グランギニョル神話
「許せない、新しい朝が来る」
——『sin morning』p.2
written by Maison book girl
■CONTENTS
■詳細
≫前提
観測者たる我々の存在している"旧世界"。能力者達の存在している"新世界"。
それとはまったく違う別次元の宇宙体系である、"虚構現実"に存在している神々。
以下、我々の存在する現実を"基底現実"とし、説明していく。
≫詳細
先述した様に"虚構現実"に存在している神々であり、本来ならば我々の現実と交わる事の無い存在であった。
しかし、あまりに強大な力を持つ神々は越える事の無い現実を越え、我々の現実にまで侵攻してくる。
故に我々は宇宙そのものである神々と対峙する事を求められる。知性、能力、それら全てを用いて、対処しなければならない。
まず前提として知っておかなければならないのが、彼らが神話生物であるという事である。
最高神である"グランギニョル"を"虚構神"とし、その他の神々を"虚神"と定義し用いられている。
"虚構現実"では彼らは体系付けられた神話の中の神々であり、宇宙創生から終焉までに深く関わる存在である。
深い知性と神性を持ち、人の世界に介入はしない偉大なる存在として信仰の対象になっていた。
しかし、現実は違った。
"虚構現実"に存在する、対
"虚神"集団
INF財団のみが真実を正しく認識していた。
INF(Imaginary Non-Fiction:虚構現実)財団は、この宇宙に存在するINFオブジェクトを制御する役割を持っています。
これはこの宇宙を根底から保護する役目に等しい役割です。
これらのINFオブジェクト──いえ、貴方には神話生物と呼んだ方が馴染み深いでしょうか。
グランギニョル神話に関しては十分熟知しているでしょう。
この神話に定義された神々──これらは実在します。
彼らはその一柱一柱が巨大な力を持っています。何より、我々の認識を遙かに超えた生物なのです。
故に我々の多くはこれらを虚構上の生物と認識しなければならないのです。
故に聖府を初めとした一部の特権層以外は、神話として信仰の対象にしているのです。
ですが、貴方には伝えなければなりません、彼らは決して善なる神ではないという事を。
『財団職員へのオリエンテーション』より抜粋
つまり、神話の中の存在であるとされた神々は、実際に顕現している存在であり、神話生物と呼ばれる実体であった。
そしてその実体は"認識"に従うのであった。我々が彼らを"虚構の神"と認識している限り、彼らは虚構上の生物なのである。
故に一部の者だけが神話生物が現存しているという状況であった。そうして財団が食い止めていられれば、良かった。
結論から言えば失敗した。今現在我々の基底現実へ、彼らは侵攻を始めている。
レッド・ヘリングや
アナンタシェーシャといった
"虚神"達は既に顕現し、能力者達と激闘を果たした。
我々は対峙しなければならない。虚構の現実を食い尽くした神々と、その全てを滅ぼす為に。
≫性質
グランギニョルの神々の大きな性質として、その"虚構性"があげられる。
つまり、彼らの存在は"虚構"によって定義され、増幅していくのである。我々が彼らを恐れる程、その存在は強大になる。
一方で彼らを信仰したり崇拝したりしてもその存在は増していく。認識した時点で、その存在は明確な形を持つのである。
故に対処法として"虚構現実"では知らさせないという手段をとった。しかし、その現実は最早無い。
故に我々はその"虚構性"を理解した上で立ち向かう必要性がある。
相手が輪廻という因果の理そのものであっても、虚飾という概念そのものであっても、正しく認識し、殺さなければならない。
神性を踏破するのは強い信念と、深い思慮、そして決して挫ける事のない精神性である。
次に彼らが我々の"基底現実"に出現するには"親和性/神話性"が必要である。
レッド・ヘリングの場合は
旧市街に既にあった
"工場"。アナンタシェーシャの場合は
"へびさま"を触媒に顕現した。
つまり、
"虚構現実"に於ける彼らの実体がよりしろにしている存在と、親和性の高い現実が、侵食されるのである。
故に彼らの多くは
"虚構現実"のそれと比べ大きく弱体化している。まだ生まれたての存在である場合が殆ど。
逆説的に言えば、その状態であるからこそ我々の介入を受け入れるのである。
神話を根絶する唯一の方法が、その民族を根絶する事である様に、彼らが力を持つその前に
"虚神"を殲滅する手段はそれだけであった。彼らが信仰を受け入れる前に、滅ぼさなければならない。
神々は我々の現実を侵食し、その存在を虚構のものから現実のものへと変換させていく。
それを妨げる試みは続けられなければならない。確かな我々の現実を、守るために。
■神話生物達
≫虚構神
『INF-001』『Bacikal(顕現する無神論の神)』の名を持つ"グランギニョル神話"の最高神。
その存在は深い謎に包まれており、関連する書物も未だに見つかっていない。
≫虚神
◇鵺
『INF-002』『Iweleth(盲目たる無垢の鳥)』の名を持つ虚神が一柱。
関連する書物として『暗黒寓話奇譚-folklore-』が挙げられる。
"folklore"の名の通り民間伝承や都市伝説に関する書物らしいが……?
『INF-003』『Sheriruth(拒絶する輪廻の蛇)』の名を持つ虚神が一柱。
『異聞創世記-Genesis-』に記された、宇宙を食らう輪廻の蛇。
インシデント
破水の結果消滅、存在が抹消された。
『INF-005』『Akzeriyyuth(残酷なる幸福の死)』の名を持つ虚神が一柱。
グランギニョルと同じく情報が殆ど無い実体。
イル曰く
"クソ野郎"。
『INF-006』『Kaitul(不定たる醜悪の仮面)』の名を持つ虚神が一柱。
『偽書-Psychosocial-』に名を記されている他、
<harmony/group>が遺伝子の一部を所持しており
ミィ作成にも使われた。
セアン・フォールスとの戦闘で消滅したが、消滅際に本体ではなかったとの旨の発言をする。
『INF-007』『Shakah(目眩く色欲の極夜蝶)』の名を持つ虚神が一柱。
<harmony/group>が遺伝子の一部を所持しており、
夕月の足に移植された。
蝶の名を持つ実体であり、
"極夜蝶"の異名を持つ。
インシデント
巡礼の年にて消滅。
『INF-008』『Chemdah(貪欲な虚飾の化物)』の名を持つ虚神が一柱。
『燻製ニシンの虚偽-Red Herring-』に記された化け物であり、能力者と交戦。
インシデント
信仰の工場にて消滅。
『INF-009』『Aiyatsbus(認識する不条理の病魔)』の名を持つ虚神が一柱。
『スナーク狩り-The Hunting of the Snark-』に記された存在で、不条理詩によってのみ存在を定義される。
"イル=ナイトウィッシュ"の名で
白神 鈴音を拐かし、能力者達を混乱の坩堝に陥れた。
"虚神"に珍しく自我を強く持っており、能力者達を小馬鹿にした発言が目立つ。
"病魔"であるイルにスナークが憑依した結果、イルの自我を持つ"虚神"が生まれた結果である。
『INF-010』『Qimranut(自覚する神話を持つ神)』の名を持つ虚神が一柱。
インシデント
新世界よりにて顕現。
サーペント・カルトによって作り出されたあらゆる蛇の神格を宿した絶対神。
現在の主格を
白神 鈴音が握っており、彼女の精神性から、
"盲目かつ白痴の神"として存在している。
『INF-■■■』『Oreb Zaraq(暗黒の金字塔)』の名を持つ虚神が一柱。"物質主義"の象徴。
『プロデミンスの瞳-THE VOID』に記された存在で巨大な"眼"のある漆黒のピラミッドとして描かれる。
"対価/コスト"を支払う事によってあらゆる"権能"をもたらす"カード"を生む。
■補遺
この"グランギニョル神話"はオープンシェアになっております。
クトゥルフ神話+SCP、これらの要素が好きな方は是非参加していただけると楽しいです。
神話生物を思いっきり動かしたい方などにぴったりの設定かと思われます。
ただし性質上スレのパワーバランスから大きく逸脱した存在になる為、
設定上は強力だけれども、様々な要因があり弱体化している。
イベント戦のみの運用で、それ以外は使者を通じて会話するのみ。
明確な弱点を用意しており、それを突かれると敗北する。
などの配慮が"必須"となっております。気をつけてください。
質問などがあれば舞台裏で院長中身に聞いてください!
最終更新:2018年07月20日 11:32