「明日太さんはこんな問題も解けないのですか? 情けないですこと!」
「うるせーコラァ!!」
うるせーのはお前だ、神楽坂。
あんな問題くらい解けるようになれっつの。
あんな問題くらい解けるようになれっつの。
ああ、またいいんちょと神楽坂が喧嘩始めやがった。
よく飽きねーのな、アイツら。
そういや喧嘩するほど仲がいいっつーしな、実は付き合ってたりすんのか?
よく飽きねーのな、アイツら。
そういや喧嘩するほど仲がいいっつーしな、実は付き合ってたりすんのか?
「いつもいつもうるせーんだよ! 出来ないことの一つや二つくれーあんだろ! ここは日本なんだよ!!!」
「ネギ子先生の授業に加えて私が直々に補習してさしあげているのに、いつまで経っても出来ないから言ってるんです!!」
おや、放課後も一緒なのか。
こりゃ付き合ってる可能性大だな。
こりゃ付き合ってる可能性大だな。
とりあえずお前ら、担任のガキが半ベソかいてっからもう止めたれ。
「うるせーなぁ……」
オレの名前は長谷川千雨、学生兼ホストだ。
まあ、ホストについては突っ込まないでくれると有難い。
質問は禁則事項ということでよろしく。
まあ、ホストについては突っ込まないでくれると有難い。
質問は禁則事項ということでよろしく。
「二人ともやったれー!!」
「いつものトトカルチョやるか! いんちょに食券10枚!」
「明日太に20枚!」
「ふ、二人とも止めてくださーいっ!!」
「いつものトトカルチョやるか! いんちょに食券10枚!」
「明日太に20枚!」
「ふ、二人とも止めてくださーいっ!!」
うるせーのは神楽坂だけじゃねぇ、クラス全体的にうるせー。
文化祭の準備とかじゃねーんだから、あんまはしゃぐなっつーの。
文化祭の準備とかじゃねーんだから、あんまはしゃぐなっつーの。
「……全く以ってうるさいです」
「ああ、いつもと変わらずうるせー」
隣席の綾瀬はオレと同じで、このクラスの騒がしさに呆れている。
こーやってクラスがバカ騒ぎし始めた時は、なんとなく話している。
こーやってクラスがバカ騒ぎし始めた時は、なんとなく話している。
よくあるだろう?
教室じゃ話さねーが、移動教室した時だけ話す奴。
オレと綾瀬は、そんな感じの関係だ。
隣だっつーのに、おかしな話だけどな。
教室じゃ話さねーが、移動教室した時だけ話す奴。
オレと綾瀬は、そんな感じの関係だ。
隣だっつーのに、おかしな話だけどな。
「なあ綾瀬、アイツらデキてると思わねーか?」
「デキ……てるのでしょうか?」
顔を赤くしてら。
この手の話を振ると、綾瀬は決まって恥ずかしがるんだよな。
この手の話を振ると、綾瀬は決まって恥ずかしがるんだよな。
「いや、あくまで憶測の話だけどよ」
「でも、あのように公然と喧嘩できるということは、少なくとも仲は悪くないということです」
「そー思うだろ? 一人の男と女がトムとジェリー状態だぜ? 仲良く喧嘩しな、ってか?」
「実際、仲良く喧嘩してますし」
「ははっ、ちげーねぇ」
お、終了のチャイム。
チャイムをきっかけに、あの二人は仲良く喧嘩し終えると。
チャイムをきっかけに、あの二人は仲良く喧嘩し終えると。
そしてまた授業が進まないと。
テスト範囲が狭くなるし、オレにとっちゃいいことだから構わないんだけどよ。
テスト範囲が狭くなるし、オレにとっちゃいいことだから構わないんだけどよ。
「あのガキ、また桜咲にあたってらぁ」
「ネギ子先生が言ってる『タンシオ』って何でしょう?」
「さぁ? さ、移動移動」
綾瀬は図書仲間のトコへ行く。
これでしばらく、綾瀬とは話さないワケだ。
これでしばらく、綾瀬とは話さないワケだ。
…………誰か騒ぎ起こさねぇかな。
fin.