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抹殺指令

「おや、クロウじゃありませんか。何の用ですか、グループ一の暇人が」
「やかましいぞ、出戻りが」

久々に仲間のもとに顔を出してみると、いきなりジングウと鉢合わせてしまった。ったく、幸先の悪い。
というか、俺が今回ここに来たのは私事でなく、れっきとしたグループの用事なのだが。

「ま、いいでしょう。私は部屋に戻ります」
「……サヨリと言ったか、せめてそいつは残せ。伝えることがあるのでな」

だが、俺の言葉を聞く前にジングウは引っ込んでしまった。

「……まあ、いい」





「鴉さーん、用事ってなにー?」
「俺、ユウイに色々と言うことが」
「まあまあ、騒がない騒がない」

とりあえず、残っていたメンバーを集め、見渡す。まっさきに不平が飛び出したのは学生組のトキコとリオトだった。
気持ちはわからんでもな――――すまん、全くわからんがともかく聞け。ユウムもこっち向け、おい。

「私はまだ生体兵器のデータ解析が終わっていないのですが」
「ゼアさん、何か大事な用事みたいですよ」

苛々と足を踏み鳴らすゼアを、隣にいるリイが宥める。

「つまらねぇ用事なら、てめぇを殺すぞ」
「血の気が多いにもほどがあるだろ。ちょっと落ちつけてめぇは」
「頭に虫が湧いているようだなお前たちは。まったく、これだから凡人は」
『じゃかぁしい!!』

言い争う狂夜とスキュアロウにチネンが鼻を鳴らして呟き、即座に両方からビンタを喰らう。……ひっくり返ったが、大丈夫か?

「……次の授業の準備があるので、どうかお早く」

入口近くにしゃんとして立つナナが言う。有能なのはいいが、どうも浮いている感じがする。何か企んでいないだろうな?

「……何でもいいですよ、もう」
「ハ、だったら消えな。聞く気がねぇなら邪魔だ」

生物兵器もどきのウツロミチルが辛辣な言葉を投げている。ま、もっともだが。





「あのう、報告ってなんなんでしょうか……?」
「サヨリは帰ってていいよ、ジングウ様にはボクから伝えとくから!」

サヨリとかいう擬人兵がいる。あいつ、聞いていたのか。……何か気に食わん。その隣でマキナが異様に嬉しそうなのがなおさら気に入らん。ジングウのどこがいいんだ、あんな奴の。

「こうして集められた所から見ると、結構な報告のようですが?」
「………」

エドワードエレナの兄妹がこちらを見つめる。前から思っていたが、何と言うか、浮世離れしたような雰囲気があるが……上手く言えん。何だ、こいつらは?

「(ZZZ……)」
「ねーおん、起きろー。立ったまま寝ないのー」
「クロウさんから何かあるみたいですよ?」

立ったまま寝ているネオンを両側からエミ・ウミが揺さぶっているが、起きる気配がない。おい、何を聞いていたんだ。忙しいのは分かるが頼むから起きろ。

「えぇと、早く教えてくれませんか? 何の報せですか?」
「んん~、まあそこそこには重要なんでしょ?」

見た目も中身も似ているのに、物腰だけが微妙に違う鈴と令。今から話すから、よく聞け。

「わざわざ集まってもらって恐縮だ。待たせはしない、簡潔に行くぞ」
「前置きはいい、さっさと説明してもらおうか」

チネンがまたしても口をはさんで来た。ええい、苛々する。

「……今から言う所だ。余計な口を挟むな」

そちらを睨みつけた後、改めて本題に入る。

「ここにいないメンバーには後で俺から伝えておく。……先日、総帥からメンバー全員にとある命令が下った」

総帥のことを出した途端、全員(一部除く)の表情が真剣そのものに切り替わった。

「鴉さん、内容は?」
「簡単だ」



「『ヴァイス=シュヴァルツを、グループの総力を上げて抹殺せよ。これは、実行可能な状況となった場合、現状における全ての指示に優先する』とのことだ」




抹殺指令

(指示の真意は)
(排除すること)
(「神」に近しい、その男を)

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最終更新:2011年07月29日 19:44