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  • 道化の考えは人には分からぬる(前編)

道化の考えは人には分からぬる(前編)

最終更新:2009年05月06日 19:27

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だれでも歓迎! 編集

道化の考えは人には分からぬる(前編) ◆CqqH18E08c




『第二回放送の時間です。』

 俺が目を覚ましてすぐスクリーンが現れる。
 室内にも関わらず最初の放送と同じように突如とし上方に。
 別に空でなくともどこにでもこのスクリーンは映し出されるらしい。どのような原理になっているのか気にかかるところだ。
 もしかするとこれはなんらかの手段を用いて投影しているのではなく俺達の脳に直接働きかけ見せているのかもしれない。
 断定するのにはまだ早いし断定するための材料もないが候補に入れておくのは良いだろう。
 とりあえずメモして置くことにする。


”スクリーンは脳に直接働きかけ?”


「早かったな。まだ一時間も寝ていないぜ?もう少し休んでいいだろうに」 
「起きちまったものは仕方ないさ」

 獏良が壁に背を預けながら話しかけてきた。
 しかしあれだけ疲れている状態で寝たのに1時間も寝ていないのか。
 俺は別に眠りが浅いわけじゃないしこんなにすぐ起きたのは何かの偶然か?
 それとも主催者側から放送を聞き逃してほしくない理由でもあったのか・・・・・・?
 とりあえずこれもメモしておくか、寝起きでまったく思考がまとまらないがメモする分にはなんの損もない
 どんな発想でも落ち着いた時に見直せばそれが思わぬ突破口になるかもしれないしな


”放送を聞き逃してほしくない理由が主催者側に有?”


『禁止エリアは十四時からC-1、十六時からD-3。』

 一番上のエリアとこの上のエリアか……
 まだ4時間余裕があるし美鈴とメタナイトが病院から戻ってくるのを待っても禁止エリアを通っても映画館に行けるはずだ。
 ここで時間を美鈴達を待つついでに潰して行けば禁止エリアから抜け出そうとする他の参加者と会わずに映画館まで行ける可能性も出てくる。
 今すぐ行くと禁止エリアから抜け出そうとする参加者と遭遇する可能性が高いだろうしな。
 だがあまりにも美鈴達が遅れるようなら俺達だけで映画館に向かわざるを得ないか、しかし美鈴達が遅れたとして今現在の戦力で安全に映画館まで行けるだろうか?
 チルノのような術を使う参加者や規格外の戦闘力を持った奴がいない限り大丈夫だろう。
 だがそんな得体のしれない奴らが多くいるのがこの場、美鈴やメタナイトのような超人級の戦力がいないとやはりきつそうだな。


『 脱落者は以下の十五名。

 僧侶。 伯方の塩。 スプー。 重音テト。 糸色望。 新堂誠。 七夜志貴。 夜神月。』

「ふぅん・・・・・・」


『バルバトス・ゲーティア。 秋山森乃進。 城之内克也。
 ルガール・バーンシュタイン。 剣崎一真。 弱音ハク。 初音ミク。

 以上です。第三回放送は六時間後となります』


 うん……?初音ミク、弱音ハク、重音テト?
 たしかこいつらはレンの知り合いだったか。これじゃドナルドも苦労しそうだな。
 あいつのことだろうから知り合いのカタキを取るんだとか言ってまた変な風に暴走するだろうからな。
 この場にあいつがいなくてよかった。
 真っ直ぐなのは子供らしくていいがまっすぐすぎるのも考えものだ。

 他には夜神月、城之内克也の名前を聞いたことがあるな。
 城之内克也は獏良曰くどうでもよいレベルの奴らしいが本当にどうにでも良いレベルの奴だったのだろう。
 だが夜神月は違う。聞いた話では相当頭が切れるらしい。暴力がものをいうこの状況下とはいえそう簡単に死ぬとは思えない。
 相手が殺し合いに乗っているなら口八丁で相手に合わせ仲間に取り入り
 相手が殺し合いに乗っていないなら無力なふりをして仲間に取り入り最終的に完全に勝ちにいくタイプの奴だろう。聞いた話を総合した憶測だが。
 そんな奴が簡単に死ぬとなるならばありえるのは二つのパターン。
 一つは単純に殺し合いしか能がない脳筋にやられた可能性。
 これならばどれだけ頭が切れようと関係ない。その頭脳を生かす前にその自慢の頭を砕かれるのが落ちだ。
 もう一つは単純に頭脳戦に敗れなんらかの嘘を見抜かれるか嘘に踊らされ殺された場合。

 そのなんらかの嘘が気になるところだが嘘を付いているとするならば人殺し云々だろう。
 夜神月が殺し合いに乗っているか否か。
 獏良の話を聞くだけならば殺し合いには乗っていない……だがここでそんな情報をうのみにするほど俺は馬鹿じゃない。
 獏良達が殺し合いに乗っていて嘘を付いているという可能性も十分にあり得る。
 獏良も十分すぎるほどに頭が切れるし嘘を付いていてもおかしくない。
 むしろ俺が獏良の立場なら情報を正しく与えたりは絶対にしない。
 正しい情報を与えるとしても一部のみ、切り札となる情報は絶対に渡さない。
 そしてある程度人数が減るまでは仲間として取り入りある一定の人数を切った時に一気に攻勢をかけるだろうな。
 そのくらいになれば規格外のやつらも潰し合い疲れ切っている公算が高い。

 少なくとも今は獏良も協力の態勢をとっている。これは俺が首輪解除という現状最強のカードを持っているからだ。
 このカードを持っている限りは少なくも参加者が15人・・・・・・いや20人を切るまでは俺と一度でも共闘することを選んだ奴は俺を殺すことはできないだろう。
 それ以降は首輪解除を待つよりも皆殺しの方が早いと判断し俺を用済みとみなす可能性があるがな。

 そろそろ頭が冴えてきたな。
 メモを見直し考えてみるか。

”スクリーンは脳に直接働きかけ?”

 これが真である場合は主催側に集団に幻覚を見せるという能力があるとみていいだろう。
 だがこれは違う。わざわざ幻覚を見せるなんて言う面倒なことをする必要はない。首輪にあれだけ多くの機能を入れた精密なものを作る技術があるのだ。
 俺が知らない技術がこの場にあったとしてもなんの不思議もない。
 むしろ首輪にこれを投影する機能があると考えた方が自然だ。
 そうしたほうがコストも少なくなるはずだしな。
 下手に幻覚を見せて参加者の脳に影響が出てこのゲームが遂行できませんでしたなんていうのも主催側からしたら簡便な筈だ。

 ともかくこれをなんとしても分解して情報を手に入れなければな。

”スクリーンは脳に直接働きかけ?
       ↓
 スクリーン投影機能は首輪に有?”


 んでこっちのメモだ。


”放送を聞き逃してほしくない理由が主催者側に有?”


 よく考えればこっちのメモは考える必要もなかった。
 放送を聞き逃してほしくない理由は主催側には間違いなくあるし最初に断言しているじゃないか
 わざわざこんな場を開いているのに放送を聞き逃して禁止エリアでズガンは止めてくれってな。
 至って普通だ。だいたい俺が起きるのになんらかの機能が働く必要もない。
 この環境のせいで疲れていたのだからこの環境のせいで眠りが浅くなっていた、そう考えれば十分に説明が付く。
 むしろわざわざ寝ている参加者を起こす目覚まし機能の付いた首輪なんて何の意味もない。

「思考はまとまったかい?」
「さっきまで寝ぼけてたが今じゃすっきりだ」

 後ろでニヤニヤしている獏良に言葉を返す。
 知り合いが死んだと言うのにニヤニヤしてられるとなるとなかなかなこいつららしい。
 もっとも首を切り落として置いて首って切りにくいんだなとか思った俺も俺だがな。

「そういえば藤崎はどうした?」
「あぁ、藤崎なら薬が遅いとか言って美鈴達の後を追っていったぜ
 よっぽどあのトキの奴に恩義を感じてるんだろうな」
「嘘付け、その血はなんだ?」

 そんなことを言ってくる獏良を半眼で見ながら俺は獏良の足元を指さす。
 獏良は顔色一つ変えなかったが視線が一瞬だけ足元へと向いた。
 俺はそれをしっかりと確認し苦笑を見せる。
 やっぱやってたか。

「一瞬視線が動いたな、本当はどうしたんだ?」
「役立たずを排除しようとしただけさ、そしたらもしもの時のショートカッターを使ってA-1逃げ出したがね」

 これ以上の嘘は無駄だと悟ったか獏良は言葉を出す。
 その顔は嘘が見破られて悔しいというよりもやっぱり見破りやがったかという表情だった。
 もし俺がこの嘘を見抜けなかったらこいつがどんな表情をしていたのか微妙に気になる。
 落胆か、それても苦笑か。はたまた悪いことを考える表情か。
 こいつなら黒い笑いをしているのが一番合いそうだが。
 とにかく俺はそんな思考を振り切りながらその時の状況を詳しく聞くために続ける。

「ちゃんとばれないようにやったんだろうな?」
「姿は間違いなく見られていないし現場は完全とは言わないがごまかせる程度には直しておいた。
 唯一心配があるとするならばしとめそこなったことで特徴的な傷口を残してしまったことかな」
「傷口……ねぇ、A-1に逃げたならしばらくは関係ないだろうな。このまま死んでくれるのを祈っておくか」

 特徴的な傷口ってのは気になるがA‐1なら問題はないだろう。
 また俺達と出会う前に死んでくれるのを祈るのみだ。
 幸運なことにA‐1から映画館へ向かうためにはC-2を通るしかない。
 次にC-2を禁止エリアに指定されたならば進路は限られてしまうためわざわざこちらへ進んでくる可能性は少ないだろう。
 もし映画館方面に進んできたとしても出会ったならであったならで口八丁で誤魔化せば済む話だ。
 獏良がバレバレな証拠を残しているとは思えないことだが。

「しかし仲間を殺そうとしたのにまったく俺に対して怒らないんだな」

 そんなことを黒い笑みを浮かべながら言ってくる獏良。
 仲間といけしゃあしゃあと言ってのけるあたりにこいつの図太さを感じる。
 お前が仲間とか信頼とか絆とかを本来の意味で使えるならこの世の中はもっと平和だろうよ。
 お前にに合いそうな言葉は支配とか洗脳とか鎖とかそういうものだ。


「どうせドナルドの入れ知恵だろう?俺もあいつが邪魔という点ではどちらかと言うと同意見だ
 さて、言い分けは考えてあるんだろう?口裏を合わせるから教えてくれ」
「敵わないねぇ」

 どこがだ。
 口先だけでもこれだけ言えるのは尊敬に値する。
 だがもしかして俺も周りから見たらこんな風に見られてんのか?
 キバに今度聞いてみるとするか。

 あとお前も俺と同じように創造する側の存在だろう?
 なんとなくだがわかるぜ、俺とお前からは似た匂いがする。


◆◆◆


 時間はたいしてたっていない。
 やったことと言えば藤崎に関して獏良と合わせるための打ちあわせぐらいである。
 あのトキという男はまだ寝ている。
 やはりあの首輪に目覚まし機能が付いているというのは俺の寝ぼけた思考が生んだものだったのだろう。
 そんな機能が付いているならば俺だけではなくトキも目を覚ましていたはずだ。
 我ながらそんな意味の分からない考えに至ってしまった意味が分からない。

 さて、ここで一つ問題が発生している。
 チルノが何やら少女を連れてきて戻ってきているのを見つけたのだ。
 見かけは普通のこがらな女の子でどうみても戦闘の役に立つとは思えない。
 ドナルドがわざわざ送ってきたのだから何らかの目的があるのは間違いない。
 いったいドナルドは俺に何をさせようとしているのか……?
 ドナルドのことだろうから俺たちならば言わなくてもわかると思っているのだろう。

「一体あいつは何を考えているんだ……?」

 あいつとはおそらくドナルドのことだろう。獏良もあの少女をわざわざこちらへ送ってきた意味を測りかねているように見える。
 俺達は戦力外の仲間は取らず役立たずは容赦なく切り捨てるという方針だ。
 わざわざ送ってきたからにはなんらかの役割があの少女にもあるということだろう。
 しかしとてもじゃないがあの少女に戦力としての役割があるとは思えない。
 ならば首輪解除やここからの脱出の力があるということだろうか?
 こういう能力であれば見た目が少女であろうとも持っている可能性はある。
 もしそうならば予想外のスピードでチャンスが巡ってきたのだ。

「新しい仲間を連れて来たわ!あたいったら最強ね!」

 いつもの如く最強と言っているがここはスルー。
 チルノと無駄に関わっても会話につかれるだけ。
 今はこの少女との情報交換に努めるのが肝要。

 ただチルノは無視しておくと寂しがる寂しがり屋であるということはなんとなく分かっているの獏良に相手を頼んでおく。
 獏良は無茶苦茶嫌そうな顔をしたが何も言わずに頷いた。
 流石のこいつでも⑨の相手をするのはかなり疲れることのようだ。
 もしかすると城之内とか言う奴もこんな⑨だったのかもしれない。
 キバが⑨でなくて本当によかった。


・・・・・・少女説明中


・・・・・・少年呆れ中


「で、その仲間と別れてここに来たってわけか」
「そうよ、引き籠ってても何の解決にもならないじゃない」

 正直言って俺と獏良の期待はもともと薄かったとはいえ粉々に完膚なきまでに打ち砕かれた。
 わざわざドナルドがこっちに送ってくるぐらいだから戦闘の役に立たなくても頭脳は優れているのではないかとは思ったのだがそれもとんだ期待外れ。
 引き籠っていても何の解決にもならいというだけで仲間から離れ単独行動を行う。
 まだ危険に遭遇していない状態でそんな行動に出るのならばまだ正義感に駆られたと解釈することもできるのだが聞いた話だと例の黄色い怪物や
 バルバトスとかいう男に襲われ危険な目に会った後だという。
 自分には武術に多少の心得があるからある程度は大丈夫だと言うが実際にチルノのような特殊な能力を持ったものが多くいるこの状況。
 そんな状況で一般的な武術がどの程度役に立つというのだろうか。
 だがドナルドの意志が少しだけ呑み込めた気がする。

 あと映画館には戦力になりそうな人が何人かいることが分かった。
 文という奴はチルノから聞いたのとは印象が違ったが恐らくこの大河のほうが本来の人物像に近いのだろう。
 ⑨の文に対する説明は蝦蟇に喰われたところを写真に撮られたなどと主観的な部分が入っていたことでもあるし。
 そんなことを思いながら俺は思わず呟いた。

「お前馬鹿だろ」
「ば……馬鹿って何よ!勇気を出してなにかしようって決めたのに」

 その呟きに大河は反応を示す。
 馬鹿というのが癇に障ったのだろうか?
 はっきり言ってこの状況で一人歩きまわることを馬鹿と言わずしてなんという。
 勇気ではなく蛮勇。無謀。
 俺のように規格外の参加者と張り合うことができないレベルならば素直になんらかの集団に紛れるのが普通の考えだ。


「まず一つ言わせてもらうと勇気と無謀は違う。決意と無謀も違う」
「・・・・・・?」

 俺の言葉の意味が呑み込めていない様子の大河。
 自分の行動がただの無謀な自殺志願者と同じようなものだと気が付いていないようだ。
 自分の力も知識も及ばぬ化け物と戦っておいて尚その無謀な行動を続ける力。
 ある意味ではそれは尊敬する行為だが俺はそんな行為を尊敬しようとは思わない。馬鹿にしようとは思えども。

「お前は死を見て死への恐怖を持ったと言っているがそれは間違いだ」
「どういうことよ」

 俺は多少見下すようにしながら大河へ言葉を発する。
 俺の態度を不快に思ったのか大河もまた態度を硬化させる。
 もっともこういう態度を取らせるのが俺の目的なのだが。
 こういう態度を取らせてしまえば多少なりとも頭に血が上りまともな判断ができなくなる。
 相手を怒らせることがこのような場では最も有効なのだ。
 自分の方が相手よりも強いという自信がある場合限定だが。

「お前は心のどこかで自分は死なないだろうという根拠のない自信を持っている」
「ふざけないで、私は恩人……恩塩に助けられたのよ、そしてそのせいでその塩は死んでしまった。
 それに私は見たわ、ばらばらに刻まれた死体を。そんなのを見て死への恐怖を持たないとでもいうの?」

 俺は淡々と言葉を吐きだす。
 それに対し”塩”という所にやや詰まりながらも大河も言葉を吐く。
 だが俺はその様子を見てまた人う確信を強める。
 大河は多少その死とやらの光景を思い出したのか涙目になっているが俺はここで辞めるつもりはない。
 ここで引くと全部がご破算である。

「あぁ、持ってないな。お前が持っているのは自分が死にそうになってもその”塩”のような奴が現れて助けてくれるだろうそんな根拠のない安心感さ」
「違うって言ってるでしょ、分からないの?」


 自分がとてもかなわないような奴がうようよいるこの場で一人うろつきまわるなんてよほどの自殺志願者か
 自分が死なないとでも思っている⑨。
 そしてこいつは後者。
 おそらく自分の仲間に助けられ励まされ自分が危機に陥った時にはどこからともなくヒーローが現れて自分を助けてくれるとでも思っているのだろう。
 今のこいつの状態は恐らく依存。ヒーローという不明確なものにはっきりとした、自分を守ってくれるという形をあたえた塩に無意識に依存している。
 俺はそう強めた確信を完全なものとした。
 自分の近くで死を見てしまったが故に死の恐怖を感じた。
 だがその自分に迫った死を英雄が助けてくれたが故に自分は死なない、ヒーロ―が助けてくれると勘違いしてしまったのだろう。


「分かってないのはお前だよ、分からせてやろうか?」

 俺はその根拠のない安心感を叩き潰すために無造作に半透明の青いナイフを取り出す。
 そして構えることなくただ大河の方を見る。
 ヒーローは現れてくれないということを見を持って大河に教えるために。
 手の中でナイフをくるくると回し大河の方へ一歩歩く。

「それでどうやって分からせるっ・・・・・・なに……」
「こうするんだよ」

 ナイフを持ち近づく大河は一瞬ひるんだが身構えることもなく軽口を叩こうとする。
 だが俺はその軽口を最後まで言うことを許さない。
 俺が言葉を出し終わった時には大河の背後に回り込み首にナイフを突き付けていた。
 無造作にとはいえナイフをいきなり目の前の相手が取り出しているというのに、身構えることなく軽口を叩こうとするなんて愚かにもほどがある。
 まだあって時間もたっていない奴がナイフを持って警戒しないなんてありえないだろう?
 やはりこいつは自分は死なないという根拠のない安心感を持っていると考えて間違いない。

「ちょっとタケモト!なにしてるのよ!」

 チルノが声を出すが華麗なスルースキルを発揮。
 すぐに獏良が動きチルノを他の部屋に宥めながら誘導する。
 獏良がチルノを他の部屋に誘導するまでの間俺は大河の首にナイフを突きつけ続けている。
 大河は言葉一つ発せない。言葉を発すれば喉が切れる。その近さまで俺はナイフの刃をつけているのだ。
 普通ならこんな状況で他の部屋に誘導するなんて言うことはできないだろう、だが相手はあのチルノ。
 明らかなる馬鹿である。普通じゃないのだ。
 こんな状況下であんな行動をとるなんてばかばかしいと何度思えばよいのだろうか


「で、こんな状況になった時お前はいったい何ができる?
 武術の心得があると言ったが今それがどれほど役に立っている?」

 聞くが当然答えを言えるはずがないが一応言っておく。
 多少説教臭くなっているがまぁそれは仕方がない。
 大河には俺に対して強い恐怖心を持ってもらわなければ困るのだ。
 俺は僅かに刃を首につける。赤い血の球が浮かぶ。

「ここで俺がナイフを一気に引けばお前は死なないまでも重傷を負うだろうな」

 僅かではあるが大河の体が震えた。
 その震えのせいでわずかではあるがまた首に刃が食い込む。
 血の球が大きさを増す。
 大河唯一の頼りであるチルノは獏良が他の部屋に連れて行っている。
 仲間から一人離れたこいつを助けてくれる奴は誰もいない。
 こいつの盾になってくれる謙虚な騎士はいないのだ。


「お前の命は今風前の灯だ。お前に今ここで助けてくれる人がいるか?」

 今度は明らかに大河の体が震えた。
 仲間がいま周りにいないという事実をようやく理解したらしい。
 ここでナイフあんまり近づけ過ぎて傷が大きくなりすぎるのも困る。
 僅かにではあるが傷が大きくならない様に刃を離す
 こいつには元気な状態で生きていてもらわねければならない。
 少なくとも俺達から離れるまでは。

「お前はここで死ぬ」

 俺は一瞬だけ腕に力をこめナイフを引いた。
 当然であるがここで本当に殺したりはしない。あくまで脅すだけ。
 俺が読み取ったドナルドの意志――あっているかどうかは別としてを実行する。
 これで実はドナルドは何も考えないで気まぐれでこいつをこっちに送りましたなんて言うことがあったら俺涙目だな。
 ……いや、むしろそれも十分あり得そうだ。
 俺と獏良が困っているのを想像して笑っているとか……。
 もしそうだったらこいつには悪いことをしたな。そうなら普通に武器だけ与えて適当に追い返せば良かった。

「・・・・・・ヒッ」

 そんなことを俺が思っているとも知らずに大河は崩れ落ちる。付いている傷は首の小さな切り傷のみ。
 だがそれだけでもナイフの刃を突き付け脅すということだけで死への恐怖を分からせることできた。
 でもドナルドの考えだと思ってやったがただきまぐれだったならこれただのイジメじゃね?
 こんなこと獏良に話したらあいつから笑われそうだな。うん。これは黙っておこう。

「お前は誰かに依存すれば守ってもらえると思っているだけだ。誰にも助けて貰えない死への恐怖が今体験した奴だよ」

 自分の何かネガティブな思考を振り切りながらとにかく最初の目的通りに俺は言葉を出す。
 自分の死を身近に感じさせ誰も助けて貰えないことを教える。
 だが、そこで殺したりはしない。死の恐怖だけ与え、仲間を求めさせるだけ求めさせておき自分はどんなに危ない場であろうと死なないという根拠ないものを植え付ける。
 そうだろ?出会った奴にいきなりナイフを突き付けられ脅される。
 でもそこで脅されたのはいいが結局自分は説教されただけで生き残った。
 こいつの話を聞く限りだとこれで2度目の絶体絶命の死地からの生還。
 自分はなにがあっても死なないと勘違いするのには十分な筈だ。
 少なくともそんな勘違いをすることがなくても最低限俺に恐怖を抱くのには十分。

「あんたって……最低に外道ね」
「俺はどこまでも鬼畜なだけさ」
 外道などと俺に言ってくるが俺は軽口で返す。
 俺は外道じゃない、鬼畜に計算してtktkさせるのが本分だ。
 ぶっちゃけ外道と鬼畜が具体的にどうちがうのかと言われたら困るが。

「こ……これはどういうことだ・・・・・・?」

 そんなことを考えている内にタイミングを見計らったかのように――
 というか見計らったのだろうが獏良がマッチョな男――トキを連れてくる。
 わざわざ言葉に出さなくても熱程度意志の疎通ができる。俺と獏良はいいコンビなのかもしれないな。
 これで信頼が置ける奴ならば文句はないのだが。
 獏良は信用できそうにないのが困りものだ、あの黒い笑みとか黒い笑みとか黒い笑みとかな。
 あんなものを見せられて信用しろなんて俺には無理だ。

 さて、ドナルド。お前が俺達に求めているのはこういうことだろう?
 あとできまぐれでした。らんらんるー☆とか言ったら俺は怒るぞ


◆◆◆


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