『――例えそれが神様であろうとね』
シンと久、二人の束の間の休息は最悪の形で終わりを告げた。
放送。呼ばれた死者の中には久の後輩である宮永咲と原村和があったのだ。
その名前が呼ばれた時、久の心臓の鼓動がドクンと大きく鳴った。寒くもないのに汗が浮き出てきて気持ち悪い。
動悸が止まらなかった。音がドクンドクンとうるさいぐらいに耳に入ってくる。
放送。呼ばれた死者の中には久の後輩である宮永咲と原村和があったのだ。
その名前が呼ばれた時、久の心臓の鼓動がドクンと大きく鳴った。寒くもないのに汗が浮き出てきて気持ち悪い。
動悸が止まらなかった。音がドクンドクンとうるさいぐらいに耳に入ってくる。
「まこ……?」
放送の最後で無残にも屍骸を晒した少女の一人が久にとどめをさした。
染谷まこ。彼女は久とは一番仲が良い親友だった。
一人っきりの麻雀部。仲間がいない孤独な活動に終止符を打ってくれたのがまこだった。
それからは楽しかった。最初は二人だったのが、和、優希、京太郎、咲と仲間が次々に集まってくれた。
そして、夢であった団体戦に出場することができた。
幸せ者だ、自分は。そう、思っていたはずなのに。
染谷まこ。彼女は久とは一番仲が良い親友だった。
一人っきりの麻雀部。仲間がいない孤独な活動に終止符を打ってくれたのがまこだった。
それからは楽しかった。最初は二人だったのが、和、優希、京太郎、咲と仲間が次々に集まってくれた。
そして、夢であった団体戦に出場することができた。
幸せ者だ、自分は。そう、思っていたはずなのに。
「まこが、死んだ?」
画面の向こうで脳髄と血を巻き散らしてぐしゃぐしゃになってしまった親友の姿に久は眼が釘付けだった。
割れたメガネ。ボトッと嫌な効果音付きで床に転がり落ちるどす黒い塊。萎びた緑色の髪。赤に染まったセーラー服。
誰がどう見てもどんな解釈をしても殺し合いなんて嘘だと信じても一瞬でバトル・ロワイアルは始まっているのだと目を覚ます。
割れたメガネ。ボトッと嫌な効果音付きで床に転がり落ちるどす黒い塊。萎びた緑色の髪。赤に染まったセーラー服。
誰がどう見てもどんな解釈をしても殺し合いなんて嘘だと信じても一瞬でバトル・ロワイアルは始まっているのだと目を覚ます。
「…………あは」
咲は死んだ。和は死んだ。まこは死んだ。かけがえのない大切な仲間が三人も死んでしまった。
他の参加者からは全滅ではないだけマシだと言われるのかもしれない。だが、そんなの久には関係ない。
一人が欠けてもダメなのだ、皆一緒に脱出しないと自分は嫌なのだ。
他の参加者からは全滅ではないだけマシだと言われるのかもしれない。だが、そんなの久には関係ない。
一人が欠けてもダメなのだ、皆一緒に脱出しないと自分は嫌なのだ。
「あはははっ、あは……! ははははっ!!」
なぜか乾いた笑いと涙が止まらない。笑いたくもないのに、泣きたくもないのに。
溢れ出る感情の奔流が勝手に外へと現れる。
嘘だよ、こんなの。嘘だよ、こんなの。
思考がぐるぐると同じところを周り嘘だ嘘だと脳は認識する。
溢れ出る感情の奔流が勝手に外へと現れる。
嘘だよ、こんなの。嘘だよ、こんなの。
思考がぐるぐると同じところを周り嘘だ嘘だと脳は認識する。
「あははっ、あ、は……」
自分の夢がわずか三時間程度で壊れてしまった。
みんなで全国に行こうというキラキラの夢。未来が、なくなっていく。
放送が終わってから、何も見えないし聞こえなかった。まるで自分が無音暗闇の空間にいるみたいだ。
立っている感覚はもうない。きっと地べたにへたり込んでいるのだろうか。
今の自分の姿はとてもじゃないが部員達には見せられるものではないと場違いな逃避に久はクスリと笑う。
もう、終わりだ。
みんなで全国に行こうというキラキラの夢。未来が、なくなっていく。
放送が終わってから、何も見えないし聞こえなかった。まるで自分が無音暗闇の空間にいるみたいだ。
立っている感覚はもうない。きっと地べたにへたり込んでいるのだろうか。
今の自分の姿はとてもじゃないが部員達には見せられるものではないと場違いな逃避に久はクスリと笑う。
もう、終わりだ。
「……っ」
そんな久の姿をシンはただ見ていることしか出来なかった。
自分は何を言えばいい。
『元気出せよ』、『まだ生き残っている奴はいるんだろう』、『お前はまだ生きているじゃないか』。
言葉のレパートリーはあるが全ては当たり障りのないものだ。その程度の言葉で大切な人をなくした哀しみは癒えるはずもない。
かつて家族を失った自分がそうだったように久もまた立ち直れるとは思えない。
自分は何を言えばいい。
『元気出せよ』、『まだ生き残っている奴はいるんだろう』、『お前はまだ生きているじゃないか』。
言葉のレパートリーはあるが全ては当たり障りのないものだ。その程度の言葉で大切な人をなくした哀しみは癒えるはずもない。
かつて家族を失った自分がそうだったように久もまた立ち直れるとは思えない。
(だけど、放ってなんておけない)
最も、シンは久を見捨てる気はさらさらなかった。
救うと決めた命をわざわざ自分から取りこぼすことはしない。
ある程度の冷却期間をおいたらどうにかして前を向けるように言葉を掛かけるつもりだ。
この状況がいつまでも続けば自分達の身も危険である。
救うと決めた命をわざわざ自分から取りこぼすことはしない。
ある程度の冷却期間をおいたらどうにかして前を向けるように言葉を掛かけるつもりだ。
この状況がいつまでも続けば自分達の身も危険である。
(どうにかして現状を打破しないとこのままだと……)
そう、今のシン達はとても危険な状態だ。
久は地面に座り込み放心状態であり無防備に近い。シン自身はいつでも戦闘に巻き込まれてもいいように核鉄を服に忍ばせてはいる。
それでも仮にこの状況に浸け込んで襲撃者が現れたとしたら久を護り抜くことはできるだろうか。
その答えは想像するまでもなくわかることだ。
もう少し落ち着かせたかったがシンは久に声をかけることを決めた。
静から動へ。行動しなければ現状打破は不可能と判断する。
久は地面に座り込み放心状態であり無防備に近い。シン自身はいつでも戦闘に巻き込まれてもいいように核鉄を服に忍ばせてはいる。
それでも仮にこの状況に浸け込んで襲撃者が現れたとしたら久を護り抜くことはできるだろうか。
その答えは想像するまでもなくわかることだ。
もう少し落ち着かせたかったがシンは久に声をかけることを決めた。
静から動へ。行動しなければ現状打破は不可能と判断する。
「外、出ようか」
久の突然の言葉にシンは出鼻をくじかれる。だが思考をすぐに現実へと戻して考える。
どうする? 襲われたら危険ではないか?
いろいろ頭の中で試行錯誤した結果、シンが出した結論はイエスだった。
外の涼しい空気を吸うことで久にとっては気晴らしにでもなるだろうし、加えてシンも外の空気を吸って火照った頭を冷やしたかった。
どうする? 襲われたら危険ではないか?
いろいろ頭の中で試行錯誤した結果、シンが出した結論はイエスだった。
外の涼しい空気を吸うことで久にとっては気晴らしにでもなるだろうし、加えてシンも外の空気を吸って火照った頭を冷やしたかった。
「シン君、ごめんね」
「何だよ、いきなり」
「何だよ、いきなり」
外に出ていきなり久に謝罪されてシンは訳もわからずに戸惑う。
久は謝られるようなことをやっていない……とは思ったが、
無理やりに近い形で同行させられ朝食を作るはめになったりとそれなりに振り回されはしたことを思い出しはしたがこんな状況で謝るようなことではない。
久は謝られるようなことをやっていない……とは思ったが、
無理やりに近い形で同行させられ朝食を作るはめになったりとそれなりに振り回されはしたことを思い出しはしたがこんな状況で謝るようなことではない。
「まさか、私があんなにも取り乱すなんてね。でも、それも仕方ないかなって思う。
咲と和はこんな私のことを慕ってくれた大切な後輩だったから。
麻雀を楽しむ普通の子達だったのに、殺し合いに巻き込まれる謂れなんてない子達だったのに……。
なんかさ、あの子達を見てるとこっちも元気になってくるのよね」
咲と和はこんな私のことを慕ってくれた大切な後輩だったから。
麻雀を楽しむ普通の子達だったのに、殺し合いに巻き込まれる謂れなんてない子達だったのに……。
なんかさ、あの子達を見てるとこっちも元気になってくるのよね」
久は泣きそうな笑顔でかつての日常をぽつぽつと喋り始めた。
その話には悲しい事なんて一つもなくて辛いけど楽しくて明るい日常だけがあった。
その話には悲しい事なんて一つもなくて辛いけど楽しくて明るい日常だけがあった。
「まこは一人だった私を助けてくれた救世主みたいなものだったかな。まこがいなかったら私は麻雀をやめていたかもしれないし。
まあそんなことを抜いてもまこは私の大切な親友。
もうけっこう長い付き合いになるのかな……さっきで終わっちゃったけど。
今でも思い出せるよ、どっちもまごついてて挨拶というか言葉の交わし合いにすらなってなかったあの出会いは。
それでも――私には忘れられない大切な一ページ」
まあそんなことを抜いてもまこは私の大切な親友。
もうけっこう長い付き合いになるのかな……さっきで終わっちゃったけど。
今でも思い出せるよ、どっちもまごついてて挨拶というか言葉の交わし合いにすらなってなかったあの出会いは。
それでも――私には忘れられない大切な一ページ」
シンは久の独白を黙って聴き続ける。遮ることもできたが、虫の知らせかは知らないがこの独白を遮っては取り返しがつかなくなると思ったのだ。
それに、吐き出せるものがあるならできるだけ吐き出した方がいい。
お世辞にも口がいいとも言えない自分でもそのぐらいはできるはずだ。
それに、吐き出せるものがあるならできるだけ吐き出した方がいい。
お世辞にも口がいいとも言えない自分でもそのぐらいはできるはずだ。
「みんな、失いたくなかった。大切な人達だった」
そんなことぐらいわかっている。
あの取り乱しようを見れば久にとって彼女達は夢のようなものだったことぐらい鈍いシンにも一目瞭然だ。
そして、次に出てきた言葉はシンを驚愕させるに値するものだった。
あの取り乱しようを見れば久にとって彼女達は夢のようなものだったことぐらい鈍いシンにも一目瞭然だ。
そして、次に出てきた言葉はシンを驚愕させるに値するものだった。
「もう一度言うわ。ごめんね、シン君。私はこの殺し合いに乗るわ」
そう言って久はゆっくりと振り返る。
その虚ろな瞳の中はもうシンはいない。もう届かない日常であったものだけを映していた。
その虚ろな瞳の中はもうシンはいない。もう届かない日常であったものだけを映していた。
「アデアット」
言の葉が紡がれるのと同時に久の周囲には十五もの短刀が浮かび上がる。その刃先は全てシンの方角を向いておりいつでも発射できる態勢だ。
その動作を受けてシンも無警戒ではいられない。
武装錬金と呟いて両手にモーターギアを装着させた。そして辺りを見回して戦地の状態を確かめる。
いくらシンが鍛えられた軍人といえども油断は命取りだ。誰であってもこの島ではあっさりと命を落とすのだから。
その動作を受けてシンも無警戒ではいられない。
武装錬金と呟いて両手にモーターギアを装着させた。そして辺りを見回して戦地の状態を確かめる。
いくらシンが鍛えられた軍人といえども油断は命取りだ。誰であってもこの島ではあっさりと命を落とすのだから。
「本気かよ……あんた!」
「う~ん、本気かな。私に出来ることはそれくらいしかないもの。私は最後の一人になる。
須賀君も優希も私が責任を持って殺してまこ達と一緒に生き返らせる。そしたらまた全国を目指すことが、みんなで麻雀をすることができる」
「ふざけるな……ふざけるなよ、アンタっ!」
「う~ん、本気かな。私に出来ることはそれくらいしかないもの。私は最後の一人になる。
須賀君も優希も私が責任を持って殺してまこ達と一緒に生き返らせる。そしたらまた全国を目指すことが、みんなで麻雀をすることができる」
「ふざけるな……ふざけるなよ、アンタっ!」
その言葉にシンは怒りの炎を上げる。今の一言だけは見逃すことができない。
死者蘇生。ああ、それは甘美なる誘惑だ。何しろ大切な人達ともう一度笑い合えるのだから。
大切な人を失った経験がある人ならば誰もが一度は考える願いだろう。
シンも大切な人を失った時はそう考えた。こんなはずじゃない現実から逃げ出したいと思った。
死者蘇生。ああ、それは甘美なる誘惑だ。何しろ大切な人達ともう一度笑い合えるのだから。
大切な人を失った経験がある人ならば誰もが一度は考える願いだろう。
シンも大切な人を失った時はそう考えた。こんなはずじゃない現実から逃げ出したいと思った。
「何が死んだ皆を生き返らせるだっ! 悲しみも怒りも苦しみも痛みも後悔も喪失感もアンタが今抱いた全部の感情を捨て去るっていうのかよッ!」
「それの何が悪いの? 私は弱いのよ、咲や和、まこがいないなんて耐えられないの。みんな揃っていなきゃ私は嫌……!
願うしかないのよ、死者の蘇生を。私がこれからも私である為に。シン君は認めてくれないの? 君はわかってくれないの?」
「当たり前だっ!! 俺は絶対に死者蘇生なんて認めないしわかってなるものか! 認めたら俺の今までは無駄になるっ!」
「それの何が悪いの? 私は弱いのよ、咲や和、まこがいないなんて耐えられないの。みんな揃っていなきゃ私は嫌……!
願うしかないのよ、死者の蘇生を。私がこれからも私である為に。シン君は認めてくれないの? 君はわかってくれないの?」
「当たり前だっ!! 俺は絶対に死者蘇生なんて認めないしわかってなるものか! 認めたら俺の今までは無駄になるっ!」
だけど、シンはそんな歪んだ願いを認めない。
家族を失った苦しみも。初めて敵を殺した痛みも。
助けられなかった味方に対しての後悔も。ステラが死んだ時に抱いた怒りも。
フリーダムを討った時の歓喜も。アスランとメイリンを殺した時に生まれた喪失感も。
認めてしまったら全てがなかったことになる。そんなことは許せないし望んではいけない。
シン・アスカは過去を背負って今まで道を走ってきたのだから。
家族を失った苦しみも。初めて敵を殺した痛みも。
助けられなかった味方に対しての後悔も。ステラが死んだ時に抱いた怒りも。
フリーダムを討った時の歓喜も。アスランとメイリンを殺した時に生まれた喪失感も。
認めてしまったら全てがなかったことになる。そんなことは許せないし望んではいけない。
シン・アスカは過去を背負って今まで道を走ってきたのだから。
「人を殺すってのは簡単だ、俺は数えきれないぐらいに殺してきたからわかる。
銃で撃てば人は死ぬ。命の価値は平等じゃないし戦場ではエースだろうと一般兵だろうと死ぬときは死ぬ。
俺だって思うさ、あの時あれをしていればこれをしていればなんてしょっちゅう考えているさ。
それでも、やり直すことなんてできない!!!!
起きたことは戻せないんだっ! 死んだ奴は死んだままなんだっ! どんなに理不尽でもそれだけは変わらない!!!
アンタの身勝手な悲しみに無関係な人間を巻き込んでいい権利はありはしない!!」
「理不尽でも、なんでもいい。私は取り戻すのよ、みんなを。
私のことを本当に思ってくれているならさ……死んで私の覚悟を定めるきっかけになってくれないかなシン君――っ! 全弾――発射ッッ!」
銃で撃てば人は死ぬ。命の価値は平等じゃないし戦場ではエースだろうと一般兵だろうと死ぬときは死ぬ。
俺だって思うさ、あの時あれをしていればこれをしていればなんてしょっちゅう考えているさ。
それでも、やり直すことなんてできない!!!!
起きたことは戻せないんだっ! 死んだ奴は死んだままなんだっ! どんなに理不尽でもそれだけは変わらない!!!
アンタの身勝手な悲しみに無関係な人間を巻き込んでいい権利はありはしない!!」
「理不尽でも、なんでもいい。私は取り戻すのよ、みんなを。
私のことを本当に思ってくれているならさ……死んで私の覚悟を定めるきっかけになってくれないかなシン君――っ! 全弾――発射ッッ!」
久はキッと眼を鋭く尖らせた瞬間、周囲の短刀が高速でシンに向けて飛翔した。
さすがのシンでも十五もの短刀をとてもじゃないが一気に捌き切れない。
あの短刀の正体がわからない今、とりあえずは距離をとってどう攻め立てるかを考えるべきだ。
シンはひとまずの結論を下して両手につけたモーターギアを足につけて横に後ろにと距離をとって回避する。
さすがのシンでも十五もの短刀をとてもじゃないが一気に捌き切れない。
あの短刀の正体がわからない今、とりあえずは距離をとってどう攻め立てるかを考えるべきだ。
シンはひとまずの結論を下して両手につけたモーターギアを足につけて横に後ろにと距離をとって回避する。
「何度でも言うさ、そんな願いは間違っている! 死者蘇生なんて逆戻りは許される訳がない!」
「間違ってなんかいないわ! それに、シン君に何がわかるっていうのよ! シン君は大切な人を失ったことがあるの!?」
「ああ、あるね!! 俺だって大切な人を何人も亡くしたよ! 家族を、ステラを、ヴェステンフルス隊長を、メイリンを…………アスランを……っ!!
家族は俺があの時にもっと早く避難しようって言ってたら死ななかった! ステラとヴェステンフルス隊長は俺が強かったら死ななかった!!
メイリンとアスランは俺が……! 俺がもっとうまくやれたらっっ…………!!! いつだって、俺は後悔ばかりで無くしたものなんてもう数え切れない!」
「何よ、それ……。そんなの報われなさすぎるじゃない! 今まで辛い中で生きてきたんでしょう! 優勝の願いでそれらを覆せるかもしれないのよ!
どうして優勝して願いを叶えるって発想にならないのよ!
大切な人をみんな蘇らせて……っ! 無くしたものを拾い集めて幸せになるって!」
「間違ってなんかいないわ! それに、シン君に何がわかるっていうのよ! シン君は大切な人を失ったことがあるの!?」
「ああ、あるね!! 俺だって大切な人を何人も亡くしたよ! 家族を、ステラを、ヴェステンフルス隊長を、メイリンを…………アスランを……っ!!
家族は俺があの時にもっと早く避難しようって言ってたら死ななかった! ステラとヴェステンフルス隊長は俺が強かったら死ななかった!!
メイリンとアスランは俺が……! 俺がもっとうまくやれたらっっ…………!!! いつだって、俺は後悔ばかりで無くしたものなんてもう数え切れない!」
「何よ、それ……。そんなの報われなさすぎるじゃない! 今まで辛い中で生きてきたんでしょう! 優勝の願いでそれらを覆せるかもしれないのよ!
どうして優勝して願いを叶えるって発想にならないのよ!
大切な人をみんな蘇らせて……っ! 無くしたものを拾い集めて幸せになるって!」
シンは肩にかけたデイバッグからスコップを取り出してそのまま左手で強く握り締める。
その取り出した隙を突くかのように右から飛んでくる刃をシンはスコップで打ち払い、正面、後ろからの刃はモーターギアを飛ばすことで斬り落とす。
その取り出した隙を突くかのように右から飛んでくる刃をシンはスコップで打ち払い、正面、後ろからの刃はモーターギアを飛ばすことで斬り落とす。
「言っただろ、死んだことを! 起きたことをなかったことにしてはいけないんだ!! 大切な人達を生き返らせるなんて間違った望みは俺は持てない。
それに、俺が戦場で殺してきた人達にも大切だって人はいたしきっとその人達は俺を殺したい程に憎んでいると思う。
そんな人達を置き去りにして俺だけが大切な人を取り戻すだって? それだけは駄目だ、許せない」
「君にも理屈抜きにしても助けたかった人が! 護りたかった人がいたんでしょう!」
「ああ、俺を心から信頼してくれた妹がいたよ! こんな俺を好きだって言ってくれた女の子がいたよ!
だけど……っ! 取り戻すチャンスが目の前に転がってきたからって拾うなんて無理だ。
第一、俺は軍人だ、命を賭してでも戦争をなくして平和を築くのが願いなんだ。俺自身が幸せになることが願いじゃない」
それに、俺が戦場で殺してきた人達にも大切だって人はいたしきっとその人達は俺を殺したい程に憎んでいると思う。
そんな人達を置き去りにして俺だけが大切な人を取り戻すだって? それだけは駄目だ、許せない」
「君にも理屈抜きにしても助けたかった人が! 護りたかった人がいたんでしょう!」
「ああ、俺を心から信頼してくれた妹がいたよ! こんな俺を好きだって言ってくれた女の子がいたよ!
だけど……っ! 取り戻すチャンスが目の前に転がってきたからって拾うなんて無理だ。
第一、俺は軍人だ、命を賭してでも戦争をなくして平和を築くのが願いなんだ。俺自身が幸せになることが願いじゃない」
前からの短刀二つをスコップで横一閃に薙ぎ払う。モーターギアは縦横無尽に空を駆けて飛来する短刀を次々と撃ち落としていく。
斬る、抉る、潰す。スコップとモーターギアを巧みに操ることで短刀をシンの身体へと届かせない。
斬る、抉る、潰す。スコップとモーターギアを巧みに操ることで短刀をシンの身体へと届かせない。
「俺は正しいって思える道を走っている。その道を外れることはしたくない。それに目先の幸せに目が眩んで自分を曲げて逃げるなんて、するもんか!
そうじゃなきゃ俺自身が正しいと思って殺してきた人達は無駄死だ!」
「シン君は強いんだね……でも私は弱いんだよ? 悲しみも怒りも苦しみも痛みも後悔も喪失感も全部いらない!
みんなが……! みんなとまた会えるだけでいいの! それだけで私は夢を見ていられる!」
「まだ悪夢から目が覚めないのかよ! どうしても目を覚ましたくないっていうんなら俺が起こしてやる! 俺はアンタを救ってみせる――ッ!」
そうじゃなきゃ俺自身が正しいと思って殺してきた人達は無駄死だ!」
「シン君は強いんだね……でも私は弱いんだよ? 悲しみも怒りも苦しみも痛みも後悔も喪失感も全部いらない!
みんなが……! みんなとまた会えるだけでいいの! それだけで私は夢を見ていられる!」
「まだ悪夢から目が覚めないのかよ! どうしても目を覚ましたくないっていうんなら俺が起こしてやる! 俺はアンタを救ってみせる――ッ!」
もう待ちの態勢は止めだ。無理矢理にでも前へ、先へ突き進む。身体が傷つくこと覚悟で進路を前へと変えて疾走する。
途中、多数の刃が襲いかかってくるがスコップとモーターギアによる防御により大部分の傷はかすめる程度に留まったが全くの無傷という訳にはいかなかった。
途中、多数の刃が襲いかかってくるがスコップとモーターギアによる防御により大部分の傷はかすめる程度に留まったが全くの無傷という訳にはいかなかった。
「ッ~~~~」
スコップとモーターギアによる防御を抜けだした刃が左腕に深く突き刺さる。
刺さった部位からは血が吹き出してきた。それに手からスコップを落としてしまうくらいに痛い。せっかく着替えた服がまた赤く染まっていく。
だが、痛みに苦痛の声を上げている暇なんかないし上げるつもりもない。
こんな些細な傷よりも深く傷ついている少女は今も闇にとらわれているのだから。
救うと誓ったのだ、彼女に。そして、何よりも自分自身に。
刺さった部位からは血が吹き出してきた。それに手からスコップを落としてしまうくらいに痛い。せっかく着替えた服がまた赤く染まっていく。
だが、痛みに苦痛の声を上げている暇なんかないし上げるつもりもない。
こんな些細な傷よりも深く傷ついている少女は今も闇にとらわれているのだから。
救うと誓ったのだ、彼女に。そして、何よりも自分自身に。
『私から見るとシン君はさ……ぶっきらぼうだけど優しい、普通の男の子にしか見えないから』
今までの人生で自分が普通だなんてことを言われたことはなかった。
エースエースエース、戦え戦えと戦果ばかりを褒め称える周囲の環境。
所詮自分は戦いに逃避している、弱いものを殺しているだけの卑怯者にすぎない。
加えて、闇にとらわれているのは本当は自分の方なのかもしれないのだ。
自分は何が正義かすらわからなくなってきているのだから、戦うことに逃避しているのだから。
それでも今この場でやるべきことだけは明瞭だ。
竹井久の闇をこの手で切り裂くということことだけは正しいって心の底から理解している――――っ!
エースエースエース、戦え戦えと戦果ばかりを褒め称える周囲の環境。
所詮自分は戦いに逃避している、弱いものを殺しているだけの卑怯者にすぎない。
加えて、闇にとらわれているのは本当は自分の方なのかもしれないのだ。
自分は何が正義かすらわからなくなってきているのだから、戦うことに逃避しているのだから。
それでも今この場でやるべきことだけは明瞭だ。
竹井久の闇をこの手で切り裂くということことだけは正しいって心の底から理解している――――っ!
「今、起こしてやる……!」
「それは無理よ、ここでトビだよ――――『い』一刀」
「それは無理よ、ここでトビだよ――――『い』一刀」
そして幾多の斬撃を撃ち超えて、シンは久の元へと辿り着く。
それがあくまで久の演出だと気づかずに。
最も、シンは油断しているつもりなどなかった。しかし、いきなり無の空間から短刀が更に出てくるなどとは誰が想像できようか。
これは最初に出した短刀で全部だと思ってしまったシンのミス。
久の言葉に呼応して飾り房のついた短刀が宙に現れてシンの腹部へとめがけて突き刺さろうとしていた。
この刃がシンを殺す約束された敗北の一撃!
それがあくまで久の演出だと気づかずに。
最も、シンは油断しているつもりなどなかった。しかし、いきなり無の空間から短刀が更に出てくるなどとは誰が想像できようか。
これは最初に出した短刀で全部だと思ってしまったシンのミス。
久の言葉に呼応して飾り房のついた短刀が宙に現れてシンの腹部へとめがけて突き刺さろうとしていた。
この刃がシンを殺す約束された敗北の一撃!
(ふざけるな……! 俺はまだ……っ)
そんなものは否定してしまえ。躱してみせろ、その一撃。
ZAFTのエースならそのぐらい造作も無いことだろう。
シン・アスカには敗北を勝利へと塗り替えるだけの実力があるのだ。
さあ、この手で。約束された敗北の一撃を覆せ――――!
ZAFTのエースならそのぐらい造作も無いことだろう。
シン・アスカには敗北を勝利へと塗り替えるだけの実力があるのだ。
さあ、この手で。約束された敗北の一撃を覆せ――――!
「死ねないんだあああぁああぁああぁぁぁああああああ!」
その強い思いに呼応するかのように頭の中の何かが割れる感覚を感じた。
見える。究極なまでに強化された各種感覚がもう手遅れなまでの一撃を察知し、今ならば躱すことができる。
飛来する刃を、身体を横に傾けることでギリギリに回避する。
まさか躱されるとは思っていなかったのか久は目をぎょっとしながらシンを見つめる。
瞬間。崩れていた態勢を無理矢理に戻す。乱暴な戻し方だったせいで体の節々が痛いが気にするまでもない。
『竹井久を助ける』。
その言葉の前では自分の身体など些細で世界の片隅に置いておくことでしかないのだから。
だから刃よ――――俺の前から消えてなくなれ。
ありったけの念を込めて刃の両側面に二つのモーターギアを叩きこむ。
二方からの衝撃に耐え切れなかったか刃はパキン、と小気味良い音と共に折れて砕け散る。
勝利の女神をシンは力づくで自分の方へと振り向かせた。
見える。究極なまでに強化された各種感覚がもう手遅れなまでの一撃を察知し、今ならば躱すことができる。
飛来する刃を、身体を横に傾けることでギリギリに回避する。
まさか躱されるとは思っていなかったのか久は目をぎょっとしながらシンを見つめる。
瞬間。崩れていた態勢を無理矢理に戻す。乱暴な戻し方だったせいで体の節々が痛いが気にするまでもない。
『竹井久を助ける』。
その言葉の前では自分の身体など些細で世界の片隅に置いておくことでしかないのだから。
だから刃よ――――俺の前から消えてなくなれ。
ありったけの念を込めて刃の両側面に二つのモーターギアを叩きこむ。
二方からの衝撃に耐え切れなかったか刃はパキン、と小気味良い音と共に折れて砕け散る。
勝利の女神をシンは力づくで自分の方へと振り向かせた。
「俺の勝ちだ…………ッ!」
「うん、そして私の負けだね」
「うん、そして私の負けだね」
久が持つデイバッグの中に入っているのは大きな黒い剣のみ。
その剣はとてもじゃないが久には扱えない重さの代物だ。よって、久の武器はもうない。
それに武器もない素手の少女が日頃から鍛えている軍人に敵うはずもない。
その剣はとてもじゃないが久には扱えない重さの代物だ。よって、久の武器はもうない。
それに武器もない素手の少女が日頃から鍛えている軍人に敵うはずもない。
「じゃあ敗者らしくすっぱりと殺してくれないかな。私は……負けたのよ、賭けに」
久は両手を広げてニコリと笑う。その顔つきには数秒前の鬼気は欠片もなく、どこかすっきりとしていた。
瞳の光は消えて、生きることへの渇望など存在せず、今は死んだら仲間達に会えるのかなと諦観に染まっていた。
瞳の光は消えて、生きることへの渇望など存在せず、今は死んだら仲間達に会えるのかなと諦観に染まっていた。
「咲、和、まこ……今行くから」
「何勝手に死ぬって決めてるんだよ。覚悟決めてる所悪いけどさ、俺はアンタを殺さない」
「何勝手に死ぬって決めてるんだよ。覚悟決めてる所悪いけどさ、俺はアンタを殺さない」
シンはモーターギアを核鉄へと戻し、落ちていたスコップを拾って肩に背負ったデイバッグへとしまい込む。
武器をしまうということは自分を殺さない?
やっと自由になれると思っていた久はその振る舞いに数秒間固まってしまう。
武器をしまうということは自分を殺さない?
やっと自由になれると思っていた久はその振る舞いに数秒間固まってしまう。
「何で殺さないの……? 私、シン君殺そうとしたんだよ?」
「……そんな事言われてもな。結局、俺は死ななかったわけだし」
「関係ないわよ……」
「関係あるね。それに俺から見ると“久”はただ泣いているだけだったし」
「……そんな事言われてもな。結局、俺は死ななかったわけだし」
「関係ないわよ……」
「関係あるね。それに俺から見ると“久”はただ泣いているだけだったし」
自分を名前で呼んでと言ってもめんどくさいからアンタでいいと頑なに閉じこもっていた彼が初めて名前を呼んだ。
その言葉は力強さが込められていて不快ではなかった。そんな自分に恥ずかしさを感じて顔が真っ赤に染まる。
湯気が出るくらいに熱があるかもしれないという錯覚があるくらいだ。
その言葉は力強さが込められていて不快ではなかった。そんな自分に恥ずかしさを感じて顔が真っ赤に染まる。
湯気が出るくらいに熱があるかもしれないという錯覚があるくらいだ。
「殺してよ、楽にさせてよ……! 私は、もう……仲間が死んでいくなんてプレッシャーに耐えられないの……」
「なら、俺が久のプレッシャーを取り除く。俺が久の仲間も護る。それに死んでいった親友や後輩の分まで、お前のそばにいる」
「ダメだよ、それじゃあシン君が苦しくなる。私の分なんて捨てていいから……君は君自身が無くしたくないものを護りなよ……!」
「嫌だ。無くしちゃいけないものが目の前にあるのに何で捨てなきゃいけないんだよ!
俺が絶対に護るから! だから死ぬなんて言わないでくれ……!」
「なら、俺が久のプレッシャーを取り除く。俺が久の仲間も護る。それに死んでいった親友や後輩の分まで、お前のそばにいる」
「ダメだよ、それじゃあシン君が苦しくなる。私の分なんて捨てていいから……君は君自身が無くしたくないものを護りなよ……!」
「嫌だ。無くしちゃいけないものが目の前にあるのに何で捨てなきゃいけないんだよ!
俺が絶対に護るから! だから死ぬなんて言わないでくれ……!」
強く、強く。シンは華奢な久の体を抱きしめる。
抱きしめられた久としてはこんなことは生まれて初めてだから硬直する。
彼のぬくもりは暖かくて、自分を抱きしめる力は身を委ねそうなくらいに強かった。
世界が止まる。数秒間、どちらも言葉を発せずにただなすがなされるがままだった。
今この瞬間だけはたった二人っきりの世界だった。
抱きしめられた久としてはこんなことは生まれて初めてだから硬直する。
彼のぬくもりは暖かくて、自分を抱きしめる力は身を委ねそうなくらいに強かった。
世界が止まる。数秒間、どちらも言葉を発せずにただなすがなされるがままだった。
今この瞬間だけはたった二人っきりの世界だった。
「例え久の仲間が死んでも……俺は、俺だけはいなくならない、約束する。だから、もう泣かないでくれ」
「バカ……何よそれ。そんな事言われたら私はシン君をすごく頼っちゃうよ? 私ってば弱いから」
「別にいいよ。女一人背負えないで何が軍人だよ」
「私、こんなふうにプレッシャーに弱いから迷惑かけるよ?」
「そんなのお互い様だ。俺もこれから迷惑かけるかもしれないし」
「はぁ……シン君は何で、私を見捨てないの? この島で出会ったばかりの私を……?」
「あのなあ……眼の前で泣いている人をそのまま放っておける訳ないだろ。
それにさ。嬉しかったんだ、俺が軍人でたくさんの人を殺してきたって言っても普通の男の子だって言ってくれて。
その言葉で少しだけ救われた気がしたからさ。それ抜きにしても俺は見捨てないけどな」
「何よ、たったそれだけ……」
「そのたったそれだけが俺には大きいんだよ。残念だったな……殺されようとしたって無駄だ。一度護ってみせる、と誓った以上、絶対に久を護ってやる!」
「あははは……負けよ、負け。私の完敗。そこまで言われたらしょうがないね。お姉さんとしちゃあ断り切れないよ。
シン君がどうしてもって言うなら護られようかな?」
「さっきまで泣いていたアンタが何を言ってるんだ。まあともかく。一緒にこんな島から脱出しよう。アンタには幸せになる権利があるんだから」
「バカ……何よそれ。そんな事言われたら私はシン君をすごく頼っちゃうよ? 私ってば弱いから」
「別にいいよ。女一人背負えないで何が軍人だよ」
「私、こんなふうにプレッシャーに弱いから迷惑かけるよ?」
「そんなのお互い様だ。俺もこれから迷惑かけるかもしれないし」
「はぁ……シン君は何で、私を見捨てないの? この島で出会ったばかりの私を……?」
「あのなあ……眼の前で泣いている人をそのまま放っておける訳ないだろ。
それにさ。嬉しかったんだ、俺が軍人でたくさんの人を殺してきたって言っても普通の男の子だって言ってくれて。
その言葉で少しだけ救われた気がしたからさ。それ抜きにしても俺は見捨てないけどな」
「何よ、たったそれだけ……」
「そのたったそれだけが俺には大きいんだよ。残念だったな……殺されようとしたって無駄だ。一度護ってみせる、と誓った以上、絶対に久を護ってやる!」
「あははは……負けよ、負け。私の完敗。そこまで言われたらしょうがないね。お姉さんとしちゃあ断り切れないよ。
シン君がどうしてもって言うなら護られようかな?」
「さっきまで泣いていたアンタが何を言ってるんだ。まあともかく。一緒にこんな島から脱出しよう。アンタには幸せになる権利があるんだから」
そうして二人の朝の始まりを終えた。
久は最後に思う。これから先はきっとイバラの道だ。
また泣きそうなことがあるかもしれない。また膝を屈したくなることがあるかもしれない。
それでもシンと残った仲間達がいてくれるなら自分はまだ清澄高校麻雀部の部長である竹井久でいられる。
前を向いて歩くことができる。いつか笑って麻雀を打つことができる。
だけど。
今だけは。この瞬間だけは。
ただ、このままでいたい。止まっていたい。弱い自分のままでいたい。静止された世界でぬくもりに包まれていたい。
それなのにいきなり突き飛ばすとはどういう了見だ。お姉さんは丁寧に扱うものだって――――。
久は最後に思う。これから先はきっとイバラの道だ。
また泣きそうなことがあるかもしれない。また膝を屈したくなることがあるかもしれない。
それでもシンと残った仲間達がいてくれるなら自分はまだ清澄高校麻雀部の部長である竹井久でいられる。
前を向いて歩くことができる。いつか笑って麻雀を打つことができる。
だけど。
今だけは。この瞬間だけは。
ただ、このままでいたい。止まっていたい。弱い自分のままでいたい。静止された世界でぬくもりに包まれていたい。
それなのにいきなり突き飛ばすとはどういう了見だ。お姉さんは丁寧に扱うものだって――――。
銃声が、鳴った。
お忘れだろうか、この島は何でもありな殺し合いの島であることを。
どんな武器の使用も全ては承諾されるバーリトゥードの戦場だ。
拳銃、刃物、デバイス、魔法、色気、核鉄、仮契約カード。
ありとあらゆるものを使い抜いて勝ちあがるのが常道。
正面からの衝突、大いに結構。
色仕掛けによる寝込みの一撃、大いに結構。
そして――。
どんな武器の使用も全ては承諾されるバーリトゥードの戦場だ。
拳銃、刃物、デバイス、魔法、色気、核鉄、仮契約カード。
ありとあらゆるものを使い抜いて勝ちあがるのが常道。
正面からの衝突、大いに結構。
色仕掛けによる寝込みの一撃、大いに結構。
そして――。
「ぶじ、か。ひさ……」
空気を読まぬ割り込みの一撃、大いに結構。割り込みの銃弾は確かにシンを貫いた。
ドサリと崩れ落ちていくシンを久はただ見ているだけしかできなかった。
ぬくもりが消えていく。泡沫のように何も残さないで消えていく。
ドサリと崩れ落ちていくシンを久はただ見ているだけしかできなかった。
ぬくもりが消えていく。泡沫のように何も残さないで消えていく。
「あ、あぁあ……」
シンが抱きしめていた自分を突き飛ばすことでかばったのだとわかる。嫌になるくらいにわかってしまった。
こんな道の真ん中で互いに大声で叫びあっていたのだ、敵が来るのもある種の必然である。
加えての武器も持たずに抱きしめられた状態。
これを油断と呼ばずに何という。
こんな道の真ん中で互いに大声で叫びあっていたのだ、敵が来るのもある種の必然である。
加えての武器も持たずに抱きしめられた状態。
これを油断と呼ばずに何という。
「い、いやああああぁあああああぁぁああああぁああああぁぁぁああああぁああああっっっ!?」
世界は優しくなんかない。運命の呪縛は解き放たれはしない。
例え、どれほど世界が“繰り返されようとも”。
誰一人、未来を手に入れることはできやしないのだから。
二人の約束の果ては、闇だった。
例え、どれほど世界が“繰り返されようとも”。
誰一人、未来を手に入れることはできやしないのだから。
二人の約束の果ては、闇だった。
【E-1/一日目・朝】
【シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
【状態】肉体疲労(小)、左腕に刺し傷、自己犠牲の精神、????
【装備】モーターギア@武装錬金、蝶ヶ崎蛾々丸の燕尾服@めだかボックス
【持ち物】支給品一式×2、スコップ、ブレックファーストにぴったりな材料詰め合わせ、
血濡れの軍服@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、不明支給品0~1
【思考】
基本:自分の命をかけてでも人を救う。
0.????
1.久と行動。
2.ハヤテとマリアに伝言を伝える。
【状態】肉体疲労(小)、左腕に刺し傷、自己犠牲の精神、????
【装備】モーターギア@武装錬金、蝶ヶ崎蛾々丸の燕尾服@めだかボックス
【持ち物】支給品一式×2、スコップ、ブレックファーストにぴったりな材料詰め合わせ、
血濡れの軍服@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、不明支給品0~1
【思考】
基本:自分の命をかけてでも人を救う。
0.????
1.久と行動。
2.ハヤテとマリアに伝言を伝える。
【竹井久@咲-Saki-】
【状態】:肉体疲労(中)
【装備】:なし
【持ち物】:支給品一式、黒の剣@戦闘城塞マスラヲ、匕首・十六串呂@魔法先生ネギま!
【思考】
基本:シンと仲間と一緒に生きて脱出?
0.い、いやああああぁあああああぁぁああああぁああああぁぁぁああああぁああああっっっ!?
【状態】:肉体疲労(中)
【装備】:なし
【持ち物】:支給品一式、黒の剣@戦闘城塞マスラヲ、匕首・十六串呂@魔法先生ネギま!
【思考】
基本:シンと仲間と一緒に生きて脱出?
0.い、いやああああぁあああああぁぁああああぁああああぁぁぁああああぁああああっっっ!?
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