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超四葉(前編?)

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超四葉(前編?)
さて、本日も盛況超包子。
「仁者に敵無し」を地で行く天才料理人・五月の人徳と腕前に惹かれて今夜も満席御礼のようである。
しかしホント調理師免許とか資格の問題はどうなっているのか。
麻帆良ってもしかして治外法権だったりするんじゃなかろうか。
なんて野暮なことを突っ込むような客はおらず、いつものように五月はにこにこ笑顔で接客&料理。
やがてお客の波もひと段落し、五月がちょっと一息ついたとき。

「・・・・・・あれ?」

カウンターに腰掛けてお茶を飲んでいた五月の目に映ったのは、あっちへふらふらこっちへよろよろしながらやってくる人影


普通なら即不審者で通報されそうなものだが、五月にはピンと来るものがあった。

「・・・やぁ五月、まだやってるカナ?」

よろめく足を引きずって屋台の前のテーブルに手を突き、明らかに血色の悪い顔、眼の下にはどでかいクマをこさえた表情で

苦笑いする少年。
いったい誰かというと、3-Aの、いや麻帆良随一の頭脳・超鈴音である。
だが今の超の顔にはそんな様子は微塵もなく、むしろ残業続きで寝不足のサラリーマンのような感じである。

「はい、大丈夫ですよ。 こっちへどうぞ」

普通ならいったい何事かと思うようなものだが、そんな様子はおくびにも出さずにやさしく微笑んで対応する五月。
アリガトネ、と答えながらもふらふらふらふら危なっかしい足取りでカウンターまでやってくると、超はそのままカウンター

にへばりついた。

「うぅ~~~~・・・さすがに疲れたネ・・・・・・」

地の底から響くような声で呻く超。
厨房に入った五月は苦笑い。

「また研究で徹夜ですか? 超くん」

「まぁネ・・・ずっと引っかかってたトコロの糸口がようやく見つかったからつい・・・・・・」

そんなことを言いながら相変わらずカウンターにへばりついている超に対し、五月は、もう、無理しすぎです、とやんわりた

しなめつつ、手早く一品を作り上げる。
いいにおいが漂うそれを超の前に置いてやると、超はバネ人形のように飛び上がってそれにかぶりついた。
普段なら行儀よく落ち着いて食べる超にしては珍しいことだな、と首をかしげた五月だったが、もしや、と思い当たるふしが

あった。
ここ最近、超は文字通り寝る間も惜しんで研究を続けていた。
もちろん休み時間もずっと研究の準備に余念がなく、昼休みに昼食をとっている様子もなかった。
まさかとは思うが、もしかして――――

「・・・超くん、ご飯、ちゃんと食べてました?」

五月にそう聞かれた瞬間、むぐ、と食事の手を止め、きまり悪そうに眼をそむける超。
やっぱり食べていなかったのか。

「もう・・・駄目ですよ、ご飯はちゃんと食べないと」

「うぅ・・・面目ない、ほとんど丸二日ぶりだったからネ・・・・」

ちょっとモーメント。
食事の話で「ほとんど丸二日ぶり」っておかしくないか。
言葉のとおりに受け取れば、超は二日間ほとんど何も食べていないということである。
これは料理人としてほうっておくわけにはいかない。
そんな五月の気配を察知し、しまった、というような顔をした超だったがもう遅い。
五月特有の、怖いというわけではないが、「怒られてる」というのがひしひしと伝わる眼差しで見つめられて、しゅんとうつ

むいてしまう。
ふぅ、とひとつため息をついて、五月は次の料理の仕度を始めた。
・・・が、その量が多い多い。

「ちょ、ちょっと待つネ五月! いくらなんでもそれは多くないカ!?」

このままいくとコース料理が出てきそうな勢いで手を動かす五月を慌てて止める超。
実は研究室からふらふら~っと抜け出てきたので持ち合わせが極端に少ないのだ。
超包子のオーナーだからって売り上げを上手いことできたりするわけではない。
なのであんまり豪勢なものが飛び出すと首が回らなくなる、いろんな意味で。
だが超のそんな悲痛な心の叫びはなんのその、四葉は手を止めずに、

「――――ちゃんと自己管理もできないような人の言うことは聞けません!」

ぶった切る。
超はまさしく『(´・ω・`)ショボーン』という顔文字がぴったりな状態で黙って待機。
これ以上何か言って怒らせるわけには、ね。
とかなんとか言ってるうちに料理が完成した模様。
五月がその料理を持って厨房からカウンターの超の前に並べる。
そしてすべての料理を並べ終わった五月が超の隣に腰掛けたとき、超の目の前には。
種類色々ボリュームたっぷりの中華料理のフルコースが。
・・・五月サン、あんたどんだけ凄腕料理人なんですか。

「慣れてますから」

「・・・そんな無茶ナ」

とかなんとか言っている間にも料理からはおいしそうなにおいが漂ってくるわけで。
本人も自覚してるとおりここ最近は食うや食わずで研究三昧だったわけで。

「お代のことなら気にしないでください、サービスです」

「サービスというには、ちょっと豪華すぎないかネ?」

「じゃあ、研究ばっかりで料理を食べに来てくれないオーナーに料理を試食してもらいます」

・・・それならなんとかごまかせるかもしれない。
いや穴だらけな言い訳なのはわかってるんだけども。
現在自分は極限まで腹ペコでして、我慢できないわけでして。

「・・・ありがたく頂くネ」

「はい、どうぞ召し上がれ」

人間の三大欲求のうち、食欲と睡眠欲が極限まで満たされていなかった超は、素直に五月の好意を受け取ることにした。
そして食べ始めるともう止まらない止まれない。
ガツガツガツガツと次々料理をむさぼり、そしてお約束のようにのどに詰まらせる。

「・・・んぐっ! むがもがっ、むぐっ・・・・・・・!」

慌てて五月が水を差し出し、それを一気飲み。
ぷは、ととなんとか人心地ついた超の背中を、五月が優しくなでている。

「もう・・・慌てなくてもなくなりませんから、ゆっくり食べてください」

「め、面目ナイ・・・」

ばつが悪そうな顔で詫び、次の料理へ。
マジでろくに食事をしてなかったようだ。
すさまじい勢いで料理をかっこむ超を、五月は微笑みながら眺めている。

「――――――――っはぁ~~~ご馳走サマ! いや~久々に満腹だヨ・・・」

「はい、お粗末様でした」

しばらく後、超、綺麗に完食。
満足そうに膨れた腹をなでながら、ぐーっと背伸び。
そんな超をにこにこしながら眺めつつ(といってもいつもニコニコしてるのが五月なのだが)、五月は皿をてきぱきと片付ける


しばらく満腹感に浸っていた超だったが、五月が皿を片付け終えたのをきっかけに席を立ち、

「さて・・・それじゃお腹も膨れたことだし、研究に戻るかナ」

と言い出した。
まぁ研究が大詰めだから食事もとらずに徹夜続きだったんだからそれも当たり前か。
が、しかし。

「駄目です!」

「・・・・・・・へ?」

五月による突然の禁止宣言。
いやそんなこと言われても戻らなきゃいけないんですが五月サン。

「超くん、今研究に戻ったらまた徹夜しますよね?」

「まぁ、多分ネ」

だってもうすぐ研究が完成するんだから寝てる間も惜しい。
それが超の本音だ。
だがそんな超の返答を聞いて五月はため息をひとつ。
いいですか、と前置きして、こんこんと言い聞かせる。

「――――超くん、研究のことになると他のことが何も見えなくなっちゃいますよね。 自分のことも。 だから無茶も無理

もしちゃうんです。 でも、そんなことばかりしてたらいつか倒れちゃいますよ? だから、今日はゆっくり休んでください


真剣な眼で、一言一言、はっきりと。
そんな五月のしゃべり方からも、自分を本気で気遣ってくれていることが伺えて、情けないやら気恥ずかしいやら。
なんとなく自分のそんな複雑な気持ちを悟られたくなくて、わざとおどけて答えてしまう。

「ありゃりゃ、これは申し訳ないネ。 それじゃお言葉に甘えて、今日はゆっくり休ませてもらおうかナ」

ナハハ、と笑ってごまかしつつ、もう一度席を立とうとして、固まる。
――――寝るところがない。
いや家なし子とかそんなんでなく。
寮の自室は本やら機材で埋め尽くされている。
普段寝床にしている研究室に戻ったら確実に徹夜する。
とはいえ誰かに『泊めてくれ』なんていえるような時間でも状況でもなく。
さて、どうするか。

「? どうしたんですか、超くん」

むぅ、と思案していた超の隣にいつの間にか並んでいた五月が、きょとんとした顔で尋ねる。
いや実はかくかくしかじかまるまるうまうま、と事情を軽く説明する。

「いやはや、どうするかナ。 まさか寝るところがないとはボクも予想外ネ」

タハハ、もう笑うしかないネ、と頭をかく。
さぞかしあきれられるかと思ったが、なぜか五月はちょっと恥ずかしそうにはにかんで、なにやらもじもじしている。
アレ、ボク何かマズイこと言ったカ?と少々不安になっていた超だった、が。

「あ・・・あの・・・よかったら、泊まりますか?」

「・・・・・えっと、どこにかナ?」

「わ、私の部屋・・・・・・」

・・・・・・・・・ええええええええええええええええええええええっ!?




後半へー。
・・・続くのか?

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