休日の過ごし方(温泉編)
学園都市や麻帆良、蓬莱など"学生の遊び場"が充実している学園に遊びに行くもの。
学園世界に点在するダンジョンや様々な依頼をこなし"冒険"に明け暮れるもの。
"研究者の楽園"ザールブルグアカデミーで学業を忘れてひたすら研究に勤しみ、議論を戦わせるもの。
居住区で、出会った異世界の同好の士たちと様々な"同好会活動"を行うもの。
学園海や学園都市で"アルバイト"に精を出すもの。
学園世界に点在するダンジョンや様々な依頼をこなし"冒険"に明け暮れるもの。
"研究者の楽園"ザールブルグアカデミーで学業を忘れてひたすら研究に勤しみ、議論を戦わせるもの。
居住区で、出会った異世界の同好の士たちと様々な"同好会活動"を行うもの。
学園海や学園都市で"アルバイト"に精を出すもの。
そして"魔剣使い:柊蓮司"が選んだ休日の過ごし方は…
―――極上生徒会 管理棟
ある晴れた日曜日の昼下がり。
プスン
柊蓮司の休日は、そんな、どこか間の抜けた音から始まった。
「…え?」
音を立てて、それっきり沈黙した魔剣に、柊は茫然としたまま硬直する。
タイミングが実に悪かった。
日曜日だと言うのに、居住区で始まってしまった学生同士のマジ喧嘩。
かたや拳1つで一騎当千の力を魅せるD-1ファイターで組織された特選隊『両成敗』の闘士。
かたや剣1本でパワードスーツだろうとドラゴンだろうと斬り倒す侍特選隊『剣友会』の剣客。
突如勃発した地獄のようなマッチメイクに、執行部にスクランブルがかかった直後。
いつものように管理棟5階から出動しようと、窓から飛び出した瞬間。
まさにそんな、ある種神かかったタイミングで、愛用の箒仕様魔剣の推進機構が壊れたのだ。
「…え?」
音を立てて、それっきり沈黙した魔剣に、柊は茫然としたまま硬直する。
タイミングが実に悪かった。
日曜日だと言うのに、居住区で始まってしまった学生同士のマジ喧嘩。
かたや拳1つで一騎当千の力を魅せるD-1ファイターで組織された特選隊『両成敗』の闘士。
かたや剣1本でパワードスーツだろうとドラゴンだろうと斬り倒す侍特選隊『剣友会』の剣客。
突如勃発した地獄のようなマッチメイクに、執行部にスクランブルがかかった直後。
いつものように管理棟5階から出動しようと、窓から飛び出した瞬間。
まさにそんな、ある種神かかったタイミングで、愛用の箒仕様魔剣の推進機構が壊れたのだ。
推進機構の故障。
極上生徒会の管理棟5階。
窓から飛び出した直後。
極上生徒会の管理棟5階。
窓から飛び出した直後。
これだけの条件がそろった結果、極上生徒会管理棟前に1つの人型の穴が開いた。
その落ちっぷりはまさに『下がる男』の異名に恥じぬものだったと言う。
その落ちっぷりはまさに『下がる男』の異名に恥じぬものだったと言う。
―――D地区 学園世界 人工温泉
ラースフェリアとファー・ジ・アース、そして学園世界。
柊の魔剣は箒へと改造されてから現在まで、休む間もなく無数の戦いをくぐり抜けてきた。
柊自身の手でアンゼロットから貰ったマニュアル片手にメンテナンスこそしていたものの、
『並みのロンギヌス10年分』とも言われる度重なる命がけの戦いを主と共にくぐり抜けたことで魔剣の箒部分は限界に来ていた。
柊の魔剣は箒へと改造されてから現在まで、休む間もなく無数の戦いをくぐり抜けてきた。
柊自身の手でアンゼロットから貰ったマニュアル片手にメンテナンスこそしていたものの、
『並みのロンギヌス10年分』とも言われる度重なる命がけの戦いを主と共にくぐり抜けたことで魔剣の箒部分は限界に来ていた。
『推進機構の故障事態はすぐに直せると思います。単純な故障ですから。けど…こりゃ~またいつ、どこが壊れるか分からん状態ですわ。
あちこちガタがきとります…ちゅうわけでオーバーホールしてピッカピカにするんで今日一日預からせてもらいます。ええですね?』
あちこちガタがきとります…ちゅうわけでオーバーホールしてピッカピカにするんで今日一日預からせてもらいます。ええですね?』
開発部で、箒の専門家にそう言われては断れるはずもなく。柊は晴れて『1日ただの使い』へとクラスチェンジを果たすこととなった。
その後、執行部室へ戻ったところで『そう言うことならば…今日こそちゃんと書類の書き方を覚えて貰いましょうかね?』
と山のような書類を抱えた某執行委員からゴゴゴゴゴッと擬音が聞こえてきそうな笑顔を向けられて慌てて逃げ出し、現在に至る。
「へぇ~やっぱりひれ~な」
腰にタオルを巻いた他は全裸の柊が辺りを見回して感嘆の息を漏らす。
前から気にはなっていた。学園世界D地区にある、巨大な人口温泉。
学生用と言う事でアルコールこそ置いていないものの、お手軽な入浴料と豊富な種類と高い薬効のお湯。
やたら充実した牛乳系飲料(乳酸菌&キワモノ含む、ビンのみ)等々のお陰でそこそこ繁盛している学園世界の憩いの場である。
平日の夕方ともなれば部活帰りの学生であふれ返るこの大浴場(男湯)は今、日曜の昼下がりと言うこともあってか閑散としている。
「ふぅ~、生き返るぜ…」
身体を洗って湯につかり、腰に巻いていたタオルを頭にのせて柊は盛大に息を吐き出した。
「やっぱたまにはこういうのもいいな…」
管理棟のシャワーや近くの銭湯も悪くないが、やはりでかい露天風呂の開放感は別格だ。
そんなことを考えながら、辺りを見渡す。
「にしても人いねえな…って、そりゃそうか」
見れば辺りには全然人気がないことを確認して、柊はとあることを思い出して苦笑する。
「日曜のまっ昼間だもんな。わざわざ風呂入りになんてこねえよなあ」
昔…と言ってもほんの数年前。柊がまだただのちょっと不幸な男子学生だったころ。
その頃は休みともなれば学校の野郎友達やくれはを誘ってはあちこちに遊びに行っていた。
金は無かったが暇は腐るほどあったので色々やったが、少なくとも風呂入ってまったりするなんて発想が出た記憶は一度も無い。
それが、今日は休みと聞いて真っ先に出てきた案が、露天風呂に入ることだった。
「…まいったな。俺まだそんな歳じゃねえはずなんだけどな」
この数年でウィザードに覚醒し、色々あって凄まじい勢いで成長したせいか、ちょっと老成しかかっている柊蓮司。
昔とは違う休みの感覚に、ちょっと複雑な気分を覚える、ギリギリ未成年なお年頃。
「今度の休みには他の連中誘ってどっか遊びにいってみっかな…次の休みがいつかはわかんねえけど…ん?」
たまには若者らしい遊びもしないとな、とある意味物凄くじじむさい考えを起こしていた柊はそれに気づき、眉をひそめる。
湯船に誰かいることに気づいたのだ…つい先ほどまで感じられなかった、気配がある。
(…誰だ?)
今の今まで気づかなかった気配が現れた。
そのことに対し、歴戦の魔剣使いとしての経験が柊の身体に強張らず、されど迅速に動けるだけの適度な緊張を与える。
そして、柊は相手の次の行動を待ち…
「やあ。こんな所で会うなんて珍しいな、柊」
…その声と共に現れた姿に緊張を解いた。
「なんだお前か…」
目の前の少年を見て、柊はあからさまにほっとした表情で言う。
若干整ってはいるが基本的には平凡な顔立ちと、それに見合わぬ鋭い眼光。
普通そうに見えてその実一切の無駄をそぎ落とされている、すらりとした体格。
よく手入れがされ、使いこまれた実用刀のような印象を与える少年の名は…
「驚かせるなよ。マモル」
「ごめんごめん。まさか柊とは思わなかったから、一応気配消してたんだ」
陰守マモル。かつて柊と共に1度だけ戦ったすご腕の忍者であり、学園世界を陰から守る特殊部隊、カゲモリの隊長である。
その後、執行部室へ戻ったところで『そう言うことならば…今日こそちゃんと書類の書き方を覚えて貰いましょうかね?』
と山のような書類を抱えた某執行委員からゴゴゴゴゴッと擬音が聞こえてきそうな笑顔を向けられて慌てて逃げ出し、現在に至る。
「へぇ~やっぱりひれ~な」
腰にタオルを巻いた他は全裸の柊が辺りを見回して感嘆の息を漏らす。
前から気にはなっていた。学園世界D地区にある、巨大な人口温泉。
学生用と言う事でアルコールこそ置いていないものの、お手軽な入浴料と豊富な種類と高い薬効のお湯。
やたら充実した牛乳系飲料(乳酸菌&キワモノ含む、ビンのみ)等々のお陰でそこそこ繁盛している学園世界の憩いの場である。
平日の夕方ともなれば部活帰りの学生であふれ返るこの大浴場(男湯)は今、日曜の昼下がりと言うこともあってか閑散としている。
「ふぅ~、生き返るぜ…」
身体を洗って湯につかり、腰に巻いていたタオルを頭にのせて柊は盛大に息を吐き出した。
「やっぱたまにはこういうのもいいな…」
管理棟のシャワーや近くの銭湯も悪くないが、やはりでかい露天風呂の開放感は別格だ。
そんなことを考えながら、辺りを見渡す。
「にしても人いねえな…って、そりゃそうか」
見れば辺りには全然人気がないことを確認して、柊はとあることを思い出して苦笑する。
「日曜のまっ昼間だもんな。わざわざ風呂入りになんてこねえよなあ」
昔…と言ってもほんの数年前。柊がまだただのちょっと不幸な男子学生だったころ。
その頃は休みともなれば学校の野郎友達やくれはを誘ってはあちこちに遊びに行っていた。
金は無かったが暇は腐るほどあったので色々やったが、少なくとも風呂入ってまったりするなんて発想が出た記憶は一度も無い。
それが、今日は休みと聞いて真っ先に出てきた案が、露天風呂に入ることだった。
「…まいったな。俺まだそんな歳じゃねえはずなんだけどな」
この数年でウィザードに覚醒し、色々あって凄まじい勢いで成長したせいか、ちょっと老成しかかっている柊蓮司。
昔とは違う休みの感覚に、ちょっと複雑な気分を覚える、ギリギリ未成年なお年頃。
「今度の休みには他の連中誘ってどっか遊びにいってみっかな…次の休みがいつかはわかんねえけど…ん?」
たまには若者らしい遊びもしないとな、とある意味物凄くじじむさい考えを起こしていた柊はそれに気づき、眉をひそめる。
湯船に誰かいることに気づいたのだ…つい先ほどまで感じられなかった、気配がある。
(…誰だ?)
今の今まで気づかなかった気配が現れた。
そのことに対し、歴戦の魔剣使いとしての経験が柊の身体に強張らず、されど迅速に動けるだけの適度な緊張を与える。
そして、柊は相手の次の行動を待ち…
「やあ。こんな所で会うなんて珍しいな、柊」
…その声と共に現れた姿に緊張を解いた。
「なんだお前か…」
目の前の少年を見て、柊はあからさまにほっとした表情で言う。
若干整ってはいるが基本的には平凡な顔立ちと、それに見合わぬ鋭い眼光。
普通そうに見えてその実一切の無駄をそぎ落とされている、すらりとした体格。
よく手入れがされ、使いこまれた実用刀のような印象を与える少年の名は…
「驚かせるなよ。マモル」
「ごめんごめん。まさか柊とは思わなかったから、一応気配消してたんだ」
陰守マモル。かつて柊と共に1度だけ戦ったすご腕の忍者であり、学園世界を陰から守る特殊部隊、カゲモリの隊長である。
「んで、今日はなんでまたこんなところに来たんだ?」
立場は違えど世界を守るもの同士の男2人。
知らぬ仲ではないのもあって、2人は雑談に興じる。
「ま、一言で言えばいつも通り、だな」
柊の問いかけに、マモルは肩をすくめ、言う。
「ここのバナナ牛乳が絶品なんだってごくつぅに書いてあったらしいんだ。
んで、ゆーなが行きたがって、それじゃあってことで、学校の友達と一緒に来たんだ」
「なるほどな…ん?」
マモルの言葉に納得がいかず、柊は首をかしげた。
「のわりにはお前1人か?いやまあ、あのゆうなって子は女湯にいるんだろうけど」
学校の友達と来たなら、マモルがこうして1人で入ってるのはおかしいと思ったのだ。
「ああ、学校の友達って言っても僕の他はみんな女の子だよ。だからみんな、女湯の方に行ってる。
昔から結構忙しくてね。特殊な友達しかできないんだよ。昔っから」
「…お前、苦労してたんだな」
「割とね」
マモルは溜息をつく。
四六時中トラブルに巻き込まれる幼馴染の護衛として、いつでも一緒だったことと頭おかしいんじゃねえか?ってくらいの激しい忍者としての修行。
生まれたと同時にそれを課されてきたマモルに、友情をはぐくむ時間はほとんど残っていなかった。
そんなわけで、マモルには普通の友達と言うのは、全然いなかったりする。
「ま、こっちに来てからは"特殊な友達"がやたら増えたけどね。組織の方のカゲモリのメンバーとか、お前とか」
カゲモリが組織されてから半年。最初は4人しかいなかったメンバーもだいぶ増えた。
組織の方にはあまり顔を出さないマモルが知っているだけでもカゲモリの数は優に両手の指の数を越える。
結構な数のメンバーが今日も人知れず世界を守っているのだ。
「そっか。それならいいけど、そっちも気をつけろよ」
「大丈夫だよ。僕は基本的にゆうなの護衛しかやってないから…」
(そのせいで結構な数の世界の危機を救う羽目になったけど)
後半は言わずに心の中で呟きながら己の中に宿った、確かな、たった1つの信念にマモルは苦笑いする。
立場は違えど世界を守るもの同士の男2人。
知らぬ仲ではないのもあって、2人は雑談に興じる。
「ま、一言で言えばいつも通り、だな」
柊の問いかけに、マモルは肩をすくめ、言う。
「ここのバナナ牛乳が絶品なんだってごくつぅに書いてあったらしいんだ。
んで、ゆーなが行きたがって、それじゃあってことで、学校の友達と一緒に来たんだ」
「なるほどな…ん?」
マモルの言葉に納得がいかず、柊は首をかしげた。
「のわりにはお前1人か?いやまあ、あのゆうなって子は女湯にいるんだろうけど」
学校の友達と来たなら、マモルがこうして1人で入ってるのはおかしいと思ったのだ。
「ああ、学校の友達って言っても僕の他はみんな女の子だよ。だからみんな、女湯の方に行ってる。
昔から結構忙しくてね。特殊な友達しかできないんだよ。昔っから」
「…お前、苦労してたんだな」
「割とね」
マモルは溜息をつく。
四六時中トラブルに巻き込まれる幼馴染の護衛として、いつでも一緒だったことと頭おかしいんじゃねえか?ってくらいの激しい忍者としての修行。
生まれたと同時にそれを課されてきたマモルに、友情をはぐくむ時間はほとんど残っていなかった。
そんなわけで、マモルには普通の友達と言うのは、全然いなかったりする。
「ま、こっちに来てからは"特殊な友達"がやたら増えたけどね。組織の方のカゲモリのメンバーとか、お前とか」
カゲモリが組織されてから半年。最初は4人しかいなかったメンバーもだいぶ増えた。
組織の方にはあまり顔を出さないマモルが知っているだけでもカゲモリの数は優に両手の指の数を越える。
結構な数のメンバーが今日も人知れず世界を守っているのだ。
「そっか。それならいいけど、そっちも気をつけろよ」
「大丈夫だよ。僕は基本的にゆうなの護衛しかやってないから…」
(そのせいで結構な数の世界の危機を救う羽目になったけど)
後半は言わずに心の中で呟きながら己の中に宿った、確かな、たった1つの信念にマモルは苦笑いする。
マモルが生まれたときから密かに守り続ける幼馴染の少女、紺若ゆうな。
道を歩けばヤバい薬の取引現場を目撃し、1人で帰れば誘拐され、おつかいに行けば宇宙人に攫われ、キャンプに行けば悪霊にとり憑かれ、家の庭を掘れば地下の巨大迷路を掘り当てる。
彼女はそんな、奇跡に近い確率でとんでもね~ことに巻き込まれる天才である。
それは学園世界に来てからも全く変わらず、マモルが「お隣を守るために」カゲモリの案件を片付けたことも10回や20回ではきかない。
彼はいつでも溜息をつき、しょ~がね~なと言いつつゆうなを助けに行く。決して見捨てない。
「形無し」と謳われた最強の忍びの一族、陰守忍者の力と技は何のためにあるのか、ちゃんと知っているから。
道を歩けばヤバい薬の取引現場を目撃し、1人で帰れば誘拐され、おつかいに行けば宇宙人に攫われ、キャンプに行けば悪霊にとり憑かれ、家の庭を掘れば地下の巨大迷路を掘り当てる。
彼女はそんな、奇跡に近い確率でとんでもね~ことに巻き込まれる天才である。
それは学園世界に来てからも全く変わらず、マモルが「お隣を守るために」カゲモリの案件を片付けたことも10回や20回ではきかない。
彼はいつでも溜息をつき、しょ~がね~なと言いつつゆうなを助けに行く。決して見捨てない。
「形無し」と謳われた最強の忍びの一族、陰守忍者の力と技は何のためにあるのか、ちゃんと知っているから。
「それより柊も気をつけろよ。お前、あちこちで無茶してるって聞いたぞ?」
「…まあ、確かにな。これでも気をつけてんだけどな」
(つっても実際当たっちまったら無視できねえけどな)
マモルの言葉に、柊もまた、後半は口に出さずに苦笑いする。
柊もまた知っている。目の前で自分が何か出来ることを見て黙ってられない自分の性分を。
そのせいでずいぶん苦労もしてきた。命の危機だって何度もあった。
だが、柊はそれでも決してその生き方を曲げない。
出来ることがあるなら最後まで全力でやり抜く。それが、柊が自ら見出した、シンプルな信念(こたえ)だから。
「…お互い損な性分だな」
「おう。まったくだ」
言葉に出さずとも伝わるものはある。
柊とマモルはお互いに言わなかったことを何となく察して笑いあう。
それは、まさに共に死線を乗り越えた戦友同士の笑みだった。
「…まあ、確かにな。これでも気をつけてんだけどな」
(つっても実際当たっちまったら無視できねえけどな)
マモルの言葉に、柊もまた、後半は口に出さずに苦笑いする。
柊もまた知っている。目の前で自分が何か出来ることを見て黙ってられない自分の性分を。
そのせいでずいぶん苦労もしてきた。命の危機だって何度もあった。
だが、柊はそれでも決してその生き方を曲げない。
出来ることがあるなら最後まで全力でやり抜く。それが、柊が自ら見出した、シンプルな信念(こたえ)だから。
「…お互い損な性分だな」
「おう。まったくだ」
言葉に出さずとも伝わるものはある。
柊とマモルはお互いに言わなかったことを何となく察して笑いあう。
それは、まさに共に死線を乗り越えた戦友同士の笑みだった。
そして、男2人の静かな時間は…
ドゴ――――――――――――――――ン!
轟音と共に破られた。
「な、なんだ!?」
爆発音に思わず反応し、柊は立ち上がり音のした方を見る。
それに対して、事情を知っているマモルは落ち着き払って言う。
「ああ、あれならどうってことないよ。多分誰かが地雷でも踏んだんだろ」
「ああそっかそれなら…っておい!?」
一瞬納得しかけ、直後に突っ込んだ柊に対し、マモルは相変わらず落ち着いて、カゲモリのメンバーから聞いた事情を説明する。
「な、なんだ!?」
爆発音に思わず反応し、柊は立ち上がり音のした方を見る。
それに対して、事情を知っているマモルは落ち着き払って言う。
「ああ、あれならどうってことないよ。多分誰かが地雷でも踏んだんだろ」
「ああそっかそれなら…っておい!?」
一瞬納得しかけ、直後に突っ込んだ柊に対し、マモルは相変わらず落ち着いて、カゲモリのメンバーから聞いた事情を説明する。
野郎どもの持て余した青い欲求を打ち砕き、女の敵に天誅下す。女性だけの特選隊として有名な「209」。
彼女たちと燃えたぎらんばかりの野郎どもとの戦い。
その、最も熱い戦場が若い女子学生の利用客も多いこの人工温泉の女湯である。
捕まえてもお仕置きしても一向に減らないNOZOKIを撃退すべく209の手で仕掛けられた無数のトラップ。
非致死性なのが唯一の救いの鉄壁の防壁に、野郎どもの情欲は無残に打ち砕かれる。そう思われていた。
だが、学園世界のNOZOKIどもはそれでもなお諦めない真の馬鹿野郎だったのだ!
ただの学生から冒険者、超能力者、魔法使いに犬神使い、ゴーストスイーパーにブラストハンド。
数々の能力者たちが鋼鉄の鉄壁に守られた聖域(サンクチュアリ)を目指したのだ。
その先に待つ、桃源郷(エルドラド)を拝むために。
そして繰り広げられるのは外部から頼んだ助っ人の手で更なるトラップの強化が図られてはそれを突破する、
NOZOKIと209とのいたちごっこ。
それは螺旋を描くがごとく、堂々巡りと高度化を繰り返す。かくして。
彼女たちと燃えたぎらんばかりの野郎どもとの戦い。
その、最も熱い戦場が若い女子学生の利用客も多いこの人工温泉の女湯である。
捕まえてもお仕置きしても一向に減らないNOZOKIを撃退すべく209の手で仕掛けられた無数のトラップ。
非致死性なのが唯一の救いの鉄壁の防壁に、野郎どもの情欲は無残に打ち砕かれる。そう思われていた。
だが、学園世界のNOZOKIどもはそれでもなお諦めない真の馬鹿野郎だったのだ!
ただの学生から冒険者、超能力者、魔法使いに犬神使い、ゴーストスイーパーにブラストハンド。
数々の能力者たちが鋼鉄の鉄壁に守られた聖域(サンクチュアリ)を目指したのだ。
その先に待つ、桃源郷(エルドラド)を拝むために。
そして繰り広げられるのは外部から頼んだ助っ人の手で更なるトラップの強化が図られてはそれを突破する、
NOZOKIと209とのいたちごっこ。
それは螺旋を描くがごとく、堂々巡りと高度化を繰り返す。かくして。
「…そんなわけでここの女湯の周りは今、トラップがすごいことになってるんだ」
そんな言葉と共に、話を締めくくる。
「なんて言うか…アホだろそいつら」
無駄に壮大で馬鹿すぎる戦いに、柊が疲れたように溜息をつく。
「まあな。ちなみに執行部からも助っ人が出たらしいぞ。確か相良と長瀬って言ったかな?」
補足するように、マモルが執行部で1、2を争うトラップの専門家の名を上げる。
「…そういや前に選抜から何か頼まれたとか言ってたなあ、あいつら」
謹厳実直な仏頂面で、およそ戦争に関係するものなら幅広く精通しているプロの傭兵相良宗介と
のほほんとしているように見えてすご腕の忍びである長瀬楓。
確かにあの2人が仕掛けたトラップなら効果たけえだろうななどと遠い目をして柊は思う。
覗きの趣味など微塵も持ち合わせていない柊(朴念仁)にとっては割と人ごとである。
「ま、そんなわけだからさ。気にしなくて大丈夫だよ」
「…そうだな」
今日一日はゆっくりするか。
そう思い、柊は再び湯につかる。
そんな言葉と共に、話を締めくくる。
「なんて言うか…アホだろそいつら」
無駄に壮大で馬鹿すぎる戦いに、柊が疲れたように溜息をつく。
「まあな。ちなみに執行部からも助っ人が出たらしいぞ。確か相良と長瀬って言ったかな?」
補足するように、マモルが執行部で1、2を争うトラップの専門家の名を上げる。
「…そういや前に選抜から何か頼まれたとか言ってたなあ、あいつら」
謹厳実直な仏頂面で、およそ戦争に関係するものなら幅広く精通しているプロの傭兵相良宗介と
のほほんとしているように見えてすご腕の忍びである長瀬楓。
確かにあの2人が仕掛けたトラップなら効果たけえだろうななどと遠い目をして柊は思う。
覗きの趣味など微塵も持ち合わせていない柊(朴念仁)にとっては割と人ごとである。
「ま、そんなわけだからさ。気にしなくて大丈夫だよ」
「…そうだな」
今日一日はゆっくりするか。
そう思い、柊は再び湯につかる。
マモルともども束の間の休日を満喫するために。
かくして柊には珍しい穏やかな休日は、ゆるやかに過ぎていくのだった…