「モニターの後ろからずっと、見ているのに、気づかないの?」
——『新世界より』p.61


written by ◆zO7JlnSovk

ウヌクアルハイ
Unukalhai/عنق الحيّة

CONTENTS



 

Character


Looks        

現在固有の形態は存在していない。
これはウヌクアルハイ自体が固有の形態を現在持っていないからであり、逆説的にどの形態も取る事が出来る。
また後述するが、"集合的無意識"により、蛇に対する信仰心や恐怖心を持つ人間に対し、高い"親和性/親和性"を持つ。

それ故に、蛇を恐れる人間、信仰する人間、全ての身体を乗っ取り行動する事が出来る状態である。

About        

グランギニョルの神々が一柱であり、グランギニョル神話に於けるが最も新しい"虚神"
便宜的に"INF-010"と分類され"自覚する神話を持つ神"という意味の"Qimranut"のオブジェクトクラスを持つ。

その性質そのものはサーペント・カルトと深く関わってくる。

元々は"サーペント・カルト"に於ける最高神格である。
"蛇神"、"アナンタシェーシャ"、"ミルドラ""へびさま"の他
"Itzamna""Kukulcan""Crom Cruach"といった世界中の蛇の神格を持つ。

つまり、各神話体系に於ける蛇の神格が、全てウヌクアルハイに繋がる様に構成されている。
その為、半逆説的なノー・パラドクスを強引に作り上がった、ある種歪な絶対神であった。

故に、その存在は非常に混沌としていた。言ってしまえば創造神と破壊神が、一つの身体に同居している。
それは容易に世界を破壊する事の出来る神であった。
サーペント・カルトに潜入していた捜査官エーリカが、その片鱗に触れただけで戦慄するほどに、

その存在は強力かつ凶悪であった。それはウヌクアルハイの構成プロセスにも起因する。

出発地点は人類が根源的に持つ"集合的無意識"にあった。
"虚神"の一柱にして死を司るジャ=ロにとって、それは身近なものである。

元来"蛇"は邪悪の象徴であった。各神話体系に於いて、多くの場合巨悪を成す。
それは人類が根本的に"蛇""悪"と認識している証明に他ならなかった。
つまり、人類の潜在意識を土台としてウヌクアルハイは生まれたのである。

加えて先述した様に、既に存在する蛇の神格がウヌクアルハイを指すように仕向ける。

悪という土台の上に、"神性"が付与される。進むベクトルを間違えたまま、大きさだけが指数的に増えていく。
この状態で、巨大な悪の神である"ウヌクアルハイ"が存在していた。

けれども、ジャ=ロは満足しなかった。更に強く、その存在を定義しなければならない。

"サーペント・カルト"が蛇の名を冠し、蛇の刺青を刻む。その名で、その存在で、様々な悪を成す。
それによって人類全ての"無意識"を汚染する。蛇=悪、蛇=恐怖のミームを世界中に拡散した。

その最後の仕上げがインシデント新世界よりであった。大量の人間に、強い精神的ストレスをかける。
そうして、決定的な汚染を"集合的無意識"に投げかけた時、真なるウヌクアルハイが顕現した。

ウヌクアルハイは"虚神"である。その存在の拠所は信仰や恐怖といった、認識に従う。
その認識の根源は、神を描いた神話そのものであった。そして、人類の"集合的無意識"そのものが、ウヌクアルハイの神話である。

人が生きている間、蛇に対して感じる恐怖や信仰が、そっくりそのままウヌクアルハイの力へと変容される。
それこそがジャ=ロの狙いであった。顕現と同時に世界を滅ぼす程の力を持つ、恐怖の象徴。


────けれども、それは果たされなかった。


ウヌクアルハイは"虚神"である。その存在は、認識に従ってしまう。
ある"虚神"はウヌクアルハイの中にある、一人の少女を願った。その信仰は、格別に強い盲信であったが故に、
ウヌクアルハイの主格を、その少女が握ってしまった。ありあまる力を持ちながら、振う事をしない少女が。

────それ故に、現在世界は平穏である。紙一重の平和に浸る事が出来る。

 

Skill


Skill        

能力として定義されるものは存在しない。
強いて言えばありとあらゆる蛇の神話を拠所にし、全能性を得たと言っても良い。

正しくウヌクアルハイが自身を認識したならば、"願いを実現させる"事も十分可能である。

対抗神話        

本質的には存在しない。それは、あらゆる蛇の神話を拠所にした為、そこに対抗する神話を失っているが故である。

 

Appendix



ウヌクアルハイのインシデントのまとめ。
儀式の顛末の他、此処に至るまでの過程などが描かれている。

注意すべきは、ウヌクアルハイは"集合的無意識"にアクセスし、他者を認識する。
つまり、このインシデントを読むこと、この頁を読むことは、貴方自身の無意識に
ウヌクアルハイという存在を宿すことに他ならない。

────そして、それは世界を滅ぼす悪神に、更なる力を加えることでもある。


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最終更新:2018年07月20日 12:58