女の信じるものによってワタクシが終わるのか、それともワタクシによって世界が終わるのか!」
「終わらせないわ。」
「世界も、お前も。簡単に終わらせるものですか。」
「……時間です、さあ。」
「世界も、お前も。簡単に終わらせるものですか。」
「……時間です、さあ。」
「ふふ。そうですか。ワタクシも終わらせないのですか。」
フッと小さく笑って詠はファルシュを見る。
フッと小さく笑って詠はファルシュを見る。
「ではいきましょうか!」
『世界をもっと鮮烈に!もっと鮮やかに!!』
『世界をもっと鮮烈に!もっと鮮やかに!!』
『なれど其れは無彩の華 空を覆うは極彩の黒』
ファルシュは光に包まれた。
…が、化野詠をその光が包むことはない。代わりに化野詠の足元に硝子のような透き通った鋭い刀が突き刺さった。
…が、化野詠をその光が包むことはない。代わりに化野詠の足元に硝子のような透き通った鋭い刀が突き刺さった。
「…ステラドレスになろうとも貴女はワタクシと混じらない。」
そういって刀を詠は抜く。そして景色に透かす。透き通った刀の向こうに見える景色はただあるがまま映す。
そういって刀を詠は抜く。そして景色に透かす。透き通った刀の向こうに見える景色はただあるがまま映す。
「…アハッ、この刃が騎士の花びらでどう染まるのか。見ものですね。」
そういうと黒のヒガンバナは願いの決闘場へ転送された。
そういうと黒のヒガンバナは願いの決闘場へ転送された。
屋上に残ったのはひどく歪んだ黒いヒガンバナが一輪だけ――
決闘、星喰の騎士
とうとう来たわね、ロアテラに支配されし者
そしてよく来てくれたわ、星の騎士たち
剣をもって示しなさい、この世界はまだ戦えるのだと
――いざ開け、願いと可能性の舞台
そしてよく来てくれたわ、星の騎士たち
剣をもって示しなさい、この世界はまだ戦えるのだと
――いざ開け、願いと可能性の舞台
「ふふっ、ようこそ。」
「お前さんたちの地獄へ」
「お前さんたちの地獄へ」
「ここが フラワーガーデン……」パグナワはあたりを見渡している。
「ここが 地獄? ……そうか 貴方が 今回 倒すべき 敵」
「ここが 地獄? ……そうか 貴方が 今回 倒すべき 敵」
「ヒッ・・・!?あなたは人間じゃない?」
「おやおや新鮮な反応」
ニッコリと笑って
「ワタクシ、化野詠と申します。ええ、ええ!お前さんたちが今回倒すべき災厄です」
ニッコリと笑って
「ワタクシ、化野詠と申します。ええ、ええ!お前さんたちが今回倒すべき災厄です」
「自ら災厄を名乗るとはね。もしかして、エクリプスの自覚があるのかな、君は」
「……さぁ、如何でしょうね?」
「そして 貴方たちが 共に 戦ってくれる 味方 よろしく」シェムと牡丹に顔を向ける。
「ハイ!よろしくお願い致しますっ!」
「そして そこの鬼 貴方は 何を 考えている のか わからない」
「しかし 倒すべき 敵なのは 私たちの 共通認識」
「倒す」
「しかし 倒すべき 敵なのは 私たちの 共通認識」
「倒す」
「うん、いい心構えだ。共に戦う騎士として、頼りにしているよ」
「……ふふ、何を考えているのか分からないのは人間も怪物も同じですよ。まぁ、ワタクシはお前さんたちの苦悶の色が見たい。ただそれだけなのですが」
「……趣味が悪い」
「そういう事情なら、遠慮なく倒させていただきます!」
「そういう事情なら、遠慮なく倒させていただきます!」
「……ええ、どうぞ遠慮なく。ワタクシも全力で参りましょう!」
すらりと透明な刀を抜く鬼。その口許は三日月を描いている。
すらりと透明な刀を抜く鬼。その口許は三日月を描いている。
「今回は、一切の同情もいらない。全力で倒す事だけに集中して。…さあ構えて、始まるよ」
「ええ、怪物と人類の世界をかけた決闘ですよ!!!」
そして花畑が夜の闇に包まれる。
……風が舞う、夜風の草原。
此処は何処か? 刀の道を歩むものの決闘場なり。
今宵は何時か?
世界の命運を分ける 決闘の夜なり。
……風が舞う、夜風の草原。
此処は何処か? 刀の道を歩むものの決闘場なり。
今宵は何時か?
世界の命運を分ける 決闘の夜なり。
「嗚呼、 なんて素敵な夜でしょう!!!ワタクシ、昂ってまいりました!」
S-1
R1-1
黒き堕落 パグ移動耐▼1 詠△2
騎士の嗜み 詠移動 牡丹希望の担い手防御6
騎士の嗜み 詠移動 牡丹▼2
黒き堕落 パグ移動耐久▼2 詠△2
黒き堕落 パグ移動耐▼1 詠△2
騎士の嗜み 詠移動 牡丹希望の担い手防御6
騎士の嗜み 詠移動 牡丹▼2
黒き堕落 パグ移動耐久▼2 詠△2
R1-2 シェム
予兆A-1
シェム行動なし
予兆A-1
シェム行動なし
発生 詠チャージ 彼岸と此岸 詠牡丹△3 シェム▼3
R1-3 牡丹
予兆A-2
予兆A-2
騎士の嗜み パグそれでいいと思っているのですか? 詠防2 詠▼3
R1-4 パグナワ
予兆A-3
静寂の水面、風にゆらるる椿の花 詠△5 シェム△5 牡丹△1パグ△3
騎士の嗜み パグ移動 詠▼4
予兆A-3
静寂の水面、風にゆらるる椿の花 詠△5 シェム△5 牡丹△1パグ△3
騎士の嗜み パグ移動 詠▼4
マーカー パグ▼3
予兆 シェム▼2
カット
シェム▼1
シェム▼1
R2-1 詠
ゼロセヴン シェム牡丹パグ△2 防御△1
黒き煌めき 詠移動 シェム▼2
防御元に戻る
ゼロセヴン シェム牡丹パグ△2 防御△1
黒き煌めき 詠移動 シェム▼2
防御元に戻る
騎士の嗜み シェム▼1
黒き堕落の誘い 牡丹移動▼1詠△1
黒き堕落の誘い 牡丹移動▼1詠△1
マーカー 詠▼2
R2-2
予兆A-4
この戦いはあなたのために アタックダイス1追加
パグ それでいいと思っているのですか? 詠防御1減少
オダマキの花言葉は 詠▼9
詠 悲哀の毒花 シェム▼9
亡霊 シェム▼4
システムアキレギア シェム△5 詠▼1
牡丹 希望の担い手
誓いの騎士 詠▼10
誓いの騎士 詠▼4
亡霊 シェム▼2
愚者の咆哮 シェム△6
誓いの騎士 詠▼3
かきむしれ 詠▼11
ノイア
亡霊 シェム▼2
予兆A-4
この戦いはあなたのために アタックダイス1追加
パグ それでいいと思っているのですか? 詠防御1減少
オダマキの花言葉は 詠▼9
詠 悲哀の毒花 シェム▼9
亡霊 シェム▼4
システムアキレギア シェム△5 詠▼1
牡丹 希望の担い手
誓いの騎士 詠▼10
誓いの騎士 詠▼4
亡霊 シェム▼2
愚者の咆哮 シェム△6
誓いの騎士 詠▼3
かきむしれ 詠▼11
ノイア
亡霊 シェム▼2
予兆 詠▼5
R2-3
予兆A-5
牡丹行動なし
予兆A-5
牡丹行動なし
予兆
詠 ようこそあちら側へ
牡丹 シェム防御5
牡丹パグ▼5 シェム▼1 詠▼3 詠△4
詠 ようこそあちら側へ
牡丹 シェム防御5
牡丹パグ▼5 シェム▼1 詠▼3 詠△4
R2-4
予兆A-1
椿の花 詠△2 シェム△3 パグ△4 牡丹△5
陽光の剣詠▼4
予兆A-1
椿の花 詠△2 シェム△3 パグ△4 牡丹△5
陽光の剣詠▼4
予兆 詠移動、牡丹▼2
カット シェム▼5 戦闘不能
R3-1
煌めき 詠移動 パグ▼1
煌めき 詠移動 牡丹▼2
煌めき 詠移動 牡丹▼2
亡霊 詠▼1
彼岸と此岸 詠△10
彼岸と此岸 詠△10
R3-2
シェム戦闘不能
シェム戦闘不能
R3-3
予兆 A-2
薄れゆく希望 ノイア 詠▼8
詠 悲哀の毒花 牡丹▼10
一緒に行こう 牡丹△5
騎士の嗜み 詠▼3、牡丹移動
予兆 A-2
薄れゆく希望 ノイア 詠▼8
詠 悲哀の毒花 牡丹▼10
一緒に行こう 牡丹△5
騎士の嗜み 詠▼3、牡丹移動
R3-4
予兆 A-3
騎士の嗜み 詠
断頭台へようこそ 詠▼9
詠悲哀の毒花 パグ▼9
亡霊 パグ▼6 戦闘不能
異形化 パグ△4
予兆 A-3
騎士の嗜み 詠
断頭台へようこそ 詠▼9
詠悲哀の毒花 パグ▼9
亡霊 パグ▼6 戦闘不能
異形化 パグ△4
予兆
カット対象者なし
カット対象者なし
R4-1
世界よ、私に従え
黒き堕落 希望担い手 牡丹0 詠▼1
煌めき 詠移動 牡丹アネモネドレス パグ▼1
黒き堕落 牡丹 我らを害する アネモネドレス パグ0
アネモネドレス
キシタシ 牡丹さん4
彼岸と此岸 牡丹▼6詠△6
世界よ、私に従え
黒き堕落 希望担い手 牡丹0 詠▼1
煌めき 詠移動 牡丹アネモネドレス パグ▼1
黒き堕落 牡丹 我らを害する アネモネドレス パグ0
アネモネドレス
キシタシ 牡丹さん4
彼岸と此岸 牡丹▼6詠△6
R4-2
予兆A-4
オダマキの花言葉は シェム移動 詠▼10
亡霊刀 シェム戦闘不能
シェムイモータル △9
ぶんまわし 詠▼5
牡丹ノイア 亡霊刀 シェム▼8
愚者の咆哮 シェム△4
ぶんまわし 詠▼4
亡霊 ▼12
イモータル △10
かきむしり 詠 めっちゃ減った
予兆A-4
オダマキの花言葉は シェム移動 詠▼10
亡霊刀 シェム戦闘不能
シェムイモータル △9
ぶんまわし 詠▼5
牡丹ノイア 亡霊刀 シェム▼8
愚者の咆哮 シェム△4
ぶんまわし 詠▼4
亡霊 ▼12
イモータル △10
かきむしり 詠 めっちゃ減った
R4-3
予兆A-5
騎士の嗜み 詠▼3
亡霊 牡丹戦闘不能
イモータル 牡丹△10
アネモネの決意
予兆A-5
騎士の嗜み 詠▼3
亡霊 牡丹戦闘不能
イモータル 牡丹△10
アネモネの決意
戦闘終了
「か、ふっ。」
「……2人も 犠牲にして しまった 死んでない とはいえ」
「……ふふ、ふふふ。」
倒れたまま男は嗤う。
倒れたまま男は嗤う。
「さて。名前も しらぬ お前」
「絶対に 来世は ないと 思え」
「絶対に 来世は ないと 思え」
「……ふふふ、来世なんてありません。死んだら 灰になって 御仕舞いです。」
「……年貢の納め時、ですかね」
そう言うと男の体は指先から黒い花びらへと変わり、消えた。
「……年貢の納め時、ですかね」
そう言うと男の体は指先から黒い花びらへと変わり、消えた。
「これでいい。少なくとも、全滅という最悪のシナリオは避けられたからね。それでも、無傷とはいかなかったようだ」
「僕はこれで表舞台から消えることになるけれど。君たちはまだ先がある、未来がある。」
「これは先人からの警告だ。こうなってはいけないよ。これ以上、星喰の因子を使えば……僕のようになる」
「願いをとるか、世界をとるか。それは君たちの選択次第だ。でももし願いをとるのなら、退くことも大切だよ。」
「さようなら、星の騎士。君たちの往く道が、照らされることを願おう」
「僕はこれで表舞台から消えることになるけれど。君たちはまだ先がある、未来がある。」
「これは先人からの警告だ。こうなってはいけないよ。これ以上、星喰の因子を使えば……僕のようになる」
「願いをとるか、世界をとるか。それは君たちの選択次第だ。でももし願いをとるのなら、退くことも大切だよ。」
「さようなら、星の騎士。君たちの往く道が、照らされることを願おう」
「……ありがとう」
(私が 使った 歪みが どう影響 するのかは わからない ただ)
(願うことなら……)
(私が 使った 歪みが どう影響 するのかは わからない ただ)
(願うことなら……)
(ああ、また私は誰かを失ってしまうのか。家族ではないけれど、せっかく力を得られたのに、ごめんなさい)
そう思えど、体は動かず、ただ舞台から牡丹の体は消えていく。
そう思えど、体は動かず、ただ舞台から牡丹の体は消えていく。
終章:それぞれの道
赤色の騎士達
「すまない」
戦場から戻り、最初に出たのは謝罪の言葉だった
戦場から戻り、最初に出たのは謝罪の言葉だった
「……シェムさん」
「再び得た権利を、失ったんだ。私の独断でだ」
「君に負担をかけるつもりはなかったが、それでもこのような結果になってしまった」
「これで本当に、終わりなんだ。」
「君に負担をかけるつもりはなかったが、それでもこのような結果になってしまった」
「これで本当に、終わりなんだ。」
「いいの。シェムさんの力にまたなれたから。相手が強かった。武器だったうちでもわかる。……もううちらは星の騎士にはなれない、でもね」
「うちは、シェムさんを軽蔑したりなんてしないし、離れようと思わない。」
「だって、シェムさんがこの世で一番、世界で一番、宇宙で一番大好きだから。シェムさんのためにと思えば、授業にも出られるし、周りの人と話すのも頑張ろうってそう思えるんだ」
「だからシェムさん」
「星の騎士じゃなくなっても、シェムさんのそばに、うちはいていい?」
「うちは、シェムさんを軽蔑したりなんてしないし、離れようと思わない。」
「だって、シェムさんがこの世で一番、世界で一番、宇宙で一番大好きだから。シェムさんのためにと思えば、授業にも出られるし、周りの人と話すのも頑張ろうってそう思えるんだ」
「だからシェムさん」
「星の騎士じゃなくなっても、シェムさんのそばに、うちはいていい?」
「君の好きなようにするといい」
「ありがとう。一瞬怖かったんだ。女神様の繋がりでだけの関係で、こうなったらシェムさんに切られるんじゃないかって、でも」
「シェムさんは、本当に優しい」
「シェムさんは、本当に優しい」
「騎士でなくなったとしても、それはそれとして研究者の仕事がある。やるべきことはまだ残っているんだ、それに。」
「女神を頼らずとも」
「願いくらい、自分で叶えようと思ってね」
「女神を頼らずとも」
「願いくらい、自分で叶えようと思ってね」
「……!!」
「この世界の在り方を知りたいというのが、僕の願いだった。力を失った今でも、それは変わらない。」
「君がこのまま、変わらないでいるというのなら、そうだな。力を借りることがあるかもしれないね」
「君がこのまま、変わらないでいるというのなら、そうだな。力を借りることがあるかもしれないね」
「シェムさん……!!!!」
ポロポロと涙を流しながら
「ありがとう……ありがとう……!!!」
「これからも、一緒にいるから。お手伝いするから、大好きだから、できることはなんでもするから。」
「大好き、シェムさん」
アンドラナはシェムをぎゅっと抱きしめた。
ポロポロと涙を流しながら
「ありがとう……ありがとう……!!!」
「これからも、一緒にいるから。お手伝いするから、大好きだから、できることはなんでもするから。」
「大好き、シェムさん」
アンドラナはシェムをぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう」
「ただし」
「手伝ってもらうといっても、それなりの知識や学力、教養が必要になってくる。単位はちゃんと取得してくること」
「ただし」
「手伝ってもらうといっても、それなりの知識や学力、教養が必要になってくる。単位はちゃんと取得してくること」
「……もちろん!」
「ほら、もう帰りなさい。明日の講義に遅れても知らないよ」
「ほら、もう帰りなさい。明日の講義に遅れても知らないよ」
「はい!シェムさん」目は腫れてるけど、にっこり
赤の騎士の物語は、ここで終わる。
それでも彼らの人生は続く。
この舞台とは違う、どこかで。
それでも彼らの人生は続く。
この舞台とは違う、どこかで。
黄色の騎士達
変身が解けてすぐ。リンに近寄る。
本当に、もしそうなったら。そしたら。
本当に、もしそうなったら。そしたら。
「リン 私のことが わかるか」
「……ああ。パグナワくんか。お疲れ様」
「あ、あ、 よ よかった……」
「よかった?何が?・・・ああ、勝てたことだよね」
「ああ そうだ あとは」
「リンが 生きてて よかった」
「リンが 生きてて よかった」
「うん、生きてるよ。当たり前じゃない」
「貴方は 何をしていたのか わかるか? 貴方は どういう立場で どういうことをしているのか わかるか?」
「君の美術の先生であってる?他に何かあったかな」
「……ああ、よかった、」
「今日も何か俺に聞きたいことがあってきたんじゃないの?」
「……? 貴方は ステラナイトで、 私と、戦ってた それは……?」
「戦いだなんて、物騒なこというなぁ」
「なんか前にもこういうことなかったか?いきなり俺がコーヒー飲んでたとこに現れて・・・。あれ、何の話をしてたんだっけ」
「なんか前にもこういうことなかったか?いきなり俺がコーヒー飲んでたとこに現れて・・・。あれ、何の話をしてたんだっけ」
「……」
「…………」
「貴方と ずっと一緒って 話をしてた」
「…………」
「貴方と ずっと一緒って 話をしてた」
「いや重くないか?」
「そう 貴方は そう思うだろう でも」
「『紛れもない事実』だ」
「『紛れもない事実』だ」
「あぁ、何か行き違いがあるのか?悪いな。困っているならなんでも言ってくれ。俺ができる範囲で力になる」
「ふふふ……それでこそ 貴方だ 貴方はまたそうやって 物を抱え込む そして 何れ 自滅する」
「守れるのは 私だけ 本当に その通り」
「守れるのは 私だけ 本当に その通り」
「…?」リンは不思議そうに首をかしげる。
「そう」
「リンは そのままで いればいい その人生に 私が 土足で 入り込む だけなのだから」
「……スムラットという 苗字 好きじゃない ならいっそ」
「貴方は そのままでいい 変わっていくのは 私だけなのだから」
「リンは そのままで いればいい その人生に 私が 土足で 入り込む だけなのだから」
「……スムラットという 苗字 好きじゃない ならいっそ」
「貴方は そのままでいい 変わっていくのは 私だけなのだから」
「……そう決意するのはいいが、勢い余って思いつめるのは良くないからな」
そう言ってリンはうっすら笑みを浮かべる。
そう言ってリンはうっすら笑みを浮かべる。
「大丈夫 私は 貴方みたいに 破滅しない」
「……どうしてそれを」
「貴方は知らなくていい」食い気味に
「けど、何で、お前が……」
そこで諦めたようにため息をつく。
「ま・・・いつかはバレるよね。仕方ないか」
そこで諦めたようにため息をつく。
「ま・・・いつかはバレるよね。仕方ないか」
「私だけが知っていればいい、貴方はそれを覚えていなくとも、私が全て知っている」
(胸が痛いし涙が止まらない 前までこんなことなかったのに)
(胸が痛いし涙が止まらない 前までこんなことなかったのに)
「そうかい。そうしてくれると助かるよ」
「リン 『私が貴方を守る』」
何が起こっているのか掴みきれてないリンの手をパグナワは力強く握る。
何が起こっているのか掴みきれてないリンの手をパグナワは力強く握る。
(そんな顔してまで言うセリフかよ。馬鹿野郎。──でももしそれに、俺が関わっていたらそのセリフは俺の方がお似合いだな)
掴まれた手を見て、そんなことを思うリン。
掴まれた手を見て、そんなことを思うリン。
その後、スムラット家からパグナワへの連絡が一切途絶え、アンドロイドもパグナワとの通信に失敗するようになったとか。
琥珀色の騎士達
舞台から帰還した後、牡丹は崩れ落ちるように地面に膝をついた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
涙は止まらず、過呼吸状態
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
涙は止まらず、過呼吸状態
「ね、姉さん!!!」
牡丹の目の前にすっと膝を折って座り、正面から抱きしめるようにその背中をさすります。
「……ゆっくりと、息を吸って……」
そのままゆっくりと背中を叩きながら
「この動きに合わせて、呼吸をしてください」
牡丹の目の前にすっと膝を折って座り、正面から抱きしめるようにその背中をさすります。
「……ゆっくりと、息を吸って……」
そのままゆっくりと背中を叩きながら
「この動きに合わせて、呼吸をしてください」
「すう……はあ……」
「……大丈夫。大丈夫です。」
目を閉じて優しくとん とん と一定のリズムで牡丹の背中を叩きながら自分もゆっくりと呼吸をする。
「…姉さん、勝ったんです。あなたの希望の光が あの男の闇を切り裂いたんです。……シェム先生からのバトンをあなたは受け継ぐことができたんです」
目を閉じて優しくとん とん と一定のリズムで牡丹の背中を叩きながら自分もゆっくりと呼吸をする。
「…姉さん、勝ったんです。あなたの希望の光が あの男の闇を切り裂いたんです。……シェム先生からのバトンをあなたは受け継ぐことができたんです」
「枸杞のちからも借りたのに、」
「それでも私はみんなを守りたかった」
「それに……」
「あの、刃が体を貫く瞬間が忘れられないの。」
「冷たくて、寒くて……」
「私のお母さんやお父さんもこんな思いしてたのかな」
「やだ……嫌だよ……。もうこれ以上私から奪わないで」
「それでも私はみんなを守りたかった」
「それに……」
「あの、刃が体を貫く瞬間が忘れられないの。」
「冷たくて、寒くて……」
「私のお母さんやお父さんもこんな思いしてたのかな」
「やだ……嫌だよ……。もうこれ以上私から奪わないで」
「……姉さん。」
抱きしめる腕に力がこもる。
抱きしめる腕に力がこもる。
「ごめんね、枸杞。こんなことに巻き込んでしまって」
「……いいえ。謝る必要なんて何処にもありませんよ?これは私の意志。 私が私の意志でステラナイトになって姉さんと戦うって決めたんですから。」
「うん……うん……っ!」
「えらいなぁ、枸杞は」
「…………」
「えらいなぁ、枸杞は」
「…………」
「……姉さんは本当に強くあろうと、皆を守ろうとされていました。姉さんの守りがなければ事態はもっと悪化していた。…姉さんあなたは世界を守ることが出来たんですよ。
……それでも皆を守りたかった、失いたくないなんて本当に貴女は……」
……それでも皆を守りたかった、失いたくないなんて本当に貴女は……」
牡丹も顔を上げてじっと枸杞の顔を見る。
「……とてもとても頑張り屋さんです。そして誰よりも優しくて温かい。
そんな姉さんだから私はついていきたいって思えるんですよ?」
「私は偉くなんてありませんよ。きっと姉さんが思ってるよりずっと私は……」
そんな姉さんだから私はついていきたいって思えるんですよ?」
「私は偉くなんてありませんよ。きっと姉さんが思ってるよりずっと私は……」
「私の勝手なわがままなのに?それでもついていきたいの?」
「ええ。私は姉さんと一緒に世界を、立華を守るって決めたんですから!」
「……それによく分かったんです。私には姉さんが必要だって。」
「……姉さん、皆を守りたかったって仰いましたよね。そのときに気がついたんです。
「大きなことを成すためには必要な犠牲がある。それは当然。」そう考えていた醜い私の存在に。」
「……それによく分かったんです。私には姉さんが必要だって。」
「……姉さん、皆を守りたかったって仰いましたよね。そのときに気がついたんです。
「大きなことを成すためには必要な犠牲がある。それは当然。」そう考えていた醜い私の存在に。」
「……だから、だからこそ皆を守りたい。誰も失いたくないって考える……失ったものがあるからこそ誰かのことを思える貴女と私は歩みたい。
そうじゃないと、立華も世界も私のような冷たい思考の方ばかりになるでしょ?」
そうじゃないと、立華も世界も私のような冷たい思考の方ばかりになるでしょ?」
「うぇっ、そう、かな。そうだといいな……」
「ありがとう、くこさん。私にもう少しだけ時間をください」
「ありがとう、くこさん。私にもう少しだけ時間をください」
「ええ、姉さんが望むのなら。…でもなんのお時間ですか?」
「枸杞さんの言うとおり、先生が残してくれた希望を私が繋げたい。でもそのためには」
枸杞のことをぎゅっとだきしめる。
枸杞のことをぎゅっとだきしめる。
「もう少し貴女の存在を確認させてください。時間というのはつまり・・・充電期間というやつです」
「…うふふ、構いませんよ!私も姉さん不足ですので!!」
ぎゅっと抱きしめます。
ぎゅっと抱きしめます。
「ふふふ!」
「……私はいなくなりませんよ。姉さんの近くにいますから。」
「それなら・・・。ねえ枸杞さん。私の妹にならない?」
「……え?良いんですか?」
「私もずっと一緒にいたいから」
「…うふふ!それなら私も頑張らないと、ですね!」
「……貴女にもう失う苦しみを痛みを味わわせないためにも。私も強くなります。」
「……貴女にもう失う苦しみを痛みを味わわせないためにも。私も強くなります。」
「私も、よ。一緒に頑張りましょう!」
「ええ!約束します 「一緒にいきましょう。 ずっとずっと!」」
星喰の騎士達
詠は変身をしたときの屋上へ帰ってきた。
「……」
かしゃん、と屋上のフェンスに寄りかかる
そして 顔を覆い 口許を歪めて
「っははは!!!!!!あはははは!!!!!!!!!!最高でしたね!!!!!!素晴らしい!!!!素晴らしい物語でした!!!!」
「負けてしまいはしましたが、良いものが見られました!!!あぁこれだから、これだから人間は面白い!!!!」
「……」
かしゃん、と屋上のフェンスに寄りかかる
そして 顔を覆い 口許を歪めて
「っははは!!!!!!あはははは!!!!!!!!!!最高でしたね!!!!!!素晴らしい!!!!素晴らしい物語でした!!!!」
「負けてしまいはしましたが、良いものが見られました!!!あぁこれだから、これだから人間は面白い!!!!」
「……理解に苦しみますね。お前は確かに負けたのに、なぜ笑うのでしょう」
「ふふ、満足ですよ。
一人の赤色の騎士の 愚かしくさえ映る真っ直ぐな生きざまを見られました。
そして一人の黄色の騎士が「本当の己」に目覚めていく様子を見られました。
一人の琥珀の騎士が、かき消えそうなほどの小さな希望を以てして化け物にとどめをさしました。」
「騎士としての力を犠牲にしてでも見る価値はありましたよ!」
「……して、ファルシュさんは如何でした?あの地獄を見て」
一人の赤色の騎士の 愚かしくさえ映る真っ直ぐな生きざまを見られました。
そして一人の黄色の騎士が「本当の己」に目覚めていく様子を見られました。
一人の琥珀の騎士が、かき消えそうなほどの小さな希望を以てして化け物にとどめをさしました。」
「騎士としての力を犠牲にしてでも見る価値はありましたよ!」
「……して、ファルシュさんは如何でした?あの地獄を見て」
「お前がこの程度のものを地獄と称するとは思いませんでした、楽しそうで何よりです」
「おや、この程度とは。貴女は更なる地獄を見たことがある、ということですか?」
「教える義理はないわ」
「…ふふ、秘密主義ですね。」
詠はにぃ、と笑う。
詠はにぃ、と笑う。
「これからどうするつもりなんですか、お前は」
「……そうですねぇ……」
「これからも様々な物語に触れる。そのためには……あの赤い騎士のようになる というのが良さそうですね。
そろそろご登場されるでしょうしね。」
「これからも様々な物語に触れる。そのためには……あの赤い騎士のようになる というのが良さそうですね。
そろそろご登場されるでしょうしね。」
物陰から黒いダスターコートに白い仮面をつけた男が不意に現れた。
「誓約生徒会、総帥……」
ファルシュの方を見て 男は
「よくご存じのようだね。 我が子らよ。」
そう告げる。
「ならば話は早い。我が子らよ。……力を望むか?」
そう言って仮面を差し出します。
「よくご存じのようだね。 我が子らよ。」
そう告げる。
「ならば話は早い。我が子らよ。……力を望むか?」
そう言って仮面を差し出します。
「……ええ。もちろん」
化野詠はそう言って仮面を受け取ろうとその手を伸ばします。
化野詠はそう言って仮面を受け取ろうとその手を伸ばします。
ファルシュはその手を遮る。
誓約生徒会への切符を、半ば奪い取るように受け取る。
誓約生徒会への切符を、半ば奪い取るように受け取る。
「……!」
にんまりと笑っていた化野の目が見開かれた。
「ファルシュさん、貴女一体何を……!?」
にんまりと笑っていた化野の目が見開かれた。
「ファルシュさん、貴女一体何を……!?」
「お前の思い通りに話が進むのが、不快です」
「戦いが始まる前、私は言いました。星の騎士、彼らが勝つと。」
「私はお前との賭けに勝ったのです、つまりお前は敗者である、そうでしょう」
「なら、勝者の言うことを聞くのが、お前にできる唯一のことではないですか?」
「戦いが始まる前、私は言いました。星の騎士、彼らが勝つと。」
「私はお前との賭けに勝ったのです、つまりお前は敗者である、そうでしょう」
「なら、勝者の言うことを聞くのが、お前にできる唯一のことではないですか?」
「……ふふ、そう出ましたか!」
「良いでしょう。いつの時代も敗者には選択肢など無いものです!
……では、どうするつもりです?ファルシュさん。」
「今なら、この屋上からワタクシを落として殺す……なんてこともできますよ?」
「良いでしょう。いつの時代も敗者には選択肢など無いものです!
……では、どうするつもりです?ファルシュさん。」
「今なら、この屋上からワタクシを落として殺す……なんてこともできますよ?」
「私から言うのは一つだけ。提案……いえ、命令としましょう」
「お前、私の剣になりなさい。」
開いた左手を伸ばす。手を取れと、その瞳が告げている。
「お前、私の剣になりなさい。」
開いた左手を伸ばす。手を取れと、その瞳が告げている。
「……あはははは!!!!本当に 貴女はワタクシを厭きさせませんね!!!」
それまで尊大にフェンスに寄り掛かっていた化野が膝をつき、その左手をとる。
「……では、敗者のワタクシは大人しく従うとしましょうか。これより我が身は貴女の剣。存分にお振るいくださいませ、我が騎士。」
口調と態度こそ慇懃だがその表情は楽しくて仕方がないというような笑顔。
朝日に照らされる無彩色の光を見る。黒は眩しそうに目を細める。
それまで尊大にフェンスに寄り掛かっていた化野が膝をつき、その左手をとる。
「……では、敗者のワタクシは大人しく従うとしましょうか。これより我が身は貴女の剣。存分にお振るいくださいませ、我が騎士。」
口調と態度こそ慇懃だがその表情は楽しくて仕方がないというような笑顔。
朝日に照らされる無彩色の光を見る。黒は眩しそうに目を細める。
「……では、よろしいのだね。我が子よ。これより君がブリンガー。彼がシースだ。」
新しくブリンガーとなる少女を見ながら総帥は尋ねる。
新しくブリンガーとなる少女を見ながら総帥は尋ねる。
「いいわ。」
「ええ。構いません。」
「……よろしい。それでは誓約生徒会としての今後の活躍に期待しているよ。」
そう言うと男は瞬きの間に消えた。
そう言うと男は瞬きの間に消えた。
「死ぬまで働かせてやります。私のためにその命、消費してもらいましょうか。……彼らの分まで。」
「あはは!!!そう楽には死なせてくれなさそうですねぇ!」
「…ねぇ、ファルシュさん。貴女望みはなんなんです?ワタクシを押し退けてまで叶えたい願い。それは一体?」
「…ねぇ、ファルシュさん。貴女望みはなんなんです?ワタクシを押し退けてまで叶えたい願い。それは一体?」
「あら、お前ならわかると思いましたが?」
「言ってしまったら『面白くない』でしょう」
「言ってしまったら『面白くない』でしょう」
「……貴女、そんな顔も出来るんですね。」
「さあ、どこの誰のせいでしょうね」
「…よく言いますよ。貴女は色になんかに染まらないくせに。」
(……光が色で染まるわけないじゃないですか。)
「……はぁ。ワタクシの完敗ですね。 せいぜいワタクシごときに寝首をかかれないようにしてくださいね。騎士サマ」
(……光が色で染まるわけないじゃないですか。)
「……はぁ。ワタクシの完敗ですね。 せいぜいワタクシごときに寝首をかかれないようにしてくださいね。騎士サマ」
「あら? どうして敗北者が逆らえると思っているのでしょうか。 させませんが?」
「…あはっ、それでこそ貴女ですね。いいでしょう。敗者のワタクシの命精々世界のために使い潰してくださいね。それでワタクシの色も変わるかもしれませんしね。」
黒の騎士は敗れ、今ここでその存在は消えた。
同時に、新たな騎士が立ち上がる。
花章はヒガンバナ、その色は──白。
同時に、新たな騎士が立ち上がる。
花章はヒガンバナ、その色は──白。
新たに始まるのは
"白"の物語。