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お題版 >>250 (美怜)

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匿名ユーザー

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「はぁあぁぁっ!!!」
「・・・」
 青いほうが攻撃し、黄色い方が冷静にいなす。
 どこか異次元の空で何の目的もなく、長い年月に渡って繰り広げられる、「チャンピォン」と「挑戦者」の戦い。

 ・・・そして、今日も。

「手ごたえないなー・・・その程度で僕に立ち向かおうってのかい?」
 3対の純白の翼に、1対の羽が生えた天使の輪。黄色い方が、呆れたように言うと。
「んなこたぁやってみなきゃあわかんねえだろ!!」
 2対の純白の翼、羽がない天使の輪。青いほうが顔を真っ赤にして怒鳴る。
「そうとも限らないよ。だって僕だし?」
「・・・ッ・・・うぉおおおっ!!」
 再び、青い天使が雄たけびと共に、剣を構えて突進した。
「・・・それに」

 ガシッ!

「!?」
「やる前から見え見えの事だってある」
 攻撃をかわし、背中の翼を掴みながら、黄色い天使は言い放つ。
 もがく青色を尻目に、黄色は翼を握る手に力を込め。

 ブチッ!!!

「・・・っが・・・!!」
「羽の数にして負けてるよ?君は今ので3枚。僕は頭の奴を含めれば、8もある」
 背中を押さえてうめく青色を見下ろし、黄色は再び言い放った。
「攻撃姿勢だって馬鹿げてる。モーションばっかり大きくて構えも何もあったモンじゃない。今までの「挑戦者」、みんなそうだった」
「・・・てめえっ!!」
 青色が再び切りかかる。それを受け止め、黄色は冷たく言った。
「期待した僕が馬鹿だった。・・・どいつもこいつも雑魚ばっか。君も同じくね・・・」
 そういった次の瞬間、黄色の剣に稲妻が走り。

 バリバリバリィ!!

「ぐぁぁぁぁぁっ!!!!!」
 瞬く間に剣と剣とを伝い、青色の身体を駆け回る。四股を硬直させ、絶叫する青色。
「・・・」
 無言のまま稲妻を止める黄色。青色はその場に、浮かんだまま倒れこんだ。翼の霊力によって、である。1枚欠乏しているため、ぎこちない飛び方で。
「ばいばい。生まれ変わったら、僕を殺せるぐらい強くなってきてよ。・・・ま、無理だろうけど」
 気を失っている青色にこう言い放ち、黄色は翼を、今度は残り3枚まとめて持ち、背中から全て引きちぎった。

 青色の体が、純白の羽毛と真っ赤な雫を散らし、まっさかさまに落ちていく。

 2度と帰れぬ、深みへ。

「・・・」
 無言のまま、青色が落ちていった深みを見下ろし続ける黄色。
「・・・どうも最近、飽きてきたんだよね・・・ここにいるの・・・」
 ぽつりと、黄色は独り言を言う。

「いつになったら、僕を殺せる奴が現れるんだろうか・・・?」



 この世界があり続ける限り。

 何度でも、何度だって。

 愚かな挑戦者は、勝負を挑み続ける。

 無敵のチャンピォンは、勝負を受け続ける。

 この無限の闇の中で、永遠に。



 黄色い天使の望みが叶うのは、いつの日になるのだろうか。

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