豪州の先住民アートに触発 高砂の書道家が作品展 高砂市の書道家、藤田雄大さん(40)

高砂市の書道家、藤田雄大さん(40)が、市の姉妹都市提携10周年記念でオーストラリア・ラトローブ市を訪問し描いた作品を、15日から神戸新聞ギャラリー(神戸市中央区東川崎町1)で開く書作展「YAKU‐BARAI(やくばらい)」で披露する。10月のラ市での記念式典後は現地で展示される予定で、日本では最初で最後のお披露目という。(増井哲夫)

 書道の専門学校師範科を昨春卒業後、故郷高砂を拠点に創作活動を展開。中国の古い書体のほか、墨のにじませ方で字をイメージするなど、多彩なスタイルを持つ。

 今年、高砂市とラ市が提携10周年を記念し、アーティストを派遣し合い、両市をイメージした作品を制作することになった。高砂からは藤田さんら4人のアーティストが6月、現地を訪問した。

 藤田さんは、先住民アボリジニのアートを見て回り、現地でも長寿の象徴とされる「カメ」の絵に触発された。帰国後、中国の甲骨文字を基に、アボリジニアートの要素を加え、縦135センチ、横70センチの紙に、躍動感のある作品を仕上げた。

 高砂をイメージした作品は、日本らしさを出そうと掛け軸に行書で「白砂青松」としたためた。個展ではこれら2作品をはじめ、新作や近作を中心に約30点を出展する。

豪州と提携10周年記念、高砂の4芸術家派遣へ
高砂市が、姉妹都市提携10周年記念事業としてオーストラリア・ラトローブ市に親善大使として派遣する高砂市内のアーティスト4人が決まり、登幸人市長による委嘱状交付式が4日、市役所で行われた。

 両市は2000年に姉妹都市提携を締結。今年は、10周年を記念して両市のアーティストが相互訪問し、それぞれの市をイメージした2作品を創作することになった。

 高砂市から派遣されるのは、書道家の藤田雄大さん(39)=阿弥陀町▽絵画造形の山田厚子さん(60)=米田町▽絵画の古野真衣さん(19)=伊保崎▽現代美術の岡田雅美さん(36)=今市‐の4人。5月に専門家ら7人による選考会で決まった。

 藤田さんは、静岡県伊東市にある書道専門学校の師範科を昨春卒業し、故郷の高砂市で創作活動を始めた。漢字を古い中国の書体や独自のタッチで書いたり、墨のにじませ方で字をイメージしたりするなど、多彩なスタイルで知られる。

 3月に来日したラトローブのアーティストに書道を指導し、「書を異なる文化や習慣から見たい」と応募した。「現地では先住民アボリジニの芸術に触れ、日豪の伝統的アートを融合できれば」と抱負を語った。

 4人は21日に出発。30日までの滞在中、ホームステイしながら作品のモチーフを探し、市民との交流も行う。作品は、今秋にラトローブ市で開催される記念式典で披露される。
最終更新:2010年12月30日 12:01
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