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肉体派苦学生アスた! 1

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肉体派苦学生アスた! 1


第1話 美人女教師がいるだけでめっけもんなのにガキ一人にガタガタ吐かすな


”前略、天国のおふくろ様。
コレでも平凡な男子中学生のつもりだった俺の前に、
GT○や絶○先生もビックリな教師が現れたわけで……”


さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする……
ことが仮にあったとしても、誰にも聞こえそうにないくらい騒がしい登校風景。
それでも、始業時間が間もないことを伝える放送の存在感だけがあるのが、麻帆良学園クオリティである。

「ヤバイヤバイ! 急用があるってのにこれじゃ遅刻決定だー!」

中等部2年生・神楽坂明日太も、時間が時間なので全力疾走である。

「そもそもよー、学園長の孫娘だからって知り合いのお出迎えさせるもんか、普通?」
「スマンスマン」

その横にローラースケートで追いつけと進む、同級生の近衛木乃香がにこやかに答えた。

「あのばあさんの知り合いなら、どうせそいつもばあさんなんだろ」
「そうでもないんちゃう? 今日は運命の出会いあるって出とるし」
「いくら占い研部長に言われても、希望持てないなー」
「それだけやないでー、好きな人の名前を10回言ってワンって鳴くと両思いになれるんて」
「マジか!?」

そこいらの男子らしく、占いも話半分だった明日太の目の色が変わる。

「高畑先生高畑先生高畑先生(ry……ワン!」
「あはは……明日太てこういう占いはすぐ信じるんやな」
「……思いっきり足払いかけていいか?」

思いっきりノせられた後で凄んでるからか、迫力は今一つだ。

「いややー、ウチもスケートで明日太と同じくらい速く走っとるのにぃ」
「へへへ、馬鹿力もこういうときに役に立つんだ、うらやましいだろ」

足の速さを自慢していると、ついに運命の出会いがやってくる。

「あのー、ちょっと……あなた、失恋の相が出ていますよ」

明日太が振り返ると、どうみても初等部な年齢の女の子が呼びかけていた。

「な、何だよ突然!?」
「ですから、占いの話が出てたので、ドギツい失恋の相が出てるって教えようかなーって思いましt」
「んだとぉぉーーーー!」

まー、短絡な彼としては、掴みかかる以外の選択肢は無かったらしい。

「明日太アイアンクローはあかんてぇ! それに子供の言うことやろ?」
「るっさい、俺はガキが大嫌いなんだよ! それに寿命短いとか金貯まらないとかは信じないが失恋は! 失恋だけはツッコまれたくねぇ!!」
「いやぁー、ですから本当なんですって」
「本当言うな! つかなんで平気でしゃべってんだ!」

言うな少女、エスカレートするから。

「そうやキミ、ここは中等部で、初等部はもっと前の駅で降りなあかんよ?」
「そーだそーだ、だからとっとと初等部に戻れよ! じゃあな!」

明日太も女の子を降ろして追っ払うが、そうは問屋も卸さない。

「いやいや明日太君、彼女はここでいいのよ」

後ろから、明日太憧れの熟女(にしちゃ年若いが)教師、高畑.T.タカミが呼び止める。

「あ、久しぶりタカミ!」
「ええ、お久しぶりネギ君」
「な……お前高畑先生の知り合い!?」

納得のいかない展開に、明日太も驚きの声を上げる。

「はい、自己紹介が遅れました。私、今日から中等部の英語教師やらせてもらいます、ネギ・スプリングフィールドです」
「「え……えぇぇぇぇっ!?」」

……そりゃ、明日太も木乃香も驚くってもんである。

「ネギちゃん……てホンマに先生なんてできるん?」
「そうですよ! こんな子供に先生なんてできっこないでしょ!?」
「大丈夫、もう大学も出てるくらい彼女は頭いいのよ。ついでに君たち2-Aの担任もやってもらうことになったから」

まさに、明日太に破錠槌クラスの精神的ダメージが見舞われた。

「そんなぁ、この子俺に減らず口……じゃなくて失礼なことばっかり」
「でも失恋の相は本当に……」
「しつこいっ! 大体ガキの女教師ってギャグマンガかエ○ゲじゃねーか! それに……」

明日太に胸倉掴まれたネギは、そんなこんな(?)でこそばゆくなりまして。

「は……は……はっくしょん!」

明日太君、光る風を追い越すどころか正面衝突、パンツ一丁でお出迎えである。

「……へ?」
「熊パンツ……」
「”樹海の覇者”て書いてあるえ……」
「プッ……趣味の悪いガラパンですか」

自慢する気で履いてきたリアルな熊柄パンツで、君にきっと会えるね。

「……何じゃあこりゃぁぁぁぁぁーーー!!!」


神楽坂明日太 曰く。
”小さな勇気を……咲かせられる訳ねーーー!”


”前略、天国のおふくろ様。
熊パンってそんなに変ですか?
何、俺って道化ですか?”


前回まで:先生さんはょぅι゛ょだった
場所は移りまして、学園長室にて学園長のお話でございます。

「……学園長、一体こりゃどういうことなんですか」
「まあまあ明日太君落ち着いて。ところで何でジャージ?」
「俺が聞きたいくらいですよ!」

いきなり服が脱げてた、なんて説明したくないだろうな、そりゃ。

「……それでネギ君。修業として日本で教師をするために来たというわけですね」
「はい!」

明日太は”修業”の単語に違和感を感じたが、ツッコめる空気じゃなさそうである。

「まず3月まで教育実習という形になるでしょうね……ところでネギ君、知り合いで優等生な男の子っていないかしら。いたら木乃香に紹介してあげt」
「ややわぁおばあちゃん」

木乃香のトンカチが唸ったが、ツッコマーレベルが高いながらも明日太は一応無視った。

「ちょっと待ってくださいよ! よく分からないけどそれで先生やっていいんですか、子供ですよ!?」
「ホホホホホ……まあまあ」

うっわ、あっさり流されてるよ!

「してネギ君、この修行はとても辛いものになるでしょう。祖国に逃げ出したくなるかもしれません。チャンスは一度きりだけど、いいですか?」
「はい、やります……やらせてください!」
「……何だよ、この入り込めないくらいシリアスな展開は」

そう愚痴るな、明日太君。

「よろしい。では早速今日から始めてもらいましょう。しず樹君、いらっしゃい」
「はい、学園長」
「えっ……わぷっ」

ネギがドアの開いた音に振り返ると、スーツに隠された分厚い胸板に激突した……って何だこの二流ラブコメ。

「おや、これは失礼」
「彼が指導教員の源しず樹君。分からないことは彼に訊くといいでしょう」
「よろしくお願いします、ネギ先生」
「え、あ……はい……」

女性はジェントルマンに甲斐甲斐しいものである。当然ネギも例外じゃあなかった。

「あ、そうそう明日太君に木乃香。ネギ君をしばらく寮の部屋に泊めてもらえないかしら。まだ住む所決まってないんですよ」
「へ……ってんな何でもかんでも学園長! ただでさえ木乃香と相部屋にされて”男として見られてないのかなぁ”って参ってるところに……」
「あー、それはこっちが一応弱み握ってるから間違いは起きないだろうって……ホホホホホ」
「えーやん明日太、ネギちゃん可愛えし」
「いいわけねぇだろ!!」

とまぁ、散々ネギを温かく迎えるよう含まされて、明日太達は部屋を出された。


「あ、あのー」
「あん?」

教室へ向かう途中でネギが明日太を呼びかけるが、相手のテンションは貧民街時代である。

「言っておくがよ、俺は泊めてやるなんて絶ッッッ対にイヤだからな! 俺のパンツ笑ったし!」

言うだけ言って、明日太は教室へと先に歩いていって、木乃香も付いていく。

「イヤな感じの人だなぁ……それにあんなパンツ笑うに決まってるじゃないですか」

聞いてたらブン殴ってたであろうネギの言葉は幸運にも届かず、明日太は教室に入る。

「おはよー明日太、今日は夫婦そろって重役出勤なんだー?」

騒がしい教室の中、机の隙間をはさんで隣の席の柿崎美砂がからかう。

「だから木乃香とはそんなんじゃねえって。大体それでいったら釘宮はお前と椎名で両手に花じゃねーか」
「違うよぉー、くぎみんは私達のおもちゃだってばー。明日太物おぼえ悪いよー?」
「……釘宮、お前は今泣いていいぞ」
「いや、いい……もう慣れてる」

椎名桜子におもちゃ呼ばわりの釘宮円は、そう言いながら静かにすすり泣く。

「全く……明日太さんも幸運でしたわね、新任の先生が来るのでなければ遅刻でしたし」
「うるさい黙れいいんちょ」

いいんちょこと雪広あやかが突っかかってくるのを、明日太はリズムよく返す。

「あらあら、親切に注意して差し上げているのに、失礼なおサルさんですこと」
「てめーの親切は昔っから親切になってねぇんだよ! 大体事情があったんだ事情が!」
「でしたら普通にそう言えばよろしいのに、変にいきり立つと疑わしいですわよ?」
「そーゆーのが余計だっつうんだ!」

仲が良さそうにケンカし始めるもんだから、回りもより騒ぎ出してきますわな。

「おー、いいんちょと明日太が夫婦ゲンカだ! もっとやれー!」
「ちげーな風香、奥さんは木乃香だからこの場合愛人ゲンカだ。ビンタだいいんちょ!」
「「誰が愛人だ!」ですって!」
「ヒイッッ! お姉ちゃんと空さんが余計なこと言うから怒鳴られちゃったですー!」

なんか大掛かりなセッティングをしてた鳴滝風香と春日空が効果的に(?)盛り立てて、鳴滝史也もとばっちりを食わされる。
……とはいえ、そこに水をさす事態が発生しまして、クラスがちと静まった。

「あ~~ん、せっちゃん待ってぇな~。お話しよ~?」
「お嬢様、僕の出番は大分先ですって、お嬢様!」
「……何やってんだ木乃香は」

木乃香が桜咲刹那を追い掛け回すのは、時々なくはないことだったりする。
ちなみにホントに出番は先なんだが、今の明日太に分かる訳が無いのである。

「……あぁ、もうすぐ時間です。明日太さんも席に着いて!」
「だからよぉいいんちょ、何で俺にだけ言うんだよ、全く……」

グチはさておき明日太も自分の席に戻ります。

「さっきのネギちゃんが来んえやろ? 楽しみやわ~」
「……なんで今更ワクワクできるもんかね」

嫌いだからって通常の三倍呆れ果てる明日太以外は、期待タップリな教室の戸が開く。
はてさて、さっきいたずらトリオが仕掛けた黒板消しが炸裂して……炸裂……

(……あれ、空中で止まってね? ザ・ワー○ド? いや、むしろクラフ○・ワー○?)

一瞬だが、ネギの頭に落ちてるハズの黒板消しが頭上で止まっていたように見えた明日太だった。
すぐにチョークカスの煙が広がって、さらに雪だるま式に罠に引っ掛かってちょっと溜飲が下がったとか下がってないとか。
女の子が担任として来たと知らんものだから、クラスの子達はさあ大変と集まって騒ぎ出す。

「いやいや、彼女がその新任教師なんですよ。さぁネギ先生、自己紹介を」

しず樹がそう説明しないと状況が分かりっこなかっただろう。

「えーと、本日からまほ……英語を教えることになりました、ネギ・スプリングフィールドです。3月までの短い間ですが、よろしくお願いします!」

その言葉のすぐ後で、カワイイだの萌えだの声が上がってネギさんもみくちゃである。
それも一通り収まった時、明日太が教卓まで突っ込んで来まして。

「おい、さっき黒板消しが空中で止まってなかったか? お前何かしたのか!?」
「え、それは……」
「一体何しやがった! どういうことなのかちゃんと説明しろぉっ!?」

明日太はまたネギの胸倉を掴んで持ち上げて……ってこのパターン多いですねぇ。
しかし、かの邪智暴虐の男を除こうなんて正義感の強い人もクラスにはいるものです。

「その辺でお止めになったらどうですか、明日太さん。あまりのおサルさんっぷりにネギ先生も呆れておりますわ」
「あんだってぇ?」

今のはいいんちょが正しいだろう、ヤンキー。

「ネギ先生はオックスフォードを卒業した秀才とか。教えるのに年齢は関係ございませんわ。さあ授業ををお始めになって……」
「いい子ぶったこと言ってんじゃねぇよ、幼女趣味」
「な……熟女趣味のあなたに言われたくありませんわ! 高畑先生のお尻を追っかけてばっかりで、はしたないですわ」
「だったらどうした、熟女萌えは世界共通語だ! はしたなくて上等だー!」
「あああ……2人ともやめて……」

そのはっちゃけっぷりはどうなのか……ネギさんおおあらわですよ。

「君たち、ケンカはそれぐらいで止めにしましょう。さぁネギ先生、授業を始めて」

さっきから絶好調発動中のしず樹アシストが入ったところで、授業開始である。

(さっきの黒板消しはどう見てもおかしかった……突き止めて追ん出してやる)

……さすが明日太、クラスメイトが考えないことをさらりと考え付く!
それにシビれるか憧れるかは個人の自由として、明日太は早速消しゴムをちぎって弾き飛ばす。

「いたっ! え……ジャン○ン・ジ○ック・フ○ッシュ?」
(ぬ……なんともない? 念のためもう何発か打ち込んでおくか)

なんでそんな通なスタ○ド知ってるんだというのはともかく、飛び道具の応酬でネギ半泣きなのはヒドイ。

(怪しんで引っ込めたのか……ん、いいんちょが何か吹き込んでる?)
「……おバカで聞かん坊でどうしようもない男ですわ。おまけにスケベで女たらし!」
(…………)

筆箱スタンバイ、ファイア! である。
いいんちょの頭にクリーンヒット致しまして、本日の第3ラウンドのゴングが鳴り響く。
  キーン コーン カーン コーン
……って授業終了のチャイムじゃね!?

「あああ……全然授業できなかった……」
「うーむ、まさか俺の見間違いで何でもなかったとか?」
「明日太たちて毎度元気やな~」

授業妨害やらかしておいて、よく悪びれないもんである。


ネギ・スプリングフィールド 曰く。
”明日太さん嫌がらせばっかりで困ります……
                           熊パンのクセにwww”


”前略、天国のおふくろ様。
ジョ○ョネタ多すぎだっていうのは
正直反省してるんです、これでも”


前回まで:ネギは地上全てのエネルギーとシンクロし、自然現象さえ変えるパワーを出すことが可能……か?
授業がメタメタでに終わって落胆するネギ先生。そこに、タカミが颯爽と登場致しまして。

「ネギ先生。初めての授業はどうでしたか」
「あ……タカミ聞いてよ、あんまり進まなくt」
「いやー高畑先生、俺がついてるおかげで大成功ですよ!」

よくもまあハイエナのごとく、明日太が乱入してくる。

「もうネギ先生も、俺のおかげで大船に乗ったつもりで授業してもらいまして、ねぇネギ先生!?」
「ふぅん……それはよかった、ありがとう。じゃあこれからも彼女のことを頼むよ、明日太君」
「はい、任せてください!」

勢いに流されて言葉の継げないネギをよそに、まくしたてた明日太がタカミの信頼ゲットである。
タカミも鵜呑みにしたまま、この場を離れていってしまいます。

「あぁ女神だ。高畑先生マジ女神だ……」
「あー、もしかしてタカミのことが好きなんですか。つか女神ってどんな褒め言葉ですか」

ネギよ、確かに恥ずかしいセリフだけど、ツッコミどころは少しズレちゃおりませんか。

「ハン、ガキが何分かった口吐かしてんだか。言っとくが俺はお前なんざ先生と認めないぞ。ましてや手なんて絶対貸さねぇからな」
「むー……ヤな言い方……」

明日太がまぁ残酷な言い様で教室に戻ったもんだから、ネギも小声で反論である。

「そこの神楽坂夫、こっちゃこーい」

教室ではクラスメートが集まる中から、朝倉和美が明日太に呼びかける。

「夫っつーな朝倉。ほんで、歓迎会を俺も手伝えってか?」
「左様ネ。せっかくだから教師で来れる人も呼ぼうてコトになタから、不足分の飲み物を分担して買い出ししてもらうネ」

チャイニーズ天才少年こと超鈴音が、幹事らしくミッションを通達する。

「了解。んで俺は何買ってくればいいんだ?」
「あ、あの、明日太君……これ……」

横から、女子ながら身長がクラスで五指に入る大河内アキラが、もじもじとメモを渡してきた。

「サンキュー、アキラ。でもなー、あれの歓迎会となると気が乗らねぇな」
「そんなに子供が嫌いかー。まあ明日太って、木乃香にいいんちょまで引っ掛けてるからロリコンには見えないけどさ」
「 殴 る ぞ 朝 倉 」
「そらないよ朝倉、明日太が2人も女の人と付き合えるわけないやろ」
「……木乃香さんよ、その言い方だとちと納得すんの怖いよ」

朝倉と木乃香に軽くあしらわれ、一時撤退とばかりに明日太も買い出しに出陣する。


そして何一つ危険もなく、買い物の包みを下げて教室へ戻りまする明日太君でありまして。

「はぁ、メンドいこっちゃなー……ん、あの本のカタマリは本屋か?」

本のカタマリ、つーか本を山ほど持つ少年はまさしく、本屋こと2-Aのクラスメートの宮崎のどかである。

「すぐ教室を出てったと思ったら図書委員会の仕事か? ご苦労なこった……しかし、危ねぇな」

まあえてして本の虫は屈強な肉体を持つ訳がなく、十ン冊は抱えて、階段を降りるのどかは実に危うく見えてしまう。
そしてこういう展開では、ヒロイン(?)は危機に見舞われてナンボである。

「あっ……あぁぁぁっ!」
「やっぱり落ちやがった! こっからじゃ助けらんね……え??」

明日太が驚くのも無理もない状況が、一瞬で繰り広げられた! ハイ今回の山場!
明日太は、その時ようやくネギが階段の近くにいるのに気付いた。
そしてネギが背負っていた長い棒を振ると、さっきの黒板消しのようにのどかが地面スレスレで浮き上がった!

「な……やっぱこいつ……」

ネギが滑り込んでのどかを抱えると、一部始終見ちゃってる明日太が歩み寄ってましたとさ。

「……あ゛」
「お、お前、今の……」

『明日太! でんこうせっか だ!』とトレーナーに命令されたかのように、
明日太は物凄い勢いでネギを近くの茂みに引っ張りこみまして、尋問ターイム。

「てめぇ! やっぱりク○フト・○ークの○タンド使いだったんだな!?」
「え、ち、違います、ス○ンドじゃなくてコレは魔法で……」
「じゃあなおさらトンでもねぇじゃねえか! ってまさか朝俺をパンツにしたのもお前か!?」
「チッ……気付きやがったか」
「! オラァッ!!」

明日太はネギの胸倉を掴んで……って何度目だよ。
それにいくら自白したからってゲンコツ見舞うのはあんまりじゃないのか。

「いったー……で、でも私、このこと知られちゃうとまずいことになっちゃうんですー!!」
「知るか! 今日の俺の方がよっぽどまずいことになってるだろ!」
「むー……でしたら仕方ありません、あなたの記憶を消させていただきます!」

な……なんかすっげぇ魔法使いらしいセリフだ!

「え、ちょ、おい!」
「少しパーになるかもですけど許してくださいね……」
「待て、これ以上パーになってたまるかってか聞けよオイ!!」
「記憶よ、消えろーー!」
「うわらば!」

そのシャウトじゃ死んでそうだが、記憶が消えることはなかったようである。
……代わり腹から下が真っ裸になっていたが。

「……な、何じゃこりゃあ!」
「あ……間違えちゃった。テヘッ」

テヘじゃなかろう。
それはおいといて、不幸ってコンボでやってくるものなのよね。

「おーいそこの2人、こんなところで何をやってるんd……」

茂みをかき分けて、高畑先生が2人に興味を持たれたようです。
明日太君、脱がされたばかりのフル○ン弾けそう。

「あ……あ……あ……ノォォォォォォォォォ!!!」


「あ、あの、すみません……記憶消すの間違って服消しちゃいました」
「記憶の方がナンボかマシじゃいイテこますぞワレ!」

とにかくネギに制服を買いに一っ走りさせ、一旦クールダウン。
でも、方言は木乃香とかのチャームポイントだからパチったらいけないと思うの。

「……で、人助けをするどエライ魔法使いになる為にやってきて、魔法がバレたらロッズにさせられちまうと言うんだな?」
「いやオコジョですって。どんな間違えかたですか」
「揚げ足とんな! とにかく人助けが目的だってんなら、ここまで俺をおとしめて平気だなんてないよなぁ?」
「……正直こんなチンピラまがい、放っといてもいいかなーって」
「ドラァッ!」

何はともあれ、拳と”魔法バラすぞ”な脅しをかけて、明日太とネギは高畑先生陥落を目指して義兄妹の契りを結ぶのでした。
……あー、義兄妹はウソ。

「でよ、なんか役立つ魔法ねーのか。ホレ薬とか、使いきれないくらいの札束出すとか」
「ホレ薬なんて無理ですよー、大体札束ってバブルの頃の成金重役ですか」

早速、教室に帰りながら作戦会議……っていくらなんでも危機管理能力ねーんじゃね?

「それぐらいできねーで魔法使いかよ……他に使えるのはよ?」
「えーと、あとできるのは読心術ぐらいで……」
「その読心術にチェックメーーーイト!!」

何でダチョウなのかは無視するとして、ようやく使えそうな手が出てきた。

「そいつで高畑先生の心を探ってアレコレしてみるか! じゃあ荷物取ってくるからここで待ってな……」

そう言って明日太がドアを開けると、それに合わせて何発もクラッカーの音が鳴り響いた。

『2-Aへようこそ、ネギ先生!』

……そういやすっかり忘れてたよな、このこと。

「……あぁ、お前の歓迎会するのド忘れしてた! 買い出しのブツ持ってたのに!」
「え……えええぇっ!?」

ネギもどう反応したものやら非常に困ってますね。


神楽坂明日太 曰く。
”言っとくが、俺のナニは胸ポケットに詰められるほど小さくないぞ!
本当だぞ! 一つ上の男は目指してるけど!”


”前略、天国のおふくろ様。
冷静になって買い出しの内容を確認してみました。
大量のトマトジュースに抹茶コーラ……誰が飲むんだコレ?”


前回まで:ネギを小一時間問い詰めた明日太は、魔法使いの彼女を利用しようとするが、歓迎会が待ち受けていた!

「さアネギ老師ヨ、こちらに座るヨロシ」
「は、はい……なんだか、本格的ですごいですねー」

飾りつけも短時間ながら華やかで、食べ物も大量に用意……とまあ、さすが天才・超の仕切りである(雪広財閥の財力もあるけど)。
ネギの周りは桜子らチア組や双子といったやかましどころが集まり、明日太は飲み物を片手にそこから離れる。

「ネギちゃんと一緒に来るなんて、何かあったん?」
「いや、思い出したくないぐらいにいろいろと……」
「もしかして、もう勉強を教わりに行ってたとか?」
「あのなぁ裕奈、俺はガキに勉強教えてもらうつもりなんざ更々ねーぞ」

木乃香と明石裕奈がいろいろ訊いてきても、義理もありゃ忘れたいこともあるしぼかして明日太は答える。

「あ、あの!」

騒ぎの中なら大声は当然なのだが、いつもは物静かなのどかが声の主と分かり、全員が注目する。

「ネギ先生、さっきは、その……転んだのを助けていただいて、ありがとうございました。お礼に、と、図書券を……」

のどか、精一杯の熱烈アタックである。

「おおっ、早くも本屋がネギ先生にアプローチだ!」
「あー先越された! 僕もネギちゃんいいなーって思ってたのにー!」
「まき男、テンション上がりすぎや……」
「違いますー、それに僕本屋じゃないですー!」

朝倉の実況、佐々木まき男の落胆、和泉亜貴のツッコミ、もちろんそんだけじゃなくクラスはさらに沸き立ちますわな。

「お待ち下さいネギ先生! 私からはこの銅像をお贈りいたしますわっ!」
「僕が授業中に測量して、茶々丸に彫らせましたから出来はバッチリですよ~~」
「……(ペコ)」

ところが後攻のいいんちょ、ネギそっくりに作られた銅像なんて切り札を出してきた!
実際に作った葉加瀬聡と絡繰茶々丸がすごいのはもちろんだが、いいんちょもえらいお金持ちやで。

「あのなぁ、どこに教師の銅像くれてやる生徒がいるんだ、このバカ野郎!」
「なっ……あなたにバカと言われても説得力ありませんわ! それに女はヤローじゃなくてアマじゃないんですの!?」

明日太君の指摘はごもっとも。今どき野郎と尼を区別して呼ぶやつなんかいなi……って違いますね。

「いやー、なかなか歓迎されているじゃない、ネギ先生」
「あ、タカミにしず樹先生。来てたんですか」

目標を見つめる目は速く、すぐさま明日太はネギを引っ張りよせてくる。
……この日だけで、彼は寿命が数日縮まるくらい動いてるんじゃなかろーか。

(いいか、俺のことをどう思ってるかさりげなく探って来い! さりげなくだぞ!)
(イ、Yes boss!)

いつの間にやら上下関係が入れ替わっているが、とりあえず作戦もクソもない決定でした。
ネギは押しやられるように元の席に戻りまして。

「ほらのどか、夕もついてきて……ネギ先生、かんぱーい!」
「や……やっぱりさっきのが限界だよハルナー、もういいってばー」
「乾杯なら皆でそろってやればいいですし、そもそも僕を巻き込んでって聞いてませんねハルナ」

早乙女ハルナがのどかを引っ張って来て、抹茶コーラなんて味の想像も付かない飲み物を持つ綾瀬夕とともにネギに乾杯の音頭を取りました。

「はい、かんぱーい……いやー、やっぱり授業がうまくいかないんだよね」
「それはこれから慣れていけばいいさ。君ならできるよ」
「うん……それよりタカミ」
「ん?」

さっきの明日太の報告信じてなかったんだな、いや素でもいっぺん訊いただけか?
そういったツッコミは投げやりまして、ネギがさりげなさ0でタカミの額に手を当てます。

「タカミって、明日太さんのことどう思ってるの?」
「……?」

明日太さん、1回目のコケ入りましたー。

(バカかあいつは、さりげなくって念押したのに即行で無視してんじゃねー!)
「どうって……バイトもしっかりやってて、明るくていい子なんじゃないかな?」
「……なるほどぉ」

電波を察知したネギ君、ちょっとげんなりしてる明日太に報告のため帰還です。

「サー、”皮かむり”って思ってました、サー!」

明日太さん、早くも2回目のコケに相成りましたー!
皮がどこにかむっているかは両親や親友に訊いてみて……いややっぱり訊かんでやってくれ。

(そりゃさっきのことだしなぁぁ! まーナニに興味持ってる先生萌えとか思えなくないけど!)
「ネギ、ここはも一回探って来い!」
「さ、サウザンド・ドーター了解!」

勢いでコードネームまででっち上げて、ネギ先生は再び決死の心理トラップに飛び込んでいく!(適当)

「……サー、”熊パンツ”って思ってます、サー!」

明日太、3度目のコケにして撃沈。
樹海の覇者は見えない空を見上げて、淋しくクラスルーム・ランナウェイであった。

「あ、ちょっと待ってください明日太さん!」
「うるさい、ほっといてくれ!」
「いえ、さっき魔法の教科書見てたらホレ薬の作り方が載ってたんですよ! 4ヶ月くらいあれば作れるかも……」
「ほっとけっつってんだろーが!」

やさぐれて階段を下りる明日太を、ほっとけまいとネギも追いかけますが逆効果ですね。

「いーんだよ、どうせ片思いだって分かりきってたんだし……それにホレ薬で使ったからって成功するってのか!?」
「……いえ、そうですよね。こういうときは魔法に頼ってはいけませんね」

……先生とは、生徒に対して常に真摯に対応するが必定、

「おじいちゃんが言っていました。わしらの魔法は万能じゃない、わずかな勇気が本当の魔法じゃよって」
「……!」

生徒を思って真顔でクサいことを言いますとも、それがネギ子クオリティ。

「へっ、マジメな顔してクサいこと言うんじゃねーよ……」
「でも、明日太さん!」
「分かってるって、俺も勇気出すよ。これ以上芝居じみたこと言われたら笑い転げちまうからな」

素直じゃないナァ、明日太君はもう。

「ま、勇気出して告白する前に、だ。ちょっと練習させろ」
「え? 練習ってその……」
「ぶっつけ本番じゃ心配だろ。突っ立ってるだけでいいから付き合え!」

そう言って同じ段に立ったところで、どう贔屓目に見てもネギの方が小さいのよね。
上の段に上げて調節したらば、前髪の行方をにらめっこする鏡もないので手グシで髪を整えて準備OK!

「先生……好きです。昔からずっと好きでした!」
「え……と、明日太さん……お兄ちゃん?」

日ごろ不真面目な人が真面目になるとより印象よく見える……って訳でもなさそうねネギちゃん。

「なーんて、やっぱり駄目ですよね、俺みたいなガキなんて」
「いえ、そんなこと!」

妙に熱のはいったネギが明日太の肩を掴んで、バランス崩してお顔が急接近……おぉ、ラブコメだ!

「んっ……せっかくだし、この続きも練習させてくれよ……」
「え……ちょ……そんな……」
「恥ずかしいんだから、目を閉じてろ……」

おお明日太よ、ロリコンの階段を上ってしまうとは情けない!
……そこをグニっとつねる音。

「……あひ?」
「プッ……あっははははは! 何顔赤くしてんだよ! キスなんざするわきゃねーだろ!」

騙しておきながら、ネギの頬をグリグリつねってます。ヒドいですな。

「ひょっとして期待でもしてたのか? 大したマセガキだなぁ……ま、散々振り回してくれたバチだぜ、こいつはよ」
「あうー、ひろいれふあふらさんー」

随分はしゃいでますが、あまり見つかってほしくない状況だってこと忘れてませんか。
ああほら、カメラのフラッシュっぽい光が。

「んんっ!?」
「あ……明日太さん……こんなところにネギ先生を連れ込んで、まさか如何わしい真似でも!?」
「明日太ぁ、私は信じてたのに残念だねー。これであんたもロリの道を行く者決定ねぇ」
「うそぉー、明日太ってネギちゃん狙ってたんだー! 初等部のころからオトナが好きだったのにイガーイ」

……疑うなってのは無理がある。特に朝倉は、見るからにネタにする気マンマンである。

「いやぁーコレはいいんちょよ、海より深いわけがありまして……」
「どんな訳があってネギ先生をかどわかそうとするのですか!? ああっおバカの明日太さんでも犯罪には手を染めないと思っていたのに……」
「だったらお前のやってることは何だ! それにてめ……先生も証明してくれよっ何もなかったよな!?」

そうは言われましても、10歳の女の子にこの状況はキャリーオーバーですって。

「え……そんな……あう……き、記憶よ消えろー!!」
「ってバカかお前は、全員脱がす気か!」

少女が杖を振りかざすとき、災難が起こる……って言うと大げさだけど明日太はトラウマあるし本気で怒鳴ります。

「おーっ、もうコントが成立してるよ! 明日太とネギ子はコンビネーション抜群だね!」
「だから違うっつってんだろ鳴滝姉!」
「今度ばかりは明日太さんに裏切られましたわ……これは先生方に相談しませんと!」
「だー! どいつもこいつも勘違い進めてんじゃねーー!!」

理解されない男は一人叫ぶ……って元凶あんたじゃん。


「ったく、今日はお前のせいで厄日だ厄日」
「ま~何かと、明日太まわりで騒ぎが起きとったな~」
「さっきは私で遊んでおいてよく言いますよ……」

すっかり暗くなった帰り道、何があろうとしぼられるのはネギだったのであった。
でもネギの指摘は当たってますから、明日太君セキしてゴマかしてます。

「……ともかく、お前が失敗ばかりやらかしてるのは事実だろ。まったく頭が良くて魔法なんかも使えるもんだからって、なぁ」
「…………」

子供でも先生ならば期待はされますわな。ネギも実感してしょんぼりである。
そんな姿を見ると良心の呵責も生まれるもんで、明日太はネギの背中を軽く叩く。

「だからってしょぼくれててどうすんだ!? ほら、帰るぞ」
「あ、はい……でも……」
「あぁ、泊まるとこがねぇんだったな……しゃあねえ、俺らの部屋に来てもいいぞ」

言ってる当人も突然な心変わりなもんで、ネギにしてみりゃ意外な一言である。

「え……」
「木乃香も賛成してたしよ、ガキ一人増えたって厄介にならねぇさ。それに……クサいけど効く言葉は言えるんだ、ガンバりゃまともな先生になれるかもな」
「あ……ありがと……」
「へっ、今更しおらしくなったって何も出ないぞ」

妙なくらい好転する状況に、ネギ君も月を見上げて、故郷を思ったオリジナル笑顔が輝きますとも。

「何してんだ、行くぞー」
「ネギちゃんこっちや~」
「はいー……へ、へ、へっくしゅん!」

デジャヴュな光る風……ってハピマテネタはもういいか。マジカルな突風が吹き荒れまして。

「いやーん!」
「こ、この野郎末恐ろしい真似しやがって!」
「今のはわざとじゃないんですー! それに女の子はアマですー」
「いいんちょと同じ口吐かすな!」

魔法少女先生ネギと魔法にまつわるお話もようやっと導入部。
容量過多もいいとこな前フリ、コレにて終了。

神楽坂明日太 曰く、
”これでも全クラスメート紹介しきれてないってのが怖い。
半数性転換だと書き換えづらい展開があることを考えるともっと怖い。”



第2話 誰もいない図書室で男女が取っ組み合い


”前略、天国のおふくろ様。
バカで悪いか! バカで悪いか!
バカで何か悪いことがあるっていうのかー!!”


2話 ”誰もいない図書室で男女が取っ組み合い その1”
前話まで:暴力生徒明日太と魔法先生ネギの通った後には、ぺんぺん草も生えねぇぜ!

「高畑先生! おいしいお茶貰ったんで、よかったら飲みませんか?」

ここは教室の果て流されて明日太、いかにも怪しい飲み物をタカミに差し出します。

「フッ……ホレ薬なんて私に飲ませる必要はないよ」

そう言ってタカミさんはコップをひっくり返してしまいます……これはこれで勿体無い。

「え……どういうことですか!?」
「こんなものがなくても、君のことが好きで堪らないからよ……」

大胆告白をするタカミの目はいい感じに艶かしく見つめてくる。しらふでこれってちと引かないか?

「えっ……高畑先生、いきなり……」
「フフ、体硬くしちゃって……明日太君……」

いきなり抱きつかれてこんな迫られ方なんて、正に明日太の理想どおりの展開です。
……まぁ、夢だからな。


「……高畑先生、舌まで入れて……んんっ……」

どんな発展してんだというのはともかく、誰かの額に吸い付きながら夢の続きを楽しんでる明日太君である。
ん? 誰かさんの額?

「うう~ん、お兄ちゃん、くすぐったい……」
「……! どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

あ、明日太も気付いた。いつのまにやらネギと添い寝なんて状況に思わず大絶叫しちゃいます。

「え、俺もついに無意識に夜這いとか? イヤ待て、木乃香ならまだ分かるがなんでこんなクソガキが標的なんだよ畜s……って」
「あれ……お兄ちゃん、じゃなくて明日太さん……どうして?」
「どうしてもクソもあるか! 何でお前が俺の隣に忍び込んで寝てるんだよ!?」

とりかえしのつかないことをしたのではないと安心はしたが、でもきっちりネギを問いただす明日太君。

「あ、いえ……故郷ではお兄ちゃんと一緒に寝ていたものでつい……明日太さんってちょっとお兄ちゃんに似てますし」
「……本音は?」
「いろいろ悶々としてるでしょうし、横に寝てからかってやろうかと思いまして」
「無駄ァッ!」

黒い面が出ると毎度ゲンコツを見舞っているのは、果たして律儀なのか狭量なのか。

「ってバイト遅れちまうじゃん! 先行くぞ木乃香!」
「お~、いってらっしゃい」

急いで着替えて部屋を出る明日太と対照的に、寝ボケ顔で送る木乃香のまあ、のほほんとしたこと。


その全力疾走っぷりは登校時間にも留まるところを知らないのであった。

「ったく、バイトには遅れちまうし、お前泊めたせいで散々だ!」
「バイトは私のせいじゃありませんよー!」
「朝っぱらから仲悪いな~2人」

とりあえずネギの所為に作戦が空振りなもんで、明日太がネギに近寄って小声で注意し始める。

「いいか? 俺は一応お前の弱み握ってるんだからな、俺の機嫌損ねたらどうなるかぐらい分かるだろ?」
「は、はいー」
「もし俺が魔法バラしてみろ、魔女裁判で火あぶりだ火あぶり!」

あのー、いつの時代のお話なんでしょーか?

「……それはいくらなんでもオーバーなんじゃ」
「ジョークの分からんヤツだな。とにかく変なことしでかすんじゃねーぞ」

キツめに脅しをかけて若干ホッとしましたが、ネギ君はまだお話があるみたいで。

「あの……ホレ薬はどうしましょう? 4ヶ月あればホントに作れますけど」
「ぬ……ん……オイオイ、勇気でどうにかしろみたいなこと言ったのはお前だろ? 自分でどーにかしてやるさ」
「あ、わかりました! 頑張ってくださいね!」

……逃した魚は大きいんじゃないかと早くも後悔し始めながらも、明日太はゲタ箱にたどり着きました。

「よっす、いいんちょ」
「あら明日太さん、おはようございます。で、ネギ先生は?」

あやかさん、明らかに挨拶よりその後のがリキ入ってます。

「二言目にゃそれか。教員の入り口から来てるだろ」
「あら、確かに……まあ、ゲタ箱に手が届いていらっしゃらないじゃありませんの! すぐにお助けしませんと!」

いいんちょはネギを捕捉しまして、軽くターンしながら馳せ参じます。

「ありゃビョーキだな。よくもまぁ人様を犯罪者呼ばわりできたもんだ」
「でも明日太の嫌いっぷりもちょっといき過ぎやない? 子供なんやから笑って許したってええやん」
「木乃香はトラウマになりかねん真似をされてないから言えんだよ」

大丈夫だ明日太。そのうち木乃香も脱がされるかrうわなにするやめ(ry


「起立ー、気をつけー、礼ー」
『おはよーございます!』

日直ののどかの号令にて、2-A一時間目の英語が始まります。

「着席ー」
(登校してるときにあれだけ言ったんだ、少しはうまくやれよ……って何わざわざ心配してんだ俺は)
「それでは授業を始めます。テキスト76ページを開いてください……」

天才少女は伊達ではないようで、ネギの授業はきっちり教えられるレベルになっているようです。
とはいえそこはバカ四天王最強の5人目……じゃなくて、居残り戦隊バカレンジャーの一員の明日太には理解できるワケもなし。

「それじゃ、このページを……えっと……じゃあ明日太さん、訳してください」
「待て、何で突然俺なんだよ!?」

フィルターでもかかってるのか、内容がチンプンカンプンな明日太が当てられても答えられないと言い切っていいでしょうねぇ。

「だって皆さんそっぽ向いちゃうから、とりあえず明日太さんでいいかなって……」
「とりあえずで当てるんじゃねぇ! 大体今日の出席番号とか席順とか考え付くだろ!」
「要するに分からないのですわね、明日太さんは。でしたら私が……」

分からんから押し付けようとしてた明日太だが、いいんちょに挑発されては黙っちゃおれません。

「そういうわけじゃないわい! えーとこのページだろ? 1人1人は小さな火だが、2人合わされば炎と……」
「そんな熱血な内容じゃありませんよ」
「えーとそんじゃ……我輩は猫である、名前はまだ無い……」
「明日太さん、頭の中身あります?」
「んなツッコミいらん! えーと、人生楽ありゃ苦もあるさ……」
「ボケも半分放棄しててどーするんですか」

……ま、結局悲惨な結果に終わりましたね。

「ホント、明日太さんって英語ダメなんですね」
「教師のクセにいきなり全否定すんな!」
「英語だけじゃないよ、保健体育以外は全部ダメだもん」
「僕らバカレンジャー中で最強のバカですから、推して知るべしです」
「まさに、救いようのないおバカさんですわ」

柿崎→夕→いいんちょ、と素敵にけなしコンボが決まったもんだから、クラス中で笑われてるよ明日太。

「この野郎、俺に恥かかせやがって! 朝言ってたこと忘れてんじゃねぇだろうな!?」
「あ、いえ、そんな……って寝冷えしたので揺らさないで下さ……ふぇ……ふぇ……」

明日太も声を潜めて、ネギの肩掴んで揺らしながら問い詰めるが、どうやらイ○ゲージが溜まった模様である。

「ぶぇっくしょん!!」
「あべし!!」

ピープー鳴って爆発することはなかったものの、お約束の下着姿になった明日太君でありました。

「何よ、今の風?」
「ちょ……ちょっと明日太さん、何で突然服を脱いでいるんですの!?」

いきなり同級生が服脱いでるもんだから、笑ったり凝視したり目を背けたり……どれにしたってトラウマ追加は決定。

(殺す……SATSUGAIしてやる!!)

明日太よ、10歳相手にそれもどうなんだ。


雪広あやか 曰く、
”全く、明日太さんはとんだ問題児ですわ。それに引き換えネギ先生の愛らしいこと……。
ああ、(ピー)して(ピー)なんてこともして……ってあら? ちょっとマイクの音量が小さくなってませ……”


”前略、天国のおふくろ様。
ゲームじゃなんとなしに使ってますが、
魅力向上ってそら恐ろしい魔法なんですってねー”


2話 ”誰もいない図書室で男女が取っ組み合い その2”
前回まで:ネギを手篭めに出来なかった、明日太の逆切れが始まった!

時間は過ぎて昼休み、それでも誰かさんの心は休まりません。

「こんな形で3着も制服買い換えるってどうなんだよ……あのガキめ!」

もはや名前言う気にならないくらい鬱陶しく思われてます。エライ嫌われようですね。

「それやけど、いつの間にマジックの練習なんかしとったん? 面白かったわ~」
「今始めて、その笑顔が憎たらしく思えてきた」

そりゃ魔法なんて露にも思わない人たちにはマジックか何かと認識するだろうが、明日太にはどうでも言い事実でいらっしゃる。

「あー、あれってマジックだったんだー。今度は違うのやってみせてー!」
「次はもっとカゲキなファッションに変わったりとかしてよ。なんならネギちゃんもいっしょで!」
「フツーに、テーブルマジックにした方が角立たないんじゃないか? やっぱパンツみたいなのは見苦しいし」
「……ああ、憎しみを鈍器に換えられたら……」

その上ばチアトリオも混ざってきて、円でさえフォローする気0なもんだから、泣きながら不穏当なこと口にしてます。

「明日太さん、明日太さーん!」
「来やがったな、元凶……何の用だ!」

明日太が崩壊気味なことも知らないで、真っ先に殺られそうな娘っ子が元気に参上です。

(出来たんですよ、ホレ薬! 明日太さんに使ってもらおうと……)

予想の斜め上をカッ飛んだ言葉に、明日太は怒る気も失せて席を立ちます。

「ま、待ってくださいよ、本当に効くんですって!」
「知るか、いらねぇって言っただろ!」
「とりあえず飲んでみてください、喜んでもらえると思いますから!」
「……そーかい、なら」

そこで明日太は振り返り、引きつった顔でホレ薬をふんだくると、

「お前が飲んでなさい!」
「ふっ……ふごっ、ふごっ!!」

ネギの口に押し込んで飲ませちゃいましたとさ。以外にそそる声出してます。

「散々魔法で失敗してるくせに飲ませようってよく思えるよな……そもそも効いてんのか?」
「ふぐっ、あうー……あれ? 効いてるハズなのに」
「呆れて物が言えねぇ……とにかく、ガキのくせに機嫌取ろうなんて二度と考えるなよ」
「そ、そうですよね……ごめんなさい」

機嫌取ろうとするぐらいいいじゃんとは思うが、ともかく怒り心頭な明日太をどうにかできるもんではなし。
結局ホレ薬も失敗に終わりましてめでたしめでたし……

「なんやネギちゃん、すっごいかわえーなー……ん~スリスリ……」

……んな訳がなかったか。ともかく木乃香さんがホレ始めました。厄介ねぇ。

「ちょっと何してるんですか木乃香さん! あなたまで私の……いえ先生にいかがわしい行為をしようなんて!」

そんな光景、ロリk……いえいえ規律に厳しいいいんちょが許すわけがありませんね。

「……ネギ先生、この花束をどうぞ受け取って……」

かといっていいんちょも魔力には抗えようもなく、花束を召喚してむしろエスカレートした求愛を見せ付けます。

「おいおい、これって本物かよ……って後ろから殺気!?」
「ネギ先生ー、家庭科でケーキ作ったから食べてー!!」
「先生、子供用の服作ったから着せてあげる♪ くぎみー取り押さえて!」
「合点! ほらネギ先生、やさしくするから……」

ああ、チア組みんなして効いてるね。逃がした大魚の大きさ見せられて明日太も思わず引いてますよ。

「あ、明日太さん助けてーー!!」

ネギも思わず、教室を抜け出して逃げ出しました。原因は君だよ!
それでもホレ被害者は足を止めやしませんし。

「ハア……なんて世話の焼けるガキだよ」
「ちょっと明日太さん! ネギ先生をどこに隠したんですの!」
(ぐっ! オイいいんちょ首入ってる! あと何背中にやわらかいの押し当ててんだ!)

明日太もようやくスイッチを入れたはいいけど、いいんちょはもっとヤバイスイッチが入ったみたいである。
あててんのよ状態で首絞めと、まさに天国と地獄な技で明日太を攻撃して……攻撃か?

「ぐ……ぬ……よし抜けた! ほらいいんちょ、しっかりせい!」
「あうっ」

至福の時を楽しむわけにもいかない明日太は、せわしなく動いて絞めから抜けようとします。背中のクッションも一緒に動くけど気にしない!
抜けましたれば、どこからか出したピコピコハンマーですぐさまいいんちょを叩いて、ネギを追っかけます。

「しかし、ネギのヤツどこ行ったよ……一応ホレ薬飲ませたの俺だから、穏やかにもしてられねーしなぁ」

明日太にも少なからず良心の呵責はあるようで、探す姿も真剣になってくる。

「ネギせんせー、待って……」
「……今の、図書室の方だ! 声は本屋か!?」

首振り周りを見渡していると、何かをとっ散らかしたような物音が聞こえてきました。
ついでに、明らかにホレてるっぽいのどかの声もかすかに聞き取れたので、明日太は急ぎ図書室へ走る。

「ネギ! 本屋! 少年誌レベルを超えた真似してないよな! 邪魔するぞ……って鍵かかってるし!」
「宮崎さん……ですよ、先生と生徒が……しちゃ……」

……うん、こりゃやべぇ。

「深呼吸……気持ちを落ち着かせて……チェェストォォォォォォ!!!」

明日太の気合と怒りを込めた蹴りが、図書室の分厚い扉をぶち破った……って人間ワザじゃねぇよ!

「明日太さん、危ないですー!」
「ハイハイワロスワロス、本屋は……気ぃ失ってるか」

素直じゃない明日太君は、ネギを軽くあしらってのどかをお姫様抱っこで運ぶ……ウh(ry

「あ、ありがとうございます明日太さん! 助かりました」
「昨日からこんな感じで面倒ばっかかけさせやがって、ホントにありがたく思ってんのか?」
「思ってますよー。今日も添い寝してあげたいくらいですよ♪」
「マジでSATSUGAIした方が世のためかもしんねぇ……」

もうどっちも騒ぎに慣れたのか、締め方が漫才じみてきたな。


のどかを救出した頃に都合よくホレ薬が切れたらしく、その後の授業でネギが追いかけられることは無かった。
そんなこんなで心力使い込んだもので、明日太も気付けばもう下校時間でございます。

「今日も、バタバタした一日で楽しかったなーアハハハハ……」
「な、なんか生気が抜けてませんか明日太さん……」
「当たり前だ、気持ちこもってない時点で気づけ」
「はい……すみません、ご迷惑ばかり」

ゆったりしたままにしようとするネギですが、ちょっとどうしても訊きたかったことがありました。

「でも、なんで助けに来てくれたんですか?」
「か、勘違いしないでよね。お前じゃなくて本屋を助けに行っただけなんだから」
「何でそんなテンプレ通りのツンデレなんですか。棒読みだからキショイし」
「悪いか」

もうゆったりというかゆるゆるに近い明日太だが、ちょいと力を振り絞りまして。

「ほれ、もう少しシャキっとしろよ、先生」

そう言ってネギの背中を叩くところは、疲れてるとはいえ少しは態度が軟化してきた証なのかもしれず。

「何か今日、頭ボーッとすんねん……何かあったかな?」
「さ、さー、何かあったかなー?」

これまた都合よくホレてた間の記憶が消えてる木乃香はさらりと誤魔化して、今日もゆるりと帰路に付く。

「あ、コラてめぇ! 名簿に何書き込んだんだ、見せやがれ!」
「いえ、これはただのメラ……じゃなくてメモ書きでしてー」
「え~なになに? ネギちゃん見して~」

夕日を背に先生と生徒の丁々発止……これぞ学園ドラマの王道って感じで幕が閉まります。


宮崎のどか 曰く、
”結局今回のタイトルはどこに掛かっていたんでしょうか……
あれ? な、なんか視線を感じますけど……僕は何もしてないですもんね。そう言ってくださいー!”




第3話 乳比べはともかく竿比べってどんな状況なら出来るんだ!?

”前略、天国のおふくろ様。
汗の臭いって人にもよりますが、
かなり複雑な臭いになることが多いです。体臭なら尚のこと深いです”


3話 ”乳比べはともかく竿比べってどんな状況なら出来るんだ!? その1”
前話まで:厄介ごとに事欠かない明日太の一方で、着々とロリコンへの一歩を踏み出すのどかであった。

麻帆良学生寮の午後8時。衝撃的な事件が起こるとも知らず、平和に暮らす生徒達。

「は~い、ちょっと待ってぇな~」
「誰だぁ? もう8時だってのに一体何の用だよ」

頭に入らないものの机には向かう明日太と、せっせと食事の後片付けをする木乃香の部屋の呼び鈴が鳴る。

「どうもーネギ先生! 授業の質問に来ましたー!」
「あー、宮崎さんに綾瀬さんに早乙女さん」
「せやったらどうぞ、上がり上がり~」

いつでも元気なハルナさん、声も張って下ぼk……もとい友達を引き連れて侵入です。

「オイオイ、入ってくるんじゃんねぇ……騒がしくなるだろーがよ。中学生はとっとと寝ろって」

そう言うお前は何なんだとツッコミが入る前に、またまた呼び鈴が連打された。

「どういうことですの明日太さん! ネギ先生があなたの部屋に泊まっているなど聞いていませんでしたよ!」
「あー、うるさいのが来やがった」

頭を抱えないで明日太! いいんちょも話せば分かって……くれそーにないな。

「うるさいも何もありませんわ! 木乃香さんが同室というだけでも危機的ですのに、ネギ先生も一緒とあってはいつ毒牙にかかってしまうか……」
「お前じゃあるまいし、ケダモノ扱いすんじゃねぇ!」
「お~いいんちょ、丁度ええとこに。今から勉強会するんやて」
「な、ネギ先生と勉強会!? でしたら委員長の私がお供しませんと……」

突入してきた勢いはどこへやら、いいんちょもしおらしく座って賑やかな勉強会が始まりました。

「先生、ここはどうしたら……」
「はい、それはですね宮崎さん……」
「ネギ先生、私の質問にも答えてくださいー!」
「木乃香ー私はおでん缶ねー!」
「一般人の部屋にある訳ないでしょう、ハルナ」
「おでんやろ、あるよ~」

思い浮かべてください、猛勉強の横に大音量で流されるドンチャン騒ぎの音声。

「人の部屋で宴会すんなーー!!」

明日太、怒りのスーパーモード発動で闖入者を全員追い出します。

「ったく、朝早いってのに騒がれちゃたまんねぇよ」
「ハハハ……それにしてもみんなこの寮に住んでいるんですね」
「全寮制なんだから当たり前だろうが。5,6階は2年生が使ってて、2-Aは全員この6階だよ」

一暴れの後のクールダウンと相成って、ネギに寮の説明をする明日太である。

「うちらみたいに男女混じっとる部屋は珍しいけどな……ほら、この寮の地図やで」
「へー……あ、展望台なんてあるんですね。見てみたいなー」
「なら今度の休み、案内したげるわ」
「んなのではしゃぐなんざガキだよな……んっ?」

木乃香が引っ張り出してきた寮のマップに興味津々のネギから、ほのかに臭ってくる何かを感じて明日太は思わず嗅ぎまくる。

「え……明日太さんヒドイですっ、臭いフェチだったらそう言ってくれれば……」
「なわけあるか! なんか汗臭ぇぞ、風呂入ってないのか?」
「あ、その……何かと忙しいものですから、タイミングなくなってたって言うか……」
「だったら隣の棟の大浴場に入って来い、今なら誰も入ってないから恥ずかしくないだろ」

そう言って促しはするんだが、どーもネギさん歯切れが悪い。

「え……それは、そうなんですが……」
「ん~、ネギちゃん聞こえんよ~……え、風呂ギライ?」

いやなんとも、明日太の怒りのスイッチ押しちまった理由なんだな、これが。

「何言ってやがるこのガキはァ! それでも女じゃねーのか!?」
「いやぁぁぁんっ!」
「もう我慢ならん、洗ってやるから来い! 泣いたり笑ったりできなくしてやる!」
「頼むえ明日太、ウチも後から入るわ~」
「いやですーっ、木乃香さん止めてくださいー!」

ここで止めなかったことが、まさかあんな事態になってしまうとは……ってありがちな引きだな。


「いいですよ明日太さん、自分でやりますってー!」
「何ほざいてやがる、ガキなんだから大人しく脱がされ

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