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ハカセ♂×超♀

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匿名ユーザー

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「・・・さて、経過は順調かな」

モニターから手元の新聞――――麻帆スポ――――に視線を落とし、テーブルの上のコーヒーを飲みながらざっと眼を通して一言。
『魔法』の存在を全世界にバラそうとする超さんと、それを止めようとしたネギ子先生。
その決着は、正直拍子抜けするほどあっけなかった。
超さんがカシオペアに時限発動装置を組み込み、ネギ子先生達がエヴァンジェリンさんの別荘から脱出するタイミングで装置が発動。
ネギ子先生達は学祭から一週間後に飛ばされ、世界樹の魔力供給が途絶えたカシオペアでの時間跳躍は不可能。
よって、ネギ子先生が超さんの計画を阻止することはできず、超さんの計画は無事成功。
そして、超さんは自分のいるべき未来へと戻った。

――――そう、僕を残して。

最初は、達成感で一杯だった。
『自分達の力で世界を、歴史を変える』――――そんな夢みたいなことを実現してしまったんだから。
でも、超さんがいなくなってしばらくすると、そんな達成感も風船みたいにしぼんで、なぜか満たされない気持ちで胸が一杯になった。

「何でだろうなぁ・・・・・・」

モニターに映し出されている特番を見るでもなく見つめながら、自問する。

わかっていたはずだった。
超さんは“未来”の人間で、僕は“今”の人間。
いつか、お互いがいるべき場所に戻るのが当たり前。

ずっと前から、わかっていた。
覚悟だってできていた。
そのはず――――だったのに。

「どこで、間違っちゃったんだろ」

苦笑いしながら頭を掻いて、自分をごまかす。
でも、やっぱりごまかしきれるわけがなかった。
辛くて、苦しくて、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
どんなに忘れようとしても、浮かんでくるのは超さんの顔ばかり。
そのまま倒れて泣き喚きたくなるのを必死でこらえながら天を仰ぎ、すー、はー、と深呼吸して、なんとか気持ちを落ち着ける。
何度目かの深呼吸を終えて、ふぅ、と溜息をつき、ふと周りを見てみる。
眼に映るのは、散乱したゴミやら機材やら洋服やら。
超さんがいたときはいつもきちんと整理が行き届いていたのに、僕だけになるとすぐコレだ。

『ハカセは無精者だからネ、ワタシがいないとダメヨ』

超さんはいつもそう言いながら、てきぱきと片付けをこなしてくれたっけ。

「・・・そのくせ、自分のこととなると気にも留めないもんだから、こっちがハラハラさせられたもんだけど」

なんて、超さんがいた頃を思い出してると、なぜだかおかしくなってきて、ついつい顔が緩んでしまう。

ああ、茶々丸が初めて動いたときは、二人しておおはしゃぎしたなぁ。
肉まん君Zだったかな、アレが暴走したときは結構本気で焦ったっけ。
そうそう、他には――――――――

「失礼します、ハカセ」

「――――わたたっ! ど、どうしたんだい?

「・・・いえ、それは私がお聞きしたいのですが」

「な、なんでもないなんでもない、気にしないで」

なんて、柄にもなく思い出にふけっていると、多分全然反応がないのに困って入ってきたんだろう茶々丸の呼びかけに驚いて、思わずコーヒーをこぼしそうになった。
何とかコーヒーをこぼさずにすませ、カップをテーブルに置く。
茶々丸はといえば、あからさまに不審げな表情で僕を見つめている。
たはは、やっぱり柄でもないことはやるもんじゃないね。

「・・・で、何の用かな茶々丸? まさか、ココがバレたとか?」

何気なく聞いてみたものの、もしそうだったら結構シャレにならない。
ここがバレたのなら、魔法先生がやってくるのも時間の問題だろう。
もし捕まってしまえば、一体どうなるかわかったもんじゃない。

「それは問題ありません。 ですが・・・ハカセ、大丈夫ですか?」

「ちょ、ひどいな茶々丸ー、ちょっと驚いただけじゃないか」

・・・まぁ確かに、ひとりでコーヒー持ってニヤけながらボーっとしてたら怪しいけどさ。
そ、そこは思い出に浸ってたってことで、情状酌量の余地ありだよね?

「いえ、そういうことではなく・・・泣いておられるので」

「・・・え?」

指摘されて、目元に手をやる。
その指が、濡れていた。
そこで初めて、自分が“泣いている”ことに気付いた。

「あ・・・あぁっ・・・・・・ッ!」

気付いてしまったら、もう、止まらなかった。

「あぅっ、ぐっ、うぅぅ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

すぐそこに茶々丸がいるのもかまわずに、思いっきり、泣いた。
多分、超さんがいなくなったことが悲しかったんだと思う。
自分でも断言できないのは――――知らない間に流れ出して、止まらなくなった涙の理由が、自分でもわからなかったから。

「うっ・・・ぐっ・・・・うぅ・・・・・・」

「・・・大丈夫ですか、ハカセ」

どれくらい泣いたのだろう、気がつくと、茶々丸が僕の背を抱いてくれていた。
ぼろぼろの顔のまま見上げた茶々丸の顔は、なぜか、悲しそうに見えた。
そのとき、なぜかはわからないけど、茶々丸の心がわかった気がした。
茶々丸もさびしいんだ――――自分にとっての“母親”が、いなくなってしまったのが。
母親がいなくなって、泣き崩れた“父親”を見るのが。
そこまで考えたとき、ある光景が、唐突に頭の中に浮かび上がった。

『ねぇハカセ』

『なんですか? 超さん』

それは、学祭直前に二人っきりで交わした会話。

『もしこの計画が成功したら、お別れ、しなきゃいけなくなるネ』

『・・・そう、ですね』

答えるのが辛くて、振り返れなくて。
それはきっと、超さんも同じで。

『お別れしちゃったら、「会いたいヨ」って泣いても、もう、会えなくなっちゃうネ』

それなのに、震える声で、努めて明るく。

『だから、そうなる前に、ちゃんと、言っておきたかたヨ』

『・・・・・・』

その場にいるのが怖かった、続きを聞くのが怖かった。
それを聞いてしまえば、もう、戻れないから。
でも、それを止めるだけの勇気もなくて。
そして――――

『――――今まで、『アリガトウ』・・・それと、『サヨナラ』――――」

『・・・・・・・っ!』

泣いているのが、背中越しにもわかった。
だけど、振り返れなかった。
振り返るのが怖かった。
引き止めても、引き止められないとわかっていた。
だから、黙っていた。

そんな風に思い込んで、逃げた。
振り向くことから。
無理矢理にでも引き止めることから。
今までの関係を壊すことから。

――――『離れたくない』と、思いを伝えることから。

もう、声も出なかった。
そのままで、また、泣いた。
茶々丸は、ずっとそばにいてくれた。
茶々丸に見守られながら、泣き疲れて眠るまで泣き続けた。



でも、もう超さんには会えない。
会いたいと思っても、もう届かない。
超さんの最後の声が、今でも、胸に響いている――――

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