概要
DJ用
カートリッジの定番。安価で入手可能でM44Gに比べ針が太く頑丈で、手荒に扱っても折れずらく、Ortofon等の他社製
カートリッジに比べ針先が丸くなっておりレコード盤の摩耗が少ないといった特徴を持つ、ターンテーブリストの理想を具現化したような
カートリッジ。一度生産終了になったが、Q-BERTらの嘆願で生産が再開された。
Technicsの
ヘッドシェル(黒)とセットになったM44-7-Hもある。
JICO(日本精機宝石工業株式会社)より交換針が発売されており、オリジナルのShure製より音量の個体差が少ないらしい。また代わりにオリジナルよりカンチレバーが固くなり若干針飛びしやすくなったとも(針飛びに関しては実際試して同意見)
M44-7
M44-7-H
スペック表
■仕様
出力 9.5mV
チャンネルセパレーション 20dB
周波数特性
20~17,
000Hz
スタイラスタイプ 円錐
適正針圧
1.5~3.0g
自重 6.7g
適正負荷インピーダンス 47kΩ
交換針
N44-7
価格
- 7000円前後(新品)
- 7500円前後(M44-7-H・新品・当時)
- 5000円前後(交換針)
Shure -M44-7-
http://www.shure.co.jp/ja/products/dj_phono/m44-7
Shure -M44-7-H-
http://www.shure.co.jp/ja/products/dj_phono/m44-7-h
JICO(日本精機宝石工業株式会社)
http://shop.jico.co.jp/
概要
DJ用
カートリッジの定番。ホームリスニングからハードなスクラッチまでこなせる。
JICO(日本精機宝石工業株式会社)より交換針が発売されており、オリジナルのShure製より音量の個体差が少ないらしい。また代わりにオリジナルよりカンチレバーが固くなり若干針飛びしやすくなったとも(針飛びに関しては実際試して同意見)
M44G
スペック表
■仕様
出力 6.2mV
チャンネルセパレーション 20dB
周波数特性
20~19,000Hz
スタイラスタイプ 円錐
適正針圧
0.75~1.5g
自重 6.7g
適正負荷インピーダンス 47kΩ
交換針
N44G
価格
Shure -M44G-
http://www.shure.co.jp/ja/products/dj_phono/m44g
JICO(日本精機宝石工業株式会社)
http://shop.jico.co.jp/
M44系互換針についてのまとめ
※2023年5月追記あり
生産終了後も依然としてM44系
カートリッジは人気があり未だ愛用者は多いのですが、消耗品となる針についてはすでにインターネットでは在庫極小か、あるいはプレミア値がついており入手は日々困難になっています。
そのため国内外から交換針が発売されていますが品質や耐久性、出音にそれぞれ違いがあるようなので、とりあえず管理人が知りうる限りの交換針と実際試した情報をまとめておきます(随時更新予定)
まずは定番のJICO製針から。日本国内で44系
カートリッジの交換針といえばこちらの製品。しかし純正と違い「音量が小さい」「針飛びしやすい」「耐久性が悪い」という意見も結構耳にします。
実際どうなのか、同じN-44-7ユーザーの方や自分が買って使用した意見を総合すると以下の内容になりました。
- 音は純正と比べて全域が曇りがち。またユーザーの方曰く「純正に比べても音がすぐ悪くなる」(純正と比較使用して確認したそうです)とのこと。
- 針飛び耐性も純正と比べると少し硬いのか僅かに悪い(個人的には気にならない範囲)
- ただ、上記はある程度使用した状態のため、新品であれば(耐久性の問題もあり)また違う結果になるかと思われます。
ちなみにJICOからは他にも「DJ」と称したDJ用途向けモデルもあります(管理人はこの内N44-7 CLUBを購入して使用)以下がそのラインナップです。
しかしこれらは針圧が3.5-4.5(N44-7,N-44G両方共。純正は44-7が1.5-3.0、44Gに至っては0.75-1.5)と、本来「針飛びを防ぐために針圧を掛ける」のに「針圧を掛けたいから高針圧設定にした」というような本末転倒な仕様になっており使用感も純正とは別物になっている。以下内容。
- 針先がShureというよりStanton針のように非常に固い。そのため記載通りの針圧を掛けないと針飛びしてとても使えない。
- そもそも規定針圧を掛けても普通に針飛びする。使用感としてはオルトフォン針のような感じ。
- レコードダメージと音質については未チェック。いずれ音質は確認したいです。
さらにJICOはM44系交換針を「JICO DJ SERIES」と銘打ち純正と同じカバー付きタイプや蓄光タイプ2本入りセットの発売を開始したのですが、これが上記の「DJ」モデルがベースのようでやはり3.5-4.5と高針圧仕様になっています。
……あれをDJ用って正気か?
そうなってくると必要なのは文字とおりの「互換針」ということになります。幸いなことに「JICO DJ SERIES」以外の純正互換モデルは継続生産されるようですし、JICO以外のメーカーからも発売されています。以下がその内容です。
こちらはディスクユニオンオリジナルSHURE M44G用互換針(44-7用は無し)です。JICO製の通常N-44Gと比べると針飛びや音質が純正に近いらしいです(中身はおそらくJICO製と思われますが…まだ試してないので未チェック。今後
テスト予定)
ナガオカ製M44G用互換針(以前は44-7用も生産していたそうなのですが、現在は終了済みとのこと)JICO製以外のおそらく現在唯一の国産互換針ですが、¥6,480と高価(プレ値の純正と同じくらい)のためネットでも情報無く…44G交換針のため今後
テストするかも未定。
以下互換針は基本的に海外で販売されているものですが日本でも個人輸入、あるいは特定店舗が取扱しているため購入可能です。がしかし、一部懸念事項が……詳細は以下記載。
記事によると「カンチレバーにアーム方向へのテンションを与えるテンションワイヤーを固定しているハンダあるいは溶接の跡」らしく、互換針によってはその跡が無いものもある、という内容です。
そして問題のTonar製(JICO製)針はというとその跡がありませんでした。さらに言えばAtrylogy製(同社は輸入販売業のため自社では生産しておらず、また商品ページに日本製と記載がある)共に、2000円程度で購入可能と日本国内より低価格です。
このことから予測されるのは「構造を簡易化して安価にしたものを国外で販売しているのでは?」ということになります。実際、上記記事によると同じJICO製でも国内正規流通品は跡があり、ヤフオク等で入手出来る国産JICO製と謳う品は跡が無いようです。
安価になるのは消費者としては良いことですが、音質としてはどうなのか?記事内でも「テンションワイヤーがなくダンパーゴムだけでカンチレバーが支えられているようだ。これは音質にも相当な影響を与える違いだと思う。」と危惧されていたことなので、今回Tonar製互換針を購入して実際に聴き比べてみました。以下内容。
- JICO製(跡あり)に比べて低域が強く逆に高域が弱い(確かにダンパーゴムだけであれば振動を吸収してしまうため納得できる)
- 音質は「純正に比べて」ではなく「JICO製と比べて」という程度のレベルのため何れにせよ純正より悪い。
- 針飛び耐性はJICO製(跡あり)と変わらない印象。針も同じくらいの固さ。
正直、上記互換針はメリットとして国内正規JICO製より安いくらいしかない状態です……そうなると純正と同じ、あるいは限りなく近い出音が出る交換針はまだ試していない以下のものに賭けるしかない状態です。
これらの製品が果たして本当にドイツ(スイス)製なのか、それとも国で箱詰めしただけなのか。少なくとも「Shure M44系」の出音が必要であれば、しばらくは純正針からは変えられないようです。
※以下2021年2月1日追記
2020年、新興メーカーの100SOUNDSよりM44G用交換針が発売されました。
実際に購入して
テストしましたが、純正に比べてカンチレバーが短いため少々底付きしやすい点以外は音質・針飛び耐性・価格(¥3,498 税込)どれも良好で最も優れたM44G用交換針だと思います。
発売次第各レビューチェックの他、実際に購入し
テストしようと思います。
※2022年12月31日追追記
RS-44-100Bについては初期生産品は短めのカンチレバーでしたが、その後純正タイプと同じ長さに変更されました(確認済み)
またJICO
カートリッジについてはその後上記二種のほか、「
IMPACT」「
J50」という純正クローンではないJICO独自タイプの製品が販売開始されたほか、カンチレバー形状、スタイラスチップ挿入角度が純正と同じ仕様に変更されそれまでの製品にくらべてスクラッチ時の針飛び耐性が向上したと思われます(未確認)
他にも、群馬県にある株式会社 中電がM44-7とM44Gの交換針をそれぞれ製造販売しており、JICOの半分近い低価格で購入可能です。ただしオーディオ用途メインのせいか他社互換針に比べて出音は小さめで針飛びもいまいちでした。(
テスト済み)
※2023年5月15日追追記
現在中国通販サイトのAliExpressなどにて中国製の44系用互換針が販売されています。ノブカラーはM44系純正のホワイト、グレーのほかレッド、ブルーも存在。針飛び耐性、音質など前述の海外製安価交換針と同様でした。
また株式会社ナガオカトレーディングよりM44G(M44-7にも使用可能)の交換針「DJ-44G」が発売されました。
本製品は世界のDJ達から広く愛用されている
カートリッジ、「M44G」のNAGAOKA製交換針です。
M44Gと互換性のある交換針に関して多数お問い合わせをいただき、以前販売していたNAGAOKA製交換針「GD63-44G」の生産終了後、仕様を見直し、新たに開発しました。
オリジナル44Gの最大の持ち味である質実剛健なタフさを損なわず、よりパワフルな音圧、
かつ繊細なワイドレンジで迫力のあるサウンドを実現しました。
【製品仕様】
品名:DJ-44G(交換針)
型番: DJ44G
JAN:4967736082525
パッケージ内容: DJ44G交換針(1PIECE)
パッケージ重量:W80×H105×D15mm×12g
適正針圧:2.0~3.5g
適用
カートリッジ:M44G・M44-7
想定売価 ¥4,840(税込)
発売日 2023年5月13日
最終更新:2023年05月15日 16:02