ボーダーオブライフ ◆Su10.RK3MU
【001】
「今度こそ成仏しろよ」
そんなことを言って僕はゴミ捨て場の前でパンパンと手を打った。
別に何かを拝んだりだとか手締めとして拍手を打ったというわけではない。ただ一仕事を終え、手から埃を払っただけだ。
別に何かを拝んだりだとか手締めとして拍手を打ったというわけではない。ただ一仕事を終え、手から埃を払っただけだ。
あれから。
人気のない街中へと入り、続けて当て所なくぶらぶらと歩いていた僕たちは住宅街の一角にゴミ捨て場を見つけると
これ幸いにとあのかつては僕の愛車だったマウンテンバイクの残骸をそこに、多少の葛藤はあったものの捨てたのだった。
いやだって、鈍器にするならもうそこらじゅう、例えば交通標識なんかだとかをどこからでも調達できそうではあったし
そうなるとわざわざ自転車の残骸なんて使いづらいものを後生大事に抱えていてもしかたがない。
なにより格好がつかないし、どこか不憫なビジュアルですらある。それにそもそもとして一度は捨てたものなのだ。
そういう訳で、僕は改めてかつては愛車として活躍していたマウンテンバイクと別れを告げたのだ。
人気のない街中へと入り、続けて当て所なくぶらぶらと歩いていた僕たちは住宅街の一角にゴミ捨て場を見つけると
これ幸いにとあのかつては僕の愛車だったマウンテンバイクの残骸をそこに、多少の葛藤はあったものの捨てたのだった。
いやだって、鈍器にするならもうそこらじゅう、例えば交通標識なんかだとかをどこからでも調達できそうではあったし
そうなるとわざわざ自転車の残骸なんて使いづらいものを後生大事に抱えていてもしかたがない。
なにより格好がつかないし、どこか不憫なビジュアルですらある。それにそもそもとして一度は捨てたものなのだ。
そういう訳で、僕は改めてかつては愛車として活躍していたマウンテンバイクと別れを告げたのだ。
もしかすると、じゃあ捨てるんだったらどこでもいいだろう。なんなら海に向かって放り投げればよかったじゃないか。
なんて言う人がいるかもしれないが、しかし僕はそんな考えには断じてノー!だと言わせてもらおう。
そんなことをしては僕のイメージが……ではなく、一般的な常識としてゴミをルールを守らずに遺棄するのは犯罪行為だ。
尤も、その常識というものがここでだとどうなのかは不明なので、あくまでマイルールを暫定的に採用することになるのだが。
ゴミはゴミ箱に、資源ゴミは指定のゴミ捨て場にという訳で、わざわざゴミ捨て場を探してそこに捨てることにしたのである。
なんて言う人がいるかもしれないが、しかし僕はそんな考えには断じてノー!だと言わせてもらおう。
そんなことをしては僕のイメージが……ではなく、一般的な常識としてゴミをルールを守らずに遺棄するのは犯罪行為だ。
尤も、その常識というものがここでだとどうなのかは不明なので、あくまでマイルールを暫定的に採用することになるのだが。
ゴミはゴミ箱に、資源ゴミは指定のゴミ捨て場にという訳で、わざわざゴミ捨て場を探してそこに捨てることにしたのである。
おいおい何を言っているんだ、自転車やなんかの大きなものは資源ゴミではなく粗大ゴミとして専用の業者に引き取って
もらうものだろう?とつっこんだ人は中々に鋭い。だがしかし、その点においても僕は抜かりない。
資源ゴミと粗大ゴミとを区別する分け目はそのゴミの大きさ――つまりはサイズによる。ここで素材は考慮されないのだが、
粉砕されたマウンテンバイクはもはや自転車の体をなしてはいなく、無数の細かいゴミでしかないから資源ゴミとして
捨ててもいいのだ。多少、規定のサイズを超えるパーツもあったが、それは吸血鬼の力を駆使して解体した。
ついでに、金属部品とプラスチック、ゴムのパーツも分別しておいた。一分の隙すらないのだ。
もらうものだろう?とつっこんだ人は中々に鋭い。だがしかし、その点においても僕は抜かりない。
資源ゴミと粗大ゴミとを区別する分け目はそのゴミの大きさ――つまりはサイズによる。ここで素材は考慮されないのだが、
粉砕されたマウンテンバイクはもはや自転車の体をなしてはいなく、無数の細かいゴミでしかないから資源ゴミとして
捨ててもいいのだ。多少、規定のサイズを超えるパーツもあったが、それは吸血鬼の力を駆使して解体した。
ついでに、金属部品とプラスチック、ゴムのパーツも分別しておいた。一分の隙すらないのだ。
「こと、ゴミ捨てにおいてはこの阿良々木暦をあなどらないでいてもらおう!」
「……誰に向かって話しておるんじゃ我があるじ様よ」
「……誰に向かって話しておるんじゃ我があるじ様よ」
忍の視線が冷たい。
「いや、決意をもってスタートしたのはいいけど、何も起きないもんだからちょっと、な」
「まぁ、それはわかるがのう」
「まぁ、それはわかるがのう」
あの砂浜から出発し、街中に入るあたりまでは誰かどこかに潜んでいないか、どこからか奇襲されるんじゃないかと
緊張しながら歩いていたものだが、どうやらこの島は思いのほか広いらしく、じゃあ滅多なことでは誰かと出会わないんじゃないか
という疑念を抱き、そしてそれから数時間ほどしてそれを実感してしまえば最初にあった緊張感など維持できるはずもない。
そして、ただ知らない夜の街を徘徊するだけという状況に耐えかねた結果が、僕をゴミ捨て場に駆り立てた……とか、みたいな。
緊張しながら歩いていたものだが、どうやらこの島は思いのほか広いらしく、じゃあ滅多なことでは誰かと出会わないんじゃないか
という疑念を抱き、そしてそれから数時間ほどしてそれを実感してしまえば最初にあった緊張感など維持できるはずもない。
そして、ただ知らない夜の街を徘徊するだけという状況に耐えかねた結果が、僕をゴミ捨て場に駆り立てた……とか、みたいな。
「ミスタードーナツでも見つかればよかったんじゃがのう」
「それだとお前がドーナツ食ってるシーンだけでこの話は終わっちまうよ」
「それだとお前がドーナツ食ってるシーンだけでこの話は終わっちまうよ」
本当はもっと必死にならなくちゃいけないってことは理解してるし、あの決意は決して偽物じゃなかったはずなんだが
なんせ未だに僕らは自分達が島のどこにいるのかすらわかってないんだよな。
島の中にある市街のどこかってのはわかってはいるんだが。
なんせ未だに僕らは自分達が島のどこにいるのかすらわかってないんだよな。
島の中にある市街のどこかってのはわかってはいるんだが。
「果報は寝て待てとも言うが?」
「この場合、待ってやってくるのは訃報だよ」
「うまいこと言えてるの」
「シャレにならないけどな」
「この場合、待ってやってくるのは訃報だよ」
「うまいこと言えてるの」
「シャレにならないけどな」
さて、本当にどうしたものか――。
【002】
深く暗い森の奥であどけない少女の悲鳴が響き渡っていた。
「――ねぇ、お姉さんと一緒に遊びましょ? お菓子あげるから、ねぇ、いいでしょう?」
「ひっ! ちょ、ちょっと……嫌です! あひゃ、やめてくださいってば! ゆ、幽々子様! 見てないで助けて――」
「ひっ! ちょ、ちょっと……嫌です! あひゃ、やめてくださいってば! ゆ、幽々子様! 見てないで助けて――」
いやいやを繰り返しながら助けを求めているのが妖夢で、小さな彼女にしがみついて息を荒げているのは百合川と言う。
二人は足元も覚束ない森の中を器用に、まるで情熱的な南米のダンスのようにつきつ離れつくるくると回っている。
一見喜劇のようではあるが、得体の知れない女に絡まれた妖夢の悲鳴には本物の恐怖が混じっていた。
二人は足元も覚束ない森の中を器用に、まるで情熱的な南米のダンスのようにつきつ離れつくるくると回っている。
一見喜劇のようではあるが、得体の知れない女に絡まれた妖夢の悲鳴には本物の恐怖が混じっていた。
「あらあら、どうしようかしら」
妖夢の主である幽々子はなにも考えていなさそうな笑みを浮かべ、ただ従者の危機を面白そうに眺めているだけだ。
事態の滑稽さが増し、なおのこと妖夢が不憫という風になってゆく。
事態の滑稽さが増し、なおのこと妖夢が不憫という風になってゆく。
「百合川~~っ」
翻って、百合川の主であるれい子はという額に青筋を浮かべていた。
従者が命を聞かず足並みを乱していること。そして彼女の趣味趣向があいも変わらずなこと、その両方に対しての怒りだ。
れい子は強く地面を蹴ると奇妙奇天烈な踊りを続ける二人のほうへと突進し――
従者が命を聞かず足並みを乱していること。そして彼女の趣味趣向があいも変わらずなこと、その両方に対しての怒りだ。
れい子は強く地面を蹴ると奇妙奇天烈な踊りを続ける二人のほうへと突進し――
「このどアホが――――ッ!!」
「ぶべらっ!?」
「ぶべらっ!?」
と、見事なドロップキックを百合川の即頭部に炸裂させた。
その時、れい子の短いスカートが全開で捲れ上がり派手な下着が露になったのだが、それはさておき
れい子の全体重(一応ダイエット中)がのせられたドロップキックを喰らった百合川はおもしろいくらい見事にぶっとび、
地面の上を勢いよくごろごろと転がると木の幹へとぶつかりそのまま動かなくなった。
そして、半泣きになっていた妖夢はというと、その隙に地面を這って幽々子の方へと避難している。
その時、れい子の短いスカートが全開で捲れ上がり派手な下着が露になったのだが、それはさておき
れい子の全体重(一応ダイエット中)がのせられたドロップキックを喰らった百合川はおもしろいくらい見事にぶっとび、
地面の上を勢いよくごろごろと転がると木の幹へとぶつかりそのまま動かなくなった。
そして、半泣きになっていた妖夢はというと、その隙に地面を這って幽々子の方へと避難している。
「ハァハァ……。あー、ほんと最悪ね、こいつは」
脳震盪でも起こしたのかぴくりともしない百合川を見下ろし、れい子は大きな溜息をついた。
百合川サキは完全な支配下にさえあれば実に優秀な戦闘力を持ったゾンビだが、こうも本性を曝け出してしまっては
ただのトラブル&キリング発生マシーンでしかない。一蓮托生の身としては気が重く憂鬱になるばかりだ。
百合川サキは完全な支配下にさえあれば実に優秀な戦闘力を持ったゾンビだが、こうも本性を曝け出してしまっては
ただのトラブル&キリング発生マシーンでしかない。一蓮托生の身としては気が重く憂鬱になるばかりだ。
「こんなことなら同じ百合川でも妹の方だとよかったんだけど……と、そうだ」
思い出したようにれい子は振り返る。
馬鹿なゾンビのせいで有耶無耶になりかけたが、今は殺し合いの場において敵と遭遇したという状況なのだ。
もう場が白けきったという感はあるが、それならば――とれい子は考える。
馬鹿なゾンビのせいで有耶無耶になりかけたが、今は殺し合いの場において敵と遭遇したという状況なのだ。
もう場が白けきったという感はあるが、それならば――とれい子は考える。
「えーと、その、どうしようかしら?
うちの相棒が失礼を働いたのはあやまるけど、だったらこの際、ここはひとまずこれで手を打つってのはどう?
私としては馬鹿正直に殺しあうってのもおかしいって思うし、もしあの八雲紫って女を出し抜くアイデアがあるなら――」
うちの相棒が失礼を働いたのはあやまるけど、だったらこの際、ここはひとまずこれで手を打つってのはどう?
私としては馬鹿正直に殺しあうってのもおかしいって思うし、もしあの八雲紫って女を出し抜くアイデアがあるなら――」
その正体はともかくとして相手は一見無害そうな女と子供だ。れい子としては殺しあいたくないというのが本音である。
いや、もし相手が女子供でないとしても極悪人でもない人間を殺すのはれい子のポリシーに反する。
今のところ、殺していいのは八雲紫という女ただひとりしかいない。だから、れい子は協力しないかと提案しようとしたが、
いや、もし相手が女子供でないとしても極悪人でもない人間を殺すのはれい子のポリシーに反する。
今のところ、殺していいのは八雲紫という女ただひとりしかいない。だから、れい子は協力しないかと提案しようとしたが、
「――じゃあ、殺し合いを始めましょうか。尤も、生きているあなたと生きていない私とじゃ殺し合いっこにはならないけど」
しかし亡霊の女は軽い笑みを浮かべたままそれを無視した。
嫌な予感が走る。この時れい子はすでに自然と戦闘体勢を取っていた。
嫌な予感が走る。この時れい子はすでに自然と戦闘体勢を取っていた。
「ちょっと……、何を考えているの? あんたまさかあの八雲紫って女を信用して殺し合いをおっぱじめる気?」
「それを教える必要が……いえ、今ここであなたが知る必要があるのかしら?」
「それを教える必要が……いえ、今ここであなたが知る必要があるのかしら?」
幽々子の周囲になにか淡く光るものがふわふわと浮かび始める。
「蝶……?」
それは蝶――幽々子の霊力から生み出された死霊の化身であった。
「蝶は死の前兆を知らせるもの。あなたはこの死の誘いを抗い続けることができるかしら?」
無数の蝶が森の中を少しずつ淡い光で照らしてゆく。そしてそれは次第にれい子を囲い、死へと誘いはじめた。
【003】
それを避けられたのはれい子がすでに身構えていたことと、これまでに幾度も異常な敵と戦いその経験を有していたからだ。
浮かび上がった死霊の蝶の群れから数羽が飛び出すと、一羽が一つの光弾と変じて音もなくれい子へと殺到する。
ゆるやかな弧を描いて飛来する光弾を、れい子は持ち前の運動神経を発揮し、飛んで避けた。
一発、二発、三発と、避けられた光弾は直前までれい子がいた場所やその背後に着弾し火薬が炸裂したような音を鳴らす。
浮かび上がった死霊の蝶の群れから数羽が飛び出すと、一羽が一つの光弾と変じて音もなくれい子へと殺到する。
ゆるやかな弧を描いて飛来する光弾を、れい子は持ち前の運動神経を発揮し、飛んで避けた。
一発、二発、三発と、避けられた光弾は直前までれい子がいた場所やその背後に着弾し火薬が炸裂したような音を鳴らす。
「くっ……!」
首だけを振り向かせ、確認した光弾の威力にれい子は冷や汗を垂らした。
地面には小さなクレーターが生まれ、直撃を受けた木は樹皮が捲れ上がり、幹が抉れて生木の部分が覗いている。
爆弾――という程でもないが、少なくとも子供だけで遊んじゃいけない花火くらいの威力はあるらしかった。
地面には小さなクレーターが生まれ、直撃を受けた木は樹皮が捲れ上がり、幹が抉れて生木の部分が覗いている。
爆弾――という程でもないが、少なくとも子供だけで遊んじゃいけない花火くらいの威力はあるらしかった。
「(このままだと、まずい……)」
れい子は光弾へと姿を変えて次々と襲い来る蝶を避けながらこの場を切り抜ける方法を考える。
現状は最悪に近い。百合川のスピードならば弾幕の間を縫って接近しあの幽霊へと一撃を加えることも不可能ではないが、
今は(れい子自身が気絶させたのだから自業自得だが)ゾンビの百合川を使うことができない。
現状は最悪に近い。百合川のスピードならば弾幕の間を縫って接近しあの幽霊へと一撃を加えることも不可能ではないが、
今は(れい子自身が気絶させたのだから自業自得だが)ゾンビの百合川を使うことができない。
「せめて、(私だけでも)逃げる方法を考えないと……!」
立ち並ぶ木々がれい子に盾とされその身を抉られる。避けに徹するだけならばそれはあまり難しいことではなかった。
だがそれだけでは問題の解決にはならない。これといった打開策も浮かばず、焦燥が募るばかりだ。
今のところ順調に光弾を避けてはいるが、いくら避けても蝶の数が減っている様子は窺えない。
無尽蔵というわけではないだろうが、しかしそれを避け続けるれい子の体力よりかは余裕があるだろうことは確実だ、
その上、森の中というシチュエーションはれい子にとってよい方向にも悪い方向にも同じように働く。
盾となる木は時に行動の邪魔となり、苔に覆われた地面はいつその足を取るとも限らない。
だがそれだけでは問題の解決にはならない。これといった打開策も浮かばず、焦燥が募るばかりだ。
今のところ順調に光弾を避けてはいるが、いくら避けても蝶の数が減っている様子は窺えない。
無尽蔵というわけではないだろうが、しかしそれを避け続けるれい子の体力よりかは余裕があるだろうことは確実だ、
その上、森の中というシチュエーションはれい子にとってよい方向にも悪い方向にも同じように働く。
盾となる木は時に行動の邪魔となり、苔に覆われた地面はいつその足を取るとも限らない。
「――あっ!?」
そして危惧した瞬間はすぐに訪れた。
連なって発射された光弾を避けたのはよいが、その際に出っ張っていた木の根に足を取られたのだ。
地面に倒れこむまでの間に受身とそこからの離脱をシミュレートする――が、それよりも早く追撃がれい子の背中を打った。
その瞬間れい子が思い出したのは、もみじなどと言って裸の背中を叩き合う遊びのことだ。
光弾で身体を打たれる感触はあれとよく似ていて、そしてその何十倍も強烈だった。
連なって発射された光弾を避けたのはよいが、その際に出っ張っていた木の根に足を取られたのだ。
地面に倒れこむまでの間に受身とそこからの離脱をシミュレートする――が、それよりも早く追撃がれい子の背中を打った。
その瞬間れい子が思い出したのは、もみじなどと言って裸の背中を叩き合う遊びのことだ。
光弾で身体を打たれる感触はあれとよく似ていて、そしてその何十倍も強烈だった。
「…………っ、…………!!」
雷を落とされたような衝撃に悲鳴を上げることすらもできず、れい子は地面へとそのまま倒れこんだ。
激しい痛みに手足は痺れすぐには起き上がれそうにもない。このまま続けて攻撃を受ければもうそこでお終いだ。
だがこの瞬間、無様に土へと顔をつけてその感触を感じ取った時、れい子の頭の中に一つの方法が浮かび上がった。
激しい痛みに手足は痺れすぐには起き上がれそうにもない。このまま続けて攻撃を受ければもうそこでお終いだ。
だがこの瞬間、無様に土へと顔をつけてその感触を感じ取った時、れい子の頭の中に一つの方法が浮かび上がった。
「(私の……“武器”を使えば……)」
だがしかし、それを実行するにはこの地面に伏せた状況はマズい。これでは“自分が最初の餌食”になってしまう。
すぐさまに立ち上がりあの幽霊女から距離を取らなければならない。しかし、まだダメージが回復するまでには時間がかかる。
故に――れい子は動くことを放棄し、“逆に動かないように努めた”。
すぐさまに立ち上がりあの幽霊女から距離を取らなければならない。しかし、まだダメージが回復するまでには時間がかかる。
故に――れい子は動くことを放棄し、“逆に動かないように努めた”。
「(ここは“気絶したフリ”で、少しでも時間を稼ぐ……!)」
無論、ここで相手が無慈悲にも追撃をかければそこまでだ。
だがしかし、れい子はこれまでの態度からあの女がそんなことをせずに“余裕”を見せるだろうと踏んでいた。
だがしかし、れい子はこれまでの態度からあの女がそんなことをせずに“余裕”を見せるだろうと踏んでいた。
「なんてことないのね。それじゃあお遊びはお終いにして、あなたを殺してしまいましょうか」
そして、そのれい子の予想は正解だった。
幽々子は蝶を使うのではなく、自ら止めを刺すべく“ゆっくりと歩いて”近づいてくる。
れい子の元へと辿りつくのに要する時間はおよそ20秒ほどだろうか。できればもう10秒は欲しいとれい子は考える。
“30秒あればダメージは回復し、ダッシュで距離を稼ぐ”ことができる。
幽々子は蝶を使うのではなく、自ら止めを刺すべく“ゆっくりと歩いて”近づいてくる。
れい子の元へと辿りつくのに要する時間はおよそ20秒ほどだろうか。できればもう10秒は欲しいとれい子は考える。
“30秒あればダメージは回復し、ダッシュで距離を稼ぐ”ことができる。
「(そうだ……もっと近づいてこい。こんな身体だと、近づいてきてもらわないと攻撃を当てることが)――できないからっ!」
地面に顔を伏せたまま足音だけで近づいてくる幽々子への距離を測り、
彼女が3メートルの位置まで来たところでれい子はスカートに挿していた拳銃を早撃ちの要領で抜き、――撃った。
雷鳴の様な耳を劈く音が静寂な森の中に響き渡り、れい子の測っていた通りの位置にいた幽々子が身体をくの字に折る。
彼女が3メートルの位置まで来たところでれい子はスカートに挿していた拳銃を早撃ちの要領で抜き、――撃った。
雷鳴の様な耳を劈く音が静寂な森の中に響き渡り、れい子の測っていた通りの位置にいた幽々子が身体をくの字に折る。
「幽々子様ッ!?」
離れた位置で事の成り行きを見守っていた少女が悲鳴を上げる。
だがそんなことはどうでもいい。問題は“後10秒だ”。どうせこの攻撃は――この“幽霊女には通用しない”。
だがそんなことはどうでもいい。問題は“後10秒だ”。どうせこの攻撃は――この“幽霊女には通用しない”。
「…………あらいやだ。身体に穴が開いてしまったわ。こんな“弾”を受けるのは初めてよ」
やはりそうだった。幽々子は拳銃で撃たれたにも関わらずなんら痛痒を感じている様子がない。
ソンビと同じなのだ。もう生きてはいない者に、痛みはダメージとならない。
もし有効なダメージを狙うなら刃物や鈍器だ。亡霊だろうとゾンビだろうと動けなくなるまで崩すのが最良の攻略法である。
なので破壊面積の小さな銃弾は有効な攻撃ではない。そう、れい子も理解していた。これはただの時間稼ぎにすぎない。
ソンビと同じなのだ。もう生きてはいない者に、痛みはダメージとならない。
もし有効なダメージを狙うなら刃物や鈍器だ。亡霊だろうとゾンビだろうと動けなくなるまで崩すのが最良の攻略法である。
なので破壊面積の小さな銃弾は有効な攻撃ではない。そう、れい子も理解していた。これはただの時間稼ぎにすぎない。
「あなた、亡霊を前に死んだフリだなんておもしろい子ね」
そして、“やはり”。目の前の幽霊女はれい子の反撃に対しても激昂することなどなく余裕を保ったままだ。
強者であるが故、絶対死なないと確信してるが故に、弱者に興味を持ち、こんなにも簡単に隙を見せる。
拳銃を発射してから10秒、そして余裕を持ってもう1秒。
身体の中の痺れが取れたことを確認したれい子は猫のように素早く立ち上がり、彼女に背を向けて駆け出した。
強者であるが故、絶対死なないと確信してるが故に、弱者に興味を持ち、こんなにも簡単に隙を見せる。
拳銃を発射してから10秒、そして余裕を持ってもう1秒。
身体の中の痺れが取れたことを確認したれい子は猫のように素早く立ち上がり、彼女に背を向けて駆け出した。
「あら? 逃げちゃうの?」
それは正解だ。れい子は逃げる為に疾走する。だがしかし、今距離を取っているのは逃げるためではない。
“呪文を唱える時間”を稼ぐ為。そして、なにより――その“攻撃に自分を巻き込まないよう”にする為ッ!
ジャスト3秒で15メートル駆けたれい子はその場で止まり振り返った。距離を取るのは必要。
だが相手に攻撃を再開させるのもまずい。速やかにこちらが相手に“有効な攻撃”を仕掛けなければいけない。
れい子はゾンビ召喚者の印である五芒星(スター)が描かれた右の掌を突き出すと、間髪入れずに“呪文”を唱えた。
“呪文を唱える時間”を稼ぐ為。そして、なにより――その“攻撃に自分を巻き込まないよう”にする為ッ!
ジャスト3秒で15メートル駆けたれい子はその場で止まり振り返った。距離を取るのは必要。
だが相手に攻撃を再開させるのもまずい。速やかにこちらが相手に“有効な攻撃”を仕掛けなければいけない。
れい子はゾンビ召喚者の印である五芒星(スター)が描かれた右の掌を突き出すと、間髪入れずに“呪文”を唱えた。
「魔王サタンよ――ッ! 我が願いを聞き入れ給え!
この静謐な森に満ちる死せる者共を死の楔から解き放たんが為、そなたの偉大な力を持って今ここに一時の息吹を!」
この静謐な森に満ちる死せる者共を死の楔から解き放たんが為、そなたの偉大な力を持って今ここに一時の息吹を!」
それは反魂の呪文。魔王サタンと契約した《魔女》のみが行使できる“死者をゾンビとして蘇らせる力”だ!
「なんなの……?」
幽々子と、そして彼女の従者である妖夢が怪訝な顔をする。
彼女達は亡霊と半人半霊である。なので、れい子の呪文が真なる力を持っていようと影響を受けようはずもない。
例え魔王サタンの力を借りているのだとしても、ソンビ使いである以上、その呪文の効果は死体にしか適用されない。
ならば、何故れい子は呪文を唱えたのだろうか?
ここには死体など(すでにれい子のゾンビである百合川を除けば)ありはしないのに。
れい子は幽々子達の正体を見誤ったのだろうか? いや違う。彼女は“ここに死体があること”を知ってる!
彼女達は亡霊と半人半霊である。なので、れい子の呪文が真なる力を持っていようと影響を受けようはずもない。
例え魔王サタンの力を借りているのだとしても、ソンビ使いである以上、その呪文の効果は死体にしか適用されない。
ならば、何故れい子は呪文を唱えたのだろうか?
ここには死体など(すでにれい子のゾンビである百合川を除けば)ありはしないのに。
れい子は幽々子達の正体を見誤ったのだろうか? いや違う。彼女は“ここに死体があること”を知ってる!
カチ……カチ……、カチカチ……カチカチ…………――
何かを打ち鳴らす不気味な音がどこからともなく聞こえ始めてくる。それは死神の持つ時計の針の音――死への秒読みだ。
カチカチ、カチ、カチ……カチカチカチ、カチカチカチカチ……カチカチカチ……――
「小さい頃、何度も同じ“失敗”を繰り返したわ。ゾンビ召喚術を試そうと公園や山の中で隠れて行使した時にね。
だから“学習”した。どこに“死体があって”どこに“死体がない”のか。
私のゾンビ召喚術は私の声が届く範囲に無差別に作用してしまう。無差別にゾンビ化してしまうッ!」
だから“学習”した。どこに“死体があって”どこに“死体がない”のか。
私のゾンビ召喚術は私の声が届く範囲に無差別に作用してしまう。無差別にゾンビ化してしまうッ!」
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ――!!!
「これは“死番虫”!?」
不気味な音に完全に囲まれるに至ってようやく幽々子はその音の正体に気づいた。
それは“虫”だった。地面を覆いつくす無数の“虫のゾンビ”が頭や牙を打ち鳴らす音だったのだ。
それは“虫”だった。地面を覆いつくす無数の“虫のゾンビ”が頭や牙を打ち鳴らす音だったのだ。
「さっき地面に倒れて土の臭いを嗅いだ時に思い出したのよ!
そして、抉られた木の幹の中に“木の中を住処とする顎の強い虫が住み着いている痕跡”を発見した!」
そして、抉られた木の幹の中に“木の中を住処とする顎の強い虫が住み着いている痕跡”を発見した!」
自然の中にある虫や野生動物の死骸は、人間社会の中にあるものと違ってどこかに片付けられたり処分されるということがない。
故に、自然の地面とは積み上がった死体の層であり、どこにでも死体があるのだとれい子は幼い頃からの経験で知っていた。
故に、自然の地面とは積み上がった死体の層であり、どこにでも死体があるのだとれい子は幼い頃からの経験で知っていた。
「じゃあ私はおさらばさせてもらうわ。身体中が虫食いになるのは御免だからね」
言って、再びれい子は踵を返して走り出す。今度は二人の目の前から姿を消すまで振り返ることすらなかった。
【004】
「やれやれ、死霊魔術師だと思ったら蟲使いだったなんて……逃げられちゃったわね」
れい子が立ち去った後、幽々子と妖夢に襲い掛かってきた虫の大群はあっけなく幽々子の光弾によって打ち払われた。
虫のゾンビとは言っても、自然の中であればすなわちその分解(処分)も早いというわけである。
故に原型を留めているものは少なく、その脅威も見た目ほどではなかった。
そもそもとしてれい子の術で蘇った以上、れい子から離れてしまえばこの手の即席ゾンビは力を長く維持できないのだ。
つまり、虫のゾンビの大群――これすらも、逃げる時間を確保するための時間稼ぎだったという訳である。
虫のゾンビとは言っても、自然の中であればすなわちその分解(処分)も早いというわけである。
故に原型を留めているものは少なく、その脅威も見た目ほどではなかった。
そもそもとしてれい子の術で蘇った以上、れい子から離れてしまえばこの手の即席ゾンビは力を長く維持できないのだ。
つまり、虫のゾンビの大群――これすらも、逃げる時間を確保するための時間稼ぎだったという訳である。
「逃げられちゃった……じゃないですよ幽々子様!」
幽々子がくっついた虫を払い、身体に空いた穴を霊体をいじって埋めていると、従者の妖夢が詰め寄ってきた。
頭から虫を被ったのがよほど気持ち悪かったのか半泣きだが、ともかくして珍しい剣幕である。
頭から虫を被ったのがよほど気持ち悪かったのか半泣きだが、ともかくして珍しい剣幕である。
「あらどうかしたのかしら?」
「いくら紫様の命だからって、見ず知らずの人間達と殺し合いをするなんて本気なんですか?」
「いくら紫様の命だからって、見ず知らずの人間達と殺し合いをするなんて本気なんですか?」
粛々と進めていこうとする幽々子に対し、妖夢はこの殺し合いに対しては随分と抵抗がある様子だった。
斬ってから考える――が彼女の信条ではあるが、それも幻想郷の中に敷かれた不文律があってのものでしかない。
妖怪が人間を殺そうと脅かしてもいいが、殺しはしないし殺してはいけないのが現在の幻想郷だ。
故に、妖夢は強い人間や妖怪を問答無用で斬ったことはあっても、殺そうとしたことはない。
それは全て幻想郷(おままごと)の中での話だ。
斬ってから考える――が彼女の信条ではあるが、それも幻想郷の中に敷かれた不文律があってのものでしかない。
妖怪が人間を殺そうと脅かしてもいいが、殺しはしないし殺してはいけないのが現在の幻想郷だ。
故に、妖夢は強い人間や妖怪を問答無用で斬ったことはあっても、殺そうとしたことはない。
それは全て幻想郷(おままごと)の中での話だ。
「勿論、本気よ。それともここで他にすることがあるって言うのかしら?」
「これは紫様が起こした《異変》なんじゃないですか? だったら――」
「だったら、出会った相手を全部のして行けばいいじゃない。ほら、結局することは同じでしょう?」
「え、えぇ……? そ、そうなのかなぁ……うーん?」
「これは紫様が起こした《異変》なんじゃないですか? だったら――」
「だったら、出会った相手を全部のして行けばいいじゃない。ほら、結局することは同じでしょう?」
「え、えぇ……? そ、そうなのかなぁ……うーん?」
「いいのよ。ここは幻想郷ではないのだから――」
苦悩する従者を前に幽々子はいつも通りの薄い笑みを浮かべ、枝葉に覆われて漆黒でしかない空を見上げる。
そこに、彼女の目には何が映っているのだろうか?
従者と違い、彼女はこの殺し合いに対しなんら疑問を抱いてないようであった。
それは彼女の気質なのだろうか、それとも彼女自身がすでに生者ではないからなのか、あるいは――……。
そこに、彼女の目には何が映っているのだろうか?
従者と違い、彼女はこの殺し合いに対しなんら疑問を抱いてないようであった。
それは彼女の気質なのだろうか、それとも彼女自身がすでに生者ではないからなのか、あるいは――……。
【E-3/山の中/1日目-黎明】
【従:魂魄妖夢@東方儚月抄】
[主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x4
[方針/行動]
基本方針:幽々子様に従う。
1:う~~ん。
[主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄
[状態]:健康
[装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x4
[方針/行動]
基本方針:幽々子様に従う。
1:う~~ん。
【005】
「ハァハァ…………、もう、限界……くたびれた」
山を駆け下り、鬱蒼と茂った森を抜けてようやく月の光を拝むと、もう限界だとれい子は草原の中に飛び込んだ。
去り際に回収した背負い袋をそこらに放り出し、ごろりと横になって弾んだ息を整える。
逃げている途中、何度も木にぶつかったりこけたりしたので服や髪の毛は滅茶苦茶で、もう「……ぼろ」という風だが、
なんとか五体無事に彼女は逃げ切った。
光弾を受けた背中はどこかで手当てする必要があるが、立って歩けないというほどでもない。
去り際に回収した背負い袋をそこらに放り出し、ごろりと横になって弾んだ息を整える。
逃げている途中、何度も木にぶつかったりこけたりしたので服や髪の毛は滅茶苦茶で、もう「……ぼろ」という風だが、
なんとか五体無事に彼女は逃げ切った。
光弾を受けた背中はどこかで手当てする必要があるが、立って歩けないというほどでもない。
「さて、いつまでも寝ているわけにはいかないわよね。こんな状態で誰かに見つかったら危険だし」
れい子は上半身だけを起こすと、目立たないよう姿勢を低くしたまま辺りを見回した。
「ラッキーね。街が近くにある。まずはこの背中を手当てして、それにもうもう服もボロボロだから調達して――」
再び草の中に身を隠すとれい子は素早くこれからの予定を立てる。
まず最優先は傷の手当てだ。そしてボロボロになった制服の代わりに新しい服が欲しい(かわいいやつという条件がつく)。
長期戦になるなら飲食物の確保もしておきたい(そういえばショートケーキが食べたくなってきた)。
まず最優先は傷の手当てだ。そしてボロボロになった制服の代わりに新しい服が欲しい(かわいいやつという条件がつく)。
長期戦になるなら飲食物の確保もしておきたい(そういえばショートケーキが食べたくなってきた)。
「地図にはデパートってあったけど、ここどこかしら? まぁいいか。じゃあ行くわよ。百合か――」
立ち上がり、さぁ出発だ――というところでれい子はそのことにようやく気がついた。
「しまった……完全に忘れてた……」
己の従者を置き去りにしてきてしまっていることに。
これは、確かに不注意だと言われても仕方がないことだが、彼女を擁護する余地もなくはない。
本来、自分のゾンビとして召喚できる存在は召喚術という名前の通り、呼んだり帰したりできるものなのだ。
なのでいつも通りならばここで改めて百合川を召喚すればいいのだが――
本来、自分のゾンビとして召喚できる存在は召喚術という名前の通り、呼んだり帰したりできるものなのだ。
なのでいつも通りならばここで改めて百合川を召喚すればいいのだが――
「マズった……。実際、あいつがいないとかなり困る」
やはり、ここでは離れたゾンビを呼び戻すことはできないようであった。
これはここに連れて来られてた段階でなんとなしに感覚で理解していたことだが、図らずもそれが実証されたこととなった。
これはここに連れて来られてた段階でなんとなしに感覚で理解していたことだが、図らずもそれが実証されたこととなった。
「戻る――ってのはなしよね。(死にたくないし)」
草原の中で立ち尽くし、山のほうを見つめるれい子の身体を夜の海風が静かに撫でる。
「うん」
そして、れい子は決断した。
「さぁ、行こう」
もう、あいつは見捨てようと――。
【E-3/南東・草原/1日目-黎明】
【主:姫園れい子@ゾンビ屋れい子】
[主従]:百合川サキ@ゾンビ屋れい子
[状態]:疲労(中)、背中に大きな傷
[装備]:コルトM1851@現実(弾数x5/6発)、コルトM1851の弾丸@現実(x30発)
背負い袋(基本支給品)、不明支給品x2
[方針/行動]
基本方針:殺し合いを勝ち抜く(?)
0:南無。
1:街へ行って、怪我の治療や物資の調達をする。
[主従]:百合川サキ@ゾンビ屋れい子
[状態]:疲労(中)、背中に大きな傷
[装備]:コルトM1851@現実(弾数x5/6発)、コルトM1851の弾丸@現実(x30発)
背負い袋(基本支給品)、不明支給品x2
[方針/行動]
基本方針:殺し合いを勝ち抜く(?)
0:南無。
1:街へ行って、怪我の治療や物資の調達をする。
[備考]
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
【006】
あれからも、僕たちはただ当て所なく歩き回ることを繰り返すだけだった。
なんとかしてこの現状を打開したいと思うのだが、まずはここが島のどこに位置するかを把握しないと何も始まらない。
なので、僕は地図を開き、あっちかこっちかとにらめっこしながらただ歩き回るのである。
なんとかしてこの現状を打開したいと思うのだが、まずはここが島のどこに位置するかを把握しないと何も始まらない。
なので、僕は地図を開き、あっちかこっちかとにらめっこしながらただ歩き回るのである。
「って言うか、アバウトすぎるよ! この地図!」
簡単なのはいいけど。びっしり細かく書き込まれた地図ってなんか逆に分かりづらいし読む気が失せてしまうものだから。
まぁ、こう言ってられるのも今のうちだけだろう。僕だって大体の当たりはもうつけているんだ。海の近くだ。とかな。
まぁ、こう言ってられるのも今のうちだけだろう。僕だって大体の当たりはもうつけているんだ。海の近くだ。とかな。
「はいそこ、残念な目で僕を見ない」
「そうは言うがなお前様よ。何が悲しくてバトルロワイアルの中で道に迷って右往左往しなければいけないのじゃ」
「お前だってわからないんだからお互い様だろ」
「儂らザ・ザンネンズって感じじゃの」
「ザが二つ被って呼びづれーよそのコンビ名」
「そうは言うがなお前様よ。何が悲しくてバトルロワイアルの中で道に迷って右往左往しなければいけないのじゃ」
「お前だってわからないんだからお互い様だろ」
「儂らザ・ザンネンズって感じじゃの」
「ザが二つ被って呼びづれーよそのコンビ名」
とまぁ、先ほどからずっとこんな調子である。いつも通りの流れとはいえ我ながら恥ずかしい限りだ。
ほんとはやる男なんだぜ僕は。いや、ほんとに。
ほんとはやる男なんだぜ僕は。いや、ほんとに。
「お。お前様やそこに人がおるぞ。あいつに道を聞こうではないか」
「なるほど、それは名案だな。でかしたぞ忍」
「なるほど、それは名案だな。でかしたぞ忍」
あれ?
「なぁ、そこなケバい格好したボインボインのちゃんねーよ。ひとつ道を尋ねたいんだがよいかの?」
「お前はどうしてそう死語ばっかマスターしてんだよ――って、そうじゃなくて」
「死語の世界へようこそ」
「意味がわからねー!」
「お前はどうしてそう死語ばっかマスターしてんだよ――って、そうじゃなくて」
「死語の世界へようこそ」
「意味がわからねー!」
ほら、僕たちの目の前にふらふらと現れたお姉さんもちょっと引いてるじゃないか。
なんか気持ち顔色も悪いし、こりゃちょっとどころかドン引きってやつだぞ。
しかしまぁ、こんな夜道で会うには随分と扇情的で、忍の言葉を借りればボインボインのお姉さんだ。
大きさで言えば羽川と同じくらいかそれ以上あるかもしれない。僕の見立てだと比較して大よそ±2センチの範囲か。
それがチューブトップによってその天辺を露にしているのだというから、一見のセクシーさは比べるべくもない。
もっとも、僕くらい上級者だとこんなわかりやすいエロっぽさよりも、もっと奥ゆかしい中に秘められたものを求めるんだけどな。
なんか気持ち顔色も悪いし、こりゃちょっとどころかドン引きってやつだぞ。
しかしまぁ、こんな夜道で会うには随分と扇情的で、忍の言葉を借りればボインボインのお姉さんだ。
大きさで言えば羽川と同じくらいかそれ以上あるかもしれない。僕の見立てだと比較して大よそ±2センチの範囲か。
それがチューブトップによってその天辺を露にしているのだというから、一見のセクシーさは比べるべくもない。
もっとも、僕くらい上級者だとこんなわかりやすいエロっぽさよりも、もっと奥ゆかしい中に秘められたものを求めるんだけどな。
「おい、おぬし大丈夫か?」
「そんなに素直に心配するな。悲しくなるだろう……と、ん?」
「そんなに素直に心配するな。悲しくなるだろう……と、ん?」
忍が大丈夫かと声をかけたのはセクシーパンクお姉さん(仮)の方だった。
よく見れば目つきが怪しく、息が上がっているのか随分とハァハァといっている。それにやっぱり顔色もよくないし。
ひょっとして、悪漢に襲われて逃げてきたのだとも言うのだろうか。
もしそうだとするならようやく僕らの物語も動き出すというわけだ。ギャグパートを終え、シリアスな本編というわけである。
よく見れば目つきが怪しく、息が上がっているのか随分とハァハァといっている。それにやっぱり顔色もよくないし。
ひょっとして、悪漢に襲われて逃げてきたのだとも言うのだろうか。
もしそうだとするならようやく僕らの物語も動き出すというわけだ。ギャグパートを終え、シリアスな本編というわけである。
「……あ、道? うん、道ならお姉さんが教えてあげる。だからこっちにおいで」
ようやく口を開いた彼女の声はまじかる☆タルるートくん(アニメ)の河合伊代菜ちゃんみたいな声だった。
まぁ、僕としては断然、伊知川累の方が好みなので特に感じ入るというところはないのだけど、見た目相応のかっこ可愛い声だ。
ともかくとして血も涙もない非情な物語かと思ったら案外親切な人物が出てきて一安心だ。これも普段の行いというやつだろう。
まぁ、僕としては断然、伊知川累の方が好みなので特に感じ入るというところはないのだけど、見た目相応のかっこ可愛い声だ。
ともかくとして血も涙もない非情な物語かと思ったら案外親切な人物が出てきて一安心だ。これも普段の行いというやつだろう。
「おお、これは親切にすまんの。おい、あるじ様。この女が案内してくれ――ふにゃっ!?」
こっちを振り返った忍を、セク(略)お姉さんが後ろから抱きかかえるとそのまま向こうへと走り出してしまった。
ちょ……、確かに忍は抱きかかえて誘拐したいくらい可愛いが、だからといってそんな断りもなく抱くのはいけないだろう。
反則だ。とんだ協定違反だ。紳士淑女の風上にも置けない。
ちょ……、確かに忍は抱きかかえて誘拐したいくらい可愛いが、だからといってそんな断りもなく抱くのはいけないだろう。
反則だ。とんだ協定違反だ。紳士淑女の風上にも置けない。
「忍を抱いていいのは僕だけだッ!」
「お、お、おお~攫われる~……って、何を抜かしやがるんじゃお前様は!?」
「お、お、おお~攫われる~……って、何を抜かしやがるんじゃお前様は!?」
つい、誤解を与えてしまう発言をしてしまったような気がするが訂正する間もない。
ドップラー効果よろしく刻一刻と遠ざかる忍の悲鳴を追い、僕もセク姉(省略完了形)の後を追って走り出した。
ドップラー効果よろしく刻一刻と遠ざかる忍の悲鳴を追い、僕もセク姉(省略完了形)の後を追って走り出した。
「お姉ちゃん、いっぱい可愛がってあげるからね。最初はおままごとがいい? それとも一緒にお風呂に入ろうか?」
「追いついたら忍の身体を思いっきりぎゅうぎゅうするぞ。鎖骨も肋骨もぷにぷにのお腹も全部僕のものだぁああああ!」
「行くも帰るも地獄じゃああああ~~~~!」
「追いついたら忍の身体を思いっきりぎゅうぎゅうするぞ。鎖骨も肋骨もぷにぷにのお腹も全部僕のものだぁああああ!」
「行くも帰るも地獄じゃああああ~~~~!」
――もうしばらくは、このノリらしい。
【Fー4/市街/1日目ー黎明】
【主:阿良々木暦@物語シリーズ】
[主従]:忍野忍@物語シリーズ
[状態]:健康(現在吸血鬼の力が高まっています)
[装備]:対怪物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾30)@HELLSING
背負い袋(基本支給品)、マスク・ド・パンツのマスク@そらのおとしもの
[方針/行動]
基本方針:ゲームを終わらせて島から脱出し元の日常に戻る。忍と行動を取る。
1:忍を誘拐したセク姉を追う!
2:なるべく戦わない。襲ってくる人間が居ても極力殺さない。
[備考]
参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の時系列の出来事はまだ知りません。
[主従]:忍野忍@物語シリーズ
[状態]:健康(現在吸血鬼の力が高まっています)
[装備]:対怪物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾30)@HELLSING
背負い袋(基本支給品)、マスク・ド・パンツのマスク@そらのおとしもの
[方針/行動]
基本方針:ゲームを終わらせて島から脱出し元の日常に戻る。忍と行動を取る。
1:忍を誘拐したセク姉を追う!
2:なるべく戦わない。襲ってくる人間が居ても極力殺さない。
[備考]
参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の時系列の出来事はまだ知りません。
【従:忍野忍@物語シリーズ】
[主従]:阿良々木暦@物語シリーズ
[状態]:健康
[装備]:
[方針/行動]
基本方針:暦と行動を取る。
1:あ~れ~。
[備考]
参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の出来事はまだ知りません。
[主従]:阿良々木暦@物語シリーズ
[状態]:健康
[装備]:
[方針/行動]
基本方針:暦と行動を取る。
1:あ~れ~。
[備考]
参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の出来事はまだ知りません。
【従:百合川サキ@ゾンビ屋れい子】
[主従]:姫園れい子@ソンビ屋れい子
[状態]:ダメージ(微)
[装備]:クラブの鉤爪@北斗の拳
[方針/行動]
基本方針:基本的にれい子に従う。
0:アハハハハハハハハハハ!
1:れい子がいないなら自分の好きにする。
2:金髪ロリっ子をお姉ちゃんとして可愛がる。
[主従]:姫園れい子@ソンビ屋れい子
[状態]:ダメージ(微)
[装備]:クラブの鉤爪@北斗の拳
[方針/行動]
基本方針:基本的にれい子に従う。
0:アハハハハハハハハハハ!
1:れい子がいないなら自分の好きにする。
2:金髪ロリっ子をお姉ちゃんとして可愛がる。
[備考]
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)
【コルトM1851】
姫園れい子&百合川サキに支給。
名前の通り、1851年から生産が開始された古い回転式拳銃。.36口径弾を使用する。
弾丸を装填するシリンダーが簡単に取り外すことができるようになっており、
予備のシリンダーがあれば素早く再装填できるのが特徴。
姫園れい子&百合川サキに支給。
名前の通り、1851年から生産が開始された古い回転式拳銃。.36口径弾を使用する。
弾丸を装填するシリンダーが簡単に取り外すことができるようになっており、
予備のシリンダーがあれば素早く再装填できるのが特徴。
| 前:悲しみの翼 | 投下順に読む | 次:Studio D.IO! |
| 前:血染め の ユフィ | 時系列順に読む | 次:ルルーシュより、ずっとはやい!! |
| 前:BAD TO THE BONE | 姫園れい子 | 次: |
| 百合川サキ | 次: | |
| 西行寺幽々子 | 次: | |
| 魂魄妖夢 | 次: | |
| 前:トラワレビト | 阿良々木暦 | 次: |
| 忍野忍 | 次: |