BAD TO THE BONE ◆Su10.RK3MU
【001】
殺し合いの舞台となる島の南に、頂に大きな湖を湛え広い裾野の端にまで深い緑に包まれた、なだらがだが
どこか幽々とした不思議な印象を抱かせる山がある。
そして、その頂上から南西に向けてなかあいの辺に一際深い緑に覆われた森があった。
どこか幽々とした不思議な印象を抱かせる山がある。
そして、その頂上から南西に向けてなかあいの辺に一際深い緑に覆われた森があった。
細く背の高い木々が立ち並び、広げた枝葉で森の天井を覆っているので森の中は真っ暗だ。
時折、風が吹けば枝葉の中に隙間ができてちらほらと光が射し込んでくるが、それも明かりとするにはとても頼りない。
加えて暗い森の中は光の量も少なければ空気の流れもよくなく、湿気を帯びた苔の匂いが充満している。
時折、風が吹けば枝葉の中に隙間ができてちらほらと光が射し込んでくるが、それも明かりとするにはとても頼りない。
加えて暗い森の中は光の量も少なければ空気の流れもよくなく、湿気を帯びた苔の匂いが充満している。
苔ばかりとなれば普段立ち入る人間もほとんどいない。人が行き来しない場所は必然として神秘を得てゆく。
とはいえこの森の有様は神聖などとは真逆だ。見通しが悪く代わり映えのしない風景は訪れた者の不安ばかりを煽る。
ありていに言えばまるでお化けや妖怪でも出てきそうな、一言でいえばそこは“不気味”な森だった。
とはいえこの森の有様は神聖などとは真逆だ。見通しが悪く代わり映えのしない風景は訪れた者の不安ばかりを煽る。
ありていに言えばまるでお化けや妖怪でも出てきそうな、一言でいえばそこは“不気味”な森だった。
【002】
月明かりすら届かない暗く不気味な森の中、懐中電灯で手元を照らし、いそいそと荷物を確認している人の姿があった。
「……知ってる名前は竹露と、リルカ姉さんだけか」
懐中電灯に照らされた名簿を見てひとりごちてるのは、山の風景にはまったく馴染まないギャル系の女子高生だ。
金髪に染めてカールをかけた髪の毛をツーテールにくくり、メイクはライン、シャドウ、睫毛とアイ中心に濃い目。
学校指定のセーラー服は改造こそしていないものの、スカートの丈はギリギリのところまで上げられている。
金髪に染めてカールをかけた髪の毛をツーテールにくくり、メイクはライン、シャドウ、睫毛とアイ中心に濃い目。
学校指定のセーラー服は改造こそしていないものの、スカートの丈はギリギリのところまで上げられている。
「リルカ姉さんは元々死んでるから地獄に帰ってもらえばいいけど(どうせ会っても仲良くできないだろうし)、
竹露を死なせるのは(いくら願い事で生き返らせられると言っても)気が引ける……」
竹露を死なせるのは(いくら願い事で生き返らせられると言っても)気が引ける……」
そして、その内面はというとギャル系の見た目にそぐわぬ修羅場慣れしたプロの貫禄があった。
彼女の名前は――姫園れい子。
人呼んでゾンビ屋れい子。現役の女子高生でありながら、ソンビ屋として死者蘇生を請け負うプロフェッショナルだ。
ソンビ屋とは不慮の死を迎えた者を黄泉返らせ、その者自身から死に秘せられた情報を聞き出す職業。
そして彼女には死体をソンビにするという特技の他に、“もうひとつの特技”があった。
彼女の名前は――姫園れい子。
人呼んでゾンビ屋れい子。現役の女子高生でありながら、ソンビ屋として死者蘇生を請け負うプロフェッショナルだ。
ソンビ屋とは不慮の死を迎えた者を黄泉返らせ、その者自身から死に秘せられた情報を聞き出す職業。
そして彼女には死体をソンビにするという特技の他に、“もうひとつの特技”があった。
「(どっちが1度死ぬかはじゃんけんでもして決めるか)……と、いいもの発見。――百合川ッ!」
れい子が闇の中に声をかける。と、そこには彼女の従者であるもう一人の少女が立っていた。
これも不気味な森の中という風景には似合わないパンクファッションの少女の名前は――百合川サキ。
彼女は“ゾンビ”である。しかし、死体から黄泉返らされたゾンビではない。“地獄より召喚された”ゾンビなのだ。
《ゾンビ召喚術》――地獄より手下となる亡者を召喚するこれこそが、姫園れい子のもうひとつの能力なのである。
これも不気味な森の中という風景には似合わないパンクファッションの少女の名前は――百合川サキ。
彼女は“ゾンビ”である。しかし、死体から黄泉返らされたゾンビではない。“地獄より召喚された”ゾンビなのだ。
《ゾンビ召喚術》――地獄より手下となる亡者を召喚するこれこそが、姫園れい子のもうひとつの能力なのである。
「ナイフは全部没収されてるんでしょう? だったらいい武器が見つかった。装備しておきなさい」
言って、れい子は背負い袋の中から一対の鉤爪を取り出し、百合川へと放り投げた。
百合川は無言でそれをキャッチすると、言われた通りに鉤爪を両腕に装備する。召喚主の命令は絶対なのである。
そう、本来はそのはずなのだが――
百合川は無言でそれをキャッチすると、言われた通りに鉤爪を両腕に装備する。召喚主の命令は絶対なのである。
そう、本来はそのはずなのだが――
「姫園れい子。いざ“それ”が起きた時に後から文句を言われても困るんで今のうちに言っておくわよ」
「…………は?」
「…………は?」
百合川の発言に、れい子は背負い袋を漁る手を止めあんぐりと口を開け、唖然とした表情を浮かべた。
これまで百合川から話しかけられたことなど皆無なのだ。そしてれい子の命令に彼女が返事をしたという記憶もない。
“生前は互いに”会話をしたこともあるが、つまりゾンビとして召喚してからはこれが初めての会話だった。
これまで百合川から話しかけられたことなど皆無なのだ。そしてれい子の命令に彼女が返事をしたという記憶もない。
“生前は互いに”会話をしたこともあるが、つまりゾンビとして召喚してからはこれが初めての会話だった。
「ちょ、ちょ、ちょっと、どういうこと? もしかしてここにきて、賃上げ交渉やストライキって言うんじゃないでしょうね」
「あんたに対する文句は山ほどある。そもそも“あたしを殺したのがあんた”なんだしね」
「あんたに対する文句は山ほどある。そもそも“あたしを殺したのがあんた”なんだしね」
そう、まだ生きていた頃の百合川サキを殺害したのは他でもない姫園れい子なのだ。だがしかし……、
「それを恨むのはお門違いってもんよ。そもそも“あんたがあたしを殺した”のがいけないんじゃないッ!」
そう、姫園れい子は百合川サキに殺された。だから、身体をゾンビ化して百合川を“殺し返した”のである。
れい子がゾンビ屋として捜査に協力したある《事件》。そこで二人は出会い、文字通り互いを殺しあう結果となった。
その後二人は揃って地獄に落ち(いくら善良でもゾンビ使いが天国に上れるはずもない)、話は終わるかに見えたが
れい子は数奇な運命により復活を果たし、地獄から百合川をゾンビとして召喚する運びとなったのだ。
れい子がゾンビ屋として捜査に協力したある《事件》。そこで二人は出会い、文字通り互いを殺しあう結果となった。
その後二人は揃って地獄に落ち(いくら善良でもゾンビ使いが天国に上れるはずもない)、話は終わるかに見えたが
れい子は数奇な運命により復活を果たし、地獄から百合川をゾンビとして召喚する運びとなったのだ。
「あんたが素直に逮捕されてりゃ、どっちも死なずに事は済んだのに――」
「――ま、まぁ、それは“おあいこ”ってことでいいわよ。
あんたがあたしのことをコキ使って、戦闘で身体が壊れた場合のメンテなんかも一切ソンビ任せにしてるのもいい。
それどころか武器の調達すらもゾンビ任せで、あたしが召喚されてない間それに忙殺されていることも今はいい。
あたしはあんたのゾンビ。それはサタンの契約だから、ここでつべこべ文句は言わない」
「(言ってるじゃない)……けっこう根にもつのね。記憶力がいいのは知ってたけど」
「あたしが今言いたいのは、ここじゃあ“あんたの支配がゆるい”ってことよ」
「支配が弱まってる……?」
「あたしがこんな悪態をつけるぐらいにはね」
「――ま、まぁ、それは“おあいこ”ってことでいいわよ。
あんたがあたしのことをコキ使って、戦闘で身体が壊れた場合のメンテなんかも一切ソンビ任せにしてるのもいい。
それどころか武器の調達すらもゾンビ任せで、あたしが召喚されてない間それに忙殺されていることも今はいい。
あたしはあんたのゾンビ。それはサタンの契約だから、ここでつべこべ文句は言わない」
「(言ってるじゃない)……けっこう根にもつのね。記憶力がいいのは知ってたけど」
「あたしが今言いたいのは、ここじゃあ“あんたの支配がゆるい”ってことよ」
「支配が弱まってる……?」
「あたしがこんな悪態をつけるぐらいにはね」
れい子の顔が神妙なものになる。ゾンビ使いにとってゾンビへの支配力が弱いというのは致命的だ。
ゾンビはゾンビ召喚術を使う者にとって最大の武器であり、身を守る為の生命線である。
それが言うことを聞かないとなると、ゾンビ使いなど“ドラえもんのいないのび太くんみたいなものでしかない”。
つまりゾンビのいない姫園れい子なんて“おっぱいが大きいだけの美少女でしかない”。(実際はそれだけってこともないが)
ゾンビはゾンビ召喚術を使う者にとって最大の武器であり、身を守る為の生命線である。
それが言うことを聞かないとなると、ゾンビ使いなど“ドラえもんのいないのび太くんみたいなものでしかない”。
つまりゾンビのいない姫園れい子なんて“おっぱいが大きいだけの美少女でしかない”。(実際はそれだけってこともないが)
「……つまり、あたしを裏切って積年を恨みを晴らすってこと?」
「そうじゃない。そこまで支配力は落ちちゃいない。召喚者を殺せるほど自由じゃない。
それに、ここにはゾンビ召喚術とは違う“縛り”もあるからね。あたしがあんたを殺すってのは今のとこ“なし”よ」
「そうじゃない。そこまで支配力は落ちちゃいない。召喚者を殺せるほど自由じゃない。
それに、ここにはゾンビ召喚術とは違う“縛り”もあるからね。あたしがあんたを殺すってのは今のとこ“なし”よ」
言って、百合川はれい子に左手の甲に浮かぶ青い星を見せた。
れい子も左手の甲に浮かび上がっている赤い星を見る。これもゾンビに対しては多少の強制力があるらしい。
そして、手を返して掌の方に浮かぶ“もうひとつの星”も確認する。こちらは彼女が生来より持つゾンビ召喚者の星だ。
ゾンビ召喚術の才能を持つ者は生まれた時に、あるいは能力に覚醒した時にこの痣が浮かび上がるのだ。
れい子も左手の甲に浮かび上がっている赤い星を見る。これもゾンビに対しては多少の強制力があるらしい。
そして、手を返して掌の方に浮かぶ“もうひとつの星”も確認する。こちらは彼女が生来より持つゾンビ召喚者の星だ。
ゾンビ召喚術の才能を持つ者は生まれた時に、あるいは能力に覚醒した時にこの痣が浮かび上がるのだ。
「じゃあ結局何が言いたいのよ」
「私の――《暴走》に気をつけろってことよ。このゆるい支配じゃ《暴走》は止められない」
「ぼ、暴走……?」
「そう。あたしには《暴走》を始める“トリガー”がある。もしそれを引かれたらあたしは、あんたの命令を無視するかも――」
「私の――《暴走》に気をつけろってことよ。このゆるい支配じゃ《暴走》は止められない」
「ぼ、暴走……?」
「そう。あたしには《暴走》を始める“トリガー”がある。もしそれを引かれたらあたしは、あんたの命令を無視するかも――」
暴走とは、そしてその引き金とは一体なんなのか?
それを聞き出そうとして、しかしれい子は開いた口を開けたまま硬直してしまった。
彼女の眼前。見通しのきかない深い暗闇の中からぬぅっと《幽霊》が浮かび上がってきたのである。
それを聞き出そうとして、しかしれい子は開いた口を開けたまま硬直してしまった。
彼女の眼前。見通しのきかない深い暗闇の中からぬぅっと《幽霊》が浮かび上がってきたのである。
【003】
「あら、死人の匂いを辿ってきてみれば、あなた達ゾンビとネクロマンサーね」
れい子達の前に現れたのは女の幽霊だった。
周囲に霊魂のようなものを漂わせ、涼しい色の着物に頭の三角巾(正確には天冠)までしているのだから疑いようもない。
強いて言うなら足がついているのが幽霊らしくないが、もう幽霊には足がないというのもメジャーな設定ではないだろう。
周囲に霊魂のようなものを漂わせ、涼しい色の着物に頭の三角巾(正確には天冠)までしているのだから疑いようもない。
強いて言うなら足がついているのが幽霊らしくないが、もう幽霊には足がないというのもメジャーな設定ではないだろう。
「そういうあなたは何者なの。同業者ってわけじゃなさそうだけど……」
じりと足を擦ってれい子は後ずさる。幼い頃からゾンビや死者の魂に触れているので今更幽霊が怖いなんてことはない。
だがしかし、ゾンビ使いとして数々の修羅場を潜った経験が目の前の幽霊が“只者ではない”と告げていた。
ここは殺し合いの場である。つまり見誤れば死ぬ。故に初めて見る幽霊を前にれい子の緊張は限りなく高まっていた。
だがしかし、ゾンビ使いとして数々の修羅場を潜った経験が目の前の幽霊が“只者ではない”と告げていた。
ここは殺し合いの場である。つまり見誤れば死ぬ。故に初めて見る幽霊を前にれい子の緊張は限りなく高まっていた。
「そうねぇ。私は霊魂をあるべき場所に導くのが仕事だけど、あなたはすでに選別された霊をちょろまかしているのね」
「なるほど。あんたは魂のリサイクル業者ってわけなのね」
「そしてあなたは分別した魂を勝手に使っているわね。閻魔にばれるとひどい目にあうわよ?」
「なるほど。あんたは魂のリサイクル業者ってわけなのね」
「そしてあなたは分別した魂を勝手に使っているわね。閻魔にばれるとひどい目にあうわよ?」
れい子はゾンビ使いであるが、それは血統により発揮された能力でしかなく、魔術や秘術といったものには実は弱い。
眼前を塞ぐ敵は常にゾンビという実力行使で排除してきたし、相手もゾンビやイカれた人間ばっかりなのでそれも通用した。
だが、幽霊は未知数だ。ゾンビが通用するのか、そして相手の攻撃にどう対処すべきなのか全く経験と知識がない。
眼前を塞ぐ敵は常にゾンビという実力行使で排除してきたし、相手もゾンビやイカれた人間ばっかりなのでそれも通用した。
だが、幽霊は未知数だ。ゾンビが通用するのか、そして相手の攻撃にどう対処すべきなのか全く経験と知識がない。
「ご忠告痛みいるわ。でもね、こっちだって魔王サタンの免状を貰ってやってるわけ。不法じゃないのよ」
「え~と、悪魔の約束って合法なのかしら、非合法なのかしら……?」
「え~と、悪魔の約束って合法なのかしら、非合法なのかしら……?」
顎に指を当てて考え始めた幽霊を前に、れい子は百合川の様子を見た。
先ほどは暴走がどうのこうのと言っていたが、今は普段と変わりなく武器を構えて目の前の幽霊へと対峙している。
今のところ手綱が緩んでいるという感触もない。
いざとなったらゾンビを捨て駒にする(というひどい)算段を立てながら、れい子は幽霊の次の動きを待つ。
先ほどは暴走がどうのこうのと言っていたが、今は普段と変わりなく武器を構えて目の前の幽霊へと対峙している。
今のところ手綱が緩んでいるという感触もない。
いざとなったらゾンビを捨て駒にする(というひどい)算段を立てながら、れい子は幽霊の次の動きを待つ。
「幽々子様~っ!」
と、そこに新しい影……いや明かりが闇の中より近づいてきた。届いた声は幼い少女のものだ。
おそらくは目の前の幽霊の主従相手だろう。苔を踏む小さな足音を聞いているうちにその姿はすぐに見えてくる。
片手に提灯を持ったおかっぱ頭の背の低い女の子である。年の頃は中学生くらいだろうか。
身体に比して大きな背負い袋やミッション系の制服っぽい衣装を見るともう少し幼くも見えるが、普通ではない銀髪が
それを曖昧にしており、どこか浮世はなれした印象の可愛い女の子だった。
加えて、少女の後ろにぼんやりと光るモチのようなものが浮かんでいた。あれはなにか武器の類なのだろうか?
おそらくは目の前の幽霊の主従相手だろう。苔を踏む小さな足音を聞いているうちにその姿はすぐに見えてくる。
片手に提灯を持ったおかっぱ頭の背の低い女の子である。年の頃は中学生くらいだろうか。
身体に比して大きな背負い袋やミッション系の制服っぽい衣装を見るともう少し幼くも見えるが、普通ではない銀髪が
それを曖昧にしており、どこか浮世はなれした印象の可愛い女の子だった。
加えて、少女の後ろにぼんやりと光るモチのようなものが浮かんでいた。あれはなにか武器の類なのだろうか?
「あら、妖夢ったらいつのまに迷子になっていたのかしら?」
「逆です! 幽々子様がいつの間にかにいなくなっていらしたんじゃないですかっ!」
「逆です! 幽々子様がいつの間にかにいなくなっていらしたんじゃないですかっ!」
どうやら、飄々とした幽霊の名前が幽々子で、息を切らせて駆けて来た少女の名前が妖夢というらしい。
少女はどうやら人間のようだが、しかし様づけで呼んでいるということは幽霊が主なのか? とれい子は疑問に思った。
幽霊が人間を召喚するなど聞いたことがない。ならば、少女は召喚主でありながら幽霊に対し様をつけているのだろうか?
二人には年齢差があるようだから、それも考えられる。ゾンビの中にだって召喚主より偉そうなのもいるのだ。
少女はどうやら人間のようだが、しかし様づけで呼んでいるということは幽霊が主なのか? とれい子は疑問に思った。
幽霊が人間を召喚するなど聞いたことがない。ならば、少女は召喚主でありながら幽霊に対し様をつけているのだろうか?
二人には年齢差があるようだから、それも考えられる。ゾンビの中にだって召喚主より偉そうなのもいるのだ。
「それで幽々子様、この方達は……?」
「この子ったら何を聞くのかしら。殺し合いの相手に決まっているじゃない」
「この子ったら何を聞くのかしら。殺し合いの相手に決まっているじゃない」
ええっと驚いた顔で少女がこちらを見る。その様子を見るにこのコンビはボケにボケを重ねるタイプらしいが、
それはともかくとしてこれで互いに2人ずつ揃ったのだ。そしてここは幽霊が言うように殺し合いを強制させられる場。
素性の知れない相手と戦うのは気が引けるが(しかも女の子)、そろそろ話をしているだけの時間も終りらしい。
まずはあの弱そうな少女を人質に取ろう。れい子は百合川にそう命令しようとし、そして自分のゾンビの異変に気づいた。
それはともかくとしてこれで互いに2人ずつ揃ったのだ。そしてここは幽霊が言うように殺し合いを強制させられる場。
素性の知れない相手と戦うのは気が引けるが(しかも女の子)、そろそろ話をしているだけの時間も終りらしい。
まずはあの弱そうな少女を人質に取ろう。れい子は百合川にそう命令しようとし、そして自分のゾンビの異変に気づいた。
【004】
「ど、どうしたの? そんなブルブル震えて……――“まさかッ”!?」
百合川が命令もなしに、震える足で幽霊と少女のほうへと一歩踏み出した。これが言っていた《暴走》なのか?
「あ、あたしは警告したんだ……“トリガー”を引けば、“暴走”すると……ッ!」
れい子はまだ百合川になんの命令も下してはいない。ならば、この《暴走》の引き金(トリガー)とはなんなのか?
「こうなれば、あたし自身でもあたしを抑えることができないッ! この、“衝動”は我慢できない……ッ!」
「ゆ、百合川ッ! 止まりなさいッ!」
「ゆ、百合川ッ! 止まりなさいッ!」
れい子は静止を命令する。だが、百合川はそれを無視して駆け出した。《暴走》とは真実だったのである。
「ヒィィイイイアアアアアアアァァァァァアアアアッッ!!!」
怪鳥のような雄たけびを上げて突進する百合川。その先には唖然とした顔の幽霊と怯えた表情の少女がいる。
なにが、暴走の引き金なのか?
瞬間、れい子の脳内に生前の百合川の記憶が蘇り、それを“理解”した。
なにが、暴走の引き金なのか?
瞬間、れい子の脳内に生前の百合川の記憶が蘇り、それを“理解”した。
「ま、マズい……! 百合川、止まれェ――ッ!!」
しかし、気づいた時にはもう遅い。風のように疾走した百合川はもう怯える少女の目前まで迫っている。
そして鉤爪を装備した両腕を鳥の羽のように広げ――
そして鉤爪を装備した両腕を鳥の羽のように広げ――
「妖夢ちゃん! あたしの“妹”になって~~~ッ!」
――と、その小さな身体を優しく抱きしめた。
数年前、白池町という町で閑静な住宅街を中心に多数の被害者を出した連続幼女誘拐殺人事件が起きた。
その事件の犯人こそが当時女子高生だった――百合川サキ。
彼女は“妹にしたい”という理由から幼い少女ら25人を次々と手当たり次第に誘拐してゆき、
自分の“言うことを聞かない”というそんな理由からその全員を得意のナイフで猟奇的に殺害しまくった。
その後、警察官や記者などを含め計29人の死者と多数の負傷者を出し、事件は彼女の死で幕を閉じられる。
その事件の犯人こそが当時女子高生だった――百合川サキ。
彼女は“妹にしたい”という理由から幼い少女ら25人を次々と手当たり次第に誘拐してゆき、
自分の“言うことを聞かない”というそんな理由からその全員を得意のナイフで猟奇的に殺害しまくった。
その後、警察官や記者などを含め計29人の死者と多数の負傷者を出し、事件は彼女の死で幕を閉じられる。
そして! 彼女は自分を殺害した姫園れい子の手によって地獄からその衝動を抱えたまま現世に帰還したッ!
“かわいい女の子を妹にして可愛がりたい”――それこそが百合川自身にも抑えることのできない彼女の衝動なのだッ!
【E-3/山の中/1日目-深夜】
【主:姫園れい子@ゾンビ屋れい子】
[主従]:百合川サキ@ゾンビ屋れい子
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x3
[方針/行動]
基本方針:殺し合いを勝ち抜く(?)
1:さ、最悪だ……ッ!
[主従]:百合川サキ@ゾンビ屋れい子
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x3
[方針/行動]
基本方針:殺し合いを勝ち抜く(?)
1:さ、最悪だ……ッ!
[備考]
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
【従:百合川サキ@ゾンビ屋れい子】
[主従]:姫園れい子@ソンビ屋れい子
[状態]:健康
[装備]:クラブの鉤爪@北斗の拳
[方針/行動]
基本方針:基本的にれい子に従う。
1:妖夢ちゃん! お姉ちゃんと一緒に遊びましょうッ!
[主従]:姫園れい子@ソンビ屋れい子
[状態]:健康
[装備]:クラブの鉤爪@北斗の拳
[方針/行動]
基本方針:基本的にれい子に従う。
1:妖夢ちゃん! お姉ちゃんと一緒に遊びましょうッ!
[備考]
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
【従:魂魄妖夢@東方儚月抄】
[主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x4
[方針/行動]
基本方針:幽々子様に従う。
1:ひ、ひえええええええええ~~~!?
[主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x4
[方針/行動]
基本方針:幽々子様に従う。
1:ひ、ひえええええええええ~~~!?
【クラブの鉤爪@北斗の拳】
KING(シン)の配下の一人であるクラブが装備していた一対の鉤爪。
某有名格闘ゲームのスペイン忍者がつけてるものみたいなもの。と理解すれば早い。
KING(シン)の配下の一人であるクラブが装備していた一対の鉤爪。
某有名格闘ゲームのスペイン忍者がつけてるものみたいなもの。と理解すれば早い。
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