創作発表板避難所進出記念
「先輩、お待ちしておりました! まさに一日千秋の思いでした!」
斜陽の死角となる校舎裏に俺の姿を認めるや、腐れ縁の後輩は輝かんばかりの笑顔を浮かべた。
そんな彼女に俺は、じっとりと冷たい半眼で心の底からの呆れを、大股歩きで不機嫌さを演出しながら近づい
ていった。
そんな彼女に俺は、じっとりと冷たい半眼で心の底からの呆れを、大股歩きで不機嫌さを演出しながら近づい
ていった。
「……そんなことより何なんだよこれは……」
鼻先にA4サイズの紙切れを突きつけてやる。帰宅しようと思ったら下駄箱に入っていた、タチの悪い“ラブ
レター”。乾いた糊でパリパリになったそれは、そよ風ていどではびくと
もしない。
文面はこうだ。
レター”。乾いた糊でパリパリになったそれは、そよ風ていどではびくと
もしない。
文面はこうだ。
『おまぇの工口カワィイ後輩は預かった。かェしてホしくば放か後ふつ―科こウしや裏まで1りで来られタし。
しやわせ撲滅運動』
しやわせ撲滅運動』
新聞や雑誌を文字単位で切り貼りした怪文書だった。「輩」は大きさの違う「非」と「車」を力技で組み合わ
せてまで漢字にしてあるなど、どうでもいいこだわりが散見される。……ちょっと素で怖かった。
署名の“幸せ撲滅運動”とは、学園のカップルに制裁を加えて回っているという、実にご苦労様な不良三人組
である。
ただし、当然だが、今回の件に関しては、彼らはひとつも悪さなどしてはいない。むしろ、俺を呼び出すダシ
にこの後輩に名前を騙られた被害者といえた。
せてまで漢字にしてあるなど、どうでもいいこだわりが散見される。……ちょっと素で怖かった。
署名の“幸せ撲滅運動”とは、学園のカップルに制裁を加えて回っているという、実にご苦労様な不良三人組
である。
ただし、当然だが、今回の件に関しては、彼らはひとつも悪さなどしてはいない。むしろ、俺を呼び出すダシ
にこの後輩に名前を騙られた被害者といえた。
「それ、私がこさえました」
「分かってた。……胸張るなぶっ飛ばすぞ」
「先輩にならトバされたっていいです! 性的な意味で!」
「“島”にほうりこんだろか……」
「分かってた。……胸張るなぶっ飛ばすぞ」
「先輩にならトバされたっていいです! 性的な意味で!」
「“島”にほうりこんだろか……」
俺は付き合わないけど。
……いつのまにか、説教する気力がへなへなと失せていた。イタズラするのに他人様の名を騙るのはよくない
とか、そういうマジメな教育的指導はこの後でみっちりしようと思う。
……いつのまにか、説教する気力がへなへなと失せていた。イタズラするのに他人様の名を騙るのはよくない
とか、そういうマジメな教育的指導はこの後でみっちりしようと思う。
「んで? 何の用なんだ」
ぞんざいな口調になって問い質す俺に、後輩は頭をこつんとやるあざとい仕草を添えながら答えた。
「いけない、いけない。こんな乙女ちっくな会話がしたくて先輩にご足労いただいたわけではないんでした」
「……お前って、河内さんや上原さんとちゃんと会話できてるの?」
「……お前って、河内さんや上原さんとちゃんと会話できてるの?」
また話題が脱線すると分かっていながらついツッコミを入れてしまう、自分の性格が憎い。
どちらも今年になって後輩がよくつるむようになった友人だった。とりわけ河内さんなんて“恋する乙女オー
ラ”がすごい子だし、トバすのどうのと鼻息荒くほざく後輩とは“乙女ちっく”の中身も別物という気がする。
どちらも今年になって後輩がよくつるむようになった友人だった。とりわけ河内さんなんて“恋する乙女オー
ラ”がすごい子だし、トバすのどうのと鼻息荒くほざく後輩とは“乙女ちっく”の中身も別物という気がする。
「もちろんです。たぶん。……そこそこ、けっこう、マブダチっぽいです」
「聞けば聞くほど不安になるが、大丈夫なのかそれ」
「ええそりゃあもう! スカートひらりバミューダトライアングルと恐れられていますよ!」
「聞けば聞くほど不安になるが、大丈夫なのかそれ」
「ええそりゃあもう! スカートひらりバミューダトライアングルと恐れられていますよ!」
意味分からんが、それは……ダメだろ。
「とにかく先輩をお呼び立てした理由は他でもありません!」
デリケートな話題を振り切るように、後輩はヤケっぱちっぽく叫んだ。
「『【シェアード】学園を創りませんか?』スレ、創作発表板避難所進出です! おめでとうございます!」
おわり
避難所1スレ目4より
転載許可取得済
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