まんじゅうクラフト? > 書籍? > Rkunと交易所

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かつて、ヘメロカリス特別区は風の神々の通り道であり、誰も定住しない静寂の地だった。
空は常に淡く染まり、地面には名もなき花が咲いては散った。
だがある日、空の裂け目から一柱の神が降り立った。名をRkunという。

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Rkunは交易の神であり、秩序と交換の象徴だった。
彼の足元には、踏むたびに金貨が芽吹き、手にした杖は物々交換の律を刻む。
彼は言った。

「この地に、価値の循環を根付かせよう。花が咲き、人が集い、物が巡る場を」

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そしてRkunは、ヘメロカリスの花弁を一枚摘み、それを空に掲げて吹いた。
すると花弁は風に乗って舞い、地に落ちるたびに交易所が芽吹いた。
それは村人たちのための聖なる場所——物と物、心と心が交わる場。

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村人たちは最初、神の意図を測りかねていた。だが交易所には不思議な力が宿っていた。
誰かが紙を置けば、代わりに碧玉が現れ、誰かが本を置けば、その本には修繕と効率強化Vと耐久力IIIと幸運IIIが付与された。
Rkunの交易所は、遠く離れた村々を繋ぎ、見えざる絆を編み始めた。

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やがて、ヘメロカリス特別区は貿易の街となった。
交易所を中心に村が広がり、花の香りと物語が風に乗って旅をした。
Rkunはその様子を見て微笑み、再び空の裂け目へと姿を消した。

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だが村人たちは知っている。
交易所の奥ある壊れたポータルは、Rkunの気配を今も宿していることを。

書籍メタデータ


考察

Rkunはヘメロカリスに村人を連れてきて大規模な交易所を作った。それを神話風にまとめたもの。
ただし、この神話に描かれているような感じで村人に自由意志は実際はない。3x2の狭い部屋に押し込められ、ただひたすらに神への奉仕をさせられている。
はたして、本当にRkunは神なのだろうか?
最終更新:2025年08月13日 00:48