幻燈蝶蛾銀河帝国 ◆5.g1Aj/XLM
漆黒の闇に包まれた森のその奥深く。
その闇をさらに凝縮したかのような人影が2つ、佇んでいた。
その闇をさらに凝縮したかのような人影が2つ、佇んでいた。
かたや全身を黒き甲冑に身を包み、仮面にて顔を隠し不気味な呼吸音を繰り返す騎士。
銀河にその名を轟かせたダース・ベイダー。
銀河にその名を轟かせたダース・ベイダー。
かたや黒きローブに身を包んだ老人。
銀河帝国皇帝にしてフォースの暗黒面を支配するシスの暗黒卿、ダース・シディアス。
銀河帝国皇帝にしてフォースの暗黒面を支配するシスの暗黒卿、ダース・シディアス。
バトルロワイアルというシステムに組み込まれたことに対する二人の戸惑いは、無いとは言い切れない。
しかし両名ともにこのような危機に直面したことはこれまでいくらでもある。
誘拐されて幽閉されたことなど数えきれない。
丸腰で大怪獣の目の前に突き出されたこともあった。
その危機をすべて機知と勇気と技量によって克服してきた二人にとって、この状況は狼狽するモノではない。
しかし両名ともにこのような危機に直面したことはこれまでいくらでもある。
誘拐されて幽閉されたことなど数えきれない。
丸腰で大怪獣の目の前に突き出されたこともあった。
その危機をすべて機知と勇気と技量によって克服してきた二人にとって、この状況は狼狽するモノではない。
そう、考慮すべきは銀河帝国の深奥、余人の手の届くところにないはずの銀河皇帝を誘拐せしめた主催者の手際なのである。
皇帝といえど、かつてはグランドマスター・ヨーダの暗殺を身一つで撃退したシディアスを、である。
しかも銀河有数の腕利きであるダース・ベイダーごと。
尋常の手合いでないことは確かであろう。
皇帝といえど、かつてはグランドマスター・ヨーダの暗殺を身一つで撃退したシディアスを、である。
しかも銀河有数の腕利きであるダース・ベイダーごと。
尋常の手合いでないことは確かであろう。
そしてそれほどのことをやってのけたあの主催者の名を、シディアスは知らなかった。
銀河の表も裏も熟知しているシスの暗黒卿が。
皇帝は自らの情報網の至らなさ、そしてこのような手練をみすみす見逃していた自分をしばし恥じたのちに、ふと想起した。
かつてフォースより警告されていた予知である。
銀河の表も裏も熟知しているシスの暗黒卿が。
皇帝は自らの情報網の至らなさ、そしてこのような手練をみすみす見逃していた自分をしばし恥じたのちに、ふと想起した。
かつてフォースより警告されていた予知である。
銀河系外からの侵略者
馬鹿げた予知とは思っていたが準備を怠っていたわけではない。
なにせフォースである。
宇宙の意志なのだ。
絶対である。
それが為もあって銀河帝国を一枚岩として成立させた。
軍事力を一つの意思にまとめ上げ、外敵の侵入に備えた。
抑止力としては強大すぎるデススターの建設そして再建を急がせたのも、未知の敵に備えてのものである。
なにせフォースである。
宇宙の意志なのだ。
絶対である。
それが為もあって銀河帝国を一枚岩として成立させた。
軍事力を一つの意思にまとめ上げ、外敵の侵入に備えた。
抑止力としては強大すぎるデススターの建設そして再建を急がせたのも、未知の敵に備えてのものである。
そして今現在置かれた状況と主催者の未知なる力も、既知外の力のなせる業と考えるのならば合点は行く。
予知は的中したのだ。
皇帝にとっては全くありがたくない、おそらくは最悪に近い形で。
無論、己の無力を宇宙人などという馬鹿げた妄想に責任転嫁している、という思考も脳の端にはあるが。
予知は的中したのだ。
皇帝にとっては全くありがたくない、おそらくは最悪に近い形で。
無論、己の無力を宇宙人などという馬鹿げた妄想に責任転嫁している、という思考も脳の端にはあるが。
ともかくもこの場に空気はあり、適温適湿で呼吸も問題なく出来る。
そのような環境で居住可能な惑星など銀河には数が限られている。
惑星でなくとも50人を超える人間が主催者曰く最大3日も生活できる宇宙船、宇宙ステーションも限られている。
今までの所ハイパースペースに入った様子もないので、現在地は未だ銀河系内であろう。
ならば皇帝不在の緊急事態に、帝国軍はこぞって捜索隊を出し、ここを探し当てる。
それにかかる期間は…
そのような環境で居住可能な惑星など銀河には数が限られている。
惑星でなくとも50人を超える人間が主催者曰く最大3日も生活できる宇宙船、宇宙ステーションも限られている。
今までの所ハイパースペースに入った様子もないので、現在地は未だ銀河系内であろう。
ならば皇帝不在の緊急事態に、帝国軍はこぞって捜索隊を出し、ここを探し当てる。
それにかかる期間は…
「捜索隊がここを見つけ出すまでに3日、というところでしょうか陛下」
黒衣の騎士が皇帝の意思に気付いたかのように告げた。
フォースの使い手が他人の思考を読むのは別段不思議なことではない。
意思の集合体であるフォースを操るということは、人の意思を感知できるということだからである。
ただ達人は自らの意思を気付かせない。
シディアスが同じくフォースを操るジェダイたちを出し抜いてきたのは意思の隠蔽が敵対する誰より巧みであったからだ。
その彼が自分より力も技術も劣る弟子に、思考を悟られるわけがない。
単に思考の帰結が同時に達しただけのことだ。それも気にくわないことではあるが。
シディアスは自分を納得させると、鷹揚に肯いた。
フォースの使い手が他人の思考を読むのは別段不思議なことではない。
意思の集合体であるフォースを操るということは、人の意思を感知できるということだからである。
ただ達人は自らの意思を気付かせない。
シディアスが同じくフォースを操るジェダイたちを出し抜いてきたのは意思の隠蔽が敵対する誰より巧みであったからだ。
その彼が自分より力も技術も劣る弟子に、思考を悟られるわけがない。
単に思考の帰結が同時に達しただけのことだ。それも気にくわないことではあるが。
シディアスは自分を納得させると、鷹揚に肯いた。
「このふざけたゲームが終了するまで、臣民は我らを見つけ出すことが出来ぬ、ということだな」
最後の一組が主催者の言うとおり無事に帰される可能性もなきにしもあらず。
ただ他人を信用するということがない皇帝にとって、主催者が約束を守るとは考えられなかった。
ならばどうするか。
脱出か、主催者の打倒である。
ただ他人を信用するということがない皇帝にとって、主催者が約束を守るとは考えられなかった。
ならばどうするか。
脱出か、主催者の打倒である。
そのいずれにしても人智を超えた主催者を出しぬく必要があり、それは非常に困難に思えた。
だがそれは彼個人の力のみで考えた場合である。
他人を利用し使役し支配することに関して、銀河において彼の右にでるものはないであろう。
その才を最大限に利用し、他人を踏み台にすれば目標の達成は決して無理なことではない。
幸運にもここには自分の意のままに動く男がいる。
しかも銀河においてこれ以上の人材もない。
…いや、支給された名簿に、そして彼が知りうる限りにおいてももう一人、匹敵する人間が居た。
だがそれは彼個人の力のみで考えた場合である。
他人を利用し使役し支配することに関して、銀河において彼の右にでるものはないであろう。
その才を最大限に利用し、他人を踏み台にすれば目標の達成は決して無理なことではない。
幸運にもここには自分の意のままに動く男がいる。
しかも銀河においてこれ以上の人材もない。
…いや、支給された名簿に、そして彼が知りうる限りにおいてももう一人、匹敵する人間が居た。
「陛下、名簿を見た限りルーク・スカイウォーカー。きゃつめもこの会場内に居るようです
フォースの力がこの場においては若干弱まるせいか、これほど狭い空間にいるのに居場所を探れませんが」
フォースの力がこの場においては若干弱まるせいか、これほど狭い空間にいるのに居場所を探れませんが」
光のフォースを操るボランティア軍の英雄にして、帝国最大の邪魔者。
グランドマスター・ヨーダ亡き今、暗黒面を脅かす、ただ一人のジェダイマスターである。
またしても思考を先読まれたかのような錯覚に陥ったシディアスは苦虫を噛み締めるかのように声を絞り出す。
グランドマスター・ヨーダ亡き今、暗黒面を脅かす、ただ一人のジェダイマスターである。
またしても思考を先読まれたかのような錯覚に陥ったシディアスは苦虫を噛み締めるかのように声を絞り出す。
「あやつの力は非常に有用。状況の打開のためにも出来れば暗黒面に引き入れたいものだ」
皇帝の言葉に黒衣の騎士もまた肯く。
強大なフォースの使い手は、また暗黒面に近づく。
困難な状況であればあるほど、彼の者は力を求め、その求めは必ずやフォースの暗黒面に至るであろう。
かつてジェダイの戦士として活躍したダース・ベイダーが暗黒面へと堕ちたのと同様に。
ましてやルークは暗黒面に興味を持っている。
なぜなら彼の父アナキンこそ、皇帝の傍らにて忠誠を誓う黒衣の騎士、ダース・ベイダーその人だからである。
強大なフォースの使い手は、また暗黒面に近づく。
困難な状況であればあるほど、彼の者は力を求め、その求めは必ずやフォースの暗黒面に至るであろう。
かつてジェダイの戦士として活躍したダース・ベイダーが暗黒面へと堕ちたのと同様に。
ましてやルークは暗黒面に興味を持っている。
なぜなら彼の父アナキンこそ、皇帝の傍らにて忠誠を誓う黒衣の騎士、ダース・ベイダーその人だからである。
シディアスがアナキンを虜としたのはアナキンの妻であるパドメの寿命を示唆してのことであった。
軍門に下ればパドメの死を回避することができる、と。
結果アナキンはシディアスの部下となり、ダース・ベイダーとなった。
軍門に下ればパドメの死を回避することができる、と。
結果アナキンはシディアスの部下となり、ダース・ベイダーとなった。
状況としては今はその時と似ている。
バトルロワイアルという困難な状況。肉親というコマが手元にある有利。
なによりも血が、ジェダイを裏切ったアナキンの血が、ルーク・スカイウォーカーには流れている。
蕾はすでに開花の瞬間を待っている。あとは両者が邂逅するのを待つのみ。
そして彼らの出会いはフォースが導くであろう。
銀河という拡大し続ける広大な舞台ではない。地図が示すとおり、広いといっても限りのある空間だ。
シディアスとベイダーとルーク。
三者は必ずや出会うであろう。
これは運命であり、必然である。
バトルロワイアルという困難な状況。肉親というコマが手元にある有利。
なによりも血が、ジェダイを裏切ったアナキンの血が、ルーク・スカイウォーカーには流れている。
蕾はすでに開花の瞬間を待っている。あとは両者が邂逅するのを待つのみ。
そして彼らの出会いはフォースが導くであろう。
銀河という拡大し続ける広大な舞台ではない。地図が示すとおり、広いといっても限りのある空間だ。
シディアスとベイダーとルーク。
三者は必ずや出会うであろう。
これは運命であり、必然である。
そして銀河を代表する三人のフォースの使い手が揃えば、困難など存在しない。
最悪でもベイダーとルークを使い潰せば、悠々とこの場を脱出することができるであろう!
最悪でもベイダーとルークを使い潰せば、悠々とこの場を脱出することができるであろう!
「支給品に武器は一つでした。他はどうでしょうか」
眩しい未来予想図に水を刺すかの如く、ダース・ベイダーは大剣を取り出して告げた。
支給品はすでに確認済みである。
残念なことに手持ちの武器は見当たらなかった。
優美なライトセイバーや、野蛮なブラスターでもあれば先の展開も進めやすかったが致し方ない。
支給品はすでに確認済みである。
残念なことに手持ちの武器は見当たらなかった。
優美なライトセイバーや、野蛮なブラスターでもあれば先の展開も進めやすかったが致し方ない。
「いや、残念ながら有用なものはない」
無論自衛だけを考えるならば皇帝にとってはライトセイバーすら必要ではない。
シスの暗黒卿が両腕から放つ「シスの雷」は強力無比であり、ストッピングパワーに優れた武器である。
両手両足を機械のものと置き換えているベイダーには不可能な技。
そして師匠と弟子を分ける絶対的な壁がそこにある。
シディアスもこの技を習得することによって、師であるダース・プレイガスを越えたことを自覚し、師の闇討ちを決意させた。
シスの暗黒卿が両腕から放つ「シスの雷」は強力無比であり、ストッピングパワーに優れた武器である。
両手両足を機械のものと置き換えているベイダーには不可能な技。
そして師匠と弟子を分ける絶対的な壁がそこにある。
シディアスもこの技を習得することによって、師であるダース・プレイガスを越えたことを自覚し、師の闇討ちを決意させた。
彼にとってこの技を習得し得ないベイダーは相手ではなく、それが故に裏切られても返り討ちにする自信があった。
フォースによる先読みに関してもシディアスのそれはベイダーを上まっており、不意を突かれる危険性もない。
第一、帝国内においては皇帝は絶対である。
もしベイダーが皇帝を弑逆しようものなら、決定的な混乱に陥るより圧倒的に早く帝国軍がベイダーの息の根を止めるであろう。
師匠を殺すということは、殺した後の未来を生きるという事である。
ソレが見込めないのならば師匠殺しをする必要はない。
それにそのような思考に至らぬように、弟子へのマインドコントロールも万全にしておいた。
かつての自分と同じように弟子に殺されるという失態はありえない。
帝国内においては。
フォースによる先読みに関してもシディアスのそれはベイダーを上まっており、不意を突かれる危険性もない。
第一、帝国内においては皇帝は絶対である。
もしベイダーが皇帝を弑逆しようものなら、決定的な混乱に陥るより圧倒的に早く帝国軍がベイダーの息の根を止めるであろう。
師匠を殺すということは、殺した後の未来を生きるという事である。
ソレが見込めないのならば師匠殺しをする必要はない。
それにそのような思考に至らぬように、弟子へのマインドコントロールも万全にしておいた。
かつての自分と同じように弟子に殺されるという失態はありえない。
帝国内においては。
そしてここは帝国内ではない。
■
「ならば貴様にワシを止める力はないということだ!」
黒衣の騎士は大剣を手に疾風の如く飛びかかる。
数瞬前ではあるが、その襲撃をフォースによって予知していたシディアスは剣の軌道から身を反らす。
半歩体を躱しただけではあるが、これで十分であると判断した。
そして無様にも空振りに終わった斬撃に身体を引っ張られた愚かな弟子めがけて、雷を投げかければ大勢は決する。
確信を持って身を捻った皇帝の身体を、白銀の残光を伴って斬撃が通りすぎる。
数瞬前ではあるが、その襲撃をフォースによって予知していたシディアスは剣の軌道から身を反らす。
半歩体を躱しただけではあるが、これで十分であると判断した。
そして無様にも空振りに終わった斬撃に身体を引っ張られた愚かな弟子めがけて、雷を投げかければ大勢は決する。
確信を持って身を捻った皇帝の身体を、白銀の残光を伴って斬撃が通りすぎる。
だが上段より袈裟懸けに振り下ろされたそれは、シディアスの脇腹を切り裂いた!
斬られた者、そしてなにより打ち下ろした者に衝撃が走る。
シディアスにとっては確実に避けられた攻撃である。
ベイダーにとっては牽制にすぎない一撃である。
シディアスにとっては確実に避けられた攻撃である。
ベイダーにとっては牽制にすぎない一撃である。
しかし当たった。
当たっただけでなく左腕を支える左脇腹の筋をえぐった。
シディアスの左腕が痺れるように痛みを発し、興奮状態であるというのにもはや力が入らない。
実際の痛みや傷、左腕の状況など問題ではない。
問題なのは確実に避けられた攻撃を一撃を食らったということ。
シディアスの左腕が痺れるように痛みを発し、興奮状態であるというのにもはや力が入らない。
実際の痛みや傷、左腕の状況など問題ではない。
問題なのは確実に避けられた攻撃を一撃を食らったということ。
混乱した。
フォースによって得られた先読みの力が意味を為していない!
驚愕が両者を支配した。
どういうことなのか分からない。
今が生死を分かつ瞬間だというのに体が動かない。
時間にすれば極僅か。
一秒にも満たない。
刹那といっていい。
二人にとって見れば永遠とも言える時が過ぎ…
驚愕が両者を支配した。
どういうことなのか分からない。
今が生死を分かつ瞬間だというのに体が動かない。
時間にすれば極僅か。
一秒にも満たない。
刹那といっていい。
二人にとって見れば永遠とも言える時が過ぎ…
硬直をより早く抜け出たのは襲撃者。
ベイダーがシディアスより身体を自由に出来た時間は数瞬であろう。
しかし達人にとってはそれで十分であった。
大上段に構え、一直線に振り下ろす。
わずかに身体をのけぞらせて脳天への攻撃は避けたものの、みぞおちから下をローブもろとも一文字に切り裂かれる。
醜く老いさばらえたシディアスの顔が、そして腹圧によって腸がこぼれ出る。
苦痛と言うよりは驚愕に彩られたシディアスの顔は、だがしかし勝利を諦めてはいなかった。
とっさのバク転により距離を取ると右手にフォースを集め雷を纏う。
死に瀕してこのようなアクロバティックな動きが取れるのも彼がアタールの使い手であるからであろう。
しかし達人にとってはそれで十分であった。
大上段に構え、一直線に振り下ろす。
わずかに身体をのけぞらせて脳天への攻撃は避けたものの、みぞおちから下をローブもろとも一文字に切り裂かれる。
醜く老いさばらえたシディアスの顔が、そして腹圧によって腸がこぼれ出る。
苦痛と言うよりは驚愕に彩られたシディアスの顔は、だがしかし勝利を諦めてはいなかった。
とっさのバク転により距離を取ると右手にフォースを集め雷を纏う。
死に瀕してこのようなアクロバティックな動きが取れるのも彼がアタールの使い手であるからであろう。
詰めに入る直前に距離を取られる失態を晒したが、シディアスが機動力によって先を取るアタールの達人であるならば、
ベイダーは攻撃と爆発力に特化したドジェム・ソの達人。
大剣の切っ先に全体重を乗せて疾走し突進する。
ベイダーは攻撃と爆発力に特化したドジェム・ソの達人。
大剣の切っ先に全体重を乗せて疾走し突進する。
それはシディアスから見れば隙だらけ。ベイダーの一撃が届くよりも早く雷が彼の身体を貫くはず!
「アァァァンリミテッド・パゥワァァァァッッー!」
シディアスの叫び声とともに雷光が迸った。
◆
雷光はベイダーを捉えたものの、その突進を止めるに至らなかった。
大剣を伴ったベイダーの一撃は銀河帝国を統べる皇帝の身体を貫き、黒き血が背中より盛大に吹き出した。
シディアスの身体中から血が吹き出る。
まるで身に湛えた膨大なフォースが吹き出ていくかのように。
大剣を伴ったベイダーの一撃は銀河帝国を統べる皇帝の身体を貫き、黒き血が背中より盛大に吹き出した。
シディアスの身体中から血が吹き出る。
まるで身に湛えた膨大なフォースが吹き出ていくかのように。
「何故…だ…。雷は貴様を捉えたはず…」
「この地はフォースの力が僅かに弱まる」
「この地はフォースの力が僅かに弱まる」
崩れ落ちるシディアスの身体を見下すようにベイダーは続ける。
「ならば貴様をあと一歩にまで追い込んだメイス・ウィンドゥ。その流派ヴァーパッドならば貫ける。そう判断した」
倒れたシディアスの身体から大剣を引き抜き、右腕を切り裂いたのちにトドメの一撃を放たんと振りかぶる。
「ワシはメイスが貴様に肉薄するさまを一番近くで見ていたからな」
メイスがシディアスに及ばなかったのは、他ならぬベイダーがメイスを裏切った為であるが。
「なぜ…余を…裏切った…」
シディアスの頭に残るのは「なぜ?」の二文字のみである。
中でも強烈な疑問を最期に口にした。
中でも強烈な疑問を最期に口にした。
「パドメの、仇だ!」
理不尽な答えと共に振り下ろされた一撃で、銀河帝国皇帝はその一生を閉じた。
■
身体のダメージを慎重に測り、大した傷でないことを確認したベイダーは大剣を支えに立ち上がった。
積年の恨みを晴らしたというのに笑みも浮かばないのは、もはや哄笑する事すら出来なくなってしまったからなのか。
オビ=ワン・ケノービによって身体の大部分を欠損し、全身にくまなく火傷を負い、身体の殆どを機械に組み替えた。
施術の最中麻酔も掛けられず、生きながらに皮を剥がされ、甲冑の中に付けられた生命維持装置無くしては死んでしまう身体。
復讐を果たした喜びを体全体で表現できないのは、身体同様に心まで機械になってしまったからなのか。
冗談ではない。
自分はまだドロイドではない。
ドロイドであるならばパドメのことなど既に忘れてしまってるはずだ。
積年の恨みを晴らしたというのに笑みも浮かばないのは、もはや哄笑する事すら出来なくなってしまったからなのか。
オビ=ワン・ケノービによって身体の大部分を欠損し、全身にくまなく火傷を負い、身体の殆どを機械に組み替えた。
施術の最中麻酔も掛けられず、生きながらに皮を剥がされ、甲冑の中に付けられた生命維持装置無くしては死んでしまう身体。
復讐を果たした喜びを体全体で表現できないのは、身体同様に心まで機械になってしまったからなのか。
冗談ではない。
自分はまだドロイドではない。
ドロイドであるならばパドメのことなど既に忘れてしまってるはずだ。
ダース・シディアスを裏切ったのはパドメを失った怒り、だけではない。
帝国から密室に切り離された皇帝という状況。
皇帝殺しを衆人が環視せぬ状況。
フォースが若干弱まる状況。
自分が武器を持ち、シディアスが持たないという状況。
シディアスすら出しぬく主催者の「優勝者のどんな願いでも叶える」という甘言。
主従システムと主人ルークという状況。
そしてなによりルークがこの場にいるということ。
息子を手に入れることが出来る状況だったということ。
帝国から密室に切り離された皇帝という状況。
皇帝殺しを衆人が環視せぬ状況。
フォースが若干弱まる状況。
自分が武器を持ち、シディアスが持たないという状況。
シディアスすら出しぬく主催者の「優勝者のどんな願いでも叶える」という甘言。
主従システムと主人ルークという状況。
そしてなによりルークがこの場にいるということ。
息子を手に入れることが出来る状況だったということ。
パドメを失った穴を、ベイダーは埋めたがっていた。
それを息子ルークに求めていた。
それを息子ルークに求めていた。
妨害なしにそれを為せる状況にあるというのならば、もはやベイダーに躊躇する必要はなかった。
故にルークと自分の間に立ちふさがる最大の障害であるシディアスを殺した。
故にルークと自分の間に立ちふさがる最大の障害であるシディアスを殺した。
それを容易にせしめたのは初手の一撃。
ベイダーにとって見ても、あの一撃は不可思議であった。
まるで剣先が伸びたかのような…奇妙な手応えであった。
ともあれ有用な武器を得たことは確か。
ベイダーにとって見ても、あの一撃は不可思議であった。
まるで剣先が伸びたかのような…奇妙な手応えであった。
ともあれ有用な武器を得たことは確か。
障害を取り除いたからには一刻も早くルークと合流し、C3POなどというポンコツを破壊してルークと主従の交わりを得る。
あとはシディアスが考えていたように、ここより脱出して銀河帝国皇帝の座につく。
もしそれを阻むものがあれば、自らの手で打ち砕くのみ。
あとはシディアスが考えていたように、ここより脱出して銀河帝国皇帝の座につく。
もしそれを阻むものがあれば、自らの手で打ち砕くのみ。
「パドメ、ワシとルークを見守っていてくれ」
自らの身勝手と不義により失われた最愛の人を思い、黒衣の騎士の旅が始まる。
【D-4/森/1日目-深夜】
【従:ダース・ベーダー@スター・ウォーズ】
[主従]:なし
[状態]:健康、死亡まで残り12時間(主人を確定すれば解除)
[装備]:国重@戦国BASARA、(基本支給品、不明支給品x3)
[方針/行動]
基本方針:ルークを見つけ出して会場より脱出する。
[主従]:なし
[状態]:健康、死亡まで残り12時間(主人を確定すれば解除)
[装備]:国重@戦国BASARA、(基本支給品、不明支給品x3)
[方針/行動]
基本方針:ルークを見つけ出して会場より脱出する。
【ダース・シディアス@スター・ウォーズ 死亡】
| 前:謀略の夜 | 投下順に読む | 次:Preparation |
| 前:謀略の夜 | 時系列順に読む | 次:Preparation |
| ダース・ベーダー | 次:悪鬼夜行 | |
| ダース・シディアス | 死亡 |