なんのための収束か?' 極限関数の連続性を保つ → 一様収束によって,連続関数列は連続関数に収束する。 数値計算がしたい → 一様収束ならギブス現象も起きなくて安心。 ← 逆に不連続関数のFourier級数展開は一様収束しない。 ← Egorovなどは概収束から概一様収束への接続 Fourier級数 → 平均収束(L2収束)する。 微分方程式の級数解 → 項別微分・項別積分ができるぐらいの収束がいい。概収束と+α(単調性とか有界性とか) 変分法の基本補題 → 0に弱収束すれば元の関数が0。 積分と極限を交換したい → 強収束(L1収束)すれば交換可能。(積分の列というのは数列であることに注意!) 作用素の近似 → Banach-Steinhausが強力らしい。どのノルムで誤差を評価するかも重要。 関数空間の位相 → 連続関数環は一様収束位相(supノルム位相)でBanachになる。 測度とLpノルムの橋渡し的存在 → 測度収束とチェビシェフ不等式
Fourier級数の収束は,歴史上さまざまな関数のクラスに対してさまざまな種類の収束が示された。
どこで収束か? 位相空間において点列の収束を議論するには、 第一可算 ← 点列の収束は可算個の近傍を用いて定義されるため。 ハウスドルフ ← 点列の収束先が存在すれば唯一に定まるため。 ぐらいの性質は必要である。(点列の収束性を一般化した有向点列とかフィルターもあるが) つまり、点列は距離空間で自然に考えられる概念である。 従って,まともな議論をするには,まずノルムが何か考えなくてはならない。 → 素朴な点列の収束は,ノルムで定義される。 さらに,考えている空間がどこかも考えなくてはならない。 → 収束先が含まれるか(閉包)どうかが重要。 Cauchy列での議論は(収束先を知らなくて良いので)便利。 → 完備ならありがたい。
点列を適当に進めると,どんな小さな近傍にも収めることができること。 収束するかどうかを決定づけるのは点列ではなく,近傍系(つまり位相)にある。 近傍系がガバガバなら,点列には現れない点に収束させたり,複数の点に収束させることも可能である。有限集合上の位相の例参照
top. sp.
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次のように書きかえられる?← これだけでは上極限なので擬位相にしかならない。下極限も示さなければならない。 はず。
数列の収束については数列を参照。 点列の収束については閉,コンパクト,完備を参照。
Rの点列のこと。
単調列は有界ならば収束する。
上限列,下限列は単調列になる。単調減少
単調増加
Th. 収束との関係![]()
実数の完備性を利用できるので,とにかくCauchy列を示すことも吉。
収束列の部分列 全ての部分列がαに収束 ⇔ 元の列がαに収束
数列 d(f_n,f) の収束をいう。 距離空間は第一可算・ハウスドルフを満たすので,極限は存在すればただ1つ。
基本列の部分列 必ずしも完備でない距離空間において, Cauchy列から収束部分列をとりだすことができれば, 実はもとの列が収束列であり,部分列と同じ極限に収束する。
位相空間
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xの近傍系
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xの近傍(つまり近傍系の元)は,開集合(開近傍)に限らないことに注意する!
ネットとフィルターも参照
増加列と減少列が基本 空でないかどうかはちゃんと確かめなければならない。
集合列に対し, 包含関係による順序を入れると,上限集合
と下限集合
が存在して,それぞれ以下で構成できる。
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が増大列のとき 上限集合は極限集合とみなせる。
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が増大列のとき 下限集合は極限集合とみなせる。
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集合列に対し,以下の操作によって単調列を作り出すことができる。
増大列を作る方法![]()
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減少列を作る方法![]()
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増大列は上限,減少列は下限をとることによって極限集合を考えることができ,それぞれ![]()
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上極限集合の元 「無限個のAnに含まれる。」 どんなに先に行っても,トータル有限個の{Ak}には含まれないかもしれない
下極限集合の元 「ある番号から先には必ず含まれる。」
通常の収束よりも弱い収束。 Ex. Cesaroなら収束する数列。![]()
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以下では,{fn(x)}を集合E上の関数列とする。 つまり,nに依らず定義域は共通である。また,Cauchy列を作ってR(C)の完備性に持ち込む論法は有用である。
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いくつか異なる定義がある模様???
柴田先生の本では次のような定義をしていた。fix
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柴田先生の授業では,関数列を数列にしてしまった極限をとっていた。 こちらは,supノルムの収束の言い間違い?![]()
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応用![]()
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系![]()
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x=x0を固定したときの,R1の数列としての{f(x0)}の収束
各点収束するけど一様収束しない例
Ex.1 単項式の列![]()
各fnは連続だが,fは不連続になってしまう。
Ex.2 魔女の帽子![]()
各fnは非有界だが,fは有界(定数関数)になってしまう。
表記あるいは,ユルゲン・ヨストは以下の記法を用いている。
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supノルムによる収束と同値である。(一般のノルム空間上定義された必ずしも連続でない関数でおk)![]()
示し方 supノルム収束 を示す 級数の一様収束では,WeierstrassのM判定法 を用いて示す コンパクト集合上の関数列ならDiniの定理を使う
Th. WeierstrassのM判定法 級数は,以下を満たす正数列Mnが存在するとき,一様収束する。 1.
2.
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Th. Dini コンパクト集合上の単調増大列は各点収束すれば一様収束 K⊂Rd 有界閉![]()
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一様収束する例
一様収束のありがたみ Th. 連続性の保存 連続関数の列は,一様収束すればその極限関数も連続 (一様連続ではないので,定義域のコンパクト性は不要) Th. R∫とlimの順序交換 許容関数(あるいは連続関数なら十分)の列fnがfに一様収束すれば,注. 各点収束でも,一様有界ならば交換可能(Arzelaの定理 < Lebesgueの項別積分定理) Cor. 項別積分 連続関数fnの級数が一様収束ならば,級数と積分の順序交換が可能
定義(広義一様収束) 開集合Ωの任意のコンパクト部分集合K上で一様収束すること。
Ex. 広義一様収束するけど一様収束しないは Ω:=(-1,1) で広義一様収束する。 一方,
となってΩ上で一様収束しない。
他の収束との関係 一様収束 ⇒ 各点収束 逆は不成立
零集合NをのぞいたE-N上で各点収束
Point. 収束する点の集合 つぎのように書ける。←あるnから先は必ず1/jより小さくなる点を集めた集合,の極限 従って,これの補集合が収束しない点の集合ということになる。
可分性から,εでなく可算個のjで攻める形になっているところがポイント。 これによって測度の性質をいろいろ使えることになる。
また,収束先が分からないときは次の形も有効。
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Ex. 概収束だけじゃノルム収束しない Ω=(0,1)![]()
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Th. Lebesgueの優収束定理 1. L1の列が概収束 2. しかも上から一様に抑え込まれる このとき極限関数もL1で、L1ノルム収束する。
Lpと概収束との橋渡し的存在。チェビシェフとの相性が良い。
Cauchy列にならない点の全体は零集合
各点で収束していなくてもよい! 魔女の帽子とか。
Th. 測度収束⇒概収束する部分列が取り出せる。
fn,f は Lp(E) の関数であるとする。 p=2 のときは特に平均収束ともいう。
Th. L∞収束 ⇒ 概収束
Rem. 一般の Lp収束 と,各点収束とは無関係 Lp収束して各点収束しない例,各点収束してLp収束しない例,どちらもある。
Ex. 各点収束してLp収束しない。![]()
Ex. Lp収束して各点収束しない。 各 n∈N に対し,k∈N を以下で定める。![]()
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Th. Lp収束 ⇒ 概収束する部分列がとれる。
主に supノルムないしLpノルム が絡む関数空間(Cn,Lp,Wkp,Hp...)を考えている。 特に,Hilbert空間ではRiezの表現定理が成り立ち, 「線形汎関数」は内積で与えられるので,弱収束の定義が見た目に変わる。
「強収束」という呼び名はどこで生じるか ある空間にノルムがあれば,まともな収束を考えることができる。 通常,ノルム空間において収束といえばノルムによる収束のことである。 ところが関数解析では,ノルム空間上の関数を考えることがあり, これによって,同じ空間にノルム収束とは別の収束概念を導入することができる。 この収束はノルム収束よりも弱い(ノルム収束⇒関数による収束)ので, 2つを強収束・弱収束と呼んで区別している。
点の収束なのか,作用素の収束なのかを区別する。 「点の強収束」と「作用素の強収束」がある。 「点の弱収束」と「汎関数の弱収束(汎弱収束,*弱収束)」がある。
Prop. 特に,有限次ユークリッド空間Rdにおいては 弱収束は成分毎の収束に対応し,これは強収束と同値。
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任意の線形汎関数Tに対し
となることをいう。 特に,Hilbertの場合
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Ex. 正規直交基底の列 弱収束するけど強収束しない。適当なHilbert空間において。
バナッハ空間のあいだの収束 ノルム収束>強収束>弱収束(ただし弱収束は汎関数に限る)
Prop. 作用素ノルム収束⇒作用素の強収束
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「各点収束のようなものだから全然強くない」(Y先生)
『実解析入門』ではL1収束のことと限定して定義していた。 『ポストモダン解析学』ではLp収束のことにしていた。
Prop. 強収束すれば積分と極限の交換可能 強収束は一様収束よりも弱い収束だからありがたいわけ。![]()
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Ex. 強収束するけどノルム収束しない![]()
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汎関数の弱収束![]()
R.V.
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大数の弱法則は確率収束
R.V.
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大数の強法則は確率1の収束
以下の関係式は有用![]()
概収束⇒確率収束