たんたんたぬきの 第二話 まいにち
とんとんとん。
葱を刻む音が台所から響く。
お布団を干してきた僕は手持ちぶさたに朝ご飯を待つ。
ほんとは『セイヤ様にお布団干させるなんて!』って言われたけど、ちょっと無理言ってやらせてもらった。なんか、何もしないなんて申し訳ないし、それにお布団がアレになったのは半分ボクのせいでもあるわけで……。
「おまたせしました~」
襖を開けて入ってきたイナさんがお膳を二つ抱えて入ってくる。
「あ、セイヤ様。そんなところにいないで、上座へどうぞ」
「いや、いいよここで。なんか上座は落ち着かないし」
「でも客人神様をぞんざいに扱うわけには……」
「いいよいいよ。それより早く食べよう?ボクお腹減っちゃった」
「はい。ご飯お代わりありますから」
二人でお膳を向かい合わせて手を合わせる。
『いただきます』
白いご飯に刻み葱入り御味噌汁、煮付けた鮎にお新香。
正直もう一品欲しいけど、贅沢言い出すとイナさん無理しそうだしね……。
「どうでしょう、お口に合いますか?」
昨日も聞かれた質問。本当に心配してるみたいで真剣な顔で聞いてくる。
「鮎がおいしいよ。イナさん料理上手いね」
「や、その、ありがとうございます」
褒められてイナさんが顔を赤くして照れる。
そんな照れる事無いのに。実際ボクと同じぐらいなのに一人で料理やお風呂や洗濯を……あれ?
「そういえば、イナさん」
「はい?」
「イナさんはここに一人で暮らしてるの?」
あ、
言ってしまってから、不味いと気が付いた。
イナさんが箸を置いて、困ったように寂しいそうに微笑む。
「父は、昨年風邪をこじらせて……」
「ご、ごめん!ボクそんなつもりじゃ……」
「いえ!セイヤ様が悪いわけではないですから……。それから一人で社を預かっているのです」
「……イナさんは偉いなあ」
「え?いや、わたしなんてまだまだ修行中です」
そういって手を振って否定するイナさん。でもそれは違うよイナさん。
力量が云々じゃなくて、一人でも頑張ろうとするのが偉いんだ。
「決めた」
「は?」
「イナさん、なんかボクに手伝える事があったら言って」
「ええ?だ、だめですよ!客人神様に働かせるなんて!」
「いいの、ボクが手伝いたいの。それでもダメ?」
「えぅ……それは」
戸惑うイナさんをじっと見つめる。今度はボクが真剣な顔で聞く。
「じゃあ、お願いします……」
「うん、頑張るよ!」
*とってんぱらりのぷぅ*
というわけで、まずは朝のお勤めであるお掃除から。と言ってもあまり大きな神社じゃないし普段使わないところしか掃除しなかったりするらしい。……けど。
「イナさん、あっちの建物は掃除いいの?」
「あ、あちらは後でみんなでお掃除しますから」
「ふぅん?」
みんなで?
ま、いいか。今やらなくていいなら。
箒ではいたり雑巾で拭いたり(うう、夏でよかったあ。冬もこれやるのかな)してお掃除を終わらせた後は、神様に朝のお参り。本殿でここの氏神様に祝詞をあげるのだとか。
「ねえ、ここの氏神様ってことはボクより偉いって事になるのかなあ?」
「……どうなんでしょう?まあ、客人神様はお客様ですし」
「じゃあご挨拶した方がいいのかな。なんかドタバタしてていままでやってなかったし」
「なら、今日の祝詞はそういった方向でいきましょう」
イナさんが本殿の扉を開けると薄暗い、けどどこか空気が軽く抜けていく雰囲気の空間が見える。
その奧には斜めに差込む朝日に照らされた、注連縄まかれた信楽焼のタヌキが酒瓶と大福帳をもって鎮座ましましていらっしゃった。
……うん、想定の範囲内だけどね。逆にど真ん中過ぎてボク見送っちゃったよ。
「こちらのご神体にまかり越して下さるのが、氏神様である他化自在命(たけじざいのみこと)様です」
「うわー、そうなんだー」
ネーミングめっちゃ邪神っぽーい。とは思ったけどイナさんの誇らしげな顔の前では言うのを憚られる。相づちだけ打って促されるようにとりあえず正座でかしこまる。
「では、まいります。……とほかみえみため はらひたまへ きよめたもふ まもりたまへ さきはたまふ――」
榊の枝を振りながら、一定のリズムを保ちイナさんの祝詞が小さなお堂に満ちていく。言っている意味は良くわからないけど、荘厳な空気にうたれて自然と背中が伸びている。こうしてみると、タヌキの置物もどことなく神々しく見えてくるような……。
「――かしこみ かしこみ もうしあげるー……」
しゃん。と鈴のように榊の葉が音を奏でる。たっぷりの余韻が静寂に溶けていく。どうやら終わったみたい。うっすらと汗をかいたイナさん、きれい……。
「ふぅ、さてと」
イナさんがボクに向き直ってちょっと真剣な顔になった。何だろ。
「これからちょっと忙しくなりますが、セイヤ様……」
「な、なに?」
「お料理は出来ますか?」
*とってんぱらりのぷぅ*
「イナせんせー、こんにちはー!あー、しらないひとがいるー。みせてーみせてー!」
「に゛ゃーっ!?また増えたあ!」
階段を駆け上がってきた女の子が、子供達にたかられてるボクを見つけて突進してくる。うわーん敵の増援が増えたぁ!
「へんなみみー、だれこれー?」
「まろうどさまだってー」
「さわるとごりやくがあるよー」
「さわらせてー」
「まろうどさまおっぱいちっちゃいー」
「せんせーよりちっちゃいー」
「ボクは男の子だよぅ!あっやっ、つまんじゃらめぇええ!」
「ほんとだきんたまついてるー」
「そこコリコリするのもダメだよぅ……」
「こらー!!」
イナさんが大声で叱ると蜘蛛の子散らすように子供達が逃げていく。(といっても楽しそうだけど)うう、もう少しでボク陵辱されちゃうところだった……。
「もー!客人神様に悪戯しちゃダメでしょー!」
「えー、いたずらしてないよー」
「さわっただけだもんねー」
「まろうどさまおはだすべすべだったー」
「ゆーこと聞かないと、お昼ご飯抜きですよ!」
『ごめんなさーい』
みんな揃ってごめんなさいが綺麗にハモる十余人ほどの子供達。この子達わざとやってるな……。
にしても、イナさんから事前に聞いていたとは言えここの男の子達は……直立した子狸が服着て喋ったり遊んだりする光景ってとってもメルヒェン。
「はい、ちゃんとごめんなさいできましたね。じゃあお手々洗ってご飯にしましょう」
『はーい』
イナさんに連れられて、手を洗った子供達がお堂の中に入る。お堂の中には既に人数分のご飯が湯気を立てていた。(制作イナさん、配膳ボク)
この島では、お寺や神社が学校みたいに読み書きとかを教えてて、特にこの村ではみんなでお昼ご飯を食べてから授業をするのが伝統なんだとか。
午後だけの授業で、しかも3才から10才までの期間で大丈夫なのかなあとは思ったけど、最終的に読み書きと四則演算ができれば農家なら困らないらしい。
「はい、じゃあみんなそろいましたね。せーの、いただきます」
『いただきまーす!』
綺麗に揃ったあいさつ、と言うよりかけ声と共に始まる給食の時間。ぺちゃくちゃぺちゃくちゃやいのやいのとうるさいのは、異世界の異世界人でも変わらないんだなー。
お昼ご飯が終わると、かたづけの後にお勉強。読み書きをならったり、イナ先生のありがたーいお話だったり。(にしても、字もほとんど日本語といっしょなのね。まろうどの書物が元らしいけども、日本語の本ばっかり落ちてくるのかな?)
ボクはイナさんの隣で見学。なんとなく教育実習生気分。まあボクが先生やる訳じゃないんだけど手伝えるところはお手伝い。教科書とかそろばんとか配ったりして、ついでにちゃんとありがとうを言えた子は頭を撫でて誉めてあげる。うん、素直な子はお兄さん好きだな。
ああっ!弟とか妹ってこんなに可愛かったんだ!アレな姉しかいなかったから知らなかったよ!
VIVA弟!サイコー妹!LOVELOVE愛してる!
……うん、心の声にしてもちょっと言い過ぎた。反省してる。捕まる前に自重する。
日が傾いて来たところで、イナ先生の授業は終わり。お勉強の後はみんなで連れ立って遊びに行ったり、家を手伝いに行ったりと子供達が三々五々帰っていく。
最後の子供を送り出したところで、イナさんが大きくため息をついた。
「ふいぃー……」
「お疲れ様。いつもこんなに忙しいの?」
「やー、今日はセイヤ様が見ていてくれたせいか、みんな少しおとなしかったです。助かりました」
あれで大人しいと申されるか。
普段はどんなだ。
「いつもだとこわーい式を一回ぐらいは使わなきゃいけないんですけどねー」
学級崩壊寸前のようです。たすけてGTO(Great Tsundere Onizuka だったはず)。
「で、これからのご予定は?」
「んー、今ぐらいから夕食までは特に決まってないんですよね……。昨日は山菜採りに行ってセイヤ様と出会ったわけですけど」
「あれ、途中って事は結局山菜取れてないって事?」
「まわろうと思ってた場所には行ってなかったですね……。ならそうしようかな。セイヤ様は山歩き とか平気でしょうか?」
「う゛っ、苦手分野です」
自慢じゃないが体力のなさには自信があるぞ。ボクに出来る事と言えば、漫画を描く事とコスプレ衣装を縫う事ぐらい……。
あ。
「イナさん、もう使わない服とかある?」
「父と母の服がまだありますけど、それがなにか?」
「もらっちゃっていいかな?ボク用に寸直しするから」
*とってんぱらりのぷぅ*
「これで終わりっと」
イナさんが山菜採りに行ってる間に繕い物をちくちくと。ボクの服だけじゃなく、イナさん用にもちょっと作ってみたり。そして時間が余ったからもう一着。アレをイナさん用に寸直ししてちょうど終わったところ。
……うわ、いつの間にか日が沈みかけてる。イナさんまだかなあ。プレゼントが出来たのに。
「ただいま帰りました~」
おっと、噂をすればだね。
台所の方から声がしたから、裏口から上がったみたい。
「おかえりー」
声を掛けてボクも台所に向かう。さあ、晩ご飯だ
*とってんぱらりのぷぅ*
「わわ、もう全部終わってるんですか?」
晩ご飯が終わって、一息ついて、ボクのお仕事をお披露目する時間になった。
「うん。こっちをボクの分にさせてもらったよ。それで、これがイナさんの分」
「え?わたしの、ですか?」
「うん。お母さんの服の寸を詰め直しただけだけどね」
「あ……ありがとうございます!うわー、お母さんの着物……」
おお、イナさんが嬉しそうにためすすがめつしつつ胸に当ててみたりしてる。よもやここまで喜んでいただけるとは、職人妙味に尽きますな。しかし!本命はこれからなのです!
「それでね、イナさん。もう一着イナさんにプレゼント」
「ぷれぜんと?んーと、贈り物の事でしたっけ?」
「そうそう、というわけでこれをどうぞ!」
そう言ってボクはタンスの中に隠しておいた秘密兵器を取り出す。
ふわりと揺らぐ紺のワンピース!あくまで純白のフリル付きエプロン!頭に輝くヘッドドレス!
我が名において今宵彼岸より来たれ、汝の名はエプロンドレス!またの名を――メイド服!!
「え……、えええええっ!?いいんですか?これはセイヤ様がお召しになっていたものでは……」
「いーのいーの、これはもともと女の人が着る為の服なんだから」
「え?女の人が着る服をなんでセイヤ様が着ていたんですか?」
「……ごめん、そこは追求しないでお願い」
「はあ、良くわかりませんが頽れてまで聞くなと言うなら……」
うう、思ったより痛いよ。無垢の刃で黒歴史(生まれてから昨日まで)を掘り返されるのは。
「ともかくも、ちょっとオサレな服としてイナさんにもらって欲しいな、と」
「うわ……でも、こんな貴重なものなんて……」
「いいのいいの。どうせもうボクは着ないし、だったらイナさんに着て欲しいから」
「お気持ちは嬉しいんですけど………お返しできるものがありませんし……」
ううん。イナさん、すっかり恐縮しちゃったみたいでなかなか受け取ってくれない。かといってこのまま腐らせるのもなあ……。
だったら、ちょっと強引に行くか。
「じゃあさ、この服あげるから今着てみてくれない?」
「え? えっと、どうゆうことでしょう?」
「ボクがこの服を着たイナさんを見てみたいなあってこと。ボクからのお願いだけど聞いてくれる?」
「そ、そういうことなら、仕方ないですねえ」
おお、お願いなら聞いてくれるんだ。ううむ、これは思ったよりも気持ちいいぞ。権力欲というものがそこはかとなく理解できた気がする。それにどことなく嬉しそうに隣の部屋に行くイナさんがかわいい。
……あれ、戻ってきた。
「あ、あの……。これ、どうやって着るんでしょう?」
「あ」
しまった、失念してた。そういえば和服にボタンの概念は無いんだっけ。
……じゃあ、しょーがないにゃー♪
「なら、ボクが着せてあげるよ」
「は、はい?」
「だいじょーぶだいじょーぶ、イナさんはじっとしてて。天井の染みでも数えてる間に終わるから」
「え、ちょ、あの……」
*とってんぱらりのぷぅ*
「――完成!」
「あ、あの……完成って」
ケモ耳を邪魔しないようにあえて小さくしたヘッドドレス!
スカートは後部を腰まで切り上げ、尻尾を出してからボタンで留めていくという仕様に変更。もちろんロングですよ?当然じゃないですか、ミニなんて邪道です。色気と萌えはちがうんじゃー!
上半身部分はわざとぴっちりめに作って、無いペタをアピールする方向で。
絵元結はあえてボリューム多めの三つ編みに結い直し。
「これがっ!これがっ!これがイナさんメイドモデルだっ!」
「あ、あのー?どなたにおっしゃってるんでしょう?」
「そいつに触れる事は特に死を意味したりはしない!ということで、はい」
姿見をイナさんに見せてあげる。ちょっとびっくりして、マジマジと鏡をのぞき込むイナさん。
「うわー……」
「うんうん、似合ってるよイナさん」
「あ、ありがとうございます。セイヤ様」
……来た。
ズッキュゥゥゥーンとか効果音が心のど真ん中に来た。
太眉ぽややんなアットホーム系メイドさんに様付けで呼ばれるというこの破壊力!
「……もう一回、名前呼んでくれる?」
「は、はい。セイヤ様」
むう、二回目となるとさすがにさっきほどのインパクトはないな。でもなんかじわーっと来るような愛おしさがこみ上げてくるような。
恐るべきメイド服。これならアジトに這っていけと言われても納得できる。いや、むしろやる。
「あの?セイヤ様?」
……おおう。なんか気が付いたら目の前で手をヒラヒラされている。そんなにトリップしてたかボク。
「うん大丈夫。ちょっと見とれてただけ」
「み、みとれてただなんて……」
顔を真っ赤にして後ろを向くメイドイナさん。恥ずかしがるのが、かーわーいーいー。……てい。
「ひゃうっ!?せ、セイヤ様なにお……」
思わず後ろからぎゅっ、と抱きしめて耳元に口を寄せる。イナさんも身じろぎするけど特に嫌がってる風じゃない。そのまま囁くような声音で、とりあえず関係ない事から話し始める。
「その服はね、僕らの世界で偉い人に仕える人間が着る制服みたいなものなんだ」
「制服ですか。あ、やん、息がかかりますぅ……」
「そ。だから、イナさんが神様の前で着る白衣と緋袴みたいなものだね」
「はふ、じゃあセイヤ様もあちらでは誰かに仕えてらっしゃったのでしょうか。ん、あつい……」
一瞬否定しようとして、お姉ちゃんの顔が脳裏に浮かぶ。
……うん、あれは主従関係。いや、愛玩動物と主人の関係だな。
「うん。横暴な支配者に振り回されていたんだ……。だからボクが偉くなったときには慈悲深くなろうと思ってたんだよ」
そうおもいつつも僕の手は服の上からさわさわとイナさんのお腹を撫でる。ここから上にも下にも行ける。そんなポジションを右手に取らせつつ左手はふかふかの尻尾に伸びる。
「あはぁんっ!」
「わっ!?」
びっくりしたぁ。尻尾を軽く握っただけなのにイナさん大きな声出すんだもの。
……いや、もしかするとこことか耳とかって感じやすいの?
「イナさぁん」
「や、あ、セイヤ様、声が、いやらし……んくぅ!」
名前を呼びつつ耳を毛繕いするように舐めてみると、くなくなと力無く首を振って逃げようとする。でも尻尾を握った手に少し力を込めると身を固くして耐えようとする。
なんというサイヤ人体質!これは満月を見せるとケモノになるに違いない。
でも今はメイドイナさんを見たボクがケモノです。
「かわいー。イナさん、好きー」
「はうぅん、セイヤさまぁ……」
泣きそうな声のイナさんの膝からついに力が抜ける。
ケガしないように支えながらゆっくり四つんばいの姿勢を取らせてあげる。でも尻尾は離してあげないけどね。
「ゴメンねイナさん。イナさんのかわいい姿見てたらボクのこんなになっちゃった」
ふんどし越しにおっきくなったボクのおちんちんをイナさんの尻尾に押しつけた。直接じゃないからもどかしいけど、その分えっちな体温をじっくり味わえる気がする。イナさんの尻尾も興奮してるのか毛がぶわっと逆立って倍ぐらい大きく見える。
「セイヤ様ぁ、いやらしいですよぉ……」
「でも気持ちいいでしょ?」
応えるかわりに顔を畳に伏せていやいやするイナさん。ふふふ、でもこっちはそうはいってないよお?
ちゅく。という音がして、ボクの指がスカートの中の下着に触れる。
この下着も腰巻きじゃないボク特製。まあ特製と言っても小さい手ぬぐいの角に紐を付けて、紐パンみたいにしただけなんだけど。
ともかく、薄い木綿の布地は粘っこい液体で汚れてた。
「ほら、気持ちいいんだぁ」
「やぁん……いじわるです……」
「濡れてて気持ち悪いでしょ?脱がせてあげるね」
「やっ、ああん!」
イナさんが止める前に紐をほどいて脱がせちゃう。そしてスカートを尻尾ごとまくり上げて生まれたままのお尻を突き出す格好にしちゃう。うわ……すじまんなのにこんなに濡れてる……。
もー我慢できない!
「イナさん、いくよ……」
「ひゃ、あ、ああっ!」
急いでふんどしをほどいて、ぷにぷにの割れ目の中にボクのおちんちんを埋めていく。狭いのにほとんど抵抗無くボクを飲み込んでいく。腰がぴったりくっつくまで押し込んでその感触を味わう。
「ふ、うっ…………?」
ぴったりくっついたまま動かないボクに不審を覚えたのかイナさんが首だけで振り向いてこっちを見る。ボクは腰を動かさないままイナさんの尻尾をそっと抱きしめる。
「ふえっ!?」
尻尾の刺激にびっくりしたのか、イナさんの尻尾と身体がよじられる。きついあそこの感触もきゅきゅっと締まる。
さわさわと毛並みに沿って撫でてあげるとまた身体をよじってきゅんきゅん締める。
さわさわ。よじよじ。きゅんきゅん。きもちいい。
「あ……あん、やん…セイ……ヤ…さまぁ…」
昨日は勢いに任せてガンガンやっちゃったけど、今夜はエロスよりも萌エロスを優先させてじっくり味わいたい気分。モフモフな尻尾を可愛がるのって素敵だよね!
撫でるだけじゃなくて、手櫛を入れて梳いてみるとイナさんが甲高い悲鳴を上げて背をのけざらせる。そのたびにおちんちんが違うところに当たって刺激される。くりくりの白いお尻が震えるのも可愛い。イナさんはもう声にならない吐息をはふはふと口からこぼしている。
……もっと感じさせちゃったらどうなるんだろ。
「えい」
「ひあっ!?」
イナさんの右脚を掲げて大きく広げる。そのまま左腿に乗っかり松葉崩しの体位にもってく。ボクの左肩にイナさんの脚をかけて、左手で尻尾を、右手でクリトリスを触る。
「きゃうっ!?だめ、だめだめですっ!そんな、あっ……!!」
「だめじゃないよ、ほら、きもちいいでしょ?」
「やあっ、やあで……ひぁうっ!!」
尻尾、中、クリトリスの三点責めでイナさんが激しく悶える。刺激が強すぎるんだと思うけど、もうボクの方が止まれない。ヌルヌルに濡れた太腿の上に腰を滑らせて、奧に奧に突き込む。
まくれたロングスカートの中と顔だけを露出した女の子が、これ以上ないってはしたない姿勢で喘ぎ声をあげてる。あげさせてる。
ちゅぱんちゅぱんと腰が当たる音がする。不規則におちんちんが擦られて頭がくらくらする。
「も、もう、だめですーっ!!」
「ああっ、うっ、うっ……」
イナさんが絶叫とすると同時にボクのおちんちんがきつく締め上げられる。
痛いぐらいの締め付けにボクも耐えきれなくなって発射する。
どくん、どくん、どくん……。
脈動とイナさんの痙攣がシンクロする。
そのまま一分ぐらい繋がって息が落ち着いてきたところで、にゅぽんと力の抜けたおちんちんが抜けた。
どろりとイナさんの割れ目からこぼれる粘液が、ロングスカートに落ちて汚した。
*とってんぱらりのぷぅ*
「もう、セイヤ様ったら……」
「ごめん。ホントゴメン」
勢いに任せてやっちゃったから、着たばっかりのメイド服はいろんな液で汚れて皺になっちゃってる。まあ、もちろんボクの服もだけど。だから今は身体を拭いて着替えてさっぱりしたところ。イナさんもいつもの巫女服に戻ったからか、リラックスした感じ。
「その、いやというわけじゃないんですけど、せっかくの新しい服なんですから……」
「いや~、イナさん可愛くて我慢できなかったんだよ」
そういうとイナさんが顔を真っ赤にしてうつむいちゃう。
「も、もうっ!可愛いだなんて……」
あうあう、もっとこの方向でいじりたいけど、そうするともう一戦やらかしてしまう気がするのでちょっと自重。ボクはボクの下半身を信じない。
「洗濯して綺麗にしたら、また着て見せてね。ボクも自分が縫った服を着てもらえるの嬉しいから」
「はい。……それと」
「?」
「ありがとうございます。宝物にします」
そう言って幸せそうに微笑むイナさんを見て、
ボクは「またどこかで布を見つけてコスプレ衣装を縫おう」と思った。