divided by three ◆dCxmZ3wO6s
「不死の酒?は、我を染めたければその三倍は持ってこいというのだ。
尤も、我は不死なんぞに興味は無いがな──」
不死の酒、それがギルガメッシュが口にした物の名前だった。
その名の通り、飲んだらどんな事があっても死ぬことが無くなる、『不死者』になる事が出来る物である。
尤も、英霊に不死という概念が素直に当て嵌まる保障は無かったのだが──
バトルロワイアルの世界に投げ込まれて数十分後、ギルガメッシュは何をしていたのかと言うと、特に何もしていなかった。
強いて言えば、先程の不死の酒を口にしたのと、装備の確認程度である。
始めに装備を確認した結果、王たる我が宝具を根こそぎ奪っていったギラーミンとやらに憤怒の意が芽生えた。
唯一残っていたのは、ランサーの宝具であった必滅の黄薔薇だけである。
それとは別に、黄金の鎧も支給品として与えられていたのだが、それはギルガメッシュ曰く当然至極当然の事であった為、特に想う事は無かった。
一通り支給された品々を確認した後に、前述の不死の酒を口にしたのである。
ギルガメッシュ自ら口にしたように、不死そのものに興味があった訳ではない。
そもそも元の世界に帰れば、自分こそがこの世で最も強い、死ぬ等は有り得ないと自負している。
では、何故不死の酒を口にしたか、その答えは、単なる好奇心のようなものに他ならない。
例え不死の酒というラベルが偽りの物であって、それが常人の身を一瞬で滅ぼすような毒薬であったとしても、ギルガメッシュは死なない確信があった。
それ故に、言わば度胸試しのような感覚で、それを口にしたのである。
こうして、先刻のような言葉を発したのであった。
◇ ◇ ◇
結局、不死というのは本当であったが、それは完全な物ではなかった。
だが、それでこそ面白い。
ギルガメッシュにとって、不死の身体程つまらないものは無かった。
死というリスクが無ければ、戦いを十二分に愉しむ事も出来ない。
その点では、不死の酒が正しく効力を発揮しなかった事は、逆に好都合だった。
「ギラーミンと言ったか、雑種の分際で我に命令するとは、余程身分を弁えていないと見える。
加えて、我の宝具を奪うなど、万死に値する。
良かろう、ギラーミンよ、この我が直々に制裁を与えてやろう。
セイバーも待っている事だからな。
心して待っているが良い──」
そして、王のバトルロワイヤルが幕を開ける──
【1日目 深夜 E-6 神社】
【ギルガメッシュ@Fate/Zero】
[状態]:健康、不死(不完全)
[装備]:黄金の鎧@Fate/Zero
[道具]:必滅の黄薔薇@Fate/Zero、不死の酒(完全版)(空)、基本支給品
[思考・状況]
1:主催を滅ぼし、元の世界に帰還する。必要があれば他の参加者も殺す。
2:宝具は見つけ次第我が物にする。
王の財宝、天地乖離す開闢の星、天の鎖があれば特に優先する。
[備考]
※ 不死の酒を残らず飲み干しましたが、完全な不死は得られませんでした。
具体的には、再生能力等が全て1/3程度になっています。
また、首か心臓部に致命傷を受ければ死にます。
【黄金の鎧@Fate/Zero】
対魔術的な性能もある鎧。
その名の通り黄金に輝いている。
【必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero】
治癒のできない傷を与える呪いの槍
使い手を倒すまで呪いは消えない。
ランサーの宝具だった、見た目は黄色い短槍。
【不死の酒(完全版)@BACCANO バッカーノ!】
その名の通り、飲んだら事故だろうが病気だろうが老衰だろうが関係のない不死者になれる。
ただし、その不死は『酒を飲んだときの状態』に体の状態を固定するというもの。
なので怪我や病気のときに飲むとその状態で固定され、また痩せるなど体の状態を変えることはできない。
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最終更新:2012年12月06日 04:07