ユニオンショップ制

ユニオンショップ制

使用者が労働者を雇用する時は、労働組合員であってもそうでなくても構わないが、雇用された労働者は一定期間内に労働組合員にならなければならないとする制度で、一定期間内に労働組合員にならなかったり、組合員である資格を失った時は使用者はその労働者を解雇することになる。
日本の大手企業に存在する主な労働組合に見られる。
但し、実際はいわゆる「尻抜けユニオン」という体制が敷かれていることが多く、労働組合員である資格を失っても雇用については別途労使間で協議し、決定することが多い。
従って、労働組合を脱退したからと言って必ずしも退職しなければならないことはない。

ユニオンショップ制は、労働者に組合への加入を義務付けるものではないが、実質的に見れば労働者に労働組合への加入を強制することになるため労働者の結社の自由(組合に加入しないという消極的な結社の自由)との緊張関係を生じる。
そのため結社の自由を保障する憲法21条に違反しないかが問題となるが、結社の自由によって労働組合を結成する権利が憲法上既に保障されているにも関わらず、あえて特別の規定によって憲法が団結権を保障している点に鑑みると、憲法は団結権の保障に特別の意味を与え、個々の労働者の組合に加入しない自由よりも労働者の生存の基盤となる組合を強化することを優先していると見るべきであるから、労働協約や労働法制においてユニオンショップ制を採用しても憲法に違反しないとされる事が多い。

日本においては、過去の判例で、労組から脱退した場合でも他の労組に加入していれば解雇されないとされている。また、過去に労働組合を辞めない旨を特に合意していた場合でも「労組の組合員は脱退の自由を有する」とされている。

アメリカ合衆国の場合、州によっては労働権利法(Right-to-work law)を適用し、ユニオンショップ制を禁止している。
最終更新:2010年12月28日 14:11
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