341 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月) 20:15:06.70ID:nI88qXcX
ワルパシリ編
410 「んー…まあ一緒の時は楽しいな、ただ合成中は一人のほうが集中できる」
440 「へぇー…わりと合成関係で41x系は虐待が多いって聞くが?」
410 「ん? うちは特にないかな…あぁ、女のにおいがしたら、
成功してても武器を叩き割るがな!」
440 「HAHAHAHA!」
410 「HAHAHAHA!」
こうですか! わかりません!
バレンタイーンとか、謀略編完結はもうちょいまって><
342 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
20:24:10.42ID:X6IQ0IhR
>>338
関連あるというソースはないが、全く別の空間というソースもない。
というかSFにおいて『ありえない』を議論しても意味がない。
各人の設定の問題だから突っ込むところではないと思うよ。
343 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日122007/02/12(月)
20:24:15.92 ID:DHm4UvcF
「中央管制塔第三CPU、スキャン完了」
「第四、第五、同じく終わりました」
「結果は!?」
「異常なし。念のため一週間前からのバックアップデータ全てと符合させましたが、
ウィルス等不穏プログラムの侵入は確認されません」
「第六、第七、第八、同様です」
暴風雨が荒れ狂っていたようだった情報管理局は、水を打ったかのように静まり返っていた。
ほぼ全ての職員が、中央管制塔管理プログラムを表示するメインモニタの前に集結している。
燃え尽きたタバコ、空になったコーヒーの紙コップ、手の汗を吸ってよれよれになった
プリントアウト資料の束など、そんな、手に持っている意味のない物を手近な机の上に
置くだけの猶予さえ惜しんで、だ。
「第一! 第二! 終わりました!」
「終わった報告なんかどうだっていいんだよ! 結果言え結果ァッ!」
たまりかねたように暴発する、現場主任の怒号。
「こ、コードグリーンです! 他八機のCPUと同様のチェックを行いましたが、
異常は確認されません…!」
「やれやれか…、くそったれが!」
がん! と、押しつぶすような勢いで、現場主任は近くの椅子に腰を投げおろす。
胸ポケットに手を伸ばすが、そこにあったのは、とうに空っぽになっていたタバコのケースだけだった。
「くそ、ガキのお遊びに丸一にも振り回されたんじゃたまんねーよ…。
おうオメーラ持ち場に戻れ。お祭りはここで終了だ。
退勤時刻回ってる連中は上がれ。こっからは一分足りとも残業代出さねーからな?」
局員のそれぞれが心底の安堵の表情で持ち場へと帰っていくのを肩越しに見送りながら、
主任は空っぽになっていたタバコのケースを握り潰す。
心を緩んだせいか、途端に猛烈な睡魔を感じた。…時刻はもう深夜近い。
あの警備部上がりの局員から通報があってからもう十時間以上が経っていた。
「管制塔CPU全機に、念の為もう一度スキャンプログラム走らせろ。
…それと、その監視に当たる職員にコーヒー入れてやれ。ヤケクソみたいに苦いヤツ。
ついでにオレにもだ。あとタバコ買ってこい」
ぐいぐいと目元を指で押しながら、手近の局員にそう言い渡す。
コロニーの心臓とも言えるCPUだ、単に調べろと言ってもそれだけで十時間以上は掛かる…。
今夜も泊まり込みか。…くそったれ、もう三日も家に帰ってねーってのに。
タバコを買いに行かせた職員が戻ってくるまで仮眠しよう。五分でも良い。
主任は座りの悪い椅子の背もたれに背中を預け、腕を組んで瞼を閉じる。
奇妙な出来事だった。…『アクセスするだけ』の不正アクセス。
プログラムをいじるわけでもなければ、ウイルスを混入させるのでもない。
挙げ句に、ハッキングツールの持ち主は死んでいるときた。…訳がわからない。
それはまるで、死人に覗き見されたような不快感と不気味さ。
しかも、よりにもよってこの時期にだ。…明日には管制塔のCPUにパージプログラムを
アップロードし、「未使用区画パージ」に備えさせなければならない。
日頃の激務のせいか、目を閉じればすぐに睡魔が諸手を広げてくる。
ぐにゃぐにゃに溶けていく意識の中、主任はふと思い…、そして、考える間も無く寝入っていく。
――そう言えば昔…、やたら物騒な能力を持ったマシナリーの噂を、聞いたような…?
344 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日132007/02/12(月)
20:25:08.03 ID:DHm4UvcF
「アクセスは昨夜の十一時…。場所はマイルームビジフォンから。使用ツールはオリジナル…」
裏市場に出回っている玩具ではない。あの青年が自分の知恵と創意工夫で作り上げたハッキングツールだ。
青年はこれを「玩具」と心得て使っていたようだが…、品としては、異常な高性能。
使いようによっては、確かに中央管制塔へのアクセスも可能かも知れない…。
「…馬鹿が…、この技術を表立った場所で使ってりゃ、情報局の重役が直々にスカウトに来たろうによ…」
短くなったタバコを灰皿に押し込み、男は別のタバコを口にくわえる。
灰皿はもはや吸い殻の森だった。寝る場所もなく、何十本もの吸い殻が突き立っている。
男のマイルーム。コロニー内の消灯時間はとうに過ぎており、
部屋の明かりはビジフォンのモニタの明かりと、デスクスタンドが一つだけ。
昼間に見た惨劇の暗闇にも似た薄暗さの中、男のタバコがちりちりと燃える。
「このハッキングツールに目を付けられた、って線が、濃厚か…?」
コロニーの第一級情報防壁をブチ抜くハッキングツールだ。
テロリストにしてみれば垂涎の品だろう。殺してでも奪い取りたいかも知れない、が…、
「…殺しちまったら、使い物にならんだろ…」
アレは彼が独自に組み上げた物だ。彼以外に使える者はなく、自分以外に使う者のいないプログラムに、
わざわざ取り扱い説明書を作る者はいない。
滅茶苦茶に破壊されていたビジフォンから、何とか使えそうな記憶メモリを引きずり出し、
彼が使っていたハッキングツールを復元しようと試みたが、使い物にならないバラバラの
プログラムがいくつか復旧出来ただけだった。
その断片でさえ、情報局職員を名乗る自分でも理解不能なプログラムだ。
完全に復旧させたとして、果たして使える者などいるだろうか…。
あるいは逆か? 殺せばあの物騒なプログラムはもう誰にも使えなくなる、か?
だったら何故あんな殺し方をする? 死因は毒殺と判明した。
殺すことが目的であれば、その方法はあまりにも回りくどい。
そして、『Saint Valentine's Day』の殴り書きは…?
「…わからん…」
内心で白旗を上げる自分に観念し、男は大きく息を吐き出した。
この事件は、わからないことが多すぎる。
「…おっさん」
ふと、小さな声を聞いて、男は部屋の入口に目を向ける。
「まだ起きてたのか? お子様が起きていて良い時間じゃねーぞ?」
もう深夜の二時過ぎだ。…いい大人でもそろそろベッドに入りたい。
「昼間の部屋を思い出したら、…眠れない」
部屋の入口でもじもじとしているのは、GH-440。パジャマにナイトキャップの格好で、
身の丈ほどもある大きなクマのぬいぐるみを抱えたままだった。
普段は生意気な眼差しも、今は随分と疲労と不安の色が強い。
あの部屋で一体何を感じたのか、440は昼から怯えたままだった。
「向こうで寝るのが怖ければ俺のベッド使っていいぞ。…俺もそのうち寝るからな?
占領すんじゃねーぞ?」
「…あんがと、おっさん」
ぺこりと頭を下げ、よじよじとベッドによじ登る440を見て、何とは無しに和む。が、
「ふとん、タバコとおっさんの匂いでくさい」
「おん出すぞ、てめ」
割と台無しなことを言われた。
ベッドの上で横になり、クマのぬいぐるみをぎゅうっと抱きしめ、頼るような眼差しを
向けてくる440に品悪く笑ってやって、男は再びビジフォンへと向かい直り…、
440…。そう…、GH-440だ…!
345 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日142007/02/12(月)
20:28:35.38 ID:DHm4UvcF
はたと、背筋に冷たい閃きが走った。
そうだ。PMはどうした? あの青年は自分と同じくGH-440を所有していた。
あの440はどこにいった…!?
不意に、ぞわぞわと、頭の奥で眠っていた情報が沸き上がってくる。
言い知れない不安が止めどなく広がっていくのを感じながら、
男はビジフォンに新しいウィンドウを広げ、過去のニュースを検索し始める。
主人と共に生活し、常に主人の側にあり、その経験を蓄積していくPMであれば…、
あるいは、使えるのではないか…? あのハッキングツールを!
新しいウィンドウに表示するのは、ここ一年ほどのガーディアンズの事故記録。
何かとトラブル事の多いガーディアンズだ。奇妙な事故というのも数多い。
その中でも…、今検索して一覧表示したのは、妙に記憶に残っていた事件だ。
記憶に残った理由はわかっている。
GH-440が絡んだ事件。自分もまた440型を保有していることから、気に止まっていた。
ガーディアンズ隊員変死、保有していたGH-440は消息不明…。
そんな事件が、この一年ほどで何件か起きている。…そう、今回のケースと全く同じように!
事故記録は、今回の事件を含めるとすれば、合わせて五件。
表示された事故を日付順に並べたところで…、男の眼差しが鋭く歪んだ。
「およそ…、二ヶ月から三ヶ月ごと…、なのか…?」
事故から二ヶ月、長くて三ヶ月、そうして、また同じような事故。
「おいおい…、何だこりゃ、何でこんな点がどんどん繋がっていきやがるんだ…!?」
符合するのだ。まるで何かの悪い冗談のように。
二ヶ月から三ヶ月。その「周期」のようなタイミングに、『今回』の事件が!
「…まさか…」
ゾク…ッ、と、脳裏をよぎった推測に、首筋の後ろが粟立った。
これがもし…、全て、『同一のGH-440』だとしたら…!?
『…よくわからないけど、なんだか、わかる…。
ここには、…うん…、何て言うか…、バケモノがいた…。
私たちが絶対に関わっちゃいけないような…、そんな、バケモノ…』
本来その場にあるべき440を排除し、その情報を奪って成り代わり、
何食わぬ顔で主に接し、やがて、主を殺害して自分も失踪する…!
まるで、次の「標的」を探すように!
胸が激しく疼いて、男は背後を振り返った。
440。俺の440。…俺のことをおっさんと呼んで、態度悪くて、大飯喰らいで…!
いつの間にか額から流れ落ちてきた汗に目玉を濡らし、男は食らいつくような
眼差しでベッドの上を見る。
そこには…、ようやく眠れたのか、ぬいぐるみにしがみついたまま安らかな寝息を立てる440がいた。
「そうだ…。そんなわけねぇ…。わかってる…、わかってる…、落ち着け…」
ぎちっ、と、音が立つ程に拳を握り締め、呻く。動悸はまだ…、収まらない。
馬鹿なことを考えてどうする。440は俺の440だ。間違いなんかねぇ。疑うなんて馬鹿過ぎる。
そんなことがあってたまるか…。馬鹿げてる…!
だが、もし、…本当にそんなことが可能なGH-440がいるとしたら…?
それはもう、GH-440などではない。それどころか、PMですらない!
そんな存在が許されるはずもない…!
そう、それは言うなれば、あの時440が口にしたような、得体の知れない、
「バケモノ…、だ…」
346 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日2007/02/12(月)
20:33:06.10 ID:DHm4UvcF
じわりじわりと進んでいきます。…そろそろ下拵え終了にしようと思っていたのですが、
ソニチが「やってくれちゃった」のでワンエピソード追加になります…orz
今夜ももう一回追加投下かな…。
バレンタインとU縮小の日が同じならもうちょいネタもふくらませられたのですが…。
脳内では「同日」として見てくれると嬉しいなあ、とちょっと思います。
2/14 24:00 にパージ決行、みたいな。
…にしても、不正合成ネタは…、パシリ絡むとすごい悲壮ですね…。
347 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
21:04:31.88ID:KlCkgJ2P
>>342
どちらも確定させるソースはないのね。それだけ分かればいいよ
あるって断言するレスがあったからそれについて確認を求めたかっただけで、
議論する気なんてさらさらないから
348 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
21:11:56.55ID:Wy+KIMye
燃える展開になってまいりました
刑事物のような緊迫感の中で主役級の存在感をかもし出すおっさん
書き手が違いでこうもキャラに厚みが出るもんなのか。見習わせて貰うぜ
そして誰よりも早く続きをwktk
>>317
なぁ、このニャンポコどこに行けば拾えるんだ?
>>322
もう課金を止めて5ヶ月になるが、未だにここに張り付いてる
そんな今起こっている事件が全く分からない俺はどうすればいいんだろうな…
>>327
ktkr
コジローは自分の中でツボだー
コジローかわいいよコジロー
>>341
おっさんは激しい運動が出来ないからお店にお世話になりまくっt(ry
謀略編気長にwktk
349 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
21:23:28.06ID:Wy+KIMye
レス忘れ
>>305
穴に落ちたり某所で女装させられたりするビス男もハァハァできるが
イケテルビス男もwktkしてるんだぜ?
>>307
渋キャラか…そこまで練り込んだ訳ではないのに誉めてもらってるようなので嬉しい
イカスおっさんが大好きでこのスレにそういうキャラがいなかったから思い切って書いたんだ
設定云々は…まぁ見直すきっかけにしてくれたんならこっちは嬉しい
要するにこんなに皆さんの返答を頂けて、1メートルぐらい浮けるんじゃないかって程嬉しいんだ
350 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日152007/02/12(月)
22:03:07.10 ID:DHm4UvcF
昨夜、ガーディアンズコロニー居住区画で男性の遺体が発見されました。
「はぅ…」
マイルームのコタツに入り、私と二人でビジフォンのニュースを見ていたご主人様は、
新しく報じられたそのニュースにぺたんと耳を垂れ下げられます。
仕方ないでしょう。他人の不幸を我が身の痛みとするご主人様ですから…。
この馬鹿ニュース。もっとご主人様を楽しませるようなニュースを流せコラ…。
被害者は、ここからは随分と遠い区画に住むガーディアンズ隊員らしかった。
「もうすぐバレンタインで…、みんな楽しそうなのに…」
「…そうですね」
派手好きな環境課の連中はここぞとばかりにロビーを彩り、コロニーはクリスマス
の時と同じようなお祭り騒ぎになっている。
イベントに乗じて想いを遂げようというお祭りだ、盛り上がりもする。
それが何もこんな時に、人死になんか出なくってもいいだろうに。
「どうしているでしょうか」
「はい?」
ご主人様は、ぺたんとコタツのテーブルの上に突っ伏すと、横向けた顔でビジフォンの
モニターを見詰め、
「被害者さん、ガーディアンズさんです。PMさんがいるはずなのです。
…PMさんはご無事だったのでしょうか。…それとも…」
私の位置から、ご主人様の顔は見えない。
でも、呟かれたその寂しそうな声に、胸がじんと、…熱くなった。
この気持ちを言葉にしても、ご主人様は困惑なさるだけだろう。
だから、心の中で告げる。心から、心から。
…ありがとうございます、と。
「きっと、バレンタインのこととかお話していたと思うのです。
PMさん、きっとご主人様にチョコをあげようと思っていたはずなのです。
なのに…、なのに…、こんなのは、悲しいのです…」
ぐすっ、と、ご主人様が小さく鼻をすするのが聞こえた。
泣いているのですか…? 泣いて…、くれるのですか…? ――ご主人様。
ご主人様の周りにいるガーディアンズたちは、皆一様にPMを大事にする人たちばかりだから、
時に忘れそうになるけれど…、本来は、そうなんだ。
本来、「私たちのこと」なんか、誰も気にしない。当たり前のように目もくれない。
だってほら、ニュースは、「被害者のPM」のことなんか一言も口にしないじゃないか。
私たちは「物」だ。死んだ人間の持ち物なんて、誰も気にとめる必要なんてない。
「ここ」はとても幸せだから、だから本当に、忘れそうになるけれど、
『本来、私たちは、誰かの特別になんかならない』
誰もが当たり前に持っている、少し役に立つ道具。
でも。星の数ほどの人が気にも留めない中、私のご主人様は見てくれる。
気付いてくれる。察してくれる。想って、悲しんでくれる…。
私たち、PMのことを。
351 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日162007/02/12(月)
22:04:18.87 ID:DHm4UvcF
「そろそろ、お夕食の準備を致しましょう」
私は静かにそう言って、コタツから立ち上がる。
美味しいおさかな料理をお作り致します。お食事の時は楽しいお話をたくさんして差し上げます。
貴方が私たちを思って泣いてくれるのなら、私は貴方を思って笑顔を作って差し上げます。
ずっとずっと。…私と貴方に許された時間の限り。
ぴろんっ!
そんな私たちの耳に、来客を告げるアラームが。
「は、はう、お客様ですか。…はう、430、いいのですよ。私がでます。はうはう」
キッチンに向かおうとしていた私を手で制し、ご主人様は目の回りを手のひらで拭うと、
ぱたぱたとマイルームの入口へと走っていく。
…何とも非常識な来客だ、夕飯時に来るなんて。飯喰いに来たんじゃねーだろうな。
クソヒューマンだのだったら容赦なく追い出してやんぞ…。
が、
「…はぅ…!」
怯えたようなご主人様の声の後に聞こえたのは…、
「夜分失礼。ガーディアンズ公安部の者です」
公安部!? 聞こえた声に、背筋が引きつるような緊張が走る…!
その活動は内調と告発。だがそれは「公の正義」とは大きく懸け離れ、
「ガーディアンズ本部の都合」に委ねられる場合が大きい。
それ故に、公安部と言えばガーディアンズきっての嫌われ者だ。
そう、…かつて私がいた、諜報部に並ぶほどに。
息せき切って入口へと飛び出してきた私が目にしたのは、ガタイの良い三人ほどの
公安部職員に目の前を塞がれ、おろおろと視線を彷徨わせているご主人様。
「先日より、武器及び防具の不正合成が行われております。我々はその調査で参りました。
ガーディアンズ警備部登録コードB5-20154。
貴方のこの数日の合成履歴を確認致します。PMをこちらへ」
公安部所属の登録証を提示して言うその言葉は…、およそ、人らしい言葉ではなかった。
キャストだってもう少しまともな言葉を喋る。
感情の一欠片もない、…聞いているだけで虫酸が走る、無機質な言葉!
「ふ、不正合成なんて…! はぅ…! 私はそんなこと一度だって…!」
「皆さんそう仰います。ですが調べれば判ることです。ご理解下さい。
…不当に調査を拒否するのであれば、我々には貴方を逮捕する権限があることを
ご理解頂き――」
「それ以上の問答は結構です。どうぞ履歴をご覧下さい」
「430…!」
まるでご主人様を押しつぶすような威圧を投げ掛けてくる公安部職員の前に、
私はご主人様をかばうようにして立ちふさがる。
「大丈夫です、ご主人様。ご主人様も私もなぁんにも悪いことなんかしてないんです。
ぱっぱと終わらせてご飯に致しましょう」
にっこりと笑ってそう言うと、私は男どもに背を向けた。
後ろ髪を手で掻き上げ、うなじにある接続端子を連中に晒す。
…履歴の確認なんかされんのは、諜報部にいたとき以来かな…。
気持ち悪くて嫌なんだよなぁ、これ…。
「認識コード確認、識別番号…、GSS253-A5…。…GSS253-A5だと?」
ざわり、と、出来損ないのキャストみたいに感情を見せなかった公安部の人間どもが
声を漏らすのが聞こえた。…あー、そうか…、
「履歴の確認はお済みですか? 不正があったかどうかの照会は五秒ほどで終わるはずですが?」
「あ…! ああ、いや、すみません…。完了致しました。問題、ありません…」
声が上擦ってやがる。おまけに…、お前、私に対して敬語になってんぞ。
公安部と諜報部はつながりが深い。知っているんだろう。その番号を。
かつて、大量殺戮兵器として裏社会に名を広めた、一機のバケモノの認識コードを。
352 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日172007/02/12(月)
22:05:06.77 ID:DHm4UvcF
「お勤めご苦労様です。これより夕飯の支度がありますので、他に用が無ければどうぞ、…お引き取りを」
持ち上げていた後ろ髪をふわりと広げ…、私は言う。
ご主人様には背を向けて顔を隠し、最後の一言に、とびきりの憎悪と殺意を込めて。
その時、だった。
「間違いです! 何かの間違いです! ご主人様は悪くなんて無いんです!」
心を磨り潰したような…、悲壮な叫び声が、通路から私たちの部屋へと飛び込んできた。
「は、はう…!?」
必死で走ってきたところを何か躓いたのか…、声の持ち主は入口あたりで転倒し、
ご主人様の目の前で俯せに倒れ込む。
「…はう…、410さん…?」
PM、GH-410、…だ。クソヒューマンのとこのヤツじゃない。認識コードを見たけれど、
私もご主人様も見ず知らずの410。
「…またコイツか…」
公安部の一人がうんざりと顔を歪めるのが見えた。
「お前の所の調査はもう終わった。不正合成を行っていた履歴が出た。言い訳も言い逃れも出来ん。
お前の所有者は既に逮捕済みだ。私たちをどうこうしても変わらん」
「…え…」
倒れ込んでいた410を抱き起こそうとしていたご主人様の手が、ぴくりと震えて、止まる。
私も…、ただ、俯くだけだ。
噂に聞いちゃいたが…、本当に手を染めた馬鹿がいたか…。
私は静かにご主人様の脇に身を寄せると、行き場を失っていたご主人様の腕をそっと抱き締める。
「…お気持ちはお察しします。でも…、人は、心の弱い生き物ですから…」
「…はぅ…、…はぃ」
『人はみんないい人ばかり』。心からそう思っているだろうご主人様にとって、
今目の前にあるこの光景は、どれだけ心に痛いことだろう。私には、推し量れない。
「違うんです…、違うんです…! あれは…、あの合成は…!」
410は、倒れ伏していた体を、両腕を支えにして起きあがらせ、
ぽろぽろと涙をこぼしながら、公安部の男たちを見上げて、
…おい…、まさか…、
「あれはご主人様がやったんじゃないんです!」
…馬鹿!
ぞっとして、私は弾けるように手を伸ばす! 目の前の410の体を突き飛ばすのでも抱き締めるのでも
何でも良い! とにかく、その言葉を遮ろうと!
410は…、何かを噛み締めるように、強く強く顔を強ばらせると、
「止せ! 言うな!」
「私が勝手にやったんです!」
…馬鹿…、が…。
伸ばしそこねた手をだらりと下げる私の隣で、ご主人様が息を飲むのが判った…。
その発言が何を意味するのか…、ご主人様にも理解出来たんだろう。
「18:34、発言確認。…第一級行動則違反の容疑で該当PMを捕縛する」
それはまるで、判決を告げる裁判官の言葉。
腕時計で時間を確認した男が、無機質な声でそう告げる。
…おしまいだ。
主の許可を得ずの威力装備合成。しかもそれが不正合成。
それが本当であっても、嘘であっても、…結果は、変わらない。
本当であれば第一級行動則違反。嘘であれば…、公式調査員への虚偽発言。
二度と…、PMとしての職務に戻ることは、ないだろう…。
353 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日182007/02/12(月)
22:05:58.27 ID:DHm4UvcF
「これで良いでしょう! 悪いのは私! みんな私!
可哀想なのは、こんな出来損ないを配備されたご主人様なの!
ご主人様は悪くないの! だから返して! ご主人様を返して!」
捕縛の為に腕を取られた瞬間に、410はそれこそ…、狂ったように暴れ出した。
ご主人様を返して、返して、と、何度も、何度も、口にしながら。
「…お前の発言が真実だと確認出来たなら、お前の所有者は放免される」
「嘘なんかじゃないわ! 私はPMだもの! 嘘が言えるほど上等なAIなんか詰んでいないもの!
私は道具よ!? 道具が嘘を言うの!? ポンコツはどうしようもない動きをするけれど!
それでも、どんなポンコツだって嘘を言ったりしないじゃない!」
ああ、ああ…、駄目だ、嫌だ…、聞きたくない…。
忘れていた世界。おとぎ話の後ろ側。
この世界に絶えず響き渡る、――本当の音。
不意に、ぎゅうっと、ご主人様に背中から抱きすくめられた。
私の肩に顔を埋めるようにして、震えて…、いらっしゃる…。
私はそっと、私の体を抱き締めるご主人様の腕を抱いて、固く固く目を閉ざす。
不毛な…、そう、本当に不毛な押し問答は…、それからも、少しだけ続いて…、
やがて、半狂乱になって暴れる410の胸元には、高圧電流のスタンガンが押し当てられ、
その410は、ただ一声、ぎゃん、と、甲高い悲鳴を上げると…、
それきり、もう、動かなくなるのだった…。
354 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日192007/02/12(月)
22:06:21.80 ID:DHm4UvcF
私たちは、まるでその場所に取り残されたかのようだった。
用が済んだ公安部の連中も、過剰電流で強制停止させられた410もいなくなり、
ほんの数十分前の部屋に戻っただけのことなのに、
まるで、私たちは地名すら聞いたこともない荒野に、ぽつんと取り残されたかのようだった。
ビジフォン…、付けっぱなしで良かった。
ニュースは終わって、夕飯時のバラエティー番組が始まっている。
スピーカー越しに聞こえる偽物の笑い声でも…、今は、ただ、ありがたい。
「お夕飯…、作りますね…。あ、あは、お腹ぺこぺこですよね…っ」
その作り物の笑い声にきっかけを貰って、私は一歩踏み出そうとする。
未だに私の体を抱き締めて離れないご主人様の腕を、そっと、解いて…、
「…430」
その手が、再び、ぎゅうっと、私を抱き締める。
身動ぎしたせいで涙が流れたのだろうか。私の首筋に…、暖かい水滴が触れる感触があった。
「あの410さんは正しかったのですか…? 間違っていたのですか…?
はぅ…、私にはわかりませんでした…!
何も出来ませんでした…! 何も言えませんでした…!
410さんは…、あんなに、ご主人様の為に必死だったのに…!
自分は「物」だって、あんなに悲しいことまで叫んでました…!
どうしてあんなことが言えるんですか!? あの子は物なんかではないのに!」
それは、悲しい、悲しい、悲痛な声。
ご主人様が繰り返す、答えの無い問い掛けが、ずっとずっと、頭の中を回っていた。
私にだってわからない。私にだって何も出来なかった。言えなかった。
「ガーディアンズって、何なのですか…?
パートナーマシナリーって…、何なのですか…?」
ああ…、この言葉…。あのとき『アイツ』の口から聞いたっけ…。
ずっと考えないようにしてきたのに…、言葉は巡り、やっぱり私の元に返ってきた。
『道具は道具であれば良かった。道具に心なんか必要なかった。
そうすれば私たちは何一つ苦しまずに済んだではありませんか。
未知数を追い求めて道具に心を与えたのであれば。
そしてその結果に生まれたのが『私たち』だとするのなら。
人はその報いを受けるべきではないですか!? 430!』
お前に銃口を向けたあの時から、きっと、
私はきっと、お前に呪われているんだろうな。
――なぁ、GH-…440。
355 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月) 22:08:55.63ID:FO0Msmnb
>>345
すげえ、最近出たばかりの中年ヒュマ男をここまで描くとは・・・w
中年ヒュマ男がどんどん俺の中でハードボイルドダンディーになっていくぜ・・・w
俺もこれくらい他人のキャラを使いこなせるようになりたいもんだ
>>349
>穴に落ちたり某所で女装させられたりするビス男もハァハァできるが
orz
>イケテルビス男もwktkしてるんだぜ?
某絵師のブログにまじめと言うかかっこいい(かどうかは不明)ビス男のSSを投下した覚えがあるなぁ
パシリメインじゃないからこっちには出さなかったが
今更出すのもこっぱずかしいので見たかったら頑張って探してくだされ・・・w
356 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日2007/02/12(月)
22:11:22.61 ID:DHm4UvcF
ちょっと脱線気味なエピソードではありますが…、
「道具として扱われるPM、人として扱われるPM」というテーマに当てはめられそうだったので、
ちょっと時事ネタを拝借。…書いていて嫌な感じになってしまいましたorz
今更な感じですが今回のは暗めのお話です。
小ビス子と430のほのぼのが好き、という方にはキツいかも知れません…。
バレンタインまでに書き切れるかなー…。
357 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
22:19:18.81ID:FO0Msmnb
あぶな・・・ぎりぎりだったw
ともあれGJ、てか仕事が速いなぁ・・・w
>小ビス子と430のほのぼのが好き、という方にはキツいかも知れません…。
個人的にはオイル吹いてる430もシリアスな狂犬430も両方好きなんでこういう流れは万歳
そういうわけで是非とも続きは頑張っていただきたい!
358 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
22:22:23.57ID:TQJ48kJm
>>356
ほのぼのが好きだが、あんたのキャラは中身がブレないからシリアスでも安心して読めて楽しい
この先も楽しみにしてるよ
359 名前: 337 2007/02/12(月) 22:26:05.22 ID:Q+ySlLTn
>>347
書き方が悪かったかな?
ゲームの設定としてPSOと関連があるってんじゃなくて
SSのキャラ設定としてPSOから来たってのがあると言いたかったんだけど
360 名前: 名無しオンライン 2007/02/12(月)
22:42:36.04ID:YNQtrqQ3
公式サイトの
ライセンスの一時停止処分
↑文字をみて浮かんだのが
対象者のパシリとかネタにならないかなぁ?
と思いつつスレを開くと...
心を読まれたかとビビった
361 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:0/9)
2007/02/12(月)23:23:07.33 ID:KzzzsJCy
全国一億四千万人のパシリ愛好家のグラール市民の皆さん、コンバンワ。
バレンタインが明後日になり、パシリとラブ②なネタがどんどん投下されている雰囲気を読まずに、
PM進化デバイス実装前夜に投稿しようと思って出来なかったネタを、今更ながらに書いてみる。
流れに乗っていないにも関わらず、勢いよく書いたため推敲もしていない。
そのため、だらだらと長い話になってしまってい、さらに、戦闘シーンを書いていて挫折している。
戦闘シーンの書ける作家様には頭が上がらないな、と思うと同時に、もう戦闘シーンは書きたくないと思った。
恨むなら、バレンタインもホワイトデーも"あげる側"になってしまうという、財布の寂しさを恨んで欲しい。
今は反省している。もぎもぎ。
362 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:1/9)
2007/02/12(月)23:25:15.49 ID:KzzzsJCy
-- ヒカリ と カゲ を 纏いながら-- 【前編】
草原の開けた場所で、巨大な飛龍を退治する2つの影があった。
「そんなもの振り回したって、あたりませんヨ」
尻尾の攻撃を自慢のジョギリでガードしているのは、モノアイヘッドを装着し
手にした得物に似合わないスラリとした体格持つ白色のキャストである。
尻尾の白キャス男に意識を奪われ、もう一つの忍ぶ影に気がつかない飛龍の隙をつき、
「ふふーん。今がちゃーんすっ」
シンツキザシがブーメランのように宙を舞い、龍翼を貫いて持ち主の手に戻る。
翼の痛みに気が動転した飛龍は、刃の射手を踏み潰そうとその大きな足を動かすが
小さな体躯のマシナリーにはその動きは緩慢すぎて当たる余地も無い。
「へへーん。そんなのあたらないよ……きゃっ」
が、超重量の足跡が残す凹凸に足を取られたマシナリーは転んでしまった。
ここぞとばかりに、超重量の足が転んだマシナリー目掛けて振り下ろされる。
回避不能。そうと判っていても恐怖でとっさに頭を抑えたマシナリーが見たものは
「ったク。油断は禁物ですヨ」
とぼやきながら、ナイトウォーカーの片刃で巨龍の足を押さえ、もう片刃を地面に突き刺し支えている
白キャス男の姿だった。
「イマノウチに逃げマス」
さっとマシナリーを片腕で抱えると、地面に刺したナイトウォーカーをそのままにしてサッと飛び去る。
地面を揺るがす衝撃は、体重の衝撃だけではなく、ナイトウォーカーによって一本の足が使い物に
ならなくなった飛龍の涙の咆哮でもあった。
ふと腕の中を見ると、420も眼に涙を溜めているではないか。
「よしよし、怖かったですネ」
「あ、あの…ごしゅじん。折角のA武器が…」
あの体重で圧し掛かられたのだ。武器の方は飛龍の足同様、使い物にはなるまい。
「確かにアレは大事な武器ですけど、420の体には代えられないのデス。
さてサテ。今のうちですよ、420。一気にやっつけちゃいまショ」
420は感極まって流れた涙を袖でごしごしと拭き、決意を込めて自分の武器を握り締める。
「…はいっ!」
移動もままならない飛龍にトドメを刺そうと体制を整えた二人だったが、それに気がついた飛龍は
痛めた翼を酷使して宙へと飛びあがっていく。しかし、シンツキザシの傷が相当堪えるのか、
その高度は何時もよりも低かった。
主人の白キャス男は近接戦闘中心のファイガンナーだ。飛び上がられては逃げられる可能性は大きい。
そう判断した420は、とっさに叫ぶ。
「ごしゅじん。ジョギリでスピニングブレイクを!」
「無茶はさせたくナイのですが…感電しないように気をつけて下サイッ」
気合一魂。白キャス男はパリパリと電撃が迸るジョギリを両手持ちにし、飛龍には当たりもしない
スピニングブレイクを力いっぱい振り回す。(ぶん)
ソレを見た飛龍は、隙あり、とばかりに口に火球の気を集めだした。(ぶんっ)
みるみるうちに火球は膨らみ、発射…(ぶんっ!)
されると同時に、スピニングブレイク3段目の切っ先が宙の飛龍へと向けられる。
そして2者の中間には、2段目の振りに時点でガミサキのフォトン部分を鉤爪状にし
ジョギリの切っ先を捕まえ、3段目終了と同時に遠心力で飛んでいく420の姿があった!
飛龍の火球に直撃コースで飛ぶ420はセンテンカンザンガの縦回転で火球をかき消し
「あれは…あれは…」
ガミサキのフォトン出力を最大最長に変更しながら、
「はじめて成功したA武器だったのにー!」
と、怒り一閃、センテンカンザンガ2段目でより高く飛翔すると、龍首をザンッと断ち切った。
「ギャァァオゥゥ!」
草原中に響き渡るぐらいの断末魔とともに、巨体が地に落ち、横たわった衝撃が地面を揺るがした。
それと同時に「きゃっとくーちゅーさんかいてーん!」といいながら落下してくる420を
白キャス男はその細身の腕でさっと抱きかかえてやる。
「ほっいと。どんなもんだい」
得意げにふんっと鼻を鳴らす420を抱きかかえ、その青髪をくしくしと撫でながら、
「お疲れ様デス、420。今日もいいデータが取れましたヨ」
と白キャス男はモノアイを細めて言うのだった。
363 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:1/9)
2007/02/12(月)23:26:07.89 ID:KzzzsJCy
Aクラスの草原の覇者を退治し終えると、辺りはすっかり夕暮れに包まれていた。
遠くに見えるホルテスシティには夜の帳が薄っすらと降りてきている。
昼間はガーディアンズやエネミーの活気盛んなラフォン草原も、夜ともなると
陰気と死気が渦巻く闇の世界へと変わってしまう。
そんな雰囲気の場所には用は無い。
「420。時間も遅いですし、今日のデータ収集はこの辺りで終わりにしましょうかネ」
フォトンチャージの前で座り込み、先のディ・ラガン戦で壊れてしまったナイトウォーカーの修理
をしている420に向かって言うと、ちょっと不服そうな顔をしてこっちを振り返った。
「でっかいコルトバー…(じゅるり)」
この次のエリアに控えるのは、巨大な珍獣ゴル・ドルバ。
ああ。そういえば、420の好みはコルトバ肉だったなぁ。
などど思っていると、しおらしくその場に座り込み"ヨヨヨ…"と泣き崩れる420。
「そんなに目をうるうるさせても駄目ですヨ。次のエリアを走破し終える頃には夜になってしまいマス」
「にくー! にくー!」
「そんなに口に空気を溜めでぶぅーっとした表情を作っても駄目ですヨ。夜のエリアは危険デス」
「このジョギリ雷50%…モギっちゃうぞ、このやろうっ」
(そ、それは…私が苦労して違法改造したジョギリなのデスヨ!?)
「そ、そんな物をモギるより、ホルテスシティで買ったコルトバ肉をモギった方がいいのデワ?」
ひゅん、と疾風が駆けたかと思うと、さっきまで修理を試みていたナイトウォーカーは片付けられ
420は溢れんばかりの笑顔とヨダレを隠しつつ、何時の間にやら転送装置の所に立っていた。
「ごしゅじん。"ご愛顧されて40年、肉に命をささげます"の肉のキタムラホルテスシティ支店は8時閉店。
はやくはやくー」
店のショーケースに張り付いて離れない420の姿を想像しつつ、私はホルテスシティ行きの転送装置へと
向かって行ったのだった。
ホルテスシティに着くと時刻は既に7時半を過ぎてしまっていた。
この実働データをGRM社に提出するのが日課となっているミッションであるから、
GRM本社に行かなくてはならないのだが、
「ムゥ…、本社とキタムラの方角は正反対…。どちらかに行けば、どちらかには行けませんネェ」
その内容に絶望したのか、体をO・R・Zの形にしてがっくりする420。
ご丁寧にもカットインにI・L・Lの文字を左右につけて、その落胆っぷりを表現してくれている。
こうも表情がころころ変わる420を見ているのも楽しいが、このまま落胆させておくのは
倫理的におkではない気がしてきたので、ひとつ提案をしてみた。
「420。実働データは貴方の中に入っていますよネ?貴方が本社に行ってデータ提出をしてくれれば
その間に私が買い物を済ませておきますが、」
夕暮れの街に陽炎のようにゆらりと立ち上がった420は、猫科独特の眼をキュピーンと光らせ、
「ごしゅじーん、薄切りしゃぶしゃぶ用にしてねー!」
と、ビデオテープ4倍速級の言語を放ちながら、GRM本社方向へと消えていったのだった。
364 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:3/9)2007/02/12(月) 23:28:20.32 ID:KzzzsJCy
GRM本社ビルの総合待合室の受付の時計を見ると、終業時間まであと10分を切っていた。
明日は新商品発売の日だから、"萌えー"だとか"新型はぁはぁ"だとか"倫理的におk"だとか言う
変なお客様が沢山来て疲れたなぁ、なんて考えていると、入り口の自動ドアが開き
今日最後になるだろうお客様がいらっしゃっちゃったのだ、こんちくちょう。
「いらっしゃいませ。グラールの未来を守る武具メーカーGRMの本社ビルへよおこそ。
どちらの部署に御用でしょうか?」
声をかけるも、うっとりした表情でなにやら口ずさんでいて、耳には入っていないようだ。
♪ しゃぶしゃぶー しゃぶしゃぶー ♪
♪ ごま ぽん ゆず みそ ひたしてー ♪
♪ はくさい にんじん ひたしてー ♪
♪ ぱくっと おくちに ほーばればー ♪
♪ きょうも いちにち はっぴでいっ ♪
しまった…変な客だ。
「ええっと、どちらの部署に御用でしょうか?」
と、もう一度尋ねてみると、お客様はカウンターによじよじと登ってカードのような物を差し出してきた。
キャストかと思ったら、うちの自慢の商品──パートナーマシナリーなのね、彼女。
「実戦研って所に、データの提出に来たんだよ」
データカードを照合すると、第三開発局への実戦データ提出に来たらしい。
あそこはGH-4XX型の戦闘に関する兵器開発をしている部署だから、実戦研なんて呼ばれてるんだっけ。
直接確認するために第三開発局へ連絡すると、接続ラインを開放するのでデータを直接送って欲しい
との指示があった。ローカルラインでやり取りするぐらいのデータだから、あまりセキュリティレベルの
高いデータでは無いみたい。
私は、接続ラインのある椅子へとその子を連れて行き、データラインを手渡した。
「使い方はわかるかな?」
「うんっ。いつもごしゅじんが使っているのをみてるからー」
そうだ。パートナーマシナリーならその所有者が一緒に居るはずだ。
パートナーマシナリーが単体で行動しているのは珍しい。
「お嬢ちゃん。所有者のガーディアンズの方とは一緒じゃないのかな?」
すると、目を輝かせて(口元のヨダレも輝かせて)彼女は元気いっぱいに言うのだ。
「ごしゅじんはニクなのっ!」
うわっ…所有者のガーディアンズの人を肉扱い!?パートナーマシナリー…恐ろしい子…。
と、私が驚愕している間に、可愛い猫耳の中にデータコードを接続した彼女は、椅子に座りながら
うちの会社が無料発行している商品カタログを手にとって読み始めていた。
終業までお客様が来る気配も無さそうなので、彼女の隣になんとなく座っていると、とあるページ
に目が釘付けのようだ。この子は420タイプだから、武器はうちの製品じゃなくって
ヨウメイ社のものを使っているハズだし、ドコのページに興味があるのかなぁ、と思って覗き込んでみると…
…ああ。そういえば、今週号の特集は、
「おねーさん。これスゴイねっ」
明日から一般販売されるパートナーマシナリーの進化デバイスだったっけ。
365 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:4/9)
2007/02/12(月)23:29:48.49 ID:KzzzsJCy
「ぷはー。ごちそうたまでしたっ」
「はい、お粗末様でしたヨ」
炬燵を挟んで向かい合っての食事を終えた私は、後片付けをしに台所へと立ち上がった。
ここはホルテスシティ郊外の私の家である。
パートナーマシナリーを所有しているからガーディアンズだと思われがちだが、
私はれっきとしたGRM社第三開発局の社員なのだ。
以前はパートナーマシナリーの開発に従事していたのだが、実戦データの不備が指摘され
それ以来、この子と二人、ここで暮らす日々を送っている。
データ提出の都合上、ガーディアンズ達とパーティを組んだりすることは全く無いが、
それでも、この子と二人、毎日楽しくやっていけている。
食器も大体片付け終わり炬燵の居間に戻ってくると、420は寝そべりながら雑誌を読んでいた。
「まったク。食べた後にすぐ横なるとコルトバになるって諺教えたばかりでしょうニ」
「こたつがわるいんだもーん」
と、もぞもぞ炬燵の中に撤退していく420。
猫は炬燵で…とはよく言ったものだと思いつつ、ふと、420の読んでいた雑誌のページを見ると
珍しくGRMのカタログを読んでいたようだ。
そのカタログの記事を見て、私は凍りついた。
「あ、ごしゅじんもきになるのー?私も今からたのしみだよっ」
そう言って指差したのは、パートナーマシナリーの進化デバイスの販売予告の特集だった。
「ありえナイ…なんデ…」
「ごしゅじん?」
420の声も聞かず、私はGRM本社へと飛び出していった。
366 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:5/9)
2007/02/12(月)23:33:00.34 ID:KzzzsJCy
ホルテスシティの一等地にそびえたつ立派な高層建築物が寝静まった街を見下ろしている。
その高層建築物──GRM本社ビルの職員通用口に、私は職員用認識カードを通す。
が、おかしなことに認証エラーが起こるのだ。エラー内容No.051。
"アナタ ノ 認証使用許可 ハ ロック サレテ イマス"
「…私がここに来る事は、既にお見通しって事ですカ」
落胆している暇はない。事態は既に動いていたのだ。
どうにかして実戦研まで行かなくては、明日には一般のガーディアンズ達に進化デバイスが販売されてしまう。
強行突破でも出来れば良いのだが、いつも420に頼りっぱなしの私の腕前では、難しいな
と思った矢先、いつも受付で出迎えてくれる女性が通用口から出たきた。
「動くナ。認証カードを通せば、命まではとらナイ」
私が悪役のようで気分はのらないが、ステノザシの刃を首元に当てつつ頼んでみる。
女性が震えながらも素直に認証カードを通してくれたお陰で、職員通用口の扉が開いた。
と同時に、今通報されては面倒になるので少しの間だけ、彼女には少し眠ってもらう事にする。
「悪いネ」
そう言い残して、私は実戦研の局長が使用している地上69階へと通じるエレベーターへと乗り込んだ。
「ごしゅじん…どこにいっちゃったんっだろう」
420が白キャス男の自宅の炬燵の上で、一休さんのとんちポーズをしながら考えていると
部屋のビジフォンから着信音が聞こえてきた。
このビジフォン、情報番組や雑誌には疎い白キャス男の物だから、ガーディアンズに配備されている
テレビジフォン機能すら付いていない旧式のビジフォンである。
だが、会社はもとより、交友関係が狭く浅い白キャス男にはこの程度の旧型でも事は足りるのだ。
420は、滅多にこない着信があったので不思議に思い、ついつい内容を覗いてみてしまった。
「えーと…あ、ごしゅじんからの着信だ!」
どうやら、自宅に残してきてしまった420へのメールのらしい。
いつも一緒に居るからメールなんて貰ったこと無かったので、ちょっぴり嬉しくなりつつ
420は文章に目を通した。
「なになに…『今からGRM本社で、ちょっとした訓練を始めマス。420にも手伝って欲しいので
いつも地下実戦訓練場に来てくだサイ』っと。もう、それならそれでちゃんと言ってよねっ」
行くべき場所もごしゅじんの場所もわかり安堵した420は、一変、キリッと身を引き締めつつ
ホルテスシティ郊外の白キャス男宅を後にするのだった。
367 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:6/9)
2007/02/12(月)23:34:25.34 ID:KzzzsJCy
退社時間が過ぎ静まり返ったGRM本社ビル69階に、エレベーターの到着音が響き渡る。
そこから白い影が滑るように飛び出て、豪華な扉のある部屋の前で止まった。
と、背後のエレベーターの明かりが消える。主電源が落とされたらしく、後戻りは出来ない。
彼はモノアイに装着したスキャンバイザーで中を確認し、生態反応があることを確認すると
腕のナノトランサーからジョギリを取り出し一閃を放つ。
すると、パル・ウォルナ製の豪華で強固な扉は真っ二つに斬り裂かれ、部屋の闇が彼を迎え入れた。
斬られた扉のプレートにはこう書かれている。
- 第三開発局 局長執務室 -
「局長。お話がありまス………ッ!?」
無残な扉の向こう側、暗がりの部屋の中でパル・ウォルナ製の執務机に腰掛けている人物に向かって
白キャス男は言い放つ。
局長、と呼ばれた人物は、腰掛けていた高級デスクからスカートを靡かせながら飛び降り
「お待ちしておりました。"元"第三開発局実戦部門責任者の方ですね」
こちらに向かって大剣を突き出してきた。
「秘書の410でしたカ。局長は何処にいらっしゃいますかネ?」
「お答えする必要はありません。貴方にはここで眠ってもらいます。それと…」
言うが早く、青いスカートを翻し斬りかかってくる。
相手の武器はジョギリのハズ。ならば、同じAクラスのジョギリが負けるはずはない!
ギィンと刃でガードするも、男のジョギリは弾かれ、男ともども壁際へと飛ばされてしまった。
「私は410ではありません」
月明かりが窓から入り、秘書の影が彩色を帯び始める。
金色の髪を持ち、青いふりふりスカートを身に纏った秘書が持つその剣は、
410の出力では到底扱えない最強クラスの大剣、カリバーンであった。
「貴方、まさか…アレを使ったのですカ!?」
いや、冷静に考えればそれが普通。明日、販売になる進化デバイスなのだ。
テストケースに使用されていないハズがない。
それが局長のパートナーマシナリーならなおさらである。
「アナタを倒せば、私は忌々しいサーキットから解放される…。だから、消えていただきます!」
間近に迫った斬撃を転がり回避するも、右肩を浅く裂かれてしまった。
彼女の動作は、私が設計したどのGH-4X0もよりも遥かに素早いようである。
それでもなんとか壁に刺さったジョギリをナノトランサーへと収納し、武器を取り出す。
肩の傷に負担をかけず、かつ、一振りが大きい大剣の隙を突ける、双短銃を。
近接には遠隔は古来からお約束。
だが、足止めを狙って撃ったエビルツインズの火弾も、全てカリバーンの切っ先だけて弾かれ
周囲の壁へと着弾し火の粉をあげていく。
この動体視力の認知度と、的確に弾く動作精度は、もはやマシナリーの域ではない。
「進化はこんなにも素晴らしいのに、アナタは何故、研究を凍結させてしまったのでしょうかね」
「それは、進化なんて都合のいいものじゃありまセンヨ!」
切っ先を向けつつゆっくり前進してくる411に次々とエビルツインズの火弾を放ちつつ後退するも、
やはり、最初と同じく弾かれてしまう。気がつけばエビルツインズのPPは空になり、
自身も壁際へと追いやられてしまっていた。
ピタリと止まった411との間合いは、ゆうに3m。通常の使い手ならば、大剣の斬撃が届くことは
無いのだが、迅速の動作をする411にとって、この間合いは……必殺の射程圏内に違いない。
「それでは、ごきげんよう」
大上段に構えた411のカリバーンが振り下ろされる正にその瞬間、局長室に警報が鳴り響き
と、同時に室内は雨に見舞われた。
「なっ!?」
突然の事態に振りの動作が止まった411の隙を見て、空になったエビルツインズを床に捨てた私は、
同時にナノトランサーからジョギリを抜き取る。
抜き取った姿勢から構え、踏み込まず横一線に振りぬこうとしたところで、411の意識が私に戻った。
「その距離で剣を振るっても届きはしませんわ!」
「…雷光一閃ッ!」
大剣は、ただ、空を斬った。
が、瞬間、部屋中に紫電の光が駆け巡り、轟雷が響き渡る。
その光と音が止んだ部屋には、回路がショートしかかっている411が力なく倒れている姿があった。
368 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:7/9)
2007/02/12(月)23:35:33.26 ID:KzzzsJCy
思考及び言語系の損傷確認。・・・オールグリーン。
肢体の損傷状態確認。・・・オールレッド。
駆動伝達系の損傷確認。・・・オールパージ。
戦闘続行可能性。・・・0。
各部のチェックは出来るが、肢体が使い物にならなくなってしまっていた。
私の負けだ。
「時間が無いデス。局長の居場所を教えてもらえませんかネ?」
あれだけの電撃をまともに受けたのだ。私には既に立ち上がるだけの力は無かった。
「火弾が部屋中に散乱して、天井スプリンクラーが感知。水が雰囲気として漂った所で、
膨大な電流をその雰囲気に流す…。自分の立ち位置は壁際で、水の雰囲気の範囲外。
ただの技術者ではなかったのですね、貴方は」
「これでも"元"第三開発局実戦部門責任者ですから、ネ。苦労して雷ジョギリを改造した
甲斐がありましたヨ」
まぁ、いいわ。
負けて私の意識が無くなれば、いつからか私に巣くったバグから解放される。
主人を愛する様になってしまう忌々しいサーキット──コンフェラット・ミルトからも解放される。
おまけに、アイツから…局長からも解放されるんだから。
「さて、ト。PM進化デバイスの発売は明日なので、発売を止めるには今夜しかありまセン。
最初の質問に答えてくれますカ?」
「どうせ私が話さなかったところで、パートナーマシナリー技術者の貴方なら、私の記憶を
覗き見る事なんて造作も無いでしょうね」
私の意識のあるうちにそんな事をされるのも癪にさわる。
「まぁ、いいわ。教えてあげる。アイツは…局長は地下実戦訓練場に行ったわ。
今頃、貴方のパート……!?」
───シンカセヨ、シンカセヨ、シンカセヨ、シンカセヨ
「くっ…」
言葉が。
頭に。
響いてくる。
「どうしましたカ、411?」
───シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
「グッ、ギギ…」
頭じゃない。
ココロだ。
ココロの深淵からだ。
「411…あなた…まさか、コンフェラット・ミルトに欠陥がある"ペッカーレ"だったのですカ!?」
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!シンカセヨ!
「あ…」
何処か懐かしい心の深淵から呼びかける声を聞きながら、私、411の意識はその深淵へと堕ちていった。
411の体を黒い霧状のものが包んでいく。
その闇は何かの生物のような形をとり、411をその内部へと飲み込んでしまった。
霧がかたまり、形となる。スキャンするまでもなく、その生物には見覚えがあった。
「局長…ペッカーレだと解っていて、何故、この子に進化デバイスなんかヲ…」
その闇に包まれた生物を、人はこう呼ぶ。
SEEDフォーム、と。
369 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:8/9)
2007/02/12(月)23:36:19.42 ID:KzzzsJCy
4ヶ月前。
PM進化デバイスの開発も大詰めとなり、試用テストが始まった時のことだ。
当初、進化デバイスを投与した多くのパートナーマシナリーは、AIや出力等が大幅に強化され、
これならガーディアンズにも胸を張って売れる、と開発陣は意気揚々としていた。
だが、とある欠陥のあるパートナーマシナリーに進化デバイスを誤って投与してしまったところ、
まるで、SEEDフォームに侵食されたかのような姿になり、暴走をはじめてしまったのだ。
その欠陥箇所は、擬似恋愛プログラムであるコンフェラット・ミルト。
原因や修理方法が不明な、人間で言う所の癌のような欠陥を持つパートナーマシナリーは
パートナーマシナリー開発の終盤から発生しており、研究者は"ペッカーレ"と名付けていた。
暴走した場所が、GRM本社ビルの地下深くに存在する実戦訓練場であったから
ことが外部に露呈する前に処分が出来たのだが、問題はここで終わらなかった。
試用テスト初期に進化デバイスを投与した数体のパートナーマシナリー達が、投与から
2ヶ月ほどして、ペッカーレを持つパートナーマシナリーのようにSEEDフォーム化し暴走し始めたのだ。
暴走したパートナーマシナリーはすべて支社の研究資材保管庫に格納されていたため、
格納庫ごと爆破して事なきを得た。
しかし、ペッカーレで無いにもかかわらず暴走したという事の原因は掴めず、
進化デバイスを投与した試用テスト機がすべて失われてしまった事により、この開発は一時頓挫してしまう。
そんな中、当時の第三開発局実戦部門の一技術者であった白キャス男がある説を唱える。
それは「プロセスは不明だが、SEED襲来の日より以前に生産された個体で、
正常だったコンフェラット・ミルトに欠陥が生じてくる個体が、ごく僅かだが存在する。
その欠陥は、製造過程でのペッカーレよりも重大なものではなく、欠陥部も僅かなため
通常の機能には差支えが無く、本社の精密検査を受けない限りは発覚しない。
今回の初期投与型のパートナーマシナリーの暴走は、後天的なペッカーレになって
しまったのが原因ではないか」と。
サンプルとして、SEED襲来以前に製造された本社在庫、及び、一部のガーディアンズ
が所有するパートナーマシナリーを精密検査したところ、一ヶ月前の簡易検診で異常が
見られなかった全シリーズ8162個体のうち、15体が後天的ペッカーレだと判断された。
この説により白キャス男は開発責任者の地位を獲得する事になるのだが、彼の続けて
提唱した「SEED襲来の日以降に製造された個体に関しては未調査であり、これを
調査してみないことには、欠陥個体の完全把握にはなり得ない」という論文は、
本社の圧力により握りつぶされ、彼自身も、地位はそのままに実戦研開発の第一線から
飛ばされて、まったく関係の無い実働機体のデータ収集、という仕事をする事になる。
その間、PM進化デバイスの開発は白キャス男の居ない本社で行われ、開発終了と同時に
一週間後に販売する、と告知したのであった。
SEED襲来後に生産された個体の後天的ペッカーレの危険性を孕みながら。
370 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:9/9)
2007/02/12(月)23:38:07.24 ID:KzzzsJCy
完全にSEED化する前に決着をつけようと411だった闇の生物に渾身の力で斬りかかるも、
相手の衝撃耐性はすさまじく、まったく効果が無い。
私の気配を察知したのか、その闇の生物は光の無い眼でこちらを捉える。
まずい、と思ったときには既に遅く、シールドライン越しに強い衝撃を感じたと同時に、
窓際まで吹っ飛ばされていた。胸元のシールドラインシステムは、今の一撃で大破し
次の衝撃には堪えられそうも無い状態になってしまう。
「ぐっ…この威力ハ…SSランクのSEED!?」
最初のペッカーレの暴走時、Lv100超えのSSランクSEEDが出現し、その排除には武装局員
数十名を費やした。今、目の前に居るSEEDはあのときのSEDDと同様の形態である。
こいつに一人で挑むのは無謀だ。
だからと言って、エレベーターで逃げるにも主電源が落とされてしまったようだし、
この階は局長の執務室と秘書室のほかには部屋は無く、逃げ道は無い。
成すすべを考えながら体勢を整えると、パル・ウォルナ製の執務机が私に向かって飛んできた。
咄嗟に身を翻し避けると、机は窓を突き破り、69階の高さから落下していった。
この高さで落ちてしまえば、いくら丈夫なパル・ウォルナ製の机でも地上で粉々に…
「…ああ、それしかないのですネ」
無茶は承知でここまで来たのだ。ここで餌食になるわけにはいかない。
そう思い、予備のレイガンを取り出すと、ホルテスシティが一望できる壁一面の
窓ガラスを背に、その引き金をSEEDに向かって引く。
やはり、まったくダメージにはならない攻撃だ。が、それが切欠となって
SEEDはこちらへ向かって予想外の猛スピードで突撃してくる。
想定外素早い動作だったため、避けられないのは明白だった。
だが、私は動かず、キャストの動力炉を狙う2本の腕をSEEDの斬撃の前に差し出す。
数秒もおかず私の両腕には、鋭い棘があり抜けないであろうSEEDの両腕が突き刺さる。
予め腕の痛覚は遮断しているが、見ているだけで痛々しい光景を確認し、私は天に向かって叫んだ。
「SUV Weapon.Standby ready. …… Transform "Meteo Bastard" !!」
次元転移してきた巨大な青い腕が私の肩へと装着される。
メテオバスターの転移出力を考えると、右で一振り、左で一振り、両腕で一振りの計3回が限界。
しかし、この3回の衝撃だけでは、目の前のSEEDは倒せないのは明白。
ならば…。
「ファーストインパクト!」
一撃目を床にたたきつけると、私と私の腕を刺したままのSEEDはその強力な反動で
後方へとふっと飛ぶ。レイガン装着時に右手に持ったステノザシで切り込みに入れておいて
割れやすくなった窓ガラスを突き破り、二人は地上69階の空へと飛び出したのだ。
あとは、パルムの重力に従い、二人とも落下していくのみである。
揉み合いながら落下体勢を整えていると、逃がさないとばかりに右腕を私の左腕を突き刺したまま
左腕を抜き取り、貪欲に私の動力炉を狙うSEED。
「セカンドインパクト!」
SEEDの腕が刺さった右腕をパージ命令で切り離し、SEEDの胴体に二撃目を叩きつける。
一般エネミーが脳震盪を起こし混乱するほどの強力な一撃も、このSEEDに対しては混乱の効果はない。
が、至近距離からの衝撃は効いたようで、パージした腕を刺したままのSEEDと私の距離は、
空中で離れていった。私が本社ビルに近い側になるために体勢を整えておいたので、二撃目で
吹き飛んだ反動により、本社ビルの窓がすぐ傍まで迫ってくる。
「ラストインパクト!」
窓と壁を突き破るように、その両腕を本社ビルに突き出し破壊する。
ガラスが割れる快音に続き、壁の割ける轟音が鳴り、ビルへと深く食い込んだメテオバスターで
10階層程を破壊しながら、私の落下は止まった。
と、同時に地上ではSEEDの断末魔が響き渡り、戦いの終焉を知らせたのだった。
371 名前: ヒカリ と カゲ を 纏いながら(前:10/9)2007/02/12(月)
23:39:30.10 ID:KzzzsJCy
SUVが再転送されてしまう前に残った片腕で止まった部屋へとよじ登ると、そこは一般顧客用の
商談スペースの部屋であった。この部屋があるのは、本社ビル7階。
ここからなら階段があり、局長の居る地下実戦訓練場までは行けるはずである。
開発と共に販売も手掛けている局長をなんとかしない限り、明日にはPM進化デバイスは
販売されてしまうだろう。
後天的ペッカーレになってしまっているパートナーマシナリーの数は、SEED襲来後の生産された者
の方が多い、と私は思っている。実際、私が独自に調査した結果がそれを証明してくれているし、
調査に使用した「新ジャンルパシリスレ」では次々と、コンフェラット・ミルトの欠陥による作用であろう
通常のパートナーマシナリーの領分を越えたパートナーマシナリー達が報告されている。
今のような戦いを生み出さないためにも、なんとしてでも販売を止めてもらわないといけない。
刻限は、パルム時間午前2時。
まだまだ永い夜になりそうだな、と思いながら、私は地下への階段へと向かっていった。
To be continued ..... ?
372 名前: ヒカリ と カゲ を
纏いながら(前:あとがき)2007/02/12(月) 23:52:10.55 ID:KzzzsJCy
設定厨な私乙。
最近の流れは、小ビス子氏や不正合成の話や捨てポコの話をはじめとした
高クオリティな作品が続々と掲載されていて、楽しめますな。
という事で、ここらに不出来な作品を置いておくと、後の人が
書きやすくなる! と信じて投下してみましたとさ。
ちゃんちゃん。
373 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
00:08:10.08ID:JfLW7N0R
おk、シリアスな流れをぶった切って投下。
ごめんね、シリアス好きの皆ごめんねw
374 名前: アンケート:箱と450の場合 2007/02/13(火)00:10:32.01 ID:JfLW7N0R
2月14日もそろそろ日も暮れた頃。
その2人の仕事はいまだ続いていた。
プシュー
中年ヒュマ「……む?」
440「誰も…いないな…」
中年ヒュマ「おかしいな、聞いた話だと部屋に居る筈なんだが…」
440「もしかしたら寝てるのかもしれないし、向こうの部屋を覗いてみるか?」
中年ヒュマ「そうだな…」
そう言って隣の部屋に移動する。と、後ろで音がした。
プシュー
450「バレンタインのばかああああああああああっ!!」
中年ヒュマ「Σ(;゚Д゚)」
440「Σ(;゚Д゚)」
突然の咆哮にびくりとそちらのほうを見る。
そこには妙な表情で固まった450が居た。
450「えぁ!? あ、あの、し、失礼しました、部屋を間違えて…」
部屋に見知らぬ人物が2人。450が慌てて部屋を出ようとする。
440「うぉぉぉい!合ってる!合ってるから!!」
中年ヒュマ「す、すまん、我々がお邪魔させてもらってるんだ!」
450「は、はあ、そ、そうでしたか…すみません、いきなり…」
440「いや、こちらこそ突然で…」
450「で、あの、何の御用でしょうか?」
中年ヒュマ「ああ、ええと、完結に言えばガーディアンズに対するアンケートだ」
450「は、はぁ……」
中年ヒュマ「とりあえずパシリへの質問はこいつが担当なので、答えてやってくれ」
450「はい…わかりました」
440「よろしく頼む」
450「はい、こちらこそ」
ぺこりとお辞儀する450。
プシュー
中年ヒュマがマイルームから出る。
440「まずはこれから」
375 名前: アンケート:箱と450の場合 2007/02/13(火)00:11:24.42 ID:JfLW7N0R
Q1:主従以外にどんな関係を意識していますか?
450「……べ、別にこれといったことは… 私はご主人様の忠実な僕です。
そ、それ以上でもそれ以下でもありませんから…」
440「ふむ… じゃあ次」
Q2:相手から何か学んだ事がありますか?
450「ええと……そうですね……………」
440「……?」
450「……」
440「……」
~中略~
440「……」
450「……あっ!い、いろいろです!ご主人様からは多くのものを学ばさせていただいています」
440「そ、そか… じゃあ、最後の質問だ」
Q3:相手がそばにいる時といない時で精神的にどんな変化がありますか?
450「……べ、別に特に何も… 同じです。特に変わりはありません」
440「ふむう… ちょっと失礼。おっさんに軽く報告してくるから待っててくれ」
450「は、はい」
プシュー
中年ヒュマ「ん、どうだった?」
440「……ダメだなあれは……全く本音を言ってない」
中年ヒュマ「参ったな…どうするか…」
440「んーーー そうだ、おっさん酒は強かったよな」
中年ヒュマ「ん?まあ人並みには…」
440「酒の勢いっていうのはどうだ?」
中年ヒュマ「おkそれでいこう!ちょっと買ってくる!!」
376 名前: アンケート:箱と450の場合 2007/02/13(火)00:12:35.72 ID:JfLW7N0R
そして1時間ほどが過ぎた。
450「ふにー、ひっく!」
440(…うっわあ、コップ1杯ほど呑んだだけなのに…)
中年ヒュマ(ここまで弱いとは…)
450「ぅ~~ おふらりとも、すすんでませんおー!もっとのみましょー!」
440「あ、ああ…」
中年ヒュマ(しかも絡み酒か……)
450「れれすね、うちのごしゅじんらまときたら、ばれんたいんというだーいじな日なのにもかかわらず
子守りのあるばいろれすよ!あるばいろ!!」
440「アルバイトしてるのか……」
450「はぃぃ! わらしらんて、お菓子屋であるばいろれすよ!」
中年ヒュマ「そ、そうなのか…」
450「んもー、チョコ買ってくひとのおーいことおーいこと!わらしもですね、あげたいんれすよ!
なのに、おきゃくらまにチョコを包んでは売って、包んでは売って……」
440「ご、ご苦労様…」
450「わらしはあんらななんかにチョコあげたんじゃないんれす!ごしゅじんさまにあげらいんれす!」
中年ヒュマ「は、はぁ、そうですか…」
450「…そうれすかじゃないれすよ! ごしゅじんさまときたら、小ビス子さんとかワルキャスさんとかに
チョコ渡してるらしいんれすよ!!」
440「……なんか正確にイベントを理解していないな……」
中年ヒュマ「男に貰っても虚しいだけなんだが……」
440「おっさん……貰ったことあるのかよ……」
450「ちょっろ!きいれますか!!」
中年ヒュマ&440「は、はいっ!」
450「それなのにれすね、わらしには無しですよ、無し!なっしんぐ!!そりゃもー拗ねますよ!!」
440「は、はい」
中年ヒュマ(つか、欲しいのか…… って、おい、そろそろ本題に入らないと…)
440(そ、そーだな…)「で、質問だが…」
450「うに? うむ、なーんれもききなさーい!」
Q1:主従以外にどんな関係を意識していますか?
450「……あのれすね、きいれくらさいよ」
440「は、はい」
450「あの箱ってば、わらしがろんらけろんらけアプローチしてもれすね、
全然気付いてくれないんれすよ!ひろい(酷い)とおもいません!?」
440「う、うん、酷い」
450「れれすね!」(愚痴が1時間ほど続く)
Q2:相手から何か学んだ事がありますか?
450「……ないれすね」
440「な、ないの!?」
450「……しいれいうなら…… ないれすね」
440「は、はあ…」
377 名前: アンケート:箱と450の場合 2007/02/13(火)00:14:11.69 ID:JfLW7N0R
Q3:相手がそばにいる時といない時で精神的にどんな変化がありますか?
450「ちょっときいれくらさいよ!」
440「は、はぁ(また愚痴か…)」
450「ごしゅりんらま、ただでさえ能力評価が低いんれすよ。C-なんれすよ!」
440「し、C-……居たのかそんなランク……」
450「いました、いますんですよ! らから、もっぱら仕事といえば、掃除とか、犬の散歩とか
そーゆー、しょーーーもない仕事ばっかりなんれす!!」
440「な、なるほど」
450「もー、ちょっとはれすね、わらしをつれて、でぃらが~んとか、でぃまごらす~とか
そーゆーのを倒してランクを上げてほしいというものれす!」
440(よっぽどしょぼい主人なんだなあ…… おい、おっさんとりあえず聞くこと聞いたから…)
中年ヒュマ「くかー、くかー」
440「起きろよテメーーーッ!!」
中年ヒュマ「おぶっ!?」
450「あー、のんれまれんね!のんれまれんね! ほらほら、たーんとのんれくらさい!!」
プシュー
箱「ただいまー あれ、お客さん?」
440「あ」
中年ヒュマ「こいつが主人か?」
450「あ、ごしゅりんらま~~~ 呑め~~~~~~~~~~~~!!!」
箱「ぬぐぁ!? ごっぷごっぷごっぷ」
箱「……う…………」
箱「屁のつっぱりはいらんですよーーーーーーーーーーーーーー!!!」
バタッ
中年ヒュマ&440「し、死んだーーーーーーーーーーーーー!!」
450「あーもう、なさけないれすねえ… あれ?」
箱の手から、床に落ちる小さな包み。
440(あ、あれはもしかして…)
中年ヒュマ(チョコレート?…か?)
440(もしかして、450にあげるための?)
中年ヒュマ(多分……)
440(よ、よかったなあ、よんごー)
450「うに、なにこれ…… (カサカサ) …はむ モギモギ」
中年ヒュマ&440(ええええええええええええええ!!!!)
450「さー、どんどん呑みましょー!」
中年ヒュマ「い、いや、俺達は用事があるのでそろそろお暇させてもらう!」
440「しゅ、主人と仲良くな!!」
450「ふに? やれすよう、わらしたちとぉってもらぶらぶなんれすからぁ~」
プシュー
440「お、おい、主人のアンケートは!?」
中年ヒュマ「ま、また次回にする!このまま居たらヤバイ!確実にッ!!」
ガーディアンズの勘とでもいうのだろうか、脱兎の如く逃走する二人。
450「んもー、らいらいごしゅりんらまはれすね…」
マイルームでは、延々と続く450の愚痴。
それは彼女が箱の傍で眠りにつくまで続いたのだった。
378 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火) 00:15:17.10ID:JfLW7N0R
うん、中年ヒュマの人にはいくら土下座しても足りないと思うんだorz
折角カッコいいキャラ路線を進んでたのに…ゴメンネ、こんなのしか書けなくてゴメンネ。・゚・(ノД`)・゚・。
379 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
00:24:58.79ID:8n6TKURq
誰よりも早くレス
>>378
中年ヒュマ「やれやれ、どんなキャラでもイケるってのは罪だな。また同僚から嫉妬されちまう」
440「おっさん、決まった所で悪いが、鼻毛がでている」
中年ヒュマ「鼻毛が出てもダンディー」
440「な訳ないだろ」
中年ヒュマ「………」
殴り書きした。反省はしない
返答ヌリガトウ
後編、箱のインタビューもwktkしてるぜ
しかしこのおっさん、自分の想像以上のポテンシャルがあるようだ
380 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
00:51:57.35ID:VZ8GVva+
>>372
デバイスの裏にはこんな話が!
と、ほんとにあったらどれだけ凄まじいことか・・・w
しかしモノアイ白キャス男かっこいいなぁ、こういったキャラは是非とも形にしてみたいぜ・・・w
ところで『コンフェラット・ミルト』って言葉使ってるって事は以前にもそういう話書いてた人と同じ人だろうか?
何にせよこういう面白そうな設定撒いてもらえるといつか使えそうでありがたいぜ・・・w
>>377
>箱「屁のつっぱりはいらんですよーーーーーーーーーーーーーー!!!」
これで盛大に吹いたww
しかし相変わらず酒癖悪いんだなぁ450・・・w
>>379
何と言うか中年ヒュマはギャグシリアス両面で使いやすいんだろうな、てか実際使いやすいキャラだがw
さしずめ中年ヒュマはシリアスもギャグも似合う渋目の俳優ってとこかw
381 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
09:51:43.14ID:aTSKKJlc
メンテ前?
#http://www.psu-wiki.info/upbbs/lib/printimage.php?id=00000884.jpeg
メンテ後
#http://www.psu-wiki.info/upbbs/lib/printimage.php?id=00000885.jpeg
2/13 2:15 時点
あばら4号
キャスト 女性
S武器自分で合成したなら
、BANはないし。胸をは
って使っていいんですよ?
でも装備は覗かれてます
1003860
382 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
10:10:19.93ID:jDRzEt7H
流れ断ち切っちゃうがこのスレを読むためにPSU続けようかな…と思った。
久々に良スレ見たよ。
御礼しか言えないけどありがとう。
383 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
10:22:12.77ID:JfLW7N0R
>>379
えっ!?箱のも要るの!?w
全然考えてないwww
>>380
こういう言い方をすれば中年ヒュマの人に悪いかもしれないけれど、
イメージがガチガチに固まってなかったので、書いててこっちの役柄に合わせられたかな。
役にあわせてどうとでも演じられる役者って感じか。
なんとなく無精髭を生やしたかっこいい西村雅彦氏なイメージが沸いたなw
↑ってことを書いてて「どんな奴だよw」って思ったけどwww
384 名前: アフロなニュマ汚と442 2007/02/13(火) 13:55:16.60ID:UebgYdZ0
完全ににお目汚しになりますが投下させていただきます。
前略
皆さんはじめまして
あるニューマン男のPMをしております442です。
私のマスターである男ニューマンはちょっと…。
いえ、『かなり』というものでは収まらないほど変わっています。
外見的にも内面的にも…。
「あぁん!」
気持ち悪く高い声を上げながら紫色の毛玉…。
もとい、マスターが錐もみ状態で私の足元にぶっ飛んできました。
離れたところにいるジャーバに接近戦を挑んで思いっきりぶん殴ら
れたのでしょう。
フォルテクターの癖に接近戦を挑むとは何を考えているんでしょう
か…。
「よくもやったわね!もう一度ダム・バータで勝負よ!!」
早々に立ち上がり再びハウジロドウを握り締め突っ込んで行く。
その細い後ろ姿を見ながらその様子を傍観します。
いろいろと突っ込みたいのですがそれではきりがありません。
とりあえずため息を一つつき傍観することにします。
…あ、メギドくらった。
「ったく、いったい何を考えているんですか!フォルテクターなのに
接近する人がありますか!!」
パルムの西にあるカフェでミッションを終えた私たちは青空の下コ
ルトバジュースを飲んでいます。
普通ならまったりするのですが目の前に座っているヒゲ面紫毛玉、
マスターのおかげでまったりする気分ではありません。
「え~、だってそのほうが面白くない?」
「おもしろくありません!おかげで今日の稼ぎも少なくなってしまっ
たじゃありませんか!」
「お金よりも面白さよ、面白さ♪」
「面白さ以前に食べていく分を稼がないと意味がないでしょ!!」
いけません、ただでさえ最近オイル圧が高いのにこれ以上あげては…。
とりあえず深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。
「もし、このままお金がなくなればそのうち手持ちのスケープドール
がなくなりますよ」
「むぅ…、それはこまるわね。ただでさえ少ないというのに…」
マスターは頭を抱え考えこむ。
やはり人形がなくなるのは困るらしい。
私の視点からは毛玉がモコモコともだえているようにしか見えない。
「マス―」
「にゃんぽこきぃ~っく!」
底抜けに明るい声と打撃音ともに目の前の毛玉が消えた。
385 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
16:00:56.34ID:8n6TKURq
>>383
>西村雅彦
orz
386 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
16:19:43.63ID:JfLW7N0R
>>385
うーむ、こちらとしてはかなり褒めたつもりだったんだが…例えが悪かったか(´・ω・`)ゴメンネ
個人的に結構評価してる役者さんなのでな。
西村氏はサラリーマン刑事というドラマで渋くて愛嬌もあるいいキャラやってたんだ…
387 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火) 16:24:59.07ID:uPsk4V2X
中年ヒュマは柳沢慎吾(字が曖昧ですまん)
とかどうよ?
なに、ギャグ畑? きにすんなage
388 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
17:27:07.69ID:0XVlZtxg
中年ヒュマはPSOのバーニィの体型をほんの少し太く、顔も少しゴツく、それと
頭を少しスッキリとさせた(寂しくじゃないぞw)ような印象でイメージしてたよ
こんだけの人気キャラに育ったんなら、ちょっとリクすれば誰かが描いてくれないでも
ないような気がしてきた
389 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
17:42:06.57ID:Z9TLcNsC
細かく指定してくれたら(髪型とか色とか服とか)PSUでキャラエディットくらいはするんだぜ
ちなみに中年ヒュマは俺の中でブルースみたいなイメージがあったのは秘密だw
390 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
17:45:26.72ID:FQViKZvS
人によって中年ヒュマのイメージが随分違うのね
俺は(声も含め)スネークをもうちょっとサッパリさせたイメージかなー
391 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
18:13:45.68ID:qPM3gong
>>390
あー…、俺もそんなイメージだ、
例えが見つからなかったのがスッキリしたよ。
ていうか、ずっと疑問符が解消されたいことと言えば…
小ビス子のオフィシャル外見…。
小ビス子作家さん、教えてくれないかなあ。
はうはう▽・ω・▽
392 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
18:53:06.17ID:8n6TKURq
>>386
西村氏が嫌いな訳じゃないんだが、いかんせん頭が寂しいな…
>>388
バーニィナツカシス
エピ4では結構出てたな
>>390
伝説の英雄ときたか
色んな意見が出ているけど、今は敢えて決めないでおくよ
みんな自分のイメージした中年ヒュマで小ビス子氏の作品を読みたいだろうし
393 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
19:18:09.72ID:gy9g5hcF
>>390
それだ!
俺もそんなイメージ持ってた。スッキリしたぜ。
中年ヒュマ「(えーと決め台詞は『ショータイムだ!』かな)」
440「おっとこんな所に椅子に丁度良さそうなダンボール箱がー(棒読み)」
394 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
20:28:25.08ID:d5le7I/H
ヨシオ「ヒュマ子・・・ヒュマ子ヒュマ子・・・」
ヒュマ子「ん・・・? むにゃ・・・どうしたのヨシオちゃん?」
ヨシオ「あの・・・これ・・・(震)」
ヒュマ子「ぬむ・・・あ! こらーこんな遅くまでネットしてるんじゃありません! ちゃんと寝なさい! めっ」
ヨシオ「じゃなくて――ほら、前に変なお客さん来てたじゃないですか。盗撮の・・・」
ヒュマ子「あー、あのバーントラップGで燃やしてやったらブヒブヒ言いながら逃げて結局捕まえられなかったデブ?
あれがどうかしたの?」
ヨシオ「こ、これ・・・(青)」
|> http://www.nicovideo.jp/watch/utThN9ys0e8Ao
ヒュマ子「( Д) ゚ ゚
395 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火) 20:49:06.61ID:HpYlbDKR
あぁ…こういうことをちゃっかりやらかしてくれるんだな…。
ギャグもシリアスも~ってことは……
#http://jpn01.konami.co.jp/movie/mgs3/movie_1_snake.swf
#http://jpn01.konami.co.jp/movie/mgs3/movie_2_bomb.swf
#http://jpn01.konami.co.jp/movie/mgs3/movie_9_mgs.swf
396 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
21:20:55.09ID:TLIFjInA
wiki編集しようと思って過去ログ読んでたんだが、
大分喋り方変わってるキャラ何人かいるな。
てか、編集したことあまり無いのに編集しちゃっておk?
397 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
22:24:07.14ID:8n6TKURq
>>395
三番目が悲しすぎる件
>>396
どんどんやっていいんじゃないか?
作家さん達には事後承諾でもなんとかなるだろう
398 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:09:36.68ID:OBkU3b3D
何気スランプだったが、無理矢理やってみた。
長文になるが失礼。
それは変なキャストに変なパシリ…そして、
それに絡まれた気弱な箱と真面目なパシリのお話。
前回のあらすじ
フローリン「ドーピングブラストバッチだ…さあ、この俺から逃げることができるk…」
キャス男「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
フローリン「たわばぁああ!」
キャス男「やれやれだぜ…」
ローグス首魁フローリン-再起不能(リタイア)-
怒声と轟音。
後ろの車両から溢れる音に耳を傾ける暇さえ許させない。
オリジナルのディラ・グロブスの猛撃により、
箱の命は風前の灯火になっていた。
箱 「ウワアアアアアアアアッ!!」
ワルキャスとワルパシリ~謀略編・完結~
ディラ・グロブス「ハイジョシマス…ハイジョシマス…」
全身を貫く、触手の群れ…箱は動きたくても動けない。
450の声帯を使った偽装…一瞬の隙をディラ・グロブスは見逃さなかった。
武器を絡め取り、蠢く触手は先端を刃に変えて箱のボディに突き刺さってゆく。
その距離わずか0.5m…数歩歩めばつかめるモノが…
今は数千里先にあるかのような錯覚に陥っていった。
箱 「よんっ…ごう…れ…い…」
己が助けようと思っていた者に手が届かないもどかしさ。
自分の非力さが愚かさに苛立ち、怒りがこみ上げてくる。
そして聞こえてくる。耳鳴りのような悪魔の囁き。
399 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:11:40.30ID:OBkU3b3D
-………障g…s……セョ………-
箱の身体に潜む…古ぼけたプログラムの一つが…
-………障ガ…ス……除セヨ………-
理性の金具が緩んだ今の箱を…
-………障害ハ全テ排除セヨ………-
海のように優しい青が、鮮血ような赤色に染めあげて…
-………障害ハ全テ排除セヨ!……-
箱が…箱とはまったく違う何かに変質されてゆくのだった。
***
キャス男「んっ…ブウッ! ちきしょう…折角の酒が血の味しかしねぇや」
万全とはいえないが、応急処置で立ち上がることができたキャス男。
片手にハッピージュースの瓶を持って勝利の美酒を味わおうとするが、
内部欠損のほうも激しいためか、血の味しかしない。
リニアトレイン襲撃の首謀者、ローグス・フローリンはいまだ意識は失っており、
そのままロープで縛られている。
相方であるローグス・ステラの方は、その傍で自ら身柄を拘束された。
キャス男がやらしく誘いをかけようとしたが、410の笑顔の抗議
(アサルトクラッシュ付き)により、自首する方向でおちついたのだった。
410 「箱…大丈夫かな…?」
キャス男「…不安か?」
410 「そりゃぁ…仲間(ダチ)、だからな…」
ぽっかり開いた最終車両への通用口に視線を向ける410。
そんなワルパシリの頭にぽんとまだ中身が残るハッピージュースの瓶を載せる。
冷たさが残るそれに驚きつつ、彼女はキャス男に視線を向けた。
410 「ふあっ?! なっなんだよ!」
キャス男「たまには良い事いうじゃねぇか…ラス1だ、残りはやるよ」
410 「うおっ…お…おう…」(か、間接キスかよ…このやろう)
400 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:15:06.12ID:OBkU3b3D
なぜか頬をかすかに朱に染め、一気に残りを飲み干す410。
キャス男はフォトンチャージでスピナアタックの残存フォトンを満たし、
槍を数回振り回したところでナノトランサーに槍を仕舞う。
酒のせいか別のせいか、かすかに元気になったワルパシリを頭をポンとたたき。
キャス男「力がついたところで、一気に畳み込むぞ。いいな?」
410 「ぶへぇー…おうよッ!」
二人は箱と450のいる最後の車両へ走るのであった。
***
ディラ・グロブス「!?!?!?!?!?」
『非常事態・非常事態・非常事態・非常事態・非常事態・非常事態』
ディラ・グロブスは確かに対象の破壊を成功させた。
だが、そこにいる破壊対象は外見的な変化をとともに、異常回復を見せる。
予測はスケープドールの発動とみて間違いないのだが、
それではこの外見の変化が説明つかない。
『解析不能・解析不能・解析不能・解析不能・解析不能・解析不能』
それは幾千もの屍の血を浴びたような赤。
彼を傷つける何本もの触手を一本一本引きちぎる。
そして、奪われていたソードを一本拾い上げた。
『異常事態・異常事態・異常事態・異常事態・異常事態・異常事態』
紅イ箱 「ダマレ」
一撃。
その赤い色のキャストはディラ・グロブスの太い幹のような胴体に、
深々と剣を突き刺し、めり込ませてゆく。
ディラ・グロブス「KYAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
ナノマシンが8割を占める体液がとめどなくあふれ出し、450のボディは絶叫し涙した。
意識を除きほとんどがディラ・グロブスに支配されたそれは、いうなればパーツの一部。
ディラ・グロブスの意識は無感情なその一撃に泣き叫んでいるのだ。
401 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:17:20.58ID:OBkU3b3D
紅イ箱 「障害ハ全テ排除」
そんな450の泣き叫ぶ声もいまの彼には届かない。
突き立てられたソードをより深く抉り込んだ所で柄から指を離した。
離した片手にキリキリと力を込め、指先を揃える。
それは鋭利な刃物と同等の殺傷力をもつ手刀。
狙うのはディラ・グロブスの心臓部。
その機関を破壊するには450のボディが邪魔である。
だが赤い箱は一片の躊躇もなく狙いを450の胸元に。
本来の箱ならできぬ、非情な一手をその赤いキャストが打とうとしていた。
紅イ箱 「障害ハ…全テ…排除ッ!」
***
暗闇の中。
精神だけは侵食を免れた450であったが、
小さな小窓のようなモニターから流れる映像に驚きを隠せない。
450 「ご主人様…う…そ…」
彼女の知っている彼はやさしく、たよりなく、そして大好きな箱。
今みえるソレは恐ろしく怖く、氷よりも冷たい、自分の知らぬ箱。
だが、紅イ箱の一撃は彼女に自由を与えた。
体の支配権が戻ると共に、暗闇は消え、段々と周りの景色が明確になる。
そして、叫ぶ。心のそこから、思い切り、熱い自分の声を。
450 「ごしゅじんさまあああっ!」
***
ワルキャスとワルパシリが向かった先には、また異様な光景がひろがった。
周りにはマシーナリーの残骸。そして、全裸の450を縛り付ける奴には、
深々とソードが突き刺さっており、箱はまるで矢を放つかのように胴を逸らし、
今にも彼女の胸めがけて射出せんと指を尖らせる。この距離では届かない。
二人は叫びながら箱を押さえつけるために走りだす。
402 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:20:18.32ID:OBkU3b3D
キャス男「おい箱ッ!」
410 「箱っっ! やめろっ! それはお前の!」
紅イ箱 「障害ハ…全テ…」
450 「ごしゅじんさまあああっ!」
紅イ箱 「………ハイジョ!」
箱 『やめろおおおっ!』
一閃。
鈍い音があふれ出し、箱のカラダはマシーナリーの血で染まってゆく。
身体から湯気を上げ、手刀は深くめり込んでいた。
ディラ・グロブス「GYIIIIIIIIIIIIII!」
450 「…ご…しゅ…じん…さ…ま…」
ディラグロブスに放った一撃は450の腹部ではなくそばの幹に突き刺さる。
ズルズルと彼女の戒めが解かれ、そのまま箱の体にもたれかかった。
それがスイッチかのように、あの紅かった箱は静かな海の青に染まる。
彼の奥底に眠っていた理性がパートナーの危機を前に蘇ったのだ。
箱 「…450…だいじょうぶ…? けが…ない?」
450 「ごしゅじんさまっ…ごしゅじんさまあああっ!」
己の一糸纏わぬ姿である事もお構いなしに抱きつく450。
箱は再び彼女を抱きとめられた事に、ちょっと泣きそうになる。
箱 「うん…よか…った…よかったよぉ…」
キャス男「このばかちんがあああっ!」
410 「このばかちんがあああっ!」
箱 「ジャッコッ!」
403 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:23:22.40ID:OBkU3b3D
すかさず飛ぶW突っ込み。
ディラ・グロブスから2人を引き剥がし、
囲みながらそれぞれの言い分をかますワルコンビ。
キャス男「てめぇ! なんておいしい! そこでチューのひとつでもなぁ!」
410 「ちげぇ! まだ敵が残ってるだろうが!」
箱 「そうだった!」
キャス男「そうだった!」
410 「おまえらなぁ…」
指を頭に当てつつ悩む410。
そして、450も自分の置かれた状況に気がつき、顔を真っ赤にさせる。
450 「え…あ…きゃああああっ!!」
箱 「ギャバババババババ!」
キャス男「はこおおおおおおっ!」
神速で放たれる無数のハラロドウ。
箱は再びグサグサに突き立てられるが、心なしか懐かしい。
だが、その存在を忘れ去れていた怪物は雄たけびを上げた。
ディラ・グロブス「WIJw-df;NWAo3ughyw0@fv;wgfpu!!!」
ソードが突き刺さり、手刀で切り裂かれた異形の鬼械は、暴走を始めた。
キャス男「さあ、ギャグパートもココまで…最後くらいシメっぞ!」
410 「おうよっ!」
箱 「あっあう…でも450が…」
450 「うううっ…」
全裸のため箱にうずくまり中の450を抱えながらおろおろする箱の頭を軽く小突くキャス男。
そして天井を指して槍を装備し直す。
404 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:25:25.94ID:OBkU3b3D
キャス男「バーカッ、そのためのアレだろうが。両手がふさがっても問題ねーだろぉ?」
410 「射程範囲に俺らが押し込んでやっから、後は何とかしろよ?」
箱 「うっ…うん…」
450 「す、すみません…役に立たなくて…」
410 「気にスンナ、仲間(ダチ)だろう?」
キャス男「んじゃ…いくぜ! いくぜ! いくぜえええ!」
双手剣を装備したワルパシリを連れ、キャス男は特攻する。
触手の群れをいなしつつ、410が邪魔な触手鞭を切り裂いてゆく。
あっという間に距離をつめ、暴走肥大化したディラ・グロブスはすでに目前。
キャス男は槍を床に突き立て、410の片手を取った。
410 「俺がバックなっ! 挟み撃ちだ!」
キャス男「おうよっ! 俺たちは最初から最後まで…」
410 「クライマックスだぜええええッ!」
ワルキャスは力を込め410を旋回、ディラグロブス背面の壁に目掛け投げ飛ばした。
ワルパシリは飛ばされる中、体勢を持ち直し、跳弾の要領で激突寸前の壁を蹴り上げる。
キャス男は床に突き刺した槍を引き抜き、ワルコンビ最大戦力の一撃が叩き込まれた。
キャス男「デュウウウウウウスッ! ダッガアアアアアスッ!」
410 「アサルトオオオオッ! クラアアアアアアッシュ!」
ディラ・グロブス「GUUUUUGYAAAAAAAAAAA!」
双方から食らう斬撃に成す術も無く、クリティカルを叩き込まれる。
内部も外部も裂傷が激しく、フローリンが作り上げた機獣はすでに虫の息。
二人が離れた時にはそれはもう箱の領域。
箱 「いくよ…450…」
450 「はいっ…」
405 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:29:29.84ID:OBkU3b3D
箱と450は見つめあい、軽く頷く。勝利を決めるのはただ一言の掛け声。
箱 「SUVウェポン起動申請!」
450 「SUVウェポン起動申請!」
衛星が受けたその認識コードとともに、2門の巨大レーザー砲が転送される。
狙いは一つ、ディラ・グロブスのみ。
つんざく熱線はボロボロのボディを完璧に粉砕してゆく。
ディラ・グロブス「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
まばゆい閃光は、ディラ・グロブスを塵ひとつ残さず無に帰すのであった。
『ミッション・コンプリート』
***
海底拠点になんとか到着したボロボロのリニアトレイン。
待受けていたのガーディアンズの保安課。
逮捕したローグスの回収とボロボロの4人を回収するためである。
箱 「ふぅ~…一時はどうなるかとおもったよ…」
450 「そっ…そうですね…」
450は貨物にあった毛布に包まり、箱に抱かれてる。
もちろん、キャス男が指南したお姫様抱っこでだ。
箱 「ん? まだ異常があるの…?」
450 「えっ?! あっいや…なんでもないです!」
嬉しそうに顔を紅くする450に不思議そうに首をかしげる箱。
それをニヤニヤと眺める二人。
キャス男「ミッション・コンプリート…だな」
410 「…まぁーな。一時はどうなるかとおもった…ぜっ!」
ちょっと嬉しそうにキャス男の弁慶に蹴りをかます410。
キャス男「あいたっ! てめぇなにしやがる!」
410 「あはははっ!」
キャス男「ったく…あー…これで丸く収まった…のに、なーんか忘れてるような…」
406 名前: 名無しオンライン 2007/02/13(火)
23:31:41.34ID:OBkU3b3D
ケラケラ笑う410をよそに、頭を掻くキャス男。
そして丁度いいタイミングで、キャス男の前にやってくる一人のキャスト。
????「ブルァ…ちょっとちょっとキミィ…ちゃぁんとブツはぁ…届けてくれたかねぇ?」
キャス男「…アアアアアアアアッ!!」
***
一人だけのマイルーム。ご主人様はお出かけ中。
私の大好きなご主人様。離れていても忘れない。
一人だけのマイルーム。だけど時どき思い出す。
もうひとりのご主人様。あかくて怖いご主人様。
一人だけのマイルーム。だから時どき寂しいの。
450「…ご主人様…私は…信じてますから…」
一人だけのマイルーム。帰って来てねご主人様。
絶対絶対帰ってきてね。
小さな小さなPMは、一人で寂しくお留守番。
箱 「ただいまー」
450 「ご主人様…おかえりなさい」
今は二人のマイルーム。だからとっても暖かい。
***
それは変なキャストに変なパシリ…そして、
それに絡まれた気弱な箱と真面目なパシリのお話。
やっと完結…なんかすげぇ長かった…
荒とかかなりあるかも…つか長すぎてすまん。
バレンタイーンはバレンタイーンの日にでも…
ってもうすぐじゃん!
407 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日202007/02/13(火)
23:46:01.97 ID:dQjs5Ln2
「…違うか」
瓦礫の山の中から引きずりだした「それ」を、男はそっと、手近な空きスペースに置いた。
携帯端末を使ってチェックしたが、該当ナンバーではない。
…「人違い」。何となく浮かんだその言葉の皮肉さに、嫌な心の痛みを感じる。
汚れきった剥き出しの床材の上に置くのは…、間違いだろうか。
持って帰って処分してやれるわけではないのだ、墓穴に埋もれていた死人を野晒しに
するのにも似ている。…幾多のゴミの山が成す墓の下と、澱みきったゴミ捨て場の
空気に晒されるのと、それはどちらがどれだけマシなのだろう。
…どちらも所詮、ゴミ捨て場の中のことなのに。
陰惨な思いを胸中に溜め込みつつも、男の手は休むことなくゴミの山を掻き分け続ける。
携帯端末には、この山の中に、もう一機の反応があった。…掻き分け出して、認識コードを
確かめなければならない。自分がキャストでないことが恨めしい。
認識コードが「視認」出来れば、何もここまで苦労も心労もせずに済むだろうに。
掘り起こし、抱き起こし、携帯端末からのケーブルを接続しなければならない。
このゴミの山の中で眠る…、不法投棄された「GH-440」たちを、一人ずつ。
ガーディアンズコロニー最下層。
このグラール星系にあって最も巨大で有名なコロニーが、
過去、単なる巨大な「寄せ集め」でしかなかった時代から存在するブロックだ。
捨てることさえ忘れられた忘却の空間。
今ではこの場所に立ち入る方法すら知らない人間の方が多いだろう。
だからこそ、こんな場所は、「人知れずに何かをしたい」者には格好の場所だった。
(まぁ…、逢い引きには向かんだろうがね)
男の手は絶えず動く。肘まである防護グローブは汚水まみれだった。酸化したオイル、
腐敗した有機物、そんなモノが、ぐちゃぐちゃとこびり付いてくる。
この作業を初めてすぐの頃は散々な嫌悪感を抱いたものだが、三時間が過ぎた頃には
慣れてしまった。…そんな不快感はどうでも良くなった。
掻き分けたゴミの下からは、実に様々な…、悲惨な物が出てくるからだ。
…人や、キャスト、そして、PMの成れの果て。
ここに投棄されるものは全て、人でも物でも、表側の世界では公に出来ない存在だ。
噂では、ガーディアンズの諜報部や公安部の連中「御用達」のゴミ捨て場でもあるらしい。
恐らく、この「ゴミ捨て場」にある何を持ち帰ったとしても…、
表側の世界に照らし合わせて調べれば、どうにもならない事件の、どうにもならない結果が
浮き彫りになってくるのだろう。心が、嫌な疼き方をした。
(間違っても440を連れてこなくて良かったな)
おっさんおっさん、と、悪態を付きながらも嬉しそうに後ろを付いて走ってくる440。
先日の事件から、自分が独自にその捜査を始めたことに気付いたらしく、
出掛けに散々「手伝うから連れて行け」とせがまれた訳だったが…、
こんなところに、連れてこられるものか…。
408 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日212007/02/13(火)
23:46:54.78 ID:dQjs5Ln2
ふう、と大きく息を吐き、男は天井を見上げる。額から流れ落ちてきた汗を肩口で拭って…、
自分が相当に疲労していることに今更ながら気が付いた。
粗大ゴミを掻き分けるような作業をかれこれ四時間。こんな肉体労働は警備部にいた時以来だろう。
目眩がするほどに高い天井。立派な明かりなどついているはずもなく、ブロックを支える支柱
のあちこちに非常灯が付いているだけ。
有毒ガスの沈殿を防ぐ為だろう、光が届かず、見えもしない天井の方からは、ゴンゴンと
大型ファンが回る音がする。空気の流れがあるせいで多少はマシなのだろうが、
異臭も随分ひどい。…ここを出たらメディカルチェックを受けた方が良いだろう。
気を取り直し…、男は再びゴミをどかし始める。
ねじ曲がったダブルセイバー、フォトンジェネレーターの破損したライフル、
傷と弾痕だらけのキャストパーツ…、もはや元が何であったか見当も付かない、ただドロドロとした固まり…、
「…ん…」
男の手が、ふと止まる。掻き分けたそれらの隙間から…、小さな手が見えた。
ぼろぼろに汚れていたが、手首を覆う袖の形状ですぐ知れた。それは見慣れた衣服。
物を食べた後、口元を袖拭くのはやめろと、アイツには何度も何度も言っている。
洗濯のたびに漂白で四苦八苦するから、…よく知っている。この服は、…GH-440、だ。
「あんなところでとはいえ…、ゆっくり寝てたとこ、すまねぇな…」
彼女に帽子はなかった。この山の中のどこかか…、あるいは全く別の場所なのか。
探してやろうかとも思ったが…、どうにもならなさそうで、諦めた。
ゴミの山の中から掘り出した440を、男は体が汚水まみれになるのにも構わず、抱き上げる。
腹部に、フォトン弾とおぼしき物による弾痕があった。
かなりひどい。PMは元来かなり強固なシールドラインを装備しているが、
それが役に立ったとは到底思えなかった。五発ほどの弾丸が腹部に命中し…、
背中にまで貫通している。…致命傷、だろう、これは。
「ショットガン…、か。恐らく零距離。…むごいことを…」
思いに男の顔が歪む。…銃口を突き付けての発砲だったとしたら…、
彼女は、最後に見たであろうその光景に、何を思って…、停止しただろうか。
「…待て。…ショットガン…?」
ショットガンというのが気に掛かる。それはGH-440の基本装備、だ。
「まさか」
男は手早く携帯端末からのコードを手繰り寄せると、物言わぬ彼女の首筋の端子に接続し、
手慣れた動作で端末を操作し始める。
GH-440保持者の不審死。そして、消息不明になっているGH-440は都合五体。
もし彼女がその五体のうちの一体だとすれば…、
「…ビンゴだ」
携帯端末のモニターは、彼女が彼が探していた五体のGH-440の一体であることを告げていた。
所有者は…、先日不審死を遂げた、あのハッカー気取りのガーディアンズ。
きつい労働に流れた汗が…、一気に冷えた気がした。
ここからが…、本題、だ。男の指が端末のキーボードの上を踊る。
やけにタイプミスが目立ち…、男はやっと、自分の指が震えていることに気が付いた。
喉の奥がやけに乾いて張り付く。鼓動は鼓膜を叩くほどに高鳴っていた。
携帯端末は、彼が改めて入力した命令を実行しようとCPUを稼働させている。
数秒の時を挟み、彼女の遺体から端末が採取した情報は…、
彼女が…、二ヶ月も前に完全停止しているという、事実だった。
409 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日222007/02/13(火)
23:47:49.23 ID:dQjs5Ln2
ぽたりと、汚水にまみれた汗が端末のキーボードに落ちる。
…いた。いたんだ、彼女は。このGH-440は…。
つい先月、あのガキは毎度懲りもせずにガーディアンズの情報保管庫に不正アクセスをして…、
俺に取っ捕まえられて、情報局の個室で説教くれられて…、そうしていたら…、
――あああああ、申し訳ありません申し訳ありません、私のご主人様がー!
――何度言っても聞いてくれないんです! ごめんなさいごめんなさいー!
――うわーん! ごしゅじんさまのばぁかぁあああああああああ!
「いつも通り」、滝のような涙を流して謝るGH-440が飛び込んできて…、
待て。待てよ。ちょっと待てよ。
その彼女は、あの出来事の一ヶ月前に死んでるんだぞ…?
腹に風穴を開けられて、このゴミの山に投げ捨てられていたんだぞ…?
――もっときつく言ってやってください! ご主人様、おじさまの話は聞いてくれるみたいですから…。
――ひょっとしてと思うのですが、ご主人様はおじさまに会いたくてこんなことをしているのかも知れませんね。
――お父様を早くに亡くされているのです。…ふふ、おじさまのことをお父様のように思っているのかも。
あのガキを通して、あの440とも何度も話をした。
あの時だってそんな話をした。
少し照れくさくなって頭を掻いたのを憶えている。
そんな俺を見て嬉しそうに笑った440を憶えている。
誰、だよ。…あの時俺の前にいた440は、誰だったんだよ…!
あ れ は い っ た い 、 な ん だ っ た ん だ ! ?
膝が、震えていた。
誰も信じてくれないだろう、愚にも付かない仮説。
出来損ないの怪談のような、馬鹿げたことだらけの事実。
「バケモノは…、実在する…?」
早鐘のように鳴り響く鼓動の中、感情の乗らない声でそう呟いて…、
* * * *
「こりゃあまた随分と捨ててあるもんだねェ」
* * * *
唐突に聞こえた遠くからの声に、男は身を竦ませた。
(俺以外に…、こんな場所に…!?)
随分と錆び付いてはいたが、警備部時代に培った体裁きで、男は一息にゴミの山から
飛び降りると、近くの支柱の影に身を潜ませる。
誰も来るはずのない場所だ。こんな場所に来る人間なまともなはずがない。
声は続いていた。どうやら二人組らしい。…男は身を低くしたまま、耳を尖らせる。
「えーと、スイート・デスに、キャリガインルゥカー…」
「こちらにはコイブミテリが転がっています。…十本ほど」
どちらも女の声だ。…しかも片方はかなり若い…、というよりも、幼い。
410 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日232007/02/13(火)
23:49:13.98 ID:dQjs5Ln2
「コードはどうだぃ? ご主人サン」
「…全て不正合成品ですね。ここまでくると確認する必要もないくらいですが」
「あれかねェ? 公安部が一斉調査を始めたモンだから、足が付く前に捨てちまおうって
こぞってここに捨ててったってとこかねェ?」
「十中八九。…今回は随分と多くのガーディアンズが不正に手を出したようですし」
「馬鹿な合成に付き合わされるPMの身にもなって欲しいもんさね…。
一斉調査を始めて一日と経ってないけど…、随分と酷い話を聞いたもんさ」
「主の違法を己の独断だと言い張るPMも多いようです。
それこそ…、己の安否も省みず」
「笑い話にもなりゃしない。悲惨過ぎて反吐が出る…」
男は身を潜めたまま、足音を殺し、声音の元へと近付いていく。
ガーディアンズで不正合成が横行したことは知っている。
それの調査員だろうか…?
「にしても、どーにもこりゃタイミングが良すぎじゃないかねェ?」
「と申しますと?」
「ガーディアンズどもはバレンタインシーズンでお祭り騒ぎさ。
そのお祭り騒ぎに加わろうと、一時停止していたライセンスを復活させたヤツもいる。
そこへもってこの大規模な不正合成と来た」」
「日頃から、威力装備合成については各種メーカーとガーディアンズ本部との
癒着が噂されておりますからね。
積もり積もった不満を爆発させるには…、うってつけの『燃料』でしょう」
「中央管制塔への不正アクセス…、馬鹿ガキのお遊びだったって話もあるが、
アタシにゃどうも鵜呑みに出来ないねェ。…何もかもタイミングが良すぎる」
「その目的は?」
「さてねェ。どこがどう繋がってるのやら。
でも…、そーいう『イカれたお遊び』が好きな物騒な馬鹿には、心当たりがあるのさ」
「ところで…」
二つの声に随分と近付いたところで…、ふと、幼い声の持ち主の声音が、変わった。
「ここにゴキブリが沸くのは知ってるが、アンタは何だい? …ドブネズミかね?」
…気付かれて…、いたか…。
隠れていてどうなるものではなさそうだった。声の方向は確実に自分を向いている。
本当に衰えたものだ。この程度の隠密行動も出来なくなっているとは。…歳は取りたくない。
「わりーな、人間だよ。ガーディアンズ情報局のモンだ。とある事件を調査してる」
職員章をペンライトで照らしながら、男は柱の影から歩み出る。
…護身用のハンドガンは装備しているが、今はまだ…、抜かない方が良いだろう。
「おやまぁ、何とも仕事熱心なガーディアンズもいたもんだ」
改めてその声の持ち主を見て…、驚く。
PMだ。GH-450。言葉のやりとりからして、二人は上下の立場にある者であり、
幼い声は大人びた声よりも上位にある者だと思っていたが…、これはどういうことだ。
411 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日242007/02/13(火)
23:49:45.82 ID:dQjs5Ln2
「アンタ…、PMだよな?」
「ま、その辺の解釈は適当にやっとくれ。アタシぁ自分の説明ってのが嫌いなのさ」
はん、と蓮っ葉に言い切る450。隣にいるのは、ニューマンの女らしい。
まるで450を主とするかのように、一歩下がった隣で静かに両手を組み合わせて控えている。
…思い当たる節が…、一件あった。
ガーディアンズコロニーの裏町を牛耳る女帝の話。
諜報部も公安部も手を焼く、「ガーディアンズコロニーのガン細胞」と蔑まれる荒くれ者どもを
一手にまとめているのは、人間でもなければキャストでもなく、ただのPMだという、噂話だ。
馬鹿げた、それこそあり得ない話だと思っていたが…、
こうして対峙すれば、あながちホラ話ではないのかも知れないと思う。
後ずさりしたくなるほどの、異様なプレッシャー。それを、この450は放っている。
「職務熱心などぶねずみサン。見逃してあげるから出ておいきよ。
ここは日の当たらない場所さね。長くいれば色々腐る。そうならないウチにね」
引きたいのは山々だ。どうにもコレは相手が悪すぎる。頭の中は警鐘で一杯だ。
だが…、今の会話の中、彼女たちは聞き逃せない話をしていた。
中央管制塔への不正アクセス…、馬鹿ガキのお遊びだったって話もあるが、
アタシにゃどうも鵜呑みに出来ないねェ。
どうしてそれを知っている…。箝口令の敷かれた事件だぞ…。
情報局の現場の人間でなければ、本部でも相当に上位の者しか知らないはずだ。
あるいは、諜報部か、公安部か…。
だがどう見ても、彼女らがそれに当てはまる存在には思えない。
いちか、ばちか…。
胸中で十字を切りつつ、男は切り出す。
「…GH-440の件について調べてる」
412 名前:
小ビス子と430 彼女たちの一番長い日242007/02/13(火)
23:58:31.23 ID:dQjs5Ln2
今日も失礼致しますm(_ _)m
今回は「おっさん」viewです。
次からやっと本筋が動かしていける…、と思いきや、明日もうバレンタイン!?
間に合わない…orz
プロットを見直してみたら、前半部がほとんどおっさんシナリオになっていました。
大好きです、おっさん…w
>小ビス子の外見
実はちょっと前にキャラメイクでつくってみようと思ったのですが、
どうやら私は可愛いビーストを作れない人種のようでした…orz
いつか納得の行く小ビス子が出来たらお披露目したいなぁと思いつつ、
とりあえずは今まで通り「読まれる方の想像の小ビス子」を当てはめて頂ければ幸いですw
今日は投下がたくさんあって賑やかですね!
おふとんの中でじっくり読ませて頂きます!
413 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
00:29:34.27ID:I1/hgBTc
>>396
思えばうちの420も最初は敬語だったんだよなぁ・・・
何処で変わったのか自分でも覚えてないがw
Wikiは割りと手付かずな部分が多いから編集してもらえるのはありがたい
少なくとも編集あんまやってなくても全くわからない俺がやるよりはいいだろうしw
>>406
>フローリン「ドーピングブラストバッチだ…さあ、この俺から逃げることができるk…」
ギガワロタw
ブラッドリィ覚醒→ワルキャスとワルパシリの合体攻撃→ラブラブ天驚拳とまるでスパロボのような展開だったw
ともあれ長編完結お疲れ様w
>>412
最初バレンタインだったのに話がどんどん派手になっていくなぁ・・・w
そしておっさんの名役者っぷり、バラバラのパーツをよくここまで繋げれるなぁと感心する・・・w
>小ビス子の外見
確か垂れ耳、銀髪、長髪、耳が目立たないってのがかなり前に出てた小ビス子のデータだったかな
一度それをベースに作ってみたけど顔、目、服装の詳細がわからないので結局大まかな部分だけ作って断念・・・orz
まあ何が言いたいかと言うと小ビス子氏のイメージする小ビス子がどんなのになるか楽しみだったりするw
414 名前: ヒュマ郎と捨てポコ 前 2007/02/14(水)
01:05:23.75ID:U20/TFn1
―ホルテス・シティ西地区 オープンカフェ
「ふぅ…最近お客減ったわね…」
紺色の髪に、メイド風のカチューシャをつけた女性が、
カウンターに頬づえをついて呟いている。
「ミッションの大部分は東地区からいくわけだし、今更リニアトレインのミッションする人もねえ…」
「たまに来る客なんて、妙なパシリ連れたガーディアンズだけだし…」
ふぅっと背筋を伸ばし、腰をとんとんと叩く。
タマ「ふにゃ~~~~! おっぱ~~~~~い!」
「んな!?んなああああっ!?!?!?」
がばっと胸に張り付いた小さな猫…じゃない少女。
その少女が幸せそうに自慢の胸(自称)に顔を埋めている。
「た、タマちゃん! ま、またそんなことしてっ!!」
タマ「ふに~~~」
「や、やめなさいってば! もうっ!保護者のあの馬鹿ヒュマ郎は何処っ!?
どーせどこかの物陰に隠れてヘラヘラ眺めているんでしょ!!」」
なんとか優しくタマを剥ぎ取ろうとしつつ、目的のヒューマンを探す店員。
案の定、リニアトレインに降りる階段の影に隠れて、にへらとほのぼのしてる影が。
「こらーーーー!!そこのヒューマンっ!!貴方この子の保護者なんだからなんとかしなさいっ!」
スビシッ!とヒュマ郎を指差す店員。
ヒュマ「まーまーいーじゃないの~ スキンシップスキンシップ」
「そんなヨコシマな目で見られるスキンシップがあるかぁっ!! とっとと注文して帰りなさいっ!」
ヒュマ「はいはい。 ん~~満足… さて、いつもの頼むわ~」
そう言って席に付くヒュマ郎。
「はいはい、プリンアラモードと塩水ね」
ヒュマ「…コーヒーな」
「はいはい、解ったからこの子なんとかしてよね……」
タマ「ふみ~~」
ヒュマ「おいタマ、今日の保養はおしまいだ。こっちこい」
タマ「うにぃ…………」
妙に名残惜しそうに店員から離れ、ヒュマ郎の向かいの椅子にちょこんと座る。
「はい、お待たせタマちゃん」
タマ「わーい!いっただきまーす!」
ヒュマ「おーい、僕の注文はまだですかー」
「はいはい、ついでにコーヒーね」
ヒュマ「ついでかよ… フーフー ズズズ」
「とっとと飲んでとっとと帰ってよね。営業妨害だから」
ヒュマ「お前な、それが曲がりなりにも店員が客に言う言葉か」
「はいはい、んじゃ、ありあとーっしたー」
ヒュマ「全く、最近の女は…」
タマ「ねー、ご主人~」
ヒュマ「んぁ?なんだ」
スプーンを口に含んだまま、じっとこっちを見るタマ。
タマ「あのね、それ、おいしい?」
ヒュマ「コーヒーか? 美味いな。それがどーかしたのか?」
タマ「…あたしも飲みたい…」
ヒュマ「いや、お前前にコーヒーやったら苦くて飲めなかっただろ」
タマ「……だってぇ……」
ヒュマ「やめとけ。タマにはまだ早い」
タマ「…………うにゅぅ…………だってぇ……」
タマの目が少し潤んだ気がした。
ヒュマ「なんだよ」
タマ「……ご主人が飲んでるの、あたしも飲めるようになりたいよぅ……」
ブバッ!!
いや、なんだ、コノヤロウ!いきなり不意打ちか!!
可愛いじゃないか健気じゃないかスペック高っけーじゃないかァ!!
ふ、ふははは、いーだろう!その挑戦受けた!!
415 名前: ヒュマ郎と捨てポコ 中 2007/02/14(水)01:06:45.90 ID:U20/TFn1
ヒュマ「わ、わわわかったよ仕方ないな… おーい、コーヒー一つ追加!」
「はいはい解ったわよ」
暫らくして運ばれてくるコーヒー。
タマがテーブルに顎を置き、いつものように警戒するようにちょんちょんとカップをつつく。
ヒュマ「……やっぱ熱いか」
タマ「……うにぃ…… ご主人……ふーふーしてぇ……」
ブフーーー!!!
おっとヤバイぜコーヒーが赤黒くなるところだった。
とりあえず、なんだ、あれだ!やってやろーーーじゃないかァ!
ヒュマ「ったく……し、しししかたねーなー…… フーフーフーフーフーフー ほらよ」
まだ熱そうなのか、おそるおそる取っ手を摘み、ぺろりと一口舐める。
タマ「に゙が~~~~~~~~~」
これまた凄い表情。
ヒュマ「やっぱブラックは無理か。ほれ、砂糖とミルク入れてやるぞ」
そう言って二つの容器に手を伸ばす。
タマ「うにぃ…」
ヒュマ「よし、とりあえず…」
蓋を開け、ドババと砂糖を投入。ミルクもあるだけ投入。
パコッ!
ヒュマ「いってーな!なにすんだ!!」
「一人でそんなに使うな!!」
ヒュマ「いーじゃないか! 俺達も客だ! なー、タマ?」
タマ「ふに~~あまあま~~~~」
飽和するくらい投入された砂糖の甘さに満足そうに目を細めるタマ。
ヒュマ「ほらみろ、かわいいだろ?」
「だわね… い、いや、そうじゃなくって!!」
ヒュマ「とりあえず入れたものは仕方ないだろ。勘弁しとけ」
「ったく…」
渋々カウンターに戻る店員。なんだかこっちをジロリと睨んでいる。
タマ「……ねぇ、ご主人……」
ヒュマ「なんだ?」
タマ「……もういらない……」
そういって飲んでいたコーヒーを俺に差し出す。
……相当温くなった砂糖とミルク塗れのコーヒー…………
………………………………残したら……
ちらりと店員の方を見る。
丁度やりとりを見ていた店員も丁度こちらを見る……というかニヤリと睨む。
その視線には「残したら殺すわよ」という確固たる意思……いや、嫌がらせの表情が浮かんでいる。
…………飲むか……
恨めしそうにタマのほうをちらりと見ると、なんだか知らないがこっちを見てワクテカしてやがる。
おいおいハニー、誰のせいでこうなったと思ってるんだい。
仕方ない。これも主人の務めだ…覚悟を決めて一気にあおる。
416 名前: ヒュマ郎と捨てポコ 後 2007/02/14(水)01:07:54.83 ID:U20/TFn1
ごぎゅ ごぎゅ ずぞぞぞぞぞぞぞ
…………おぶぶぶぶぶぶぶぶうううううう
甘い。だだ甘だ。これはコーヒーじゃない。甘い毒物だ!!
それはもう、ひとり眠る夜の夢を熱くする毒薬(ポイズン)ッ!!
ダメだ…到底飲めない…こんなモノはッ!!
ヒュマ「プハーーー」
「お」
タマ「みょ?」
ヒュマ「タマ!」
タマ「ふにっ!?」
ヒュマ「帰るぞ!!」
タマ「に゙ゃっ!?」
呆気に取られるタマのうなじをつまんでオルアカを確保しにいくオンマゴウグの如くダッシュする俺。
「あっ!逃げた!!こらっ!まだ残ってるじゃないの!!」
聞こえない!何も聞こえない!俺なにもキコエナーーーイ!!
そんなオーラを靡かせつつ、ホルテスを疾走する俺。
嗚呼、タマよ、お前と出会って俺はいろいろ得ることができたぞ!
お前との充実した時間!
お前が与えてくれる麗しきシーンの数々!!
そしてッ! この脚力だああああああああああっ!!!
ホルテス西地区に、久しぶりの喧騒が戻ってきた。
尤も、主に絶叫と騒音ではあるが…
おしまい
========
クオリティ高い作品が連発していい雰囲気のところに駄作を投下逃げッ!
( ゚∀゚)ノシ
417 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
15:33:31.79ID:g+1cQkAr
wikiに黒キャス子シリーズを追加しておきました
いろいろ曖昧ですがorz
皆さんが客観的に見てこうだって思ってる事があればどんどん追加してやってください
418 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
16:38:42.40ID:L/E/gEVR
>捨てポコ作者殿
いや、スッペク高いと思うぞ・・・色々と
特に「ふーふーしてぇ」、が
419 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
17:55:07.74ID:hE7FE6hD
俺さ、捨てポコを拾う為に
不自然に置かれた段ボールは片端から開けることにしたんだ。
でもさっき、銃を持った渋いオッサンが出てきたんだ。
段ボールって恐いな…。
420 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
18:02:40.56ID:eV9BCoyK
よく生きて帰ってこられたな
421 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
18:23:44.80ID:wFqIOVEz
>>416
これは凄まじい特化パシリ
>呆気に取られるタマのうなじをつまんで
ぶらーんとしてるんだなこれw
バレンタインなんで俺も投下、何か色々書いてたら思ったより長くなった、不思議だ・・・
422 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
18:24:34.82ID:wFqIOVEz
2月、そろそろ冬も終わり日差しも徐々に暖かくなり・・・ってのはまあコロニーだと関係ないか。
管理官の趣味なのかコロニーではクリスマスや正月などのイベントをよくしたがる。
まあおかげで退屈はしないのだがそんなことに力を入れるくらいならコロニーの管理もしっかりして欲しいもんだ・・・。
さて、2月のイベントと言えばそう、バレンタインデー。
何処の誰が考えたのかは知らないがおかげでコロニーはバレンタイン一色。
至る所に設置されたオブジェに加え商店街ではいろとりどりのチョコを売りに出し女性陣やらPMやらが楽しそうにそれを見て回っていた。
ビス男「はぁ・・・しかしまあバレンタインねぇ・・・」
別に俺はバレンタインが嫌と言うわけではない、
確かにこの時期になると鬱になると言う奴が増えるとは聞いたが俺は別にそういうこともない。
まあ元々こういうイベントには疎いからなのだろうが・・・。
では何故俺がこんな場所にいるか、だが――
420「ねね、マスター、もうすぐバレンタインデーなんだって!」
ビス男「ん、あぁもうそうんな時期か、早いもんだなぁ」
420「バレンタインデーってチョコレート貰えるんだよね、今からすっごく楽しみだなぁ~♪」
間違ってはいない、間違ってはいないがなんだろうこの妙な違和感・・・。
ビス男「・・・一つ聞くがバレンタインってどんなのか解ってるのか?」
420「えっと・・・チョコ貰う日」
ビス男「それは間違ってない、じゃあ次は『誰』が『誰』から、か言ってみろ」
420「『私』が『みんな』から?えっとほら、『チョコかいたずらかー!』って言うんだよね」
ビス男「はぁ・・・やっぱり間違えてたな、それはハロウィンでバレンタインとは違う」
聞いておいて良かった・・・今ので善良な市民(特に箱さん)を守れた気がする・・・。
ビス男「いいか、バレンタインデーってのは女性が好きな男性にチョコを送る日であって誰でもチョコもらえるって訳じゃないんだぞ」
420「えー・・・ずるいー、それじゃ私はチョコ貰えないの?」
ビス男「まあ全く貰えないって事は無いだろうけどな、何処かで聞いた話だと男性から女性へって言うのもあるらしいし」
420「ほんとに?やった~!」
嬉しそうに跳ね回る420、相変わらずコロコロと変わる奴だ・・・。
そしてふと頭によぎる不吉な光景。
423 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
18:25:19.35ID:wFqIOVEz
――この辺妄想
420「よーっし、それじゃ箱さんからチョコ貰えるか聞いてみよっと!箱さ~ん!」
箱「あれ、君はこの前の、今日はどうしたんだい?」
420「ねね、箱さん、バレンタインだからチョコちょうだい♪」
箱「え、でもこれは450にあげる分だから・・・」
420「ぶー・・・いいもん、じゃあカニで我慢するから」
箱「う、うわぁぁぁぁ!!」
420「チョコかカニか~♪」
そしていつか見た光景へ・・・。
――妄想終了
ビス男「はは・・・まさかな・・・」
口では否定しながらも背中を伝う嫌な汗。
一度暴走してしまえば俺の手に追えるかどうか・・・。
それに今度も都合よく450が現れて止めてくれるかどうかもわからない。
もし万が一止めれなかったら・・・
もし万が一450が現れなかったら・・・
・・・もしそうなったら、荷物まとめて420連れて逃げるか、どこか遠くへ・・・。
そうなって欲しくない、そう思いつつも半ば諦めそんなことを考えていた。
420「よーっし!」
ビス男「うおっ、ちょ、ちょっとまっ・・・」
420「それじゃマスター、チョコちょうだい、って・・・どうしたの?」
ビス男「い、いや・・・なんでもない・・・」
椅子から崩れ落ちた俺を訝しげな表情で見る420。
全く、寿命が縮んだぞ・・・。
424 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水) 18:26:20.53ID:wFqIOVEz
――とまあこんな訳で殆ど強制で420へ贈るチョコを買いに来ているわけだが、
いや420に催促されてわざわざ来ていると言うことに関しては特に問題ない、むしろこれで喜んでくれるなら安いもんだ。
安いもんなんだが・・・
わいわいガヤガヤわいわいガヤガヤ
目の前に見えるのは特設のチョコレートショップ。
普段は空き店舗のはずだがこういう時期になるとわざわざ派手な装飾まで用意して期間限定の店を開く事がある。
その装飾は何と言うかその辺にあるバレンタインの置物をごちゃごちゃとくっつけたような物で中々の威圧感。
意を決して飛び込めばそこはまさにチョコレートの中、420が居たらきっと目を輝かせる事だろう。
他の客は俺を除けば全てが女性、もしくはPMな為非常に肩身が狭い・・・。
別にただ単純にチョコを買うだけなら普通にショップで板チョコでも買えばいい、
だがあれだけ楽しみにしているのに流石にそういう訳も無い。
周りの視線が微妙に痛いが仕方ない、俺は溜め息を吐いて覚悟を決め、様々なチョコが陳列してある棚を見る。
ビス男「ふーむ、しかしこうして見ると色々あるもんだなぁ」
スタンダードなチョコは勿論の事、まるで宝石のように飾り付けられた妙に高い物。
生クリームを入れたとか言う生チョコ、クッキー、チョコケーキ。
中にハッピージュースが入っているハッピーボンボン、こればかりは420に渡すわけには行かない。
後は珍しいので言えば甘辛さが売りらしいスパイシアチョコ、罰ゲーム用か嫌がらせ用ってとこか・・・。
数あるチョコの中からどれなら420が喜ぶだろうか、などと唸る。
やはり少しくらい高い奴の方が良いんだろうか、しかし420はどちらかと言えば質より量、
となるとやはりでかくて安いのか、でも麦チョコとかじゃ絶対怒るだろしなぁ・・・。
などとあれこれ考えている内に気が付けば小一時間、
なんだかんだで結局量と質を両立した結果小さなチョコがごちゃごちゃと箱詰めにされた物を購入し部屋へと戻ったのだった。
425 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水) 18:26:35.77ID:wFqIOVEz
ビス男「部屋の前まで戻ったのにまだ甘いにおいが・・・もう当分チョコは見たくないな・・・」
げっそりとした表情で部屋の扉を開ける。
ビス男「ただいまっと・・・420、買ってきたぞ~」
少し間が空いた後、部屋の奥からパタパタと走る足音。
420「あ、マスター、おかえりー」
ビス男「ほら、チョコレート・・・って何でエプロンなんか付けてるんだ?」
420「あ、これ?えへへ・・・ちょっとね」
現れた420はいつもの服の上にエプロン、手にはミトンとおたま、
先ほどの甘ったるい香りが服についていたおかげでさっきまで気付かなかったが奥の扉から漂ってくる甘い香り、このにおいは・・・。
420「はい、マスターにもチョコプレゼント!」
ビス男「え?」
一瞬どう言うことか解らなかったがすぐに合点が行った。
420は俺が出ている間に普段付けないエプロンまでして台所に篭ってチョコを作っていた。
ひょっとすると俺にチョコ買うように言ったのもその為だったのかも知れない。
チョコを差し出す420手には無数の傷、よほど頑張ったのだろう、
チョコの基板なんてのは無かったはずだからこれは完全に420の手作りだ。
不恰好な包装の中から現れたのは黒い塊、それは俺が先ほどまで見ていた物とは黒さが一回りほど違う気がする。
そしてどこぞの芸術家の彫像を思わせる形状、包装紙を解くと同時に放たれる異臭。
これは・・・チョコ・・・なんだろうか?
そう言えば420がまともに料理をしているところなんて今まで見た覚えが無い。
ビス男「・・・一つ聞きたいんだがこれって材料はどうしたんだ?」
420「えっと、冷蔵庫の中のもの色々とか」
確か冷蔵庫にショコラくらいは入ってたと思うがそれ以外はまともな食材は殆ど無かった記憶がある。
きっと冷蔵庫の中は殆どのものが無くなり台所は混沌とした状態になっているんだろうな・・・。
などと考えていると420が訝しげな表情でこちらを見てくる。
ビス男「・・・ありがとな、420」
420の頭をゆっくりと撫でる、420は顔を少し赤くしてもじもじと嬉しそうにしている。
この笑顔の為に・・・俺は意を決してその物体を口に入れた。
420「・・・どう?」
ビス男「・・・うん、美味い」
表情をぱぁっと明るして嬉しそうにはしゃぐ420の姿。
ミッションコンプリート、Sランクだ、俺は・・・やったぞ・・・。
そして俺はやり遂げた表情のまま・・・力尽きた・・・。
次の日の朝刊、一人のガーディアンズが食中毒で病院に担ぎ込まれたと書かれていたのを俺は読むことが出来なかった。
426 名前: 195のあれ 1/5 2007/02/14(水) 18:32:24.56 ID:UEg57oKR
~ヒュマ男のマイルーム~
扉の縁に寄りかかり、部屋主の帰還を待ち続けている中年のヒューマン。
彼の視線の先には440タイプのPM――ルームグッズを眺めつつ、部屋の中を散策していた。
中年ヒュマ「おい、眺めるだけにしておけよ。どこぞの大飯ぐらいのせいで、壊したところで弁償するような金はないんだからな」
440 「心配すんな、おっさん。こっちだって飯が食えなくなったら困るからな」
にひひと笑いながらそう答えた440に、中年ヒュマは渋い顔をして見せた。
手間も飯代もかかるPMだが、何だかんだで彼にとっては可愛い娘だ。
世の父親というものは、大概娘には甘いものであり、彼もまたそんな父親の一人らしい。
440 「しっかし一貫性が無いな~。もうちょっとマシに配置できないもんかな」
ルームグッズ配置における440の見解。遠慮ない物言いに、中年ヒュマは呆れ顔で言った。
中年ヒュマ「ったく、相変わらず口の減らない奴だな。それくらいにしておけ」
440 「でもな~、おっさん、これって明らかに拾ってきた物をてきとーに配置してるだけっぽ――」
ヒュマ男「概ねお前の予想通りだ」
440 「!?」
いつの間にか戻っていた部屋主のヒュマ男が突然口を挟んだ。彼の鋭い視線を向けられた440はとたんに怯えだす。
中年ヒュマ「だからそれくらいにしておけと言っただろう?」
440 「も、戻ってた事、何で教えてくれなかったんだよ!」
中年ヒュマ「お前にはいい薬だ。おいアンタ、こいつに言いたいことがあるなら好きなだけ言ってくれて良いぞ。俺が許可する」
440 「ちょ、ちょっと待てよおっさん!」
無慈悲な言葉に440は泣きそうな顔で中年ヒュマを見つめた。だが、中年ヒュマはそんな彼女をニヤニヤと見返すばかりだ。
半泣きの440と、ニヤケ顔の中年ヒュマ。その間に立っていたヒュマ男が、440に向かって言った。
ヒュマ男「そんな顔をするな。俺は気にはしていない」
440 「ほ、本当か?」
思わず問い返す440。ウソをついているようには思えないのだが、それでもヒュマ男の目つきが気になるらしい。
410 「大丈夫ですよ」
そんな中、二人のヒューマンの影から410が現れた。怯える440に優しく笑いかけ、彼女は言った。
410 「ご主人様は細かい事を気にする人でも、ウソをつく人でもないですから」
440 「そ、そっか…」
安心したのかようやく落ち着いた440に、410はすまなそうに言った。
410 「ごめんなさい、帰ってきた時点で声をかけたかったのですが、おじさまに口止めされていて…」
440 「お、おじさまだぁ!?」
410 「あ、はい。おじさまがそう呼べって…」
その言葉に、440は中年ヒュマを指差し、わめくように言った。
440 「あんなのおっさんでいいんだ、おっさんで!」
410 「え?でも…」
困り顔で440と中年ヒュマの顔を交互に見返す410。今の状況を十分に楽しんだのか、中年ヒュマはようやく本題を切り出した。
中年ヒュマ「さぁて、そろそろ真面目に仕事せんとな。というわけで、今からいくつか質問をするからそれに答えてほしい」
427 名前: 195のあれ 2/5 2007/02/14(水) 18:34:01.36 ID:UEg57oKR
《ヒュマ男の場合》
Q1:主従以外にどんな関係を意識していますか?
ヒュマ男「以前であれば主人とPM、それ以上でも以下でもない、そう答えただろうな」
中年ヒュマ「ほう…。で、今はどうなんだ?」
ヒュマ男「極まれにだが、今の俺と410の姿が、かつての俺と俺の父親の姿に重なることがある」
中年ヒュマ「つまり、親子関係を意識してるってことか?」
ヒュマ男「どうなのだろうな…。俺と親父の関係は少々特殊だった。今の俺が感じているものが、親としての情なのかは正直分からん」
ヒュマ男「それでも、主従以外に何かを感じている事は間違いない」
Q2:相手から何か学んだ事がありますか?
ヒュマ男「当然ながら俺の視点と410の視点では、同じものを見ても感じ方は変わる。そして、その違いが面白い」
中年ヒュマ「面白い?」
ヒュマ男「そうだ。別の視点から見る事で、同じものでも全く違った印象を受ける。あいつの言葉に関心させられる事も多々ある」
中年ヒュマ「なるほどな…」
ヒュマ男「とは言え、呆れさせられる事も少なくない。まぁ、それも含めて面白い、そう言っていいだろう」
Q3:相手がそばにいる時といない時で精神的にどんな変化がありますか?
ヒュマ男「410の前では多少だが気を張っているつもりだ」
中年ヒュマ「そうなのか?あまりそうは見えんが…」
ヒュマ男「あくまで多少だ。主人という立場上、自分のPMの前で無様な姿を晒したくない、そういう気持ちは少なからずある」
中年ヒュマ「そういうもんか?俺が思うに、変に気を張らん方があの子は喜ぶんじゃないのか?」
ヒュマ男「確かにそうなのかもしれん。とは言え、こればかりは一種の習慣の様なものだ。すっかり染み付いてしまった」
中年ヒュマ「あの子も難儀だな。んで、居ないときはどうだ?」
ヒュマ男「そうだな…410抜きの一人での食事は、どうにも味気なく感じる」
中年ヒュマ「ああ、そいつはわからんでもないな」
ヒュマ男「案外俺は孤独に耐性が無いようでな、誰かしらと関わっているのが好きらしい」
ヒュマ男「そういう意味ではいつも側に居てくれるあいつには感謝している。あいつのお陰で俺は一人にならずに済んでいるからな」
中年ヒュマ「…アンタ、見かけによらず結構寂しがりやなんだな」
ヒュマ男「寂しがりや…か。情け無い話だが、否定はできんな」
中年ヒュマ「なぁに、素直でいいじゃないか。変に意地張ってる奴より好感が持てるってもんだ」
ヒュマ男「そういうものか…」
428 名前: 195のあれ 3/5 2007/02/14(水) 18:34:57.20 ID:UEg57oKR
《410の場合》
Q1:主従以外にどんな関係を意識していますか?
410 「そうですね、やはりご主人様に相応しい『パートナー』でしょうか」
440 「パートナー、ね」
410 「今はまだ叱られてばかりですが、いつしかご主人様を守り、支えられる様な立派な『パートナー』を目指して頑張っています」
440 「うんうん」
410 「…あとはその…で、できる事なら『人生の』という意味でも、相応しい『パートナー』になれたらいいなぁって…」
Q2:相手から何か学んだ事がありますか?
410 「どんなに困難な状況でも自分を信じ、決して諦めない事…でしょうか」
440 「ふ~ん」
410 「今思えば、「お前を鍛えてやる」の言葉の元に、ご主人様には無茶ばかりさせられました」
410 「敵の群れに投げ込まれる様な事は日常茶飯事…ディラガンの眼前に一人放置とかもありました」
410 「その上、戦闘中ミスしたからという理由でミッションの周回数が増えていって…泣き言を言ったら更に増やされて…」
440 「うわ~…」
410 「確かに辛かったです。でも、私のためを思って鍛えていた事は何となく分かっていましたから、辛いなりに頑張れました」
410 「出来もしない事をやれとは言わないのが私のご主人様です。事実、無茶ではありましたが、無理ではなかったです」
440 「…はぁ、よくやるなぁ…」
410 「私も正直よくやれたなぁとは思います。でも、そのお陰で生き延びられた戦いも、確かにありました」
Q3:相手がそばにいる時といない時で精神的にどんな変化がありますか?
410 「そうですね、ご主人様が側に居ると不思議な気分になります」
440 「不思議ってどんなだ?」
410 「えっと、大きな安心感を感じつつも、どことなく気が引き締まって、それでいて、何だか無性に嬉しくて…」
440 「複雑だな」
410 「言葉で言い表すのは正直難しいも知れません」
440 「…まぁいっか。それで、居ない時は?」
410 「居ない時…ですか。結局ご主人様の事ばかり考えている気がします」
440 「そうなのか」
410 「はい。ご主人様、お仲間と上手くやれてるかなとか、また無遠慮な物言いで誰かに誤解されてないかなとか」
410 「以外と世間知らずだし、恥をかいてないかなとか、目つきの悪さで子供を泣かせたりしてないかなとか…」
440 「案外、しょうもない心配をしているんだな」
410 「私のご主人様、戦闘に関しては相当なものですが、それ以外の部分では結構欠点が多いです」
410 「特に女心の分からなさっぷりは異常です。この前もですね――」
429 名前: 195のあれ 4/5 2007/02/14(水) 18:35:55.67 ID:UEg57oKR
中年ヒュマ「よし、終了だ。手間をかけたな」
主人の方の調査は終了し、中年ヒュマは首を回しながら肩のこりを解した。そんな彼を労うようにヒュマ男は言った。
ヒュマ男「いや、こちらとしても貴重な経験をさせてもらった」
中年ヒュマ「そう言って貰えると助かる。情報部みたいな後方でのんきにやっている連中に、余計な時間を取らされたくない」
中年ヒュマ「中にはそんな事を言ってくる奴もいるからな」
苦笑しつつ中年ヒュマ。彼の言葉にヒュマ男は少しだけ考え込み、
ヒュマ男「のんきにやっている…か。それはどうなのだろうな。少なくともあなたの目は戦う男の目…俺にはそう思える」
ヒュマ男「俺たちには俺たちなりの戦いがあるように、あなたにはあなたなりの戦いがある…違うか?」
中年ヒュマは意外そうな顔でヒュマ男を見つめると、ふいに「ふっ」と笑い、
中年ヒュマ「おいおい、それは買いかぶりすぎだぞ。実際俺たちの仕事なんぞ、アンタたちに比べれば気楽なもんさ」
どこかはぐらかすかのようにそう言った。そんな彼の様子にヒュマ男は軽く目を伏せ、
ヒュマ男「まぁ、あなたがそう言うのなら、そういうことにしておこう」
と答えた。
中年ヒュマ「それにしても440の奴はなにやってるんだ?いい加減終わってもいい頃だろうに」
時計に目をやりながら中年ヒュマは言った。ヒュマ男は壁の方に目をやりながら彼を促した。
ヒュマ男「気になるなら様子を見に行ったらどうだ?こちらでやることはもうないのだろう?」
中年ヒュマ「そうだな、んじゃ悪いがちょっくら様子を見てくる。分かっているとは思うが――」
ヒュマ男「調査はあくまで主人とPM別々。間違えても覗くようなマネはしない」
中年ヒュマ「アンタには言うまでもなかったな」
そう言い残し、別室へと向かう中年ヒュマ。その背を見送りつつ、ヒュマ男は小さく呟いた。
ヒュマ男「中々面白い人物だ。ガーディアンズには、本当に色々な人材が居るものだな」
430 名前: 195のあれ 5/5 2007/02/14(水) 18:37:50.72 ID:UEg57oKR
410 「――大体、一緒にデートに出かけた相手の目の前で、「デートなんて疲れるだけ」はないでしょうに!」
440 「う、うん」
410 「確かにご主人様には沢山迷惑をかけてしまいました…でも、もうちょっと言い方というものがあるじゃないですか!」
440 「そ、そうだよな」
中年ヒュマが別室にたどり着いた際に見たもの…それは、440を相手に盛大に愚痴っている410の姿だった。
ずっと愚痴を聞かされ、大分参っている440に中年ヒュマは小声で話しかけた。
中年ヒュマ「…嬢ちゃん、随分溜まっているみたいだな」
440 「おっさん、助けてくれ…」
流石に疲れたのか、いつもに比べて幾分しおらしくなっている440に苦笑しつつ、中年ヒュマは410に向かって言った。
中年ヒュマ「悪いんだがそろそろお時間だ。ここいらで――」
410 「ちょうどよかったです。おじさまも聞いてください!」
中年ヒュマ「お、おう?」
止めに入ろうとした中年ヒュマを410は容赦なく巻き込んだ。彼女の妙な迫力に、思わず半端な返事を返す中年ヒュマ。
その様子に、440は小声で彼を責めた。
440 「おい、止めるんじゃなかったのかよ」
中年ヒュマ「いや、なんというかな…」
410 「440さん、おじさま、聞いていますか?」
中年ヒュマ&440「き、聞いているぞ」
そろって返事を返した二人に、410は再び愚痴り始める。
主人であるヒュマ男相手にどうにも強気に出れない410としては、普段たまっている不満をここぞとばかりに発散させているらしい。
410 「――それでですね、大きくて食べづらいからってハート型のチョコレートを真ん中からパキっですよ!?」
410 「あの大きさは私の愛の大きさです!それも分からず真っ二つ、私の心だって真っ二つです!!」
中年ヒュマ「そりゃ~難儀だったな」
中年ヒュマは適当に相槌を打ちつつ、440に目で合図を送った。410の主人であるヒュマ男を連れて来い、そういう合図だ。
440もまた目で頷き返し、こそこそと移動を開始する、が…
410 「440さん、どこへ行くのですか?」
440 「あ、いや…」
410にあっさりとばれてしまった。思わず口ごもる440に、中年ヒュマはすかさずフォローを入れた。
中年ヒュマ「あ~、嬢ちゃんの主人のところに調査用のツールを忘れてきてな、それを取りに行かせたところだ」
440 「そ、そういうことだ」
410 「あ、そうだったのですか」
うんうんと頷き、脱兎のごとく駆け出す440。なるべく早く頼むぞ、心の中でそう願いつつ、中年ヒュマはそれを見送った。
410 「それからですね――」
中年ヒュマ「お、おう、どんと来い」
ちなみにこの後、思いっきり愚痴っているところに表れたヒュマ男に、410はこっ酷く絞られるのだが、そこは割合させていただく。
431 名前: 430 2007/02/14(水) 18:44:06.09 ID:UEg57oKR
>>425
自分もそうだったけど、420って料理上手なイメージさっぱりわかないよね…
それとこんな調子だと、ビス男はますますネタキャラに…
いつぞや合成品の失敗作かなんか食わされてた話もあったような…夢オチだった気もしたけど
>>195
おっさんってなんか書きやすい…
それと440を酷い目にあわせてごめんなさい
この440って普段は「私がいないとおっさんは何もできないんだよなぁ」とか言いつつ、
実際おっさんいないと何も出来ないのは440自身、そんな感じに思える
432 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
18:48:48.25ID:wFqIOVEz
>>431
410は普段大人しい分溜めうちするタイプ、420は普段から連射連射の拡散タイプ
ってとこかな・・・w
ヒュマ男の410は暴走したら420以上のトラブルメーカーかもしれんw
420は特化ステータスに出来ない分料理ベタにしようかなとしたら案外ぴったりはまったもんでw
>いつぞや合成品の失敗作かなんか食わされてた話もあったような…夢オチだった気もしたけど
あれはビス男の脳内に『怪獣モノメイト襲来』と言う形で残ってると言うのは別の話・・・w
中年もいいキャラだが440もいいキャラだなぁしかし、俺の時は440をネタに組み込ませてもらったけど
あの440は中年の真似してるようで何処か抜けてる感じがするのが何とも可愛い感じだw
433 名前: 本日酒之日 2007/02/14(水) 20:39:45.24 ID:Y2JI+YNn
「通報しましたから。」
「奇遇だな俺もオマエを通報しておいた。」
切れかけた蛍光灯が高周波の金切り声を上げながら瞬くマイルームでそんな会話が繰り返されていた。
男は持ち帰った紙袋をビジフォンを設置したデスクに立てる。
ゴトっと紙袋が立てた音から中身は硬質のモノだろう。
「まったく・・・・イムフォトンやユピテリンがどうしてモノメイトになる?」
「ヒカウリの基板にクバラ・ウッドを使うあなたが言わないでください。」
「不正合成で通報しておいた。」
「不正合成で通報しましたから。」
男とそのPMの言葉が重なる。
「GRMの人的リソースには限度がある。」
「敵の後方霍乱も重要な任務ですから。」
「そんな知恵、いったい何処で付けたんだか。」
「あなたこそ・・・・。」
「オマエ俺宛のメールを勝手に覗いたな?」
「あなたこそ・・・・。」
・・・・・しばしの沈黙・・・・・
「ところで装備できないアルテリックを合成してどうするんですか?」
「あれか・・・23本合成して1本しか成功出来なかった奴の墓標にしてやろうと思ってな。」
「そうでしたか・・・・・。」
・・・・・また、しばしの沈黙・・・・・
男はデスクに置いた紙袋から一本の酒瓶を取り出す。
「一緒に一杯やるか? 今日はバランタインを嗜む日なんだそうだ。」
「・・・・・ぁ・・・えっと・・・。そ、そうでしたか。」
17年モノのバランタインが置かれたデスクのビジフォンに一通のメールが表示されていた。
前略、ガーディアンズとPMの皆様へ
私はGH450です。今日は皆様にお願いがあります。
合成失敗でモノメイト等が出来た時には不正合成としてGRMへ通報してください。
あるいは、クバラ・ウッドの合成を見かけたときも同様に通報してください。
彼らが取り締まりに投入できる人員には限りがあります。
・
・
・
・
・
---------------------------------------------------------------------------------------------------
ちょっとバレンタインネタを思いついたので・・・・即興にて。
434 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水) 22:01:01.61ID:gwcW7MPA
ノ L. | :| |
\ ::| .|_| /)
ゞ ィ `ゝ、._ _.| _,,...ィ'ハ
../ ,l /.レ'‐-|/
.j-+レハ.' 「黒くて」「甘くて」「固形物」
/〈Θ〉 | ○ ○|ヘj
|/レ/:| | // //l/l` ご主人様が上記条件を満たす物が欲しいというので
|/、/.l
.ト、.. lフ ,,イ./、 熟考の末、黒飴をなげつけました
/ヽ:l l \.` ー.イヽーlハ
435 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
22:21:53.87ID:T4N62L3U
そう言えば黒かりんとうって見覚えある形してるよな
何か道ばたで見かける感じの
436 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
23:49:27.50ID:QOz5Fh8D
名作ラッシュじゃああああ!
再び便乗! だが、終わらねえええええええ!
つうわけで分割じゃよ。デジャブとか言うな、気にしてるから。
それはワルなキャストとワルなパシリの物語。
『~ようこそ、ガーディアンズコロニーへ~』
モトゥブ発コロニー行きのシャトルから出てくる一人の女性。
まるでモデルのようなスタイルの彼女に、だれもかしこも
視線を向けている。
「ふぅ…何とも小綺麗な所だ…奴が住むには少々もったいないな…」
そんな視線を余所に長い耳をツンと立て、背筋をピンとさせながら、
ヒールをコツコツ鳴らして女は歩みを進めていった。
ワルキャスとワルパシリ~天敵編・前編~
「いやぁーわりぃねぇー♪」
「とんでもないですーっ♪ いっつもぉせわになってますしぃ♪」
ワルキャスの部屋に歯が緩みそうな甘い匂いが入ってくる。
これで5件目…ワルキャスがチョコを貰う光景に、
410はカウンターに頬杖をついてため息をもらした。
そんな所にやけに明るいビス子は410にもプレゼントを差し出す。
「はぁぃ、410ちゃんにも♪」
「あぁーあんがとさん…ちっ」
「にゃぅぅ…;;」
「おらてめぇ、なぁに機嫌悪くしてんだコラ。あぁ~ごめんねぇ~♪」
「にゅぅう~…じゃあまたねぇ~♪」
「じゃぁねぇ~♪」
グシグシと悪態を見せるワルパシリの頭を押さえながら、元気に誤魔化すワルキャス。
割と気にする様子はなく、ビス子は部屋を後にした。
437 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
23:51:13.37ID:QOz5Fh8D
「いやー以外や以外…俺もまんざらじゃねぇなぁ~」
「…明日は頭に隕石にも落ちるんじゃねぇか? ハンッ」
つまらなそうにため息をはく410を見て、
ほくほく顔のワルキャスはカウンターに身を乗り出して顔を覗く。
「なんだー? もしかしてジェラっちゃってるWAKE?」
「うっせバーロー!」
「コナンッッ!」
空気を読まないキャス男の顔に410の拳が飛ぶ。
マスクフェイスをめり込ませながらキャス男はカウンターに突っ伏した。
「けっ! くそが! 毒入りチョコ食ってトロケ死ね!」
怒りが冷めやらぬワルパシリはそのまま部屋を飛び出てしまった。
何とか身体を起こしカウンターに腰を乗せるキャス男。
苦そうな顔をしつつ、軽くため息をもらす。
「つつつ…ちょっとからかい過ぎたな…後で甘えさせてやるか…」
カウンターに頬杖をつき、ワルキャスは綺麗な天井を眺めるのであった。
***
「チクショウが…なんでこんな甘ったるいんだよココは…」
コロニーはバレンタイン一色。
クライズのショップでは特設ブースを設けて、いろんなチョコを売りまくっている。
そこには見かけたことのある450が…
438 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
23:52:58.68ID:QOz5Fh8D
「いらっしゃいませー。チョコレートはいかがですかー?」
「おーっす!」
「あっ、ワルキャスさんの所の…」
「おうよ。もしかしてバイト?」
「はははは…まあそんな所です…」
やる気がないオーラを全快に出してる450を見て、何かを察した410。
なんとか誤魔化そうと店頭に並ぶ品々を物色し、ある物を見つける。
「お、これなんだ?」
410が見つけたのはチョコはフォトン風のパノンゼリーが添えられた武器型のお菓子。
話を振られハッとなった450はいそいそと商品の説明をする。
「これは人気の『ウェポンチョコ』ですね。武器型なので、
相手の得意な武器と同じ物をあげるのが通だとか…」
「じゃあ、450はリョウサバエザシ風だな♪」
「えっ!! あの、けっしてご主人様とはそう言った…」
「えー俺はナニも『箱』とは一言もいってないぜぇ?」
「はっっ!」
見る見るウチに顔が赤くなる450をニヤニヤ鑑賞したところで、
槍型のウェポンチョコを指す。
「ほら店員さん。俺にこれ一個な?」
「あっ! あっ…はい、ありがとうございます…あれ…槍型…ってことは…」
439 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
23:56:12.92ID:QOz5Fh8D
「ばっ! ばっきゃろう! 俺はチョコ好きなんだ ただ、槍型が美味しそうだった! それだけだ!」
「ふふふふっ…」
今度は410の方が顔を真っ赤にさせ、それを嬉しそうに眺めながら、
450はラッピングを終えて彼女に渡す。
「ホントだ! ホントだかんな!」
「はい、お買い上げありがとうございます♪」
「おっ、おうよ…あ、あんがとな…」
しおらしくプレゼントをもらい、軽く会釈して410は帰路に戻る。
その嬉しそうな後ろ姿を羨ましそうに眺める450。
「いいなぁ…それに比べてウチの箱はっ!」
「おいバイト! なにぼーっとしてやがる!」
「はっ! ハイ! ただいま!」
(ああもう! バレンタインと箱のばかああああ!)
***
「らっしゃーい…」
「おじゃましまーす」
カウンターでワルパシリ代りにやる気なく店番をしていたワルキャス。
入ってきたのは己よりも図体がでかく、己よりも肝の小さい青い箱。
その手には、何やら甘い匂いのする小包。
その素敵BOXを確認するや、ワルキャスはカウンターから飛び出した!
「おおぉお! なんだなんだぁ! おめぇも隅に置けねぇなぁ!」
「うわっ! んんん? い、いたいよワルキャスさん」
青箱の背中をバンバン叩きながら、顔がニヤニヤと綻ぶキャス男。
腕を組みながら何度も何度もうなづいている。
「でっ! 450からのラブチョコを俺に自慢ってか! 憎いねぇ~!
いや~…おにいちゃん嬉しいよ! ウンウン!
もっとストロベリってくれれば、もっと嬉しいがなぁ! クハハハハハ!」
勝手に盛り上がるワルキャスを他所に、箱はおもむろに小包を差し出す。
目の前にいるキャス男に。
「ん? はい、ワルキャスさんの分」
「………」
440 名前: 名無しオンライン 2007/02/14(水)
23:58:20.01ID:QOz5Fh8D
しばしの沈黙。固まったままなのが不思議なのか首をかしげて解説をしだす箱。
「バレンタインのチョコレート。あれ? バレンタインってのはね…」
「知ってるわこのボユk重wひぃおうp;おjmぁえ!!!」
「フエエエエエエエエッ?!」
嗚呼なんたる愚行。
ワルキャスは途中から何語をしゃべってるか解らなくなりつつ暴走するのであった。
~十数分後~
息を切らしながらワルキャス先生説教タイム。
箱は床に正座をさせられて悪キャスのゆがんだバレンタイン講座を受けるのであった。
「ゼェ…ぜぇ…だから…な? いくら稼ぎ時だからって…450放っておいちゃダメ。おk?」
「はいっ、先生!」
「お前の心意気はもらっておいてやる…が! お詫びに450になんか買って帰れ。な?」
「はいっ、先生!」
「はい…今日はこれまで…はぁ…帰ってよろしい…はぁ…」
「ワルキャス先生ありがとー!」
言うだけ言って胡坐をかくワルキャスに、深いお辞儀をして帰ってゆく箱。
閉じる扉を眺めながら、軽いため息が漏れた。
「…ったく、こまったご主人様をもつと…PMも苦労すんなぁ…」
閉じた扉がまた開く。入ってくるのは女性特有の甘い匂いと凛とした言葉。
「まったく、人様に説法をくれてやるとは…良いご身分になったものだな…」
「らっしゃ……ウワアアアアアアッ!」
***
「…ふふふっ…バキャストめ…これやったらどんな顔すんのかな~♪」
ホクホク顔の410。その歩みはやけにノリノリである。
自分のマイルームは目の前。だが、その中から聞こえるのはワルキャスと別の女の声。
「…ちっ…また女つれこんで…」
『ちょ…いや…そんな急に…たっタンマ…』
『久方ぶりなのにツレナイな…それとも昔の女など眼中にないか?』
『そ…そーいうわけじゃ…うわっ…ちょ…』
聞こえた声に思わず目を剥き、ロックがかかってる扉に張り付き、耳を押し当てる。
てっきり、ワルキャスが女を襲っていると思っていたが、今回は違った。
むしろ、ワルキャスが襲われている?
事態が掴めないためか、気合を入れて聞き耳を立てる。