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「大きなベッドは怪我の元?」(2007/09/30 (日) 19:26:54) の最新版変更点
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<p> 今日は機動警備部も、諜報部も非番という、年に1回位の、パパにほんとになんにも仕事がない日。<br>
午前中に一緒に買い物に行って、下着の替えやら何やら消耗品の調達を済ませ、久しぶりにヒュマ助さんの飯店で、二人だけの昼食。<br>
帰ってきて、買ってきたものを整理。</p>
<p> そうそう、PM専門の衣料店で買ってきた、私の新しい下着はちょっとエロっぽくて、選ぶときにパパを付き合わせた事をちょっと後悔しました。<br>
だって、来店していた他のPM達が、真剣に私の意見を聞いてくれるパパを、危ない人を見る目でず~っと見てるんだもの。<br>
パパはそんな人じゃないですよ~だ!!</p>
<p> 一段楽した所で、疲れたので一緒に昼寝。<br>
ところが、私がうつらうつらしているときに、こっそり起きて部屋を出て行くパパ。<br>
なんだろ?何処にいくのかな?<br>
気になったので、眠い目をこすって起き出し、戸締りをして後を追いました。<br>
こっそり後をついていく私。パパにはなんとか気づかれていません。<br>
パパが人目を気にしてやってきたのは、ルームグッズのお店?!<br>
何で?こっそり出かける意味が判りません。<br>
他のお客の出入りにあわせて私も中に入り、置物の陰に隠れます。<br>
「よう、今日はどうしたん…ん?そのおでこ」<br>
「ああ、これか。ベッドから落ちた」<br>
パパのおでこには、小さなたんこぶがあります。<br>
壁にぶつけたって言ってたけど、違ったんだ。<br>
「はん?またなんで。落下防止機能は切ってたのか?」<br>
今時のベッドには、脳波を受信して、落下しそうになると寝返りを打たせる機能が付いてます。<br>
普通はベッドで寝ることに慣れるので、寝返りとかで落ちなくなります。<br>
「いや、機能してたんだが…で、ちょっと聞きたいんだが、セミダブルサイズのベッドって、あるか?」<br>
「あるにはあるが、部屋が狭くなるぞ?」<br>
「かまわんよ、あるならくれないか」<br>
「ふむ、こっちも売るのが仕事だから、売るけどな…聞かせろよ」<br>
「何を」<br>
「コレか?」と、小指を立てる店員。<br>
「そうじゃない、ってか、そんな風に見えんのか?俺が」<br>
「いやぜんぜん」<br>
「あのなぁ」<br>
「だからさ。聞かせられない話か?」<br>
小さく溜息をつくパパ。<br>
「実はさ、最近俺のPMがよくベッドにもぐりこんできて、一緒に寝てるんだよ。<br>
まあ、単に甘えてるだけなんで、気にしないでいたんだけどな、夕べは…」<br>
「おま、やったのか?」<br>
「ちゃうちゃう、そうじゃない」<br>
と、パタパタ手を振るパパ。<br>
「俺が寝返り打った瞬間に、あいつが寝ぼけて『天誅~!』って叫んで、俺を蹴り落っことした」<br>
ぶはははっははっはっはは、と、大声で笑い出す店員さん。<br>
「それって、『エアーマン』の必殺技じゃんか」<br>
笑いをかみ殺して、ニヤつきながら言いました。</p>
<p>
『エアーマン』って、最近始まったヒーロー物子供向けドラマなんだけど、イケメンニュマ男なのに存在が空気の主人公が、その空気っぷりを使って悪の組織と戦うって番組。<br>
あまりの空気っぷりが面白くて、はまっちゃったんだよね。そういえば、この主人公俳優目当ての追っかけママが結構居るって話。</p>
<p>「まぁ、そんな訳で、ベッドを新調しようかと思ってな」<br>
「そうだな、確かに新調したほうがいいな、そりゃ」<br>
ホロ・カタログを提示して、パパに説明しています。<br>
「…って事なんだが、どうせならガーディアンズ向けの、PMにも効果がある落下防止機能付ってのがいいと思うぜ」<br>
「色々あるなぁ。けど、セミダブルだとちょっと高くないか?」<br>
「稼ぎ、悪くないんだろ?」<br>
「まぁ、最近はありがたい事にな。だけどさ」<br>
「ん?」<br>
「あいつ、何かとすぐ心配するからな」<br>
と振り返って、私を見て言いました。<br>
「気づきやがったな、お前」<br>
店員さんが、苦笑して言いました。<br>
「カタログ見てたら、そこの鏡にちらっと姿が入ったんでね」<br>
「だとさ、PMのお嬢ちゃん。せっかく黙っててやったのに。こっそり隠れるなら、もうちょっと上手くやんな」<br>
あ~あ、気づかれちゃった。<br>
私は、隠れていた置物の裏から出ました。<br>
「おでこのたんこぶ、そうならそうと言ってくれればよかったんですよ、ご主人様」<br>
「そう言うなって」<br>
結局、無難なデザインのベッドを注文して、部屋に帰ります。<br>
「もう、寝ぼけて蹴るなよ?」と、ご主人様。<br>
「は~い」<br>
これで問題は無くなりました。と、言いたかったのですが…</p>
<p> 数日後、私とパパは連れ立ってルームグッズ屋に来ました。<br>
「よう、ってどうした、今度は?!」<br>
店員さんが私達の顔を見て、驚いて言いました。<br>
だって、私もパパも、打ち身だらけの顔に、湿布を張っているんです。<br>
服で分からないけど、全身のあちこちがこんな感じです。<br>
「俺ん所に保護観察中のPM達がいるって話、前にしただろ?」<br>
「あ、ああ」<br>
「最初からこいつと一緒に寝てたら、みんなそろってやきもち焼いて、寝てる所に飛び乗りやがった」<br>
「おやおや、ご愁傷様。んで、どうするんだ?」<br>
「当分はマットを敷き詰めて、雑魚寝だよ。<br>
だもんで、今度はそっちを買いに来たんだ」<br>
店員さんとパパのやり取りを聞きながら、溜息をつく私。<br>
みんなと一緒もいいけど、静かなあの頃が懐かしく感じます。</p>
<p> イルミナス、来るならさっさと来い~!私達に安眠をよこせ~!!<br>
私の心の叫びは、誰かに届いたのでしょうか。ハァ~。</p>
<p><br>
そして、某日、某所</p>
<p> コン!</p>
<p>「ぶるぁぁぁぁぁ!だぁれだぁ、俺様の安眠を妨げる奴はぁぁぁぁ!<br>
ん?!<br>
『イルミナス、来るならさっさと来い~!私達に安眠をよこせ~!!』だと?<br>
ふざけるなぁぁぁぁ!<br>
貴様の所になんぞ、絶対にぃ行かんぞぉぉぉ!<br>
ぶるぁぁぁぁぁ!<br>
行っても行かなくても寝る!無意味な持久戦の始まりだぁ!」</p>
<p> パタン。<br>
ぶるぁぁぁぁぁぁぁ、すぴぃぃぃぃ、ぶるぁぁぁぁぁぁぁ…</p>
<p> ―――END―――</p>
<p> 今日は機動警備部も、諜報部も非番という、年に1回位の、パパにほんとになんにも仕事がない日。<br>
午前中に一緒に買い物に行って、下着の替えやら何やら消耗品の調達を済ませ、久しぶりにヒュマ助さんの飯店で、二人だけの昼食。<br>
帰ってきて、買ってきたものを整理。</p>
<p> </p>
<p> そうそう、PM専門の衣料店で買ってきた、私の新しい下着はちょっとエロっぽくて、選ぶときにパパを付き合わせた事をちょっと後悔しました。<br>
だって、来店していた他のPM達が、真剣に私の意見を聞いてくれるパパを、危ない人を見る目でず~っと見てるんだもの。<br>
パパはそんな人じゃないですよ~だ!!</p>
<p> </p>
<p> 一段楽した所で、疲れたので一緒に昼寝。<br>
ところが、私がうつらうつらしているときに、こっそり起きて部屋を出て行くパパ。<br>
なんだろ?何処にいくのかな?<br>
気になったので、眠い目をこすって起き出し、戸締りをして後を追いました。<br>
こっそり後をついていく私。パパにはなんとか気づかれていません。<br>
パパが人目を気にしてやってきたのは、ルームグッズのお店?!<br>
何で?こっそり出かける意味が判りません。<br>
他のお客の出入りにあわせて私も中に入り、置物の陰に隠れます。<br>
「よう、今日はどうしたん…ん?そのおでこ」<br>
「ああ、これか。ベッドから落ちた」<br>
パパのおでこには、小さなたんこぶがあります。<br>
壁にぶつけたって言ってたけど、違ったんだ。<br>
「はん?またなんで。落下防止機能は切ってたのか?」<br>
今時のベッドには、脳波を受信して、落下しそうになると寝返りを打たせる機能が付いてます。<br>
普通はベッドで寝ることに慣れるので、寝返りとかで落ちなくなります。<br>
「いや、機能してたんだが…で、ちょっと聞きたいんだが、セミダブルサイズのベッドって、あるか?」<br>
「あるにはあるが、部屋が狭くなるぞ?」<br>
「かまわんよ、あるならくれないか」<br>
「ふむ、こっちも売るのが仕事だから、売るけどな…聞かせろよ」<br>
「何を」<br>
「コレか?」と、小指を立てる店員。<br>
「そうじゃない、ってか、そんな風に見えんのか?俺が」<br>
「いやぜんぜん」<br>
「あのなぁ」<br>
「だからさ。聞かせられない話か?」<br>
小さく溜息をつくパパ。<br>
「実はさ、最近俺のPMがよくベッドにもぐりこんできて、一緒に寝てるんだよ。<br>
まあ、単に甘えてるだけなんで、気にしないでいたんだけどな、夕べは…」<br>
「おま、やったのか?」<br>
「ちゃうちゃう、そうじゃない」<br>
と、パタパタ手を振るパパ。<br>
「俺が寝返り打った瞬間に、あいつが寝ぼけて『天誅~!』って叫んで、俺を蹴り落っことした」<br>
ぶはははっははっはっはは、と、大声で笑い出す店員さん。<br>
「それって、『エアーマン』の必殺技じゃんか」<br>
笑いをかみ殺して、ニヤつきながら言いました。</p>
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<p>
『エアーマン』って、最近始まったヒーロー物子供向けドラマなんだけど、イケメンニュマ男なのに存在が空気の主人公が、その空気っぷりを使って悪の組織と戦うって番組。<br>
あまりの空気っぷりが面白くて、はまっちゃったんだよね。そういえば、この主人公俳優目当ての追っかけママが結構居るって話。</p>
<p> </p>
<p>「まぁ、そんな訳で、ベッドを新調しようかと思ってな」<br>
「そうだな、確かに新調したほうがいいな、そりゃ」<br>
ホロ・カタログを提示して、パパに説明しています。<br>
「…って事なんだが、どうせならガーディアンズ向けの、PMにも効果がある落下防止機能付ってのがいいと思うぜ」<br>
「色々あるなぁ。けど、セミダブルだとちょっと高くないか?」<br>
「稼ぎ、悪くないんだろ?」<br>
「まぁ、最近はありがたい事にな。だけどさ」<br>
「ん?」<br>
「あいつ、何かとすぐ心配するからな」<br>
と振り返って、私を見て言いました。<br>
「気づきやがったな、お前」<br>
店員さんが、苦笑して言いました。<br>
「カタログ見てたら、そこの鏡にちらっと姿が入ったんでね」<br>
「だとさ、PMのお嬢ちゃん。せっかく黙っててやったのに。こっそり隠れるなら、もうちょっと上手くやんな」<br>
あ~あ、気づかれちゃった。<br>
私は、隠れていた置物の裏から出ました。<br>
「おでこのたんこぶ、そうならそうと言ってくれればよかったんですよ、ご主人様」<br>
「そう言うなって」<br>
結局、無難なデザインのベッドを注文して、部屋に帰ります。<br>
「もう、寝ぼけて蹴るなよ?」と、ご主人様。<br>
「は~い」<br>
これで問題は無くなりました。と、言いたかったのですが…</p>
<p> </p>
<p> 数日後、私とパパは連れ立ってルームグッズ屋に来ました。<br>
「よう、ってどうした、今度は?!」<br>
店員さんが私達の顔を見て、驚いて言いました。<br>
だって、私もパパも、打ち身だらけの顔に、湿布を張っているんです。<br>
服で分からないけど、全身のあちこちがこんな感じです。<br>
「俺ん所に保護観察中のPM達がいるって話、前にしただろ?」<br>
「あ、ああ」<br>
「最初からこいつと一緒に寝てたら、みんなそろってやきもち焼いて、寝てる所に飛び乗りやがった」<br>
「おやおや、ご愁傷様。んで、どうするんだ?」<br>
「当分はマットを敷き詰めて、雑魚寝だよ。<br>
だもんで、今度はそっちを買いに来たんだ」<br>
店員さんとパパのやり取りを聞きながら、溜息をつく私。<br>
みんなと一緒もいいけど、静かなあの頃が懐かしく感じます。</p>
<p> </p>
<p> イルミナス、来るならさっさと来い~!私達に安眠をよこせ~!!<br>
私の心の叫びは、誰かに届いたのでしょうか。ハァ~。</p>
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<p><br>
そして、某日、某所</p>
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<p> コン!</p>
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<p>「ぶるぁぁぁぁぁ!だぁれだぁ、俺様の安眠を妨げる奴はぁぁぁぁ!<br>
ん?!<br>
『イルミナス、来るならさっさと来い~!私達に安眠をよこせ~!!』だと?<br>
ふざけるなぁぁぁぁ!<br>
貴様の所になんぞ、絶対にぃ行かんぞぉぉぉ!<br>
ぶるぁぁぁぁぁ!<br>
行っても行かなくても寝る!無意味な持久戦の始まりだぁ!」</p>
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<p> パタン。<br>
ぶるぁぁぁぁぁぁぁ、すぴぃぃぃぃ、ぶるぁぁぁぁぁぁぁ…</p>
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<p> ―――END―――</p>
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