概要
一般に知られたFINALSCRATCHとはスタントン社のものだが、正しくは2000年にオランダのN2IT社から発表されたものである。
ここではN2IT社、スタントン社両方を解説する。
N2IT社
オランダのN2IT社によってPCのHDDにある楽曲をアナログターンテーブルで操作可能とするためにDebian Linuxシステムで動作するものが,FINAL SCRATCH 1.0 として2000年に発表されました。
スクラッチアンプというUSB、RCAデバイスを使用してタイムコードの通信ができるハードウェアで動作していたのですが、
その技術にStanton社のものが使われていた為、 著作権侵害としてStanton社からの警告があり開発は終わりました。
スタントン社
FINAL SCRATCH 1.0 )
その後はStanton社が開発を継続しており(吸収した可能性大)すでにWindowsがPCのシステムのスタンダードになっていたことと、
FINAL SCRATCH 1.0 がリリースされた当時のCPUといえば、Pentium3で1GHzを越えるものは6~7万円もするような時代だった為
ハードウェアとの通信はUSB1.0で行っていましたが通信トラブルが絶えず、急にダウンする。キャリブレーションができない等の
トラブルが頻繁に起こり現場で使用するには厳しいものだった為FINAL SCRATCH を使う人はまだわずかでした。
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FINAL SCRATCH 1.1)
しかしPentium4や高クロックなチップセット、メモリの登場でPC性能が格段に増し
TRAKTOR DJ STUDIO でPCDJの高い技術を持っているNativeInstruments社とパートナーシップを結び
Windowsでの Final Scratch timecodeエンジンをNativeInstruments社が開発したことで
システム自身の動作にCPUパワーやメモリを多く使うWindowsでも動作させられるようになり
2003年にStanton社から TRAKTOR FINAL SCRATCH 1.1 としてWindows、MAC両用としてリリースされます。
PC上でのソフトウェア部分の開発をNativeInstruments社が行ったことにより、スクラッチアンプとPCとの通信も安定し現場での使用も安定性が高まりTRAKTOR DJ STUDIO でPCDJソフトウェアのスタンダード的なNativeInstruments社のおかげもあって、
この頃からFINAL SCRATCHが少しずつ増えていきます。
TRAKTOR FINAL SCRATCH 2.0)
ターンテーブルのタイムコードを読み取ってPCと通信するスクラッチアンプをStanton社が開発し、PC上でのソフトウェア部分の開発をNativeInstruments社が行ったTRAKTOR FINAL SCRATCH は、プロのDJからも使われるようになり
アナログレコードと同等の操作ができるPCDJアプリケーションとして知られてきました。
しかしPCで楽曲を扱うプロのDJにはMACユーザーが多かったことから、MAC版のリリースの要望が多かった為Windows、MAC両用のTRAKTOR FINAL SCRATCH 1.5 がリリースされます。
そして2004年には今までPCとDJミキサーの掛け渡しだけをしてきたスクラッチアンプに、MIDI・マイクの入力も備えて接続もUSB1.0からIEEE1394方式になり、FINAL SCRATCHの動作だけでなくASIOドライバーのオーディオインターフェイスとして
ハードウェア部をStanton社、ソフトウェア部をNativeInstruments社が開発してTRAKTOR FINAL SCRATCH 2.0 がリリースされます。
こちらはソフトウェアの開発がNativeInstruments社なのでTRAKTOR DJ STUDIO 2.6 以降とコンパチブルになっておりTRAKTOR上でスクラッチアンプを経由してアナログターンテーブルでの操作が可能になりました。
2005年後半には今までスクラッチアンプの開発をしてきたStanton社とソフトウェアの開発をしてきたNativeInstruments社の両社のパートナーシップは終わります。
Stanton社はその後もしばらく、スクラッチアンプ単体で販売をしています。
NativeInstruments社の方はStanton社と手を切ってハードウェアもソフトウェアも自社製品としてTRAKTOR SCRATCH 、 TRAKTOR SCRATCH PRO と精力的に新製品の開発を続けてリリースしています。
stanton-scratchamp-final-scratch-firewire-audio-interface-for-200_6365093.jpg
※ちなみに現在でもFINAL SCRATCH2.0・スクラッチアンプのソフトウェアが共にダウンロード可能です。
ttp://www.stantondj.com/stanton-legacy-products.html
またNativeInstruments社からもFINAL SCRATCH2.0の最終アップデータが入手可能です。(要アカウント)
スペック表(FINAL SCRATCH)
基本的なシステム構成
- FinalScratchまたはTraktorScratchのインストールされたPC
(1.0はLinuxのみ、1.1からWindowsのみ、1.5以降はWindows &MAC両対応)
- スクラッチアンプ(PCとミキサーの間に中継する感じ)
- DJミキサー
- ターンテーブル
TRAKTOR FINAL SCRATCH 2.0(スタントンHPより引用)
推奨システム環境
Mac最低動作環境 : Mac OSX (10.3.5以上)、 G4 500MHz、256MB RAM
Mac推奨動作環境 : Mac OSX (10.3.5以上)、 G4 1GHz、 512MB RAM
PC最低動作環境 : Windows XP、Pentium III/Athlon 1GHz、256MB RAM
PC推奨動作環境 : Windows XP、Pentium 4/Athlon XP 2GHz、512MB RAM
システムにはIEEE1394(Firewire)ポートが必要です。
ご注意 : FINALSCRATCH 2パッケージに含まるNative Instruments Traktor Final Scratch 2.0ソフトウェアはIntel Mac用のユニバーサル・バイナリに対応しておりません。また、ScratchAmp 2ハードウェアはIntelMacハードウェアに対応しておりません。
ファイナルスクラッチとは
ttp://boomboom-mix.net/modules/fs/outline.php
イケベ楽器 PowerDJ's デジタルDJのすべて ~DJソフトウェア編~
ttp://www.rakuten.ne.jp/gold/dj/webpro/allofdjsoft/02/02.html
スタントン ファイナルスクラッチサポート
ttp://www.stantondj.jp/support/fs2/
FINALSCRATCHの画像引用元
ttp://www.djzone.net/pg/0301/images/fs1.jpg
TRAKTOR FINAL SCRATCH 2.0の画像引用元
ttp://images.canadianlisted.com/nlarge/stanton-scratchamp-final-scratch-firewire-audio-interface-for-200_6365093.jpg