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裕也×まき絵

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匿名ユーザー

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裕也×まき絵

「っぷはー! 今日も疲れたぜ・・・」

ぐびぐびっと途中で買った缶コーヒーを飲みつつ、寮への帰り道を急ぐ。
いや別に疲れてるんだからゆっくり帰ってもいいんだが、そうすると厄介な奴に追いつかれることになりかねない。
別に嫌いなわけじゃなくてむしろ逆なんだけど、こういうときに構われると激しく疲れるので勘弁。
というわけでげっとほーむはりあっぷ。
色々間違ってる?
気にすんな!
なんて一人突っ込みをしながら(寂しい言うな)てくてくと歩いていると。

「・・・・・・裕ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

げっ。
後ろから、まさにその『厄介な奴』の叫び声が。
うわさをすれば影、って奴かよ。
あーもうめんどくせー。
なんて思いながら振り返ってみどあああああああああああああああっ?!

「てやーっ!」

助走がトップスピードに乗った最高のタイミングで最高の踏み切りをした最高のジャンプで、まき絵がこちらに飛び込んでくる―

―――というか突っ込んでくる。

「ダイビングジャンプしてんじゃねぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

防衛本能から思わず身体をひねって回避。
バズーカ砲もかくやとばかりの勢いで飛んできたまき絵の身体は俺の身体をかすめて飛んでいき、そして――――――――!

「へぶぅっ!」

顔・面・直・下。
まぁあの勢いで突っ込んでくりゃ当たり前か。
にしても今大分いい音したけど大丈夫かコイツ。

「おーいまき絵ー、生きてるかー」

しばらくほっといても動かないので一応確認してみる。
ぺちぺちとほっぺたを二、三度叩いてみるが、反応なし。
アレ、もしかして結構マジでヤバイ?
かなり本気で焦ってまき絵の顔を覗き込んだ、そのとき。

「――――裕也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

「だぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

いきなりがばーっと抱きつかれた。
突然の不意打ちを食らってよろめき、そのまましりもちをつく。
この野郎、俺が逃げられない距離に近づくまで死んだふりしてやがったな。
バカピンクのくせにこういうことだけは頭回るからタチ悪いぜ・・・・・
心の中で色々と愚痴りつつ、「裕也っ、裕也ぁ~」とネコみたいに顔をすりつけてくるまき絵を無理に引き剥がしにかかる。
ここでまき絵の笑顔に負けてはいけない、負ければ下手すりゃ朝までここですりつかれることになる。
いろんな意味でそれは勘弁。

「あーはいはいわかったわかったから。 いい加減離れろよまき絵」

わざとぞんざいに突き放すような言い方をする。

「むぅ~! 何それ裕也ひどーい!」

ハイひっかかったーまき絵やっぱバカー。
なんて言ったらまたごねるので言わないが、あんなに密着していた体をぱっと引いてくれたこの機会を逃すわけにはいかない。
俺の体とまき絵の体の間にすばやく自分の手を突っ込み、まき絵の肩をぐいぐい押す。
だがまき絵も俺の腕を引っつかんだまま放そうとしない。
一進一退の攻防がしばらく続いたが、勝負がつかない。
このままだと朝までこのままになりそうな気がして――――まき絵ならやりかねない――――、結局俺が折れることにした。

「・・・あーあーもう、負けたよ、俺の負け。 だからほら、手ぇ離せって、立てねぇ」

「やだ。 それで私が手離したらぱぱーって先に行っちゃうんでしょ」

いや何もそこまで疑わなくても。
はぁ、とひとつため息をつき――――ぶっちゃけひとつでは足りないんだが――――ダメ押しの一言。

「だいじょぶだよ・・・ちゃんと一緒に帰ってやるから」

「ホント?」

「ホントホント」

そこまでこだわることか?とも思うが、まき絵の顔は真剣そのものだ。
そんなに俺と一緒にいたいのかねぇ・・・いやま、嬉しいけどさ。
そんなことを考えるともなしに立ち上がり、まき絵のひじの辺りを引っ張って立ち上がらせる。
するとまき絵は、なにやらニヤニヤしながら俺の腕に自分の腕を絡めて体をひっつけてきた。

「・・・何やってんだ、まき絵」

思いっきり眉をひそめながら尋ねる。
しかしまき絵はニヤニヤ笑いを浮かべたままで、

「またまたぁ~、えへへ、どう? どう?」

などとのたまう。
いやどうって何がよ。
まき絵は勝手に一人合点してるようだが俺にはさっぱりわからない。
なので聞く。

「何が」

「な、何がって・・・・・・当ててるんだよ!?」

あーあーあー、そういうことか。
うんまき絵、お前のやりたいことはわかった。
だけどまき絵、残念ながら君のスタイルはあまりそれに向いてないんだなぁ。
なぜなら。

「もともとない胸押し付けられてもわからん」

「が、ガーン!」

あ、大分効いたらしい。
まき絵は絡めていた腕を離してふらふらーっとよろめいた。
のもつかの間、両腕で自分の体を抱えるようにしながら前かがみになると、

「・・・・そ、そんなことないもん! ほら、ほらほらほら! どう!?」

自分で胸を寄せてあげてアピール。
その必死さにちょっと涙出てきたよ俺。
でも真実を言わないわけにはいかないよなぁ。

「・・・・・・あんまり変わらないなぁ」

「・・・・・・・・・・・・!!!!!」

まき絵の口はさっきと同じように開かれたものの、今度ばかりは声も出ないようだ。
そのまましゃがみこんで、「いいもん・・・新体操はボンキュッボンとかじゃないほうが綺麗に演技できるもん・・・いいもん、いいも

ん・・・・」と呪詛のような言葉を延々と。
これはアレか、ポケモンで捕まえようと思ったポケモンに思わぬクリティカルが発生して倒しちまったときの感覚か。
なんてくだらないたとえで自己弁護してる場合じゃない、このまますねて座り込んでたらさすがに風邪ひいちまう。

「ごめん、悪かったってまき絵・・・ほら機嫌直せってば」

そう言いながら愚図るまき絵の手を引っ張った瞬間、ぎょっとした。

「うわっ・・・おいまき絵、なんでお前の手、こんなに冷たいんだ?」

さっき抱きつかれたやら腕に絡みつかれたときは気づかなかったが、まき絵の手は本当に冷え切っていて、もう全体が赤くなって

しまっていた。
確かに最近は寒くなってきたが、俺に追いついてからの時間でこんなに冷たくなるのはおかしい。
だって俺自身の手が大分暖かいし、まき絵は俺をダッシュで追いかけてきたはずだからこんなに冷えてるはずがないんだ。
いったい、何でまた――――――――

「え、えっと・・・ずっとそこの休憩所で裕也のこと待ってたから・・・かな?」

「なっ・・・・・・・」

あまりのことに、何も言葉は出てこなかった。
だってそうだろう?
休憩所っつーのは体育館と寮の間の庭んとこにある公園みたいなとこで、確かにちょっと休むくらいにはちょうどいい場所だけど

、寒さをしのぐような場所じゃない。
いつから待っていたのかは知らないが、こんなに冷たくなるまでというのは、よほど長い間そこで待っていたに違いない。
寒い中、いくら冬服とはいえ、体を温めるようなものもなしに、ずっと。
そこまで考えた瞬間、体が勝手にまき絵を抱き寄せていた。

「ひゃっ・・・ゆ、裕也?!」

目を丸くして自分を見上げるまき絵の肩に、脱いだ自分の上着をかぶせつつ思わず怒鳴る。

「あーもーこのバカ! 何やってんだ風邪ひくだろ! とりあえずこれ羽織れ!」

そういうが早いか、その上からぎゅっと抱きしめる。
上着を脱いだせいか、冷たい風がちょっと染みたけど、ずっと休憩所にいたまき絵に比べりゃよほどましだ。

「ほら、さっさと帰るぞ! そんですぐ風呂入って体あっためてすぐ布団入って寝ろ! 今ダルいとか熱あるとかないな?! 次

から俺待つときは体育館の自販機の前にいろよ、ちゃんと迎えにいってやるから!」

矢継ぎ早に怒鳴りながら、まき絵を前で抱きかかえたまま進む。
ちょうど二人羽織で歩いてるような感じで、はたから見れば大分面白い格好になってるだろうが、そんなことはどうでもいい。
これで少しでもまき絵があったまるならそれで十分。
多分頭がパニックでショートしてるまき絵を無理やり歩かせつつ、心の中でため息をつく。

――――ああ、なんで俺はこんな苦労をしなきゃいけないんだ?

出てきた愚痴を自分で笑いながら、当然のように答える。

――――簡単だ、親が「バカな子ほど可愛い」ってのと一緒で、恋人も手のかかるくらいが可愛いんだよ。

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