大好きな人を想って ◆XUXOJJW/Zg
「うぇ……うぇぇ……あぁ……あぁあぁあああ!!」
暗い暗い夜の街の中で、一人の少女が肩を抱きながら、泣いていた。
執事服を完璧に着こなし、一見男の子に見えそうな少女は目を虚ろにさせながら。
耐えようとしても、耐え切れない身体中からわいて来るどうしようもない嫌悪感に、身体をただ振るさせて。
執事服を完璧に着こなし、一見男の子に見えそうな少女は目を虚ろにさせながら。
耐えようとしても、耐え切れない身体中からわいて来るどうしようもない嫌悪感に、身体をただ振るさせて。
「どうして……ボクは……ボクは……ジロー……ぅ」
ただ、恋して、大好きになった人の名前を少女――――近衛スバルは呼んでいた。
どうしてこんな事になったのだろうと自問しても、答えなんて帰ってくる訳が無い。
訳も解からないまま、混乱していく中で、頭に響き続けるのは怨嗟の叫び声。
まるで見せしめのように死んでいった牧師達の苦痛に耐え切れないような絶叫がずっとリフレインしている。
耳の奥まで残り続けているあの声が、スバルには耐えられなくて、吐き気すらわいて来ていた。
どうしてこんな事になったのだろうと自問しても、答えなんて帰ってくる訳が無い。
訳も解からないまま、混乱していく中で、頭に響き続けるのは怨嗟の叫び声。
まるで見せしめのように死んでいった牧師達の苦痛に耐え切れないような絶叫がずっとリフレインしている。
耳の奥まで残り続けているあの声が、スバルには耐えられなくて、吐き気すらわいて来ていた。
地獄と、あの女の人は言っていた。
スバルはどんなものだろうと想像しようとして、出来る訳が無かった。
だって、こんな事は今まで経験した事が無いし、身に覚えが無い。
スバルはどんなものだろうと想像しようとして、出来る訳が無かった。
だって、こんな事は今まで経験した事が無いし、身に覚えが無い。
「嫌だ……嫌だ……帰りたい」
そうだ、帰りたい。
自分が過ごしていたあの日常に。
決まりで、男の子として高校に通っていた日々。
執事として勤めながら、その中で出会った少年。
スバルの秘密を知っていて、それでも仲良くしてくれていた少年。
困った時、助けて欲しい時に助けてくれた少年の顔が浮かんでくる。
とてもとても、頼りになって……本当に大好きでたまらない少年だった。
今は、ただ逢いたくて逢いたくて、とても恋しくて。
自分が過ごしていたあの日常に。
決まりで、男の子として高校に通っていた日々。
執事として勤めながら、その中で出会った少年。
スバルの秘密を知っていて、それでも仲良くしてくれていた少年。
困った時、助けて欲しい時に助けてくれた少年の顔が浮かんでくる。
とてもとても、頼りになって……本当に大好きでたまらない少年だった。
今は、ただ逢いたくて逢いたくて、とても恋しくて。
「ジローぅ……ジローぅ」
近衛スバルは、大好きな人の名前をずっと呼んでいた。
ただ、怖くて、怖くて。
どうしようもない哀しみと恐怖に身を振るわせ続けていて。
ただ、怖くて、怖くて。
どうしようもない哀しみと恐怖に身を振るわせ続けていて。
「…………バル、スバル! スバル!」
スバルの隣から呼びかけてくる声にも、反応する事が出来ない。
黒髪の美少女といってもいい、少女がスバルの名前を呼び続けているのに。
スバルは怖くてで、ずっと立ち竦んだままで。
黒髪の美少女といってもいい、少女がスバルの名前を呼び続けているのに。
スバルは怖くてで、ずっと立ち竦んだままで。
「スバル! スバル!…………しっかりしなさい!」
どうしようもないまま、恐怖に心が支配されて。
ガタガタと身体から崩れ落ちそうになる、その時。
ガタガタと身体から崩れ落ちそうになる、その時。
「しっかりしなさい!――――私の執事でしょう! スバル!」
その一言で、スバルはハッとした。
振り向くと自分の仕えるべきお嬢様が憮然と立っていた。
護るべき主人で、そしてなによりも大切な親友が。
振り向くと自分の仕えるべきお嬢様が憮然と立っていた。
護るべき主人で、そしてなによりも大切な親友が。
「涼月の家の執事なのだから冷静になってもらわないと困るわ。ね? スバル」
親友――涼月奏が困った風にウィンクしていた。
そして、スバルはその言葉に落ち着き、思い出して行く。
あの女の人は主従で殺しあえと。
そして、自分の主人は奏だ。
そして、スバルはその言葉に落ち着き、思い出して行く。
あの女の人は主従で殺しあえと。
そして、自分の主人は奏だ。
ずっと前から約束していたのだ、彼女と。
彼女の傍にいて護ると。
そうだ、今、自分は一人じゃない。
一人では恐怖に震えるしかないけど、今は二人だ。
二人なら、奏となら、怖くない、頑張れる。
彼女の傍にいて護ると。
そうだ、今、自分は一人じゃない。
一人では恐怖に震えるしかないけど、今は二人だ。
二人なら、奏となら、怖くない、頑張れる。
だから、スバルは
「申し訳ないです……お嬢様」
佇まいをただし、奏に言葉をかける。
もう、怖さで身を震わせることなど、なかった。
今は護るべき人の為に。
もう、怖さで身を震わせることなど、なかった。
今は護るべき人の為に。
「いいえ、そこはありがとうよ?」
奏は謝罪の言葉に困った風に笑い。
お茶目に、スバルの言葉を正す。
スバルも、困った風に笑い。
お茶目に、スバルの言葉を正す。
スバルも、困った風に笑い。
「それは、失礼しました……カナちゃんありがとう」
大好きな親友の名前を呼んだ。
そして、その親友は今度は満面の笑みを浮かべて
そして、その親友は今度は満面の笑みを浮かべて
「よろしい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「それでは、お嬢様……とりあえずは人が集まりそうな所に行くという事でよろしいですね?」
「ええ……危険はあるけど、私達二人じゃ正直な話、なす術もなく殺されるだけよ」
「ええ……危険はあるけど、私達二人じゃ正直な話、なす術もなく殺されるだけよ」
スバルが落ち着いた後、二人は現状確認をしていた。
どうやら、知り合いは他に呼ばれて無いらしい。
その事にほっとしながら、とりあえず誰かを探そうという事になった。
殺し合いに乗る……というのは、スバルの性格を考えて奏は言わなかったし、何より無理だろう。
自分達は弱い少女でしかないだろう。
あの会場で、死んだ牧師のような実力者が参加者で居る事は容易に考えられる。
スバルも鍛えてるとはいえ、叶うレベルではないだろう。
だから、奏は、とりあえず、誰か同じ志を持つ人に助けてもらうと考えた。
どうやら、知り合いは他に呼ばれて無いらしい。
その事にほっとしながら、とりあえず誰かを探そうという事になった。
殺し合いに乗る……というのは、スバルの性格を考えて奏は言わなかったし、何より無理だろう。
自分達は弱い少女でしかないだろう。
あの会場で、死んだ牧師のような実力者が参加者で居る事は容易に考えられる。
スバルも鍛えてるとはいえ、叶うレベルではないだろう。
だから、奏は、とりあえず、誰か同じ志を持つ人に助けてもらうと考えた。
それに、スバルも同調し、とりあえずの方針が定まった。
スバルの腰には支給された拳銃がささっているが、役に立つかは非常に疑わしかった。
自分達が住んでいた日本では拳銃を使うなんて事は無かったのだから。
まあ、無いよりはましかとスバルが持つことになったのだ。
スバルの腰には支給された拳銃がささっているが、役に立つかは非常に疑わしかった。
自分達が住んでいた日本では拳銃を使うなんて事は無かったのだから。
まあ、無いよりはましかとスバルが持つことになったのだ。
「じゃあ、行きましょうか……そして、帰りましょう……待ってるでしょうしね」
「待ってる?」
「ジロー君よ、きっと寂しさに怯えてに違いないわ」
「待ってる?」
「ジロー君よ、きっと寂しさに怯えてに違いないわ」
そして、二人はもとの場所に帰ることを誓う。
彼女達が好きな少年の元に。
彼女達が好きな少年の元に。
「ええ、そうですね……帰りたいな……」
スバルが、そう呟いて。
二人は夜の街を歩き出したのだった。
二人は夜の街を歩き出したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ボクは帰りたいなと呟いて。
それはきっと叶わないと思っていた。
だって、ボクは執事だから。
カナちゃんの事が大好きだから。
それはきっと叶わないと思っていた。
だって、ボクは執事だから。
カナちゃんの事が大好きだから。
考えた見たことで、結局絶望しかない。
あんなデモストレーションみたいに、人が派手に死んで。
ボク達二人が揃って、生還できるなんて、思える訳が無い。
あんなデモストレーションみたいに、人が派手に死んで。
ボク達二人が揃って、生還できるなんて、思える訳が無い。
だから、ボクは考え、そして思い出した。
主従を入れ替えられる事を。
ボクが死ねば、カナちゃんは新たな従者をつけられる。
ボクより強い人が。あの牧師の様な人が。
主従を入れ替えられる事を。
ボクが死ねば、カナちゃんは新たな従者をつけられる。
ボクより強い人が。あの牧師の様な人が。
ボクは執事で、カナちゃんには生きて帰って欲しい。
だから、ボクは決めた。
カナちゃんを護ってくれる従者を見つける。
それが、ボクがやるべき事。
それが、ボクがやるべき事。
カナちゃんは帰らなきゃならない。
だって、カナちゃんはジローの事が好きだから。
ボクの為に身を引こうとしたけど、そんな事させない。
僕の代わりにジローと幸せになってほしい。
だって、カナちゃんはジローの事が好きだから。
ボクの為に身を引こうとしたけど、そんな事させない。
僕の代わりにジローと幸せになってほしい。
だから、ボクは死んでも構わない。
だって、だって。
カナちゃんに幸せになってほしいから。
【B-6/街/1日目-深夜】
【従:近衛スバル@まよチキ!】
[主従]:涼月奏
[状態]:健康
[装備]:トンプソン・コンテンダー@Fate/Zero、起源弾×10、通常弾×10、背負い袋(基本支給品)不明支給品x3
[方針/目的]
基本方針:お嬢様を帰還させる
1:とりあえず人を探す。
2:奏に腕の立つ従者をつける。自分の命は捨てる覚悟
[主従]:涼月奏
[状態]:健康
[装備]:トンプソン・コンテンダー@Fate/Zero、起源弾×10、通常弾×10、背負い袋(基本支給品)不明支給品x3
[方針/目的]
基本方針:お嬢様を帰還させる
1:とりあえず人を探す。
2:奏に腕の立つ従者をつける。自分の命は捨てる覚悟
※登場時期は七巻以降からです
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そう、スバル。
貴方はジロー君の下に帰らなきゃならない。
だって、貴方は堪らないほど彼の事が好きだから。
そして、私は貴方の事が大好きだから。
貴方はジロー君の下に帰らなきゃならない。
だって、貴方は堪らないほど彼の事が好きだから。
そして、私は貴方の事が大好きだから。
考えた見たことで、結局絶望しかなかった。
一見しただけでも力を持つ牧師がいて、そんな強い人が派手に死んで。
私達二人が揃って、生還できるなんて、思える訳が無い。
一見しただけでも力を持つ牧師がいて、そんな強い人が派手に死んで。
私達二人が揃って、生還できるなんて、思える訳が無い。
だから、私は考え、そして思い出した。
主従を入れ替えられる事を。
私が死ねば、スバルは新たな主人をつけられる。
私より強い人が。あの牧師の様な人が。
主従を入れ替えられる事を。
私が死ねば、スバルは新たな主人をつけられる。
私より強い人が。あの牧師の様な人が。
私は彼女の親友で、スバルにはどうしても生きて帰って欲しい。
だから、私は決めた。
スバルを護ってくれる従者を見つける。
それが、私がやるべき事。
それが、私がやるべき事。
スバルは帰らなきゃならない。
だって、カナちゃんはスバルーの事が好きだから。
親友がやっとつかめそうな親友なのだから。
私の代わりにジロー君と幸せになってほしい。
だって、カナちゃんはスバルーの事が好きだから。
親友がやっとつかめそうな親友なのだから。
私の代わりにジロー君と幸せになってほしい。
だから、私は死んでも構わない。
その為に私の想いを誤魔化して、そして捨ててみせる。
その為に私の想いを誤魔化して、そして捨ててみせる。
だって、だって。
スバルには幸せになってほしいから。
【B-6/街/1日目-深夜】
【主:涼月奏@まよチキ!】
[主従]:近衛スバル
[状態]:健康
[装備]:無し
[方針/目的]
基本方針:スバルを生還させて見せる
1:とりあえず人を探す。
2:スバルに腕の立つ主人をつける。自分の命は捨てる覚悟
[主従]:近衛スバル
[状態]:健康
[装備]:無し
[方針/目的]
基本方針:スバルを生還させて見せる
1:とりあえず人を探す。
2:スバルに腕の立つ主人をつける。自分の命は捨てる覚悟
※登場時期は、6巻以降からです。
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