身体能力は極めて低く、肉体を動作させての全力戦闘では5分が関の山。
近距離戦闘は最後の最後の手段であるが、三合まではどのような相手とでも渡り合えるとの事。
基本的には、Amberiteを変化させつつ、時折Going for the Oneに攻撃用の数値を代入しながら臨機応変に戦闘をしていく。
戦闘力は消して低くはないが、本来戦闘向きではない能力と体質の為、ある程度の無理を必要とする。
<Going for the One→終末観測>
異能と言うにはあまりにも論理的で、魔術と言うにはあまりにも特異的、そんな力。
その能力は、発達した脳の処理速度を用いての世界のシミュレーションをベースとしたもの。
気温や風速、範囲内の生物の存在、能力の発動、魔力の流動、災害の発生。
それらあらゆる事象を設定した上で、設定した情報の範囲内での未来予測を発動するのが第一の力。
人間の設定できる情報量には限界がある為、本人が未来予測的に用いる場合には複数種のパターンの世界観を設定する事で確実性を補っている。
ただし脳髄にかかる負担は極めて多大である為、発動時には最低限の生命維持レベルまで活動レベルが低下する。
高い応用の効く能力であり、エインセルのカノッサにおける価値の大半がこの能力によるもの。
<Going for the One→終末試行>
Going for the Oneの派生型であり、結界魔術をベースとした限定世界試行魔術。
最大サイズ直径10cmまでの球状の結界を生成し、その結界内に設定値を代入する事で、結界内に設定通りの現象を起こすことが出来る。
超高温の大気を代入すれば高熱の球が生成され、極低温の大気を代入すれば極寒の球が、高電圧の電場を代入すれば雷玉が生まれ出ずる。
この魔術も極めて脳髄への負担は大きく、生成するのに一レスがかかる上に、操作をしているだけで多大な負荷により移動不可と化す。
平時の観測においては、脳内思考による試行で完結する為、そうそう用いる事は多くない。
戦闘に於いても単発の威力は非常に高い〝設定〟に出来るが特性上連発は困難である為、此処ぞという時にしか使用しない。
ただ、便利な点はエインセルの観測できる範囲内であれば、どの様な場所にでも生成できるという事。
何らかの手段で脳機能を拡張する事ができれば、戦略的に用いることが出来るだけの可能性を含んでいる。
<Blood Line〝Circuit〟>
詳細不明。ただ、エインセルの出自や、存在の根幹に関わる異能である様だ。
極めて応用範囲が広いようで、Going for the Oneと双璧を為すエインセルの二本柱。
発動時には肉体に蛍光色の電子回路の様な紋様が浮かび、足元などから周囲に向けて紋様が侵食していく様子を見せる。
発動後の地点には、そうして展開された紋様の〝パターン〟が残される。
I
T
E
M
未確定。NULL値に代入される力の性質は
<Amberite→未確定物質>
5kg分の、『未確定な物質』。
重量以外の総ての性質が未確定であり、この物質に各種の性質を折り込み演算する事で自在に変化させる事が可能。
Going for the Oneを用いての研究の歳に生まれた副産物であり、量産が効かない特製を持つ為、エインセルの専用装備となっている。
基本的にはこのアンバライトを操作する事で大抵の戦闘をこなそうとする。
アンバライトの特性として、どのように使おうとも最終的には質量は変化しないという性質が有り、これをエインセルは有効活用している模様。