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真×刹那♀

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匿名ユーザー

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麻帆良学園の食堂棟付近にある甘味処。
和風のデザートが女子生徒を中心に人気の店。
その一角で。

「あ~~~・・・・生き返る・・・・・」

目を細めながらおいしそうにあんみつをほおばる、長身の男子生徒がひとり。
大方みんな予想がついただろう、龍宮真だ。
コラそこ、似合わないとか言わない。
真に聞こえたら撃たれるぞ、マジで。
しかし、そんな真に気がねすることなく突っ込むことができる猛者が、真の前に座っていた。

「・・・人の好みはそれぞれだが、お前がこんな場所でそんな顔をしてると大分危なく見えるな」

ただでさえ小柄なのに、長身の真と比べると余計小さく見える。
華奢な身体に不釣合いな長物の入った袋を椅子にもたれさせ、とてもとても居心地悪そうにしている少女。
それは紛れもなく真の仕事仲間・桜咲刹那である。
まぁたしかに、刹那にとってこの状況は辛いだろう。
ただでさえこんな華やいだ雰囲気の店は苦手だというのに、さらにそこに同席しているのがどう見ても場にそぐわない(何気に酷い)男子生徒とくれば。

「失礼だな、これでも俺はこの店の常連なんだぞ?」

「余計にマズイだろう・・・・・」

はぁ、と眉をひそめながら溜息をつく刹那。
そう思うなら連れてくるなよこんなとこに、という話ではある。
あるのだが。

「いちいち細かいことを気にするな、そもそも仕事の報酬はこれで、と言ったのはお前だろう?」

「そうだが・・・せめて場所をもう少し・・・」

「ここのこのあんみつがうまいんだ、そうはいくか」

「あのなぁ・・・・・・」

もう一度はぁ、と溜息をつきながら脱力する刹那。
そう、文句を言いながらも刹那がここにいるのは、前回の仕事で『報酬はあんみつ一回おごり』という条件を自分が出してしまったからなのだ。
コラ君達、安い報酬だなとか言わない。
正直、刹那もそう思ったのだ、最初は。
まずは低めの条件で、とちょっと最近懐が厳しい(主にお嬢様とのお買い物で)刹那が企んだ当初の計画では、もう少しくらい高い報酬は出せたのだ。
・・・あんみつ三つ分くらい。
ちなみに現在、9月の中旬半ばあたり。
ぶっちゃけ辛い、資金繰りが。
きっと長い付き合いの仕事仲間である真はそのへんを察してくれたに違いない・・・と刹那は思っていたのだが、実際は本当にあんみつが食べたかっただけのようだ。
なんだか情けなくなってきたな、と心の中で独りごちつつ、真があんみつをさもおいしそうに食べるのを眺めているしかない刹那。

――――しかし、本当においしそうに食べるな・・・・・・そんなにおいしいのか?

真のあまりのいい食べっぷりに、刹那がなんとなくそんなことを考えた瞬間。

「・・・・・・ん? どうした、ほしいのか?」

素晴らしいタイミングで真があんみつから顔をあげ、含みのある笑いを浮かべながら尋ねてきた。

「・・・そんなわけがあるか」

「あるな。 今まさに『ちょっと食べてみたいな』なんて考えただろうお前」

図星。
なんでコイツは妙なところで変に勘が働くんだ、なんてちょっと心の中で毒づきながら、

「アホかお前は。 私が和菓子以外の甘いものが好きじゃないことくらい知ってるだろう?」

きっぱり否定。
そうしておかないと龍宮のことだ、後々までこの話を持ち出すに決まってる。
仕事仲間で気が知れているからなのか、結構酷いことをさらっと考えながら、ぷいっとそっぽを向く。
そんな刹那の様子を真は大して気にも留めず、というかむしろまるでそれを面白がっているかのように、笑いを噛み殺しながら刹那に追い討ちをかける。

「ああ、知ってるさ。 お前が最近近衛との買い物で羽目を外しすぎて懐が寂しいことも」

「うっ」

わざと刹那と視線を合わせず、あんみつをスプーンでいじりながら。

「俺への報酬もできるだけ安いほうがいいからあんみつをおごるなんて言い出したことも」

「ぐっ」

刹那のまさに図星であろうことを次々と、的確に指摘し。

「本当はあんみつを食べてみたいけど俺が後々までそのことを持ち出しそうだから否定したことも、ちゃーんと知ってるさ」

「・・・・・・・」

ニヤリ、としか表現できない意地の悪い笑みを浮かべて、横目で滅茶苦茶に睨んでいる刹那の視線を軽く受け流す。
そんな龍宮にご立腹なご様子の刹那は、背けた顔をゆっくりと捻じ曲げ、

「・・・・なぁ龍宮」

「なんだ刹那」

自分に出来る限りの毒を込めた皮肉で唇をゆがめ、目を細めながら、

「お前は、本当に、ほんっとーに、嫌な奴だな」

にっこりと、笑顔で断定。
ちょっとはこれでこたえるか、そう思った刹那だったが。

「なんだ、今頃気付いたのか。 鈍い奴だなお前も」

真はそんな皮肉もどこ噴く風で余裕の表情。
ダメだ、コイツには敵わない。
がくっ、と刹那は肩を落とし、全身でもって敗北宣言。

「――――わかった、私の負けだ。 全部お前の言うとおり、私の懐は苦しいし、お前への報酬を安く上げようとしたのも事実だし、あんみつに少し興味があるのも事実だ。 ・・・これでいいか?」

負けだ、とは言いつつも業腹なことに変わりはないので思いっきり上からの物言いの刹那。
しかし龍宮はそんなことはどーでもいいようで。

「ああ、素直でよろしい。 それでいいんだ」

と、のんきにスプーンで次の一口分のあんみつをすくった。
ふん、といらだたしげに机に勢いよくひじをつく刹那。
その口元に、なぜか真のスプーンが伸びてきた。

「・・・・・・・なんだこれは」

「あんみつだ」

そんなもの見ればわかる。

「そうじゃない。 そのスプーンは何のつもりだ?」

さすがにここまでからかわれると本気で怒りのスイッチが入りそうだ。
だが真は別段そんな刹那の様子を気にとめることもなくスプーンをさらに刹那のほうにすすめ、そして。

「食べたいんだろ? あんみつ」

一言、言い放った。

「・・・・・・・は?」

刹那も思わず呆気に取られ、さっきまでの怒りも忘れてぽかーん。
けれど真は構うことなくさらにスプーンを刹那のほうに押し出し、

「興味があると言っただろうが。 まぁ遠慮せずに喰ってみろ、うまいぞ?」

馬鹿かコイツは――――いや馬鹿だ、確実に。
怒りを通り越してもはや呆れ返った刹那が、あのな――――と口を開いたその瞬間。

「――――んぐっ?!」

「そうそう、素直にそうして口を開けていればいいんだ」

開いた刹那の口に、あんみつの乗ったスプーンが突入。
もちろん実行したのは真だ。
そのまま怒鳴りつけてやろうか、とも思った刹那だったが食べ物を粗末にするわけにもいかず、おとなしくもぐ、もぐ、ごくん、とあんみつを飲み込んで。

「うまいだろ?」

すぐに吹っかけられた真の質問に。

「・・・・・・ああ」

つい素直に答えてしまった。
多分急なあんみつ突撃で毒気を抜かれたんだろう。
さっきまでの自分のからかわれっぷりを思い出し、慌てて抗議しようとしたが。

「そうだろう!? やっぱりうまいんだ、ここのあんみつは・・・・・・」

なんてことを言いながら、さっきまでの笑みとは違う、嫌味のないにこにこした笑顔を浮かべる真を見て、なんだか全部馬鹿らしく思えてしまった。
どう見ても似合わないのにそれを気にもしないであんみつをおいしそうに食べる龍宮も。
それに付き合うことや懐が寂しいことが恥ずかしくてイライラしていた自分も。
龍宮がそれを柄にもなく思う存分からかって楽しんだことも。
自分が同じように柄にもなくそれに乗せられてしまったことも。
なんだかみんなみんな馬鹿らしく思えて――――実際馬鹿みたいだ――――さっきまでの恥ずかしさやら、イライラやら、怒りなんてものが全部全部しぼんでいってしまった。
しぼんだものを無理に爆発させようとしても無理なものは無理。
だったらもう、馬鹿らしいことは馬鹿らしいことにふさわしく、笑うしかない。
でもただ単に水に流すのも癪なので、最後に一言、これだけは言っておこう。

「――――馬鹿だな、お前も私も」

「何をいまさら」

そう言って顔を見合わせた二人は、思いっきり笑った。
多分、次の仕事の報酬もあんみつだろう。
ただ、そのときテーブルに並ぶのは、一人分ではなく二人分のあんみつになりそうだ。

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