ラピス・アン・グイス

「動かないでください。────結局、じきに動けなくなりますが」

プロフィール
名前 ラピス・アン・グイス
所属 水国警察公安三課
種族 混血(人間×ゴルゴン)
身長 162cm
誕生日 11月30日
年齢 14歳
趣味 ハーブティーのブレンド
特技 鍵破り、夜眼が利く
好物 肉類全般、生卵、人間の血液
苦手 形が残ったままのセロリ




概要

太古の昔、今や実在の証拠すらも定かではない蛇の女怪――ゴルゴンと混血した家系に生を受けた14歳の少女。
カルト宗教団体を運営する家族から本尊として扱われる壮絶な過去を経て、逮捕の後に公安三課へと引き込まれた。
ゴルゴンの特質を強く持つ『先祖返り』であり、石化の魔眼や蛇の髪と言った伝承通りの能力で敵を仕留める。
怪物として生まれ落ちたことに苦悩しながらも運命の受容を良しとし、忌まわしい力を『巣穴』たる三課のため駆使する。
三課の溜まり場であるカフェ・ル・タンブランが生活の拠点で、昼間はウェイトレスとして働いていることも。

容姿

滑らかで長い黒髪と、妖しい美しさを湛えた菫色の瞳を持つ少女。髪型は前髪ぱっつんの、いわゆる姫カット。
細身の体つきに対してバストは豊かで、透き通るような白い肌の持ち主――と楚々たる美貌の持ち主だが、常に俯き加減で薄幸な雰囲気を醸し出している。
いつもは普通の人間と区別がつかない姿だが、能力を行使する際には腕や太腿、首周り、鼠径部などが金色の鱗で包まれる。
その関係もあって肌の露出を嫌っており、暑い時期であっても手と顔以外は隠れるような服装を選んでいる様子。
身長は約162cmあり、纏ったオーラや胸の発育の良さも相まって実年齢より大人びて見える。

任務の際には様々な格好をするが、戦闘が初めから予定されている時は上着の下に全身を覆う戦闘用ボディースーツと顔を隠すバイザーを着用する。
またカフェ・ル・タンブランでの勤務時は髪をポニーテールに結び、モノトーンの給仕服を着て、能力の暴発を防ぎ変装も兼ねる眼鏡をつけた姿を披露している。
彼女の〝普段着〟は主にタンブランのマスターが選んだもので、当初はゴシックロリィタ風だったが最近はよりカジュアルな装いが目立つ。が、にファッションが伝染した模様。
実は本編で一度も当初の設定通りの服を着ていない。そして眼鏡が標準装備になりつつある。

人物像

慎ましく分をわきまえた――もしくは、自己主張に乏しく悲観的な性格。
怪物としての衝動に苦悩しながらも運命を「こういうものだ」と受け入れており、しばしば全てを諦めたような柔らかい微笑を浮かべる。
まともな生き方など望むべくもない出自にあって、仮初のものだとしても仲間意識や必要とされる価値を与えてくれる三課を唯一の居場所と見做す。
己の人間性を抑圧し自罰的に振る舞うさまは頑なで痛々しいが、三課で過ごしていく内にこれでもマシになってきている。周囲がみな脛に傷を持つ環境が、却って引け目を取り除いてくれたようだ。
彼女にとって三課の仲間は他の何より優先順位が高く、守り抜くため必要と判断すれば非道な手段も辞さない。汚れ役こそが怪物である自分の存在理由、と考えている節すら見受けられる。
ちなみに能力の行使のために凄まじい量のエネルギーを貯蓄・消耗しているため、大変な大食らい。

自己嫌悪のため進んでその欲求を発散することはないが、天性の嗜虐趣味にして被虐体質者。
能力を使って獲物を嬲ることに本能的な悦びを感じる一方で、戦いを通して受ける傷や痛みで存在という罪を裁かれる安堵を得る。
戦闘の前には必ずと言っていいほど投降を勧告し、それが断られたなら心理的なセーブが外れ一切の容赦がなくなる。

人間関係

三課の僚友たちとの関係性は知られている限り良好。全員を敬愛し、また擬似的な家族として尊重している。
特にかつてラピスが三課に加わる契機となった事件に関わった森島 京と、年頃が近い上にラピスと対照的な明るい性格のとの間に結ばれた絆は深いもの。
突発的な命令を下す正体不明の課長や罵倒と叱責の嵐を飛ばすリーイェンに対しても従順で、後者については年が然程離れていないにも係わらず「リー先生」と呼ぶ。



能力:《Caput Medusae》

先祖返りのゴルゴンとしてラピスが有する能力。地の女神より貶められし女怪の伝承の源となったもの。
この力は発揮するほどに代償として激しい飢餓感に襲われ、それを満たすのに最も適しているのは新鮮なヒトの血液である。
しかも長時間使用していないと意識が怪物の本能に侵食されていくため、定期的に〝発散〟する必要に迫られる。
その具体的な内容は、以下に示す3つの要素に大別される。

『The Dreadful』──戦慄をなす者──

常人を遥かに凌ぐ、バケモノとしての膂力と生命力を発揮する能力。
純粋な力比べなら武芸の達人や身体強化系の能力者とも張り合える腕っ節と、多少の負傷ではビクともしない耐久性を有する。
しかしそれは飽くまでも怪物の暴威であり、人間的で細やかな技巧を発揮するには向いていない。
動きは必然直線的なものとなり付け入る隙も目立つため、他の能力を絡めたサポートは必須となる。

『Aspect of Gorgon』 ──ゴルゴンの血──

その髪は牙剥く蛇、その血は死を齎す毒の雫――ゴルゴンとしての身体的特性を示す能力。
一塊の髪を触手じみて自在に伸縮・操作し、房の先端部を蛇頭様の形状に変異させて噛みつく・締め付けるなどの攻撃を仕掛ける。
最大で同時に4束の房を動かすことが可能。髪は切断・焼却などを行っても1日以内で再生するが、戦闘中には元に戻らない。
また通常の生物にとって猛毒となる成分を含んだ体液を分泌し、蛇頭の牙から注入したり、シャワーのように射出できる。
神秘的抵抗がない人間は数滴で全身が溶解して死に至る代物だが、能力者やそれに類する者であれば灼けるような激痛や接触部の爛れで済む。
これは、化学的な性質よりも魔術的な側面が色濃い毒素であるための事象である。

『Gaze of Granite』──花崗岩の凝視──

ゴルゴンの代名詞〝石化の魔眼〟を司る能力。 発動時は瞳が金色に光り、瞳孔が夜行性の蛇めいた縦長の形に変じるという予兆が見られる。
魔力を込めた凝視によってレーザービーム状に可視化された『視線』が、触れたモノを表面から急速に石に変性させていく。
固体に限らず、視覚的に認識できるのであれば液体や気体やプラズマ、果ては能力による生成物まで石化させ活動を止めてしまう。
反面、肉眼では透明にしか見えないモノや遮蔽物を隔てた対象に対してはそれが何であっても通用しない。
ただし視線が「表面から内部まで」浸透していく性質上、衣服や鎧や篭手のような体に直接触れた防具では最終的な肉体の石化を防げない。
石化の対象が能力やそれに類する抵抗力を持っている場合は、身体の一部が石にされても身につけている物品も含め(破壊ないし殺害されない限り)徐々に元に戻る。
また対象の自由を奪いながらも即死させず、数時間程度は〝生きながら石になっている〟状態を維持することも可能。
石の強度は一定ではなく、ラピスの拳で容易く砕ける脆いものから、盾代わりにできるような堅固で粘り強い岩石まで調整が利く。

戦闘スタイル

儚げな容姿に反して、怪物としての能力を用いて積極的なインファイトを仕掛けつつ、隙を見て石化の魔眼を刺していく。
接近戦における猛烈な手数と攻防に機能する魔眼は無論強力だが、肉体的にも能力的にも小回りは効かない傾向にあるパワーファイター。
攻撃能力が「能力者なら抵抗できる」類のものであり、無能力者やドローンの戦闘部隊には滅法強いのも特徴と言える。
また構造物の破壊にかけても一流であり、極めて高度な神秘的防御が施されていない限りは大半のセキュリティを突破ないし封鎖してしまえる。
この点において三課内では万能の〝マスターキー〟として重宝され、主に実力行使の局面で活躍している。


経歴

ラピスの一族はゴルゴンの血脈がかすれ切った現代に至るまで祖先の営みを称え、いつか先祖返りが誕生することを密かに期待しカルト教団を形成していた。
そして母の胎内にいる時から錬金術的な処方を受け、数百年に一度の星辰の下で生まれた運命の娘がラピスである。
生まれて初めて目を開いた時、彼女はその魔眼で乳母を石化し殺害。両親は歓喜し、自分たちが石像と化さないよう慎重を期して娘を育てた。
やがてラピスは邪教の本尊に相応しい蠱惑的な美少女へと育ち、教団はカノッサ機関の一部派閥と関係を持ちつつ闇の中で拡大していったのだが――。

蛇の道は蛇、というべきか。結局のところ教団は裏社会の情勢に長じた公安三課によって、大きな事件を起こす前に壊滅の憂き目を見た。
今やその構成員となったラピス・アン・グイスが、背負った過去をどう考えているのかは殆ど知られていない。

近況

第211号事件」「課長特命第012号」「来栖くるる案件」等の不可解な事件が頻発する中で、ラピスの位置付けは事件の核心から比較的遠い。
水面下で複雑に絡み合う陰謀の結び目を探りながら、現状は日々の(公安基準では)小さな事件と向き合っているのだが──。
三課捜査官の端くれである以上、彼女が物語の表舞台に立つ時はそう遠くないのかもしれない。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2018年03月05日 15:08