「うし、そろそろ行こうぜ」
学校の門の前に四人の人間がいた。
人吉善吉は朝焼けの空を見上げて。紅葉知弦は髪を掻き上げて何時も通りの顔で薄く笑い。
十六夜咲夜は手に持つミセリコルデをくるくると回し。睦月透真は咲夜の手遊びを危ないからやめろとぶつぶつと呟き。
人吉善吉は朝焼けの空を見上げて。紅葉知弦は髪を掻き上げて何時も通りの顔で薄く笑い。
十六夜咲夜は手に持つミセリコルデをくるくると回し。睦月透真は咲夜の手遊びを危ないからやめろとぶつぶつと呟き。
「ええそうね。いつまでもここに留まっている訳にはいかないもの」
後ろにある学校に別れを告げる。誰もがこの島にいる友達、仲間、家族を捜す為に。
この学校に閉じこもり、安全という殻に逃げることもできた。籠城していれば生存確率も上がる。
最も、禁止エリアに指定された場合は移動する他ないのだがそれでも安全という面から見ても十分なメリットとなる。
だが、全員それを拒否した。安全の殻の外への脱却を選んだのだ。
情報の交換と軽い食事を済ませてから四人は学校を立つことに決めた。
なぜか情報交換がスムーズに行われたことに誰も気づきはしなかったのではあるが。
この学校に閉じこもり、安全という殻に逃げることもできた。籠城していれば生存確率も上がる。
最も、禁止エリアに指定された場合は移動する他ないのだがそれでも安全という面から見ても十分なメリットとなる。
だが、全員それを拒否した。安全の殻の外への脱却を選んだのだ。
情報の交換と軽い食事を済ませてから四人は学校を立つことに決めた。
なぜか情報交換がスムーズに行われたことに誰も気づきはしなかったのではあるが。
「……本当に一人で行くのか」
「まあね、私は単独行動の方が性に合うし。それに一人探したい人もいるし」
「だったら全員で固まって行動して捜せばいいだろ」
「それは効率的じゃないわ。別れて捜した方が誰かと会う確率も跳ね上がる」
「まあね、私は単独行動の方が性に合うし。それに一人探したい人もいるし」
「だったら全員で固まって行動して捜せばいいだろ」
「それは効率的じゃないわ。別れて捜した方が誰かと会う確率も跳ね上がる」
そして四人の中でただ一人咲夜は単独行動をすることを望んだ。
表向きは捜したい人がいると説明されたが、透真は何となくではあるけれどその理由に何処か違和感を感じていた。
はっきりとしたものではなく薄ぼんやりとした半ば勘のようなものであった為に言及こそはしなかったが。
表向きは捜したい人がいると説明されたが、透真は何となくではあるけれどその理由に何処か違和感を感じていた。
はっきりとしたものではなく薄ぼんやりとした半ば勘のようなものであった為に言及こそはしなかったが。
「そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫よ、私はそれなりに強いから」
最後に軽く笑って咲夜は透真達とは反対の方向へ歩を進め始めた。手をひらひらと適当に振って咲夜は朝焼けの街へと消えていった。
「大丈夫だろうか……」
「きっとまた会えますって、みんな無事でね」
「心配なら付いて行ってあげたら? 別に無理して別れなくてもいいでしょうに」
「いや、いいさ。人吉の言う通りきっとまた生きて会える。俺達はこんな所で死んでられないしな。早く知り合いとも会いたいし」
「そうね。アカちゃん……今頃泣いてないといいんだけど。でもそれはそれで興奮するわね……ふふっ」
「……はは、とにかく行こう。立ち止まっている暇はない」
「きっとまた会えますって、みんな無事でね」
「心配なら付いて行ってあげたら? 別に無理して別れなくてもいいでしょうに」
「いや、いいさ。人吉の言う通りきっとまた生きて会える。俺達はこんな所で死んでられないしな。早く知り合いとも会いたいし」
「そうね。アカちゃん……今頃泣いてないといいんだけど。でもそれはそれで興奮するわね……ふふっ」
「……はは、とにかく行こう。立ち止まっている暇はない」
最後に透真は力強く言い捨てて、咲夜とは反対の方高へと足をすすめる。
願わくは知り合った人々がみんな後腐れなく帰れる未来を。
それぞれがこの先を絶対に生き残ってみせると誓って。
こうして三人は学校に別れを告げた。
願わくは知り合った人々がみんな後腐れなく帰れる未来を。
それぞれがこの先を絶対に生き残ってみせると誓って。
こうして三人は学校に別れを告げた。
◆ ◆ ◆
学校の別れから数分後、咲夜は思考の海に身を沈めていた。
(さて、と。一人になれたことだし落ち着いて考えましょうか。
今、私が置かれている状況について。私、十六夜咲夜は殺し合い――バトル・ロワイアルとかいうゲーム……まあ異変ね。
それに巻き込まれている。巻き込まれたのは私、美鈴、香霖堂の店主というおかしな人選、これはミスじゃないのってぐらいおかしいわね)
今、私が置かれている状況について。私、十六夜咲夜は殺し合い――バトル・ロワイアルとかいうゲーム……まあ異変ね。
それに巻き込まれている。巻き込まれたのは私、美鈴、香霖堂の店主というおかしな人選、これはミスじゃないのってぐらいおかしいわね)
そう、この場には重要な人物がいない。異変を解決する役割を持つ博麗の巫女、博麗霊夢がいない。
加えて、それに追従するかのように異変に対してよく首を突っ込む霧雨魔理沙もこの島には呼ばれていないのだ。
これはなぜか。その代わりというのだろうか、森近霖之助がこの島にいることには特段に違和感を覚える。
彼は元々弾幕勝負も異変解決もしないしがない道具屋の店主であるはずだ。それが何故ここにいるのか。
加えて、それに追従するかのように異変に対してよく首を突っ込む霧雨魔理沙もこの島には呼ばれていないのだ。
これはなぜか。その代わりというのだろうか、森近霖之助がこの島にいることには特段に違和感を覚える。
彼は元々弾幕勝負も異変解決もしないしがない道具屋の店主であるはずだ。それが何故ここにいるのか。
(これについてはあの郷田って奴の趣味ってところかしらね、まあこれは考えたってわかることではないから保留。
次にこの四次元デイバック。こんな芸当ができる奴には心当たりがありすぎる)
次にこの四次元デイバック。こんな芸当ができる奴には心当たりがありすぎる)
咲夜が持つデイバッグは幾らでも入る。学校の探索時に使えそうなものをひょいひょいと入れる作業を何度も繰り返したがまるで重さは変わらない。
最初に持った時と変わらない重さを維持し、形も変容しない。こんなものを作ることが出来る人物は一人しかいない。
最初に持った時と変わらない重さを維持し、形も変容しない。こんなものを作ることが出来る人物は一人しかいない。
(八雲、紫)
「境界を操る程度の能力」を持つ幻想郷の支配者とも言える存在。紫がこの異変に関わっているならば全員を連れてくることだってあっという間に出来る。
四次元デイバックも彼女が操るスキマの応用ということで決着はつくし、自分の時を止める程度の能力がかかりにくい理由も博麗大結界を応用して制限されたのだとしたら納得がいく。
彼女が関わっていると疑う理由には十分すぎるぐらいにピースが揃っている。
四次元デイバックも彼女が操るスキマの応用ということで決着はつくし、自分の時を止める程度の能力がかかりにくい理由も博麗大結界を応用して制限されたのだとしたら納得がいく。
彼女が関わっていると疑う理由には十分すぎるぐらいにピースが揃っている。
(ああ本当に厄介……彼女が関わっているとなるとこの島からの脱出も容易じゃない。脱出できたとしてもスキマでまた落とされるのがオチね。
八方塞がりってやつか、もうどうして私が呼ばれたのかしら……)
八方塞がりってやつか、もうどうして私が呼ばれたのかしら……)
呼ばれる理由は、あるかもしれない。それでも理不尽だと咲夜は思う。元々殺人なんて好いてはいないし、そこまで狂人に落ちた覚えもない。
だとしたら胸によぎる感情はやはり不満。意味もなく異変に参加させられているという屈辱。
だとしたら胸によぎる感情はやはり不満。意味もなく異変に参加させられているという屈辱。
(この首輪についてもあまり好ましくないわね。私、機械に強くないし。これについては誰か詳しい人でも捜すしかない。
香霖堂の店主辺りが詳しければ助かるのだけれど)
香霖堂の店主辺りが詳しければ助かるのだけれど)
咲夜は一旦思考を打ち切り、肩を回す。身体全体にのしかかる疲労感が動きを鈍くする。
未だに戦闘こそしていないが常に緊迫したこの島では心を落ち着かせることはできない、そう認識していた。
未だに戦闘こそしていないが常に緊迫したこの島では心を落ち着かせることはできない、そう認識していた。
「こんなにも綺麗な空なのに……憂鬱だわ」
青とオレンジが入り交じった朝焼けの空を見上げる。
空は思わずため息をつくぐらいに綺麗で、残酷だった。
空は思わずため息をつくぐらいに綺麗で、残酷だった。
「そういえば、あの時計塔の地下にあった大きな門は……何だったのかしら。人吉は時計塔は知ってるけど門は知らないって言うし。
あの数字入力の板に関してもまあ、今はどうでもいいか。入力しても何も変化はなかったから考えても無駄でしょう」
あの数字入力の板に関してもまあ、今はどうでもいいか。入力しても何も変化はなかったから考えても無駄でしょう」
門の向こうに待っている未知の世界はまだ開かれない。
あるのは手がかりか、それとも罠か。この時の四人は何もわからなかった。
まだ全員が運命に操られている“駒”の分際にすぎない。
それでも、この先に未知があるのだとしたら。きっと世界は変えられる。
あるのは手がかりか、それとも罠か。この時の四人は何もわからなかった。
まだ全員が運命に操られている“駒”の分際にすぎない。
それでも、この先に未知があるのだとしたら。きっと世界は変えられる。
――――だけど、それも“既知”なんだよ。残念なことにね。
【I-7高校/一日目・早朝】
【睦月透真@操り世界のエトランジェ】
【状態】健康
【装備】
【持ち物】 支給品一式(食料、水をいくらか消費)、不明支給品1~3、学校の治療用具
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1.冥、蒼蓮との合流。山田は……あまり気は進まないけど。
【状態】健康
【装備】
【持ち物】 支給品一式(食料、水をいくらか消費)、不明支給品1~3、学校の治療用具
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1.冥、蒼蓮との合流。山田は……あまり気は進まないけど。
【人吉善吉@めだかボックス】
【状態】肉体疲労(小)、右肩に刺突痕右肩上に切り傷(両方治療済み)、決意
【装備】左手用リボルバーナックル@魔法少女リリカルなのは
【持ち物】 支給品一式×3(一つは食料、水をいくらか消費)、スタンガン、アーマライト AR18(使用不能)、予備マガジン×3(アーマライト AR18)、
クロスボウ、竹内理緒の不明支給品1~2(銃に立ち向かえる武器はない)
【思考】
基本:堂々とめだかちゃんに会うために殺し合いには乗らない
1.黒神めだかと無事に合流したい。
【状態】肉体疲労(小)、右肩に刺突痕右肩上に切り傷(両方治療済み)、決意
【装備】左手用リボルバーナックル@魔法少女リリカルなのは
【持ち物】 支給品一式×3(一つは食料、水をいくらか消費)、スタンガン、アーマライト AR18(使用不能)、予備マガジン×3(アーマライト AR18)、
クロスボウ、竹内理緒の不明支給品1~2(銃に立ち向かえる武器はない)
【思考】
基本:堂々とめだかちゃんに会うために殺し合いには乗らない
1.黒神めだかと無事に合流したい。
【紅葉知弦@生徒会シリーズ】
【状態】健康
【装備】
【持ち物】基本支給品(食料、水をいくらか消費)、不明支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いは乗らない、生徒会のメンバーが死んだら?
1.生徒会メンバーの捜索、合流。
2.アカちゃんが心配。でもアカちゃんの泣いているとこならちょっと見たいかも。
【状態】健康
【装備】
【持ち物】基本支給品(食料、水をいくらか消費)、不明支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いは乗らない、生徒会のメンバーが死んだら?
1.生徒会メンバーの捜索、合流。
2.アカちゃんが心配。でもアカちゃんの泣いているとこならちょっと見たいかも。
【十六夜咲夜@東方Project】
【状態】健康
【装備】ミセリコルデ
【持ち物】 支給品一式(食料、水をいくらか消費)、不明支給品0~2、高校探索で手に入ったもの(後の人に任せます)
【思考】
基本:今は乗らない。
1.香霖堂の店主、美鈴との合流。
2.この異変に八雲紫が関わっている?
3.学校の地下にあった門についての疑問。
【状態】健康
【装備】ミセリコルデ
【持ち物】 支給品一式(食料、水をいくらか消費)、不明支給品0~2、高校探索で手に入ったもの(後の人に任せます)
【思考】
基本:今は乗らない。
1.香霖堂の店主、美鈴との合流。
2.この異変に八雲紫が関わっている?
3.学校の地下にあった門についての疑問。
| Back::たったひとつの冴えないやり方 | 時系列順で読む | Next:[[]] |
| Back::たったひとつの冴えないやり方 | 投下順で読む | Next:[[]] |
| Back::狂語‐クルイガタリ‐ | 睦月透真 | Next:Interval |
| Back::狂語‐クルイガタリ‐ | 十六夜咲夜 | Next:Interval |
| Back::狂語‐クルイガタリ‐ | 人吉善吉 | Next:Interval |
| Back::狂語‐クルイガタリ‐ | 紅葉知弦 | Next:Interval |