季節の始まり
81 名前: [[◆NN1orQGDus]] :2009/07/20(月) 23:44:45
“季節の始まり”
まるで雪みたいだ。
薄いピンクと言うよりはほぼ純白に近い白さで、桜の花びらが舞い落ちている。
数日前に降った名残り雪のせいでそんな風に思った。
薄いピンクと言うよりはほぼ純白に近い白さで、桜の花びらが舞い落ちている。
数日前に降った名残り雪のせいでそんな風に思った。
散る桜 残る桜も 散る桜
誰の句か解らないけれど、頭に浮かんだ。
多分、雪と桜の儚さが私をセンチメンタルな気持ちにしたんだろう。
新たな門出、入学式を迎える身としては相応しくなかろうよ、と一人悦に入って笑った。
多分、雪と桜の儚さが私をセンチメンタルな気持ちにしたんだろう。
新たな門出、入学式を迎える身としては相応しくなかろうよ、と一人悦に入って笑った。
「なにニヤニヤしてんだよ、お前」
「さあね。アンタの顔が愉快だからっしょ、多分」
子供の時からの腐れ縁が敷き詰められたような桜の絨毯を乱しながらやってきた。
経験上、素っ気なく扱わないと調子に乗るこの男は、高校生になったからなのか、馴れ馴れしさ三倍増しで私の肩に手をかけてきた。
経験上、素っ気なく扱わないと調子に乗るこの男は、高校生になったからなのか、馴れ馴れしさ三倍増しで私の肩に手をかけてきた。
「お前ね、もう少し優しい物の言い方ができないのかよ。俺の心が広かったからいいような物、変な奴だったら凄いことになるぞ?」
「そう? 私は本当の事しか言ってない筈だけど。だって愉快じゃん、アンタの顔。ダイヤモンド☆ユカイ並みに」
「いや、絶対それ違う。間違いなく違う」
「そうかな。違うかも知れないけどやっぱりそれぐらい愉快だよ、アンタの顔」
お前ね、と言葉を紡ぎかけるけれど、私は肩にかけられた手を跳ね除ける。
「そんな事じゃ彼氏が出来ないぞ、お前」
「出来なくたっていいよ。出来なきゃアンタの責任だから」
「意味わかんねーし」
「だろうね。だからダイヤモンド☆ユカイなんだよ、アンタ」
「……お前、ダイヤモンド☆ユカイが誰なのか知らないだろ」
「当たり前じゃん。つーか、誰それ」
「俺が知るかよっ!」
相も変わらず馬鹿げた会話。これまでずっと、これからもずっと。
私の気持ちに気付かない限りそれは絶対に変わらない。
このニブチンめ。アンタみたいな馬鹿の相手が出来るのは私しかいないでしょうに。
このニブチンめ。アンタみたいな馬鹿の相手が出来るのは私しかいないでしょうに。
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