本文
1ページ
Motchiyは『究極の味』を求め、
たくたんに提案した。
「君の身体を使わせてくれ。君の血液は清涼飲料水に、肉体はカツサンドにする。だが、君の犠牲が味覚の革命になるんだ」
たくたんは静かに頷く。
「俺の存在が、誰かの舌を震わせるなら、それでいい」
2ページ
Motchiyはたくたんを解体し、血液を炭酸と混ぜて『たくたんスパークリング』として瓶詰めにした。
肉は心を込めて低温調理し、衣をまとわせ、パンに挟む。
その過程はまるで宗教儀式。Motchiyは涙を流しながら「ありがとう」と呟いた。
3ページ
審査員たちは無言で食す。スパークリングを飲み、カツサンドを噛みしめる。
沈黙。長い沈黙。やがて一人が言う。
「これは――味ではない。記憶だ」
Motchiyはその意外な感想に驚いた。
4ページ
「記憶?」
審査員は言った。
「この味は、我々が忘れていた『人間性』を呼び起こす……。たくたんは、味覚ではなく、倫理を提供したのだ」
5ページ
Motchiyはカツサンドの残りを見つめる。そこには、たくたんの笑顔が焼き印として浮かび上がっていた。
彼は一口食べる。そして涙を流す。
「俺は料理人じゃない。罪人だ……」
書籍メタデータ
考察
最終更新:2025年08月23日 09:59