転
「起」「承」と拡大、発展していった物語は、ここで重大な転換点を迎える。推理小説であれば、犯人と目されていた人物が殺害されてしまう、恋愛小説であれば、主人公カップルに致命的な亀裂が入ってしまうなど、それまで予定調和的に流れていた物語が一気に崩壊する。
そしてそれを機に、物語はクライマックスへと向かってゆく。
また、この時点まで拡大を続けていた物語は、この時点から物語の終わりへと向けて収束してゆく。ただし、その速度は拡大の速度よりも大幅に早くなければならない。
これには賛否両論あるとは思うが、「転」というのは、極論すると劇中の一場面、あるいはたった一言のセリフなのである。それをきっかけとして展開される部分は、いわば「転の承」ともいうべき部分であり、ここから先の展開がもたついては全体が台無しになる。「転」から先は読み手に息をつく間も与えない、くらいの意気込みを持って、一気呵成に物語を「結」へと導きたい。
最終更新:2007年04月21日 11:35