ジェフはその黄色いネズミを抱えて民家のある方向を目指して歩いていた。
黄色いネズミはさっきから血が止まらない。
全身に切り傷があるのが問題だ。この小さいサイズでこの出血量はまずい。
黄色いネズミはさっきから血が止まらない。
全身に切り傷があるのが問題だ。この小さいサイズでこの出血量はまずい。
いつも顔を突き合わせているのは銀色でつやつやした金属と
ゴミ捨て場にある使い捨てられた家電用品。そんなジェフに動物の止血法等分かるはずもない。
とにかく直接止血法だけでもしようと自分の服を脱いで
やたらめったらその黄色い動物に巻いてみたら動物なのか服なのか分からなくなってしまった。
しかしその巻いてみた服も既に大部分が赤く染まっている。
ゴミ捨て場にある使い捨てられた家電用品。そんなジェフに動物の止血法等分かるはずもない。
とにかく直接止血法だけでもしようと自分の服を脱いで
やたらめったらその黄色い動物に巻いてみたら動物なのか服なのか分からなくなってしまった。
しかしその巻いてみた服も既に大部分が赤く染まっている。
「これはまずい」
獣医師でないジェフにもそれは薄々感じられていた。
早く民家を探さなければ……。焦る気持ちが空回りする。
自分は誰も助けれないのか?助けてもらってばかりの自分には……。
あのゲームスタート時の残酷な光景が頭を離れない。
何も出来ず、ただネスやポーラに助けてもらうだけだった無力な自分。
獣医師でないジェフにもそれは薄々感じられていた。
早く民家を探さなければ……。焦る気持ちが空回りする。
自分は誰も助けれないのか?助けてもらってばかりの自分には……。
あのゲームスタート時の残酷な光景が頭を離れない。
何も出来ず、ただネスやポーラに助けてもらうだけだった無力な自分。
空回りする気持ちはどんどんジェフを暗黒面の心へといざなっていた。
「いや、落ち着け。方位磁石から見て民家がありそうなのはこっちだ」
冷静にそんな自分を落ち着かせる為に口に出してみる。
そうだ。もうすぐ民家が見える。そうすれば何か傷薬だってあるかもしれない。
そうだ。もうすぐ民家が見える。そうすれば何か傷薬だってあるかもしれない。
そんなジェフに希望の光がやっと見えた。
「民家だ!」
「民家だ!」
ジェフの目の前には今にも腐って崩れそうな藁葺きの家が建っていた。
しかしそれでも今のジェフにはそれがまるで宝箱か何かの様に見えた。
しかしそれでも今のジェフにはそれがまるで宝箱か何かの様に見えた。
「やった!やったぞ!おい!おまえ助かるかもしれないぞ!」
その嬉しそうな声にピカチュウも朦朧としていた意識を現実へと引き戻した。
「ピ………カ?」
「ピ………カ?」
返事が返ってきた事に更にジェフは希望を持ち直す。
ジェフがその民家へと足を進め様としたその時だ。
ジェフがその民家へと足を進め様としたその時だ。
―――ドーン―――
遠くから小さい音だったが何かがぶつかる様な音がジェフの耳に入ってくる。
南からだ。その音でジェフはやっぱり現実へと引き戻されたのだった。
遠くから小さい音だったが何かがぶつかる様な音がジェフの耳に入ってくる。
南からだ。その音でジェフはやっぱり現実へと引き戻されたのだった。
このゲームに既に乗っている人間がいる。
それを目のあたりにした事は今も忘れられない。あいつ、ポポはこのゲームに狂わされた。
そんな奴がどれだけいるのだろう?そんな奴らに力のない自分とこの子で立ち向かえるのか?
暗雲たちこめる思考がジェフをまた襲ってくる。
そんな奴がどれだけいるのだろう?そんな奴らに力のない自分とこの子で立ち向かえるのか?
暗雲たちこめる思考がジェフをまた襲ってくる。
そんな思考を振り払うかの様にジェフは民家へと足を進めた。
また南から聞こえてきた何かがぶつかる音から逃げるかのように。
このゲームにいる限り恐怖や疑惑からは逃げられない。
また南から聞こえてきた何かがぶつかる音から逃げるかのように。
このゲームにいる限り恐怖や疑惑からは逃げられない。
【1日目朝 F-4 茅葺の家】
【名前:ジェフ(MOTHER2)
健康状態:自信喪失
武装:ワルサーPPK/残り9発
所持品:支給品一式
現在位置:F-4 茅葺の家の中
第一行動方針:この動物(ピカチュウを助ける)
第二行動方針:ネス達と合流
基本行動方針:殺す事は極力避ける
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:無し】
【名前:ジェフ(MOTHER2)
健康状態:自信喪失
武装:ワルサーPPK/残り9発
所持品:支給品一式
現在位置:F-4 茅葺の家の中
第一行動方針:この動物(ピカチュウを助ける)
第二行動方針:ネス達と合流
基本行動方針:殺す事は極力避ける
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:無し】
【名前:ピカチュウ(ポケモンシリーズ)
健康状態:全身に切り傷 瀕死
武装:無し
所持品:支給品一式、?(配布武器)
現在位置:F-4 茅葺の家の中
第一行動方針:サトシと合流
基本行動方針:サトシを捜す
最終行動方針:サトシに従う
備考:無し】
健康状態:全身に切り傷 瀕死
武装:無し
所持品:支給品一式、?(配布武器)
現在位置:F-4 茅葺の家の中
第一行動方針:サトシと合流
基本行動方針:サトシを捜す
最終行動方針:サトシに従う
備考:無し】
数刻後、同じ瓦葺の傾きかけた家を一人の男と一匹が見下ろしていた。
「ここにお前のご主人様がいるのか?」
「ワン!」
「そうかそうか。そりゃぁ良かったなぁ」
サムライゴローはボニーが何を言ってるか分からない事を良い事に勝手に話を進めている。
そんな巨体をボニーは更に吼え、即させたのだった。
「ワン!」
「そうかそうか。そりゃぁ良かったなぁ」
サムライゴローはボニーが何を言ってるか分からない事を良い事に勝手に話を進めている。
そんな巨体をボニーは更に吼え、即させたのだった。
(こいつの荷物……俺が使っても良いよなぁ?)
(いやいや、こんな小さな生き物から奪うなんて俺様のプライドが許さねぇ!)
(でも相手は動物だぞ?もし武器が入ってても使えないんじゃないか?)
(そうだよな。俺様が代わりにちょこっと使ってやるだけなんだから……)
(いやいや、こんな小さな生き物から奪うなんて俺様のプライドが許さねぇ!)
(でも相手は動物だぞ?もし武器が入ってても使えないんじゃないか?)
(そうだよな。俺様が代わりにちょこっと使ってやるだけなんだから……)
話を少し元に戻そう。
ボニー、いや正確に言うとそのしょっているバッグを見つめながら
サムライゴローはずっとそんな事をぐるぐると考えていた。
ボニー、いや正確に言うとそのしょっているバッグを見つめながら
サムライゴローはずっとそんな事をぐるぐると考えていた。
ボニーはというと相変わらず地面に鼻を突きつけ何かの匂いを追っているようだった。
ボニーは必死に微かなご主人様の匂いを追っていた。
ご主人様の匂いが微か過ぎる。焦る気持ちを抑え鼻をひくつかせ地面につきつける。
そんなボニーの鼻に甘くてツンと来る匂いが届く。
ご主人様の匂いが微か過ぎる。焦る気持ちを抑え鼻をひくつかせ地面につきつける。
そんなボニーの鼻に甘くてツンと来る匂いが届く。
血の匂いだ。あのドレスの女の人から匂ったのと同じ匂い。
まさかご主人様が?嫌な予感がよぎる。
血の匂いは2方向から漂ってきている。
片方からは確実に死の匂いが漂ってきていた。
それは恐らく第6感、それも動物のカンというものだったのかもしれない。
しかしボニーにとってはそんな事はどうでも良い事だった。
まさかご主人様が?嫌な予感がよぎる。
血の匂いは2方向から漂ってきている。
片方からは確実に死の匂いが漂ってきていた。
それは恐らく第6感、それも動物のカンというものだったのかもしれない。
しかしボニーにとってはそんな事はどうでも良い事だった。
ご主人様が死ぬ。それはきっとまたあの時の悲しみを引き起こすんだ。
あんなまずいご飯は二度と食べたくない。
ボク達は一緒にまた笑って美味しいご飯を食べなきゃいけないんだ。
あんな悲しい思いを二度としない為に。
あんなまずいご飯は二度と食べたくない。
ボク達は一緒にまた笑って美味しいご飯を食べなきゃいけないんだ。
あんな悲しい思いを二度としない為に。
ならば……
「おい。どうした?」
急に立ち止まった目の前の悩みの種であるデイバック
急に立ち止まった目の前の悩みの種であるデイバック
……いや失礼、ボニーに少し驚いて聞いてみる。
「ワン!」
ボニーは一言吠えると一方方向へと走り出した。
それが幸運にも彼を欲望へと誘う思考を中断させるとも知らず。
ただ少しでも希望がある方へと。
「ワン!」
ボニーは一言吠えると一方方向へと走り出した。
それが幸運にも彼を欲望へと誘う思考を中断させるとも知らず。
ただ少しでも希望がある方へと。
そして今、一人と一匹は茅葺の家を目の前に立っていた。
ボニーはそこに近づくにつれて薄々気づいてはいた。
そのキケンな匂いの元がご主人様ではない事に。
でももしご主人様と一緒だったなら?
きっとご主人様はボクに言うだろう。
「助けよう」って。
そのキケンな匂いの元がご主人様ではない事に。
でももしご主人様と一緒だったなら?
きっとご主人様はボクに言うだろう。
「助けよう」って。
ボクはご主人様のあの時の涙を忘れない。
ご主人様は見逃したりしない。このキケンな匂いを。
ご主人様は見逃したりしない。このキケンな匂いを。
サムライゴローは近づくに連れてまた心の中に欲望が顔を覗かせていた。
ご主人様とやらと合流した場合、こいつの武器はそいつのものになるんだろうか?
その前に……いやでもご主人様とやらに怒られるんじゃないか?
でもその前に逃げれば?
ご主人様とやらと合流した場合、こいつの武器はそいつのものになるんだろうか?
その前に……いやでもご主人様とやらに怒られるんじゃないか?
でもその前に逃げれば?
欲望というカルマはサムライゴローを襲い続ける。
人間が人間である限り、カルマからは
人間が人間である限り、カルマからは
逃げられない。
【1日目、朝 F-4 茅葺の家周辺】
【サムライゴロー@エフゼロシリーズ】
健康状態:健康
武装:なし
所持品:支給品一式、不明支給品(1~3、本人確認済み)
現在位置:F-4
思考・状況:この犬のバッグ、俺の物にしても構わない……よな?
基本行動方針:盗みはするが、殺しはしない。
第一行動方針:この犬のデイバッグを自分の物にしようか思案中。
第二行動方針:この犬の飼い主と合流する。
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:参戦しているのはF-ZERO伝説のサムライゴローです。】
【サムライゴロー@エフゼロシリーズ】
健康状態:健康
武装:なし
所持品:支給品一式、不明支給品(1~3、本人確認済み)
現在位置:F-4
思考・状況:この犬のバッグ、俺の物にしても構わない……よな?
基本行動方針:盗みはするが、殺しはしない。
第一行動方針:この犬のデイバッグを自分の物にしようか思案中。
第二行動方針:この犬の飼い主と合流する。
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:参戦しているのはF-ZERO伝説のサムライゴローです。】
【ボニー@MOTHERシリーズ】
健康状態:健康
装備:赤い首輪(“BONY”と刻まれている)
所持品:支給品一式、不明支給品(1~3、本人は未確認)
現在位置:F-4
思考・状況
第一行動方針:まずこのキケンな匂いをする相手を助ける
第二行動方針:リュカの臭いがする方にいく。
第三行動方針:この男と一緒にリュカたちと合流する
最終行動方針:ポーキーを倒し、ゲームから脱出する。
備考:ボニーはリュカを目指しエリア12の方へ向かっていました。
これは飼い主であるリュカの手がかりの物がないため、
道筋は正確ではなくなっているためです。】
健康状態:健康
装備:赤い首輪(“BONY”と刻まれている)
所持品:支給品一式、不明支給品(1~3、本人は未確認)
現在位置:F-4
思考・状況
第一行動方針:まずこのキケンな匂いをする相手を助ける
第二行動方針:リュカの臭いがする方にいく。
第三行動方針:この男と一緒にリュカたちと合流する
最終行動方針:ポーキーを倒し、ゲームから脱出する。
備考:ボニーはリュカを目指しエリア12の方へ向かっていました。
これは飼い主であるリュカの手がかりの物がないため、
道筋は正確ではなくなっているためです。】