猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)

猫の宅急便 02

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猫の宅急便 2話



「と、言う訳で今日の仕事はアレンとクルセイダーのペアで行く」
 顔の傷やら、無駄にデカイ体格やらが威圧感を醸し出すアナグマが朝食の席を締め括ろうとする。
「了解」
 灰色と黒の毛並みが少し素敵な犬男が、氷みたいに冷たい声で返事をした。
「ちょちょちょ待って?」
 私は慌てて煙草を灰皿に押し潰す。あちっ!
「ねぇヴァシリ、じゃねぇボス。またアレンなの?私狐んトコ以来全然仕事してないよ?」
 新しい装具やらちょっとムフフな品物を買ったせいで私の財布は随分寂しい。お金!お金!!
「仕方ないだろコーディ。最近デカイ品物が多い、お前のメルカバじゃ無理だ」 
「な!メルカバを侮辱しないで」
 私は思わず身を乗り出しアナグマに詰め寄る。いくらボスでも今のは腹が立つ。
「冷静になれコーディ。メルカバは俺のクルセイダーより早いし高く飛べる。変わりに耐荷重量は低い。君が一番理解しているはずだが」
 アレンが表情を変えずコーヒーを啜る。
「でも・・・あ!アレンお金か」
「行ってくる」
 ちょっとアレン!人の話を全部聞かないのはいけないと思う!
「ボスお金」
「さて、航路の確認だ」

 こ、こうなれば・・・私は正しく猫撫で声を発揮して金の無心を計る。ねぇアマシュぅぅぅ。
「やらせてくれるならいーよー?」
「・・・」
 アマシュの膝の上でじゃれていたクロイが彼女を顔を見上げる。
「ひ、卑猥だにゃっ!」


 結局仕事も金も手に入らず、私はベッドに寝っ転がって窓を見る。
 海よりも深い青天に、クルセイダーが大振りな皮膜を広げていた。
 その美しさと、それを操るアレンの高い技巧に、私は知らず舌を打つ。

 クルセイダー。昔、魔法がきちんと確立されていない頃より更に昔。戦争が絶えない時代、その屈強な翼に騎士を載せ、自由の槍として、そして最も勇壮な翼竜として名を馳せたポーンワイバーン。
 その背中には誇り高い、本物の騎士でしか載ることを許されない。
 私は枕に顔を埋めながら、祖父が話してくれた話を思い出していた。
 二体一翼、一翼双剣。
「人はそれをドラグーンと呼ぶ」
 独り言。猫の国のクソ田舎で生まれた私は、子供の頃本物のドラグーンを見たくてシュバルツカッツェに旅行して、結局それが埃を被った昔話という現実を突き付けられ、大泣きした事があった。

「アレンの奴。実はドラグーンだったりして」
 な訳ないか!あいつ、犬だし。
「あーもうっ!」
 言葉に出来ない感情で、多分猛烈な悪い目付きになっているであろう顔を治すため、私は拡声器を引っ張る。
「イツキ!お風呂貯めといて!」

 清潔な浴室。たっぷりと張られた少し熱めのお湯。これに[ばすくりん]なる粉を入れればあら不思議。家庭のお風呂が秘湯に早変わり。
 まったく魔法かと思う。

「そこそこ!あっ!ひぁっ!気持ちイイにゃぁイツキ変態だにゃあ、あんっ!」
 その秘湯魔法に当てられ、ヒトオスの優しいタッチで耳元を擦られたら、もう天国。つかイク。
「ちょっ、イクとか言わないでよご主人様!」
 水の入らない絶妙な角度で耳の中をクルクルやられれ、私はもう、背を逸らすしかない。ん?今読心された?
「んあぁ!にゃあぁっ、んんぅ!」
 その気持ち良さの前に、もう訛りが出るのも気にならない。あ、イった。

「ねぇご主人様」
 私は荒む息を整えながら、「なぁに?」とイツキに顔を向ける。
「逆に疲れてる気しかしないんだよね、コレ」
「だってストレス解消ったらキモチイイ事が一番じゃん」
 セックスだって、私にとってはそれの手段だ。なのにコイツときたら・・・。
「イツキはアマシュと付き合う様になって、私にヤらせてくれなくなったし」
 私は口を湯舟に浸ける。ぶくぶくぶく。
「そりゃ、恋人・・・まして落ち物の僕を選んでくれた相手に操を立てるのは当然だよ」
 別にアマシュはいいよって言ってるのに。いつから私の奴隷は真面目になったんだ。
「それにアマシュのがおっぱいデカイし」
 踏ん反り返るイツキを睨んでから、ただ豆粒が乗っかっている自分の胸を触る。

 確かに薄い!ペッタペタだ!
 アマシュなんてそりゃもう。
 ドカーーンッ!だ。

「しかし猫は欲望に抗わないのだ」
 私はニヤリと笑い、イツキの腕を掴んで浴槽に引っ張り混むと、後ろからガッチリと押さえ込んだ。

 正直な話、イツキは女の私が嫉妬するくらい可愛い。私に拾われる前にヤバい感じの物を仕込まれたらしく、線はガラス細工の様に細いし、無駄毛の無い肌は絹よりも滑らかだ。
 一度スイッチが入れば全身性感体で、何より・・・・・・。

「破格のサイズよねぇ」
 私はお湯でシャツが張り付いたイツキの肩に糸切り歯を当てながら、スルスルッとパンツのホックを外し、両手に余るソレの先端を、少し強めに指先で弄んだ。
「うあっ!だ、だめっ、だぁめご主人様ぁ・・・!」
 女の子みたいに喘ぐイツキ。うん。これはイツキが悪いね。私の攻撃性に火が点いた。
「勝手に腰使って、体と心は別に有るってか?」
 尻尾を操り、男の子の穴をぐりぐりと愛撫。へへへ、イツキはここで感じる変態だ。
「ダメッ!だめだめだめご主人様っ、アマシュに嫌われちゃう!」
「嘘こけヌルヌルにしやがって、本当はアマシュにもやって欲しいんだろ。何ならアマシュに見てもらう?」
 勿論そんな気は無いけどねっ!
「!!」
 イツキの体温が急激に上がる。解りやすいなぁもう。
「い、嫌、です・・・したく、無いです・・・」
 イツキは頭をふるふるしながら私を拒む。その姿は力強さも、ついでに説得力も皆無だっつの。

「ふぅん」
 指先でイツキの身体に余韻を残しながら私は彼を解き放ち、対面の壁に寄り掛かる。あ、と言う小さな声。可愛い奴。
「あーあ、嫌われちゃったか。昔はご主人様にべったりだったのに」
 私は目を伏せて、囁く様に呟く。
 うん、わざと。
「ぼ、僕のご主人様はずっとコーデリア様です!」
 あ、昔の呼び方に戻った。ヒット!
「でも、したくないんでしょ?」
 イツキは真っ赤になって、俯く。
「素直なイツキに、戻って欲しいな?」
 耳に舌を這わせながら、最後の鍵を開けてやる。
「ほ、欲しいです・・・」
「誰が?」
「ご、ご主人様がっ」
 良くできました!
 私は壁に片手を付け、尻尾を空いた手で強く掴む。
「おいで?気持ち良くして?」
 無言のままヒップを捕まれ、快感の予兆に背中がゾクゾクする。キスは求めない。それはアマシュの物だから。
 押し当てられる感覚。
 出口と出口が、ゆっくりと一つになっていく。
 私は我慢出来ず短く喘いだ。ふふ、ちょろいも・・・。

「あー!何やってるの二人共ー!!重大な裏切り行為だー!」
「にゃ、にゃー!?ちょちょ、うにゃぁ!」
 飛び込む二つの声。やべ!
「アマシュさん!?」
 イツキが狼狽え、一息に根本まで埋没する。
「っく!あ、アマシュ?」 ま、まずい!アマシュのスイッチはまずい!!
「私も混ざるー!」
 来たー!こいつの性欲は私の五倍だ!
 ぽいぽいと服を脱いだアマシュが浴槽に飛び込み、イツキと超濃厚なキスを始める。あーあ取られちゃった。
 私は仕方無く毛の固まりを見ると、それは両手で顔を塞ぎ、指の隙間からチラチラと燃え上がる恋人達を見ている。童貞丸出し!ま、コレでいっか。
「クロイの初めて貰ってあげる。アンタ、私の下着で抜いてたでしょ?」
「にゃにー!?な、何故それを知ってるにゃ!?」
 色んな毛と一緒にガビガビになって丸まった下着をこっそりベッドに隠していたのはお見通しだ!
「クロイがしたい事より、もっと凄い事してあげるよ?」
「いいい嫌だにゃ!初めては好きな人って決めてるにゃ!」
 私はオナペットかい!!「でもズボンに染み出来てる」
「!!!」
 クロイの絶望的な表情に吹き出しそうになるのを我慢しながら、私は両腕を差し出す。
「優しくしてあげるっ」
「にゃ、にゃあぁぁ」
 童貞猫が私の胸に飛び込んで来る。

 優しくしてあげるよ?変わりに鳴か、泣かせるケド・・・・・・。

<第二種警戒警報発令。総員直ちにブリッジに集合せよ。繰り返す、>

 ちっくしょおおぉぉ!!

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