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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第07話

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だれでも歓迎! 編集

休日の過ごし方(???編)予告


休日。
学園が転移して出来たこの世界に、休日出勤などと言うサラリーマン的なものは存在しない(一部教師除く)
毎週1度、所により2度は訪れる休日。学園世界において、その過ごし方は様々である。

学園都市や麻帆良、蓬莱など"学生の遊び場"が充実している学園に遊びに行くもの。
購買で依頼を受けたり、自主的にダンジョンに向かったりして“冒険”に明け暮れるもの。
"研究者の楽園"ザールブルグアカデミーで学業を忘れてひたすら研究に勤しみ、議論を戦わせるもの。
居住区で、出会った異世界の同好の士たちと様々な"同好会活動"を行うもの。
学園海や学園都市で"アルバイト"に精を出すもの。

そして、">930"が選んだ休日の過ごし方は…

930 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/01/09(土) 21:10:31 ID:v/ZauALo
んじゃ>>919には「御坂美琴」を指名してみる



休日の過ごし方(???編)


―――輝明学園女子寮 5階

とある休日、草木も眠る丑三つ時。
様々なものが眠りにつき、同時に夜を生きるものが活発に動くこの時間。
「…さてと~♪」
身体から"抜けだした"少女が傍らで疲れきって泥のように眠る同居人を起こさぬよう、窓から飛び出す。
「やっぱり真夜中の"これ"はやめるわけにはいきませんね~。7不思議の1人としては~」
そんなことを呟きながら、いつものように少女は街へとくり出す。
この少女の就寝後の日課である散歩。それが全ての始まりだった。

「…おや~?」
この時間だからこそ結構多くの"ひと"が行きかう道の一角。
そこでどこか見覚えのある顔を見つけ、彼女は首をかしげる。
「う~む、どっかで見たような気がするのですが~」
道の端で、所在なさげにたたずむその子に見覚えはある。しかもかなり最近。
だが、それが誰なのかは分からない。
「誰なのかはさっぱり思い出せませんが、まあ、こういうときは…」
とりあえず動け。そうすればなんとかなる。いつものようにそう考えて少女は行動に移る。
彼女は結構責任感が強い方だった。でなければ30年も母校を守ってたりする前に"帰って"いたはずだ。
そんなわけで彼女は気さくに話しかける。
「もし~。そこの軍用ゴーグルがお似合いのお嬢さん~。何かお困りですか~?」
まさか話しかけられるとは思っていなかったのだろう。その声に少しだけ身体をふるわせ、その少女が振り向いて…

休日。
学園が転移して出来たこの世界に、休日出勤などと言うサラリーマン的なものは存在しない(一部教師除く)
毎週1度、所により2度は訪れる休日。学園世界において、その過ごし方は様々である。

学園都市や麻帆良、蓬莱など"学生の遊び場"が充実している学園に遊びに行くもの。
購買で依頼を受けたり、自主的にダンジョンに向かったりして"冒険"に明け暮れるもの。
"研究者の楽園"ザールブルグアカデミーで学業を忘れてひたすら研究に勤しみ、議論を戦わせるもの。
居住区で、出会った異世界の同好の士たちと様々な"同好会活動"を行うもの。
学園海や学園都市で"アルバイト"に精を出すもの。

そして、"超能力者:御坂美琴"が選んだ休日の過ごし方は…


―――総合学園都市

生徒数約180万、総人口約230万。
すべて学園とその関係施設で出来ているが故に『都市丸ごと転移』と言う結果を招いてしまった、1つの街。
その街で、物語は始まる。
日曜日、最も人の行き来が活発になる午後の2時。
「…これ、笛の音?」
御坂美琴はふと、その笛の音に気づき辺りを見渡す。
その日、学校は休みで今日の担当はベホイミとエリーで執行部も行く予定は無し。
と言っても友人である初春(と黒子)は今日は『風紀委員(ジャッジメント)』の仕事だとかで朝からいない。
そんなわけで美琴は街をぶらぶらしていた。
ちょっぴり、そうほんのちょっぴりだけあの、ツンツン頭と出会っちゃったり(エンカウント)するんじゃないかなーと思っていたが、どうやら当てが外れたらしい。
本人に言ったら全力で否定するだろうけど。
閑話休題。
さて、そんなわけで街をぶらぶらしていた美琴の耳がそれをとらえたのが、その日の出来事のきっかけだった。
どこか物悲しくも、安心させるような笛の音。
「…う~ん…笛だけど、何の笛だろ?」
美琴は名門常盤台中学のお嬢様としてクラシックは聞き慣れているし、ポップやロックと言った若者向けの音楽だって聞かないわけではない。
だが、その笛の音はそんな美琴でも聞いたことのない音と曲だった。
どうやら周りの人には聞こえていないらしく、周囲の通行人は気にする様子も無く歩いて行ってしまう。
「な~んか気になるし、行ってみよっと」
その様子にかすかな違和感を覚えた美琴が、その音のする場所へと向かう。
音は、人気のない路地裏から聞こえてきていた。

―――路地裏

「んっと…あそこの人かな?」
路地裏を抜けた先、人気のないちょっとした空地にその少女はいた。
見慣れない、変わった形の笛を手にした、長い黒髪の、美琴より少し年上…高校生くらいの少女。
その少女は今。
「あはは…困りましたね」
美琴と黒髪の少女以外誰もいない路地裏をぐるりと見回しながら、汗をたらりと流して頬を掻いていた。
「目的のひとだけ呼び寄せたつもりが、まさか同じ顔の子がこんなに集まるとは思っていませんでした…」
相変わらずキョロキョロと辺りを見回す少女は、美琴が視界に入ってもまるで気にした様子はない。
まるで、そこに美琴がいるのに気づいていないかのように。
「あの~…」
「えっと、昨日…じゃなくて今日だったかな?桜花さんに会ったって子は誰だか分ります?」
その少女はまるで美琴がそこにいないかのように1人ごとを喋っている。
「あ、すみません。いっぺんに言われると聞きとりきれないので、1人ずつお願いします」
「あの~!」
奇妙なことに少女の1人言はまるで誰かと話をしているかのような様子だった。それも沢山の人と。
美琴には完全に背を向けているのに。
「そうですか…分かりました。この中にはいないみたいですね。ありがと…「無視してんじゃないわよ!」ひゃい!?」
バチィ!
思いっきり無視されてちょっとだけムカッと来た美琴が苛立ち紛れに放電しつつ、強く話しかける。
それにビクリと少女は反応して慌てて振り向いた。
「ちょっと、駄目ですよ!いきなり騒霊現象(そんなこと)したらびっくりしちゃうでしょう!?」
「え…っと、ごめんなさい…ってえアンタが無視してんのが!」
強くたしなめられ、美琴が謝りかけて再度抗議しようとしたところで、少女が固まる。
きょとんと。
「な、なによ?」
「え~と…」
再び困った顔になる少女。
「なんで生き…じゃなくて!あ、なるほどおりじ…でもなくて!もしかして、執行委員の御坂美琴さん!?」
今気づいたんかい。
そんな突っ込みのセリフは、辛うじて飲み込んだ。


―――某公園

数十分後。
「さっきはごめんなさい。ちょっと気付かなかったもので」
缶のお茶を抱きながら、黒髪の少女は美琴に頭を下げる。
「いや、こっちこそごめんなさい。なんかカッとなっちゃって」
一方の美琴もヤシの実ソーダを抱きながら年上の少女に深々と頭を下げられ恐縮して謝る。
「それでえっと、わたしは…知ってるんですよね?」
「はい。執行委員の御坂美琴さんですよね?」
にっこりと笑顔で黒髪の少女が答える。ほんわかした、温かい笑顔だ。
「あ、申しおくれました。私は、輝明学園に通っている氷室キヌと言います。おキヌとでも呼んでください」
その笑顔のまま、少女…おキヌが自己紹介する。
「はあ…で、あの、おキヌさんはあそこで何を?」
「う~ん。多分、何かを探しているんだと思うんですけど…」
思うって。
どうもはっきりしない理由に美琴が首をひねった、その時だった。
「あ、いたいた。氷室さ~ん!ようやく見つけましたよ~!」
「ど~も同じような子がたくさんいるみたいですけど~、そっちはどうでしたか~?」
2人の少女、どうやらおキヌを探していたらしき声が聞こえる。
「あ!アカネさんに桜花さん。ちょうどよいところに」
「え?何かありました…あれ?」
近寄って来た2人の少女…メガネの少女とおかっぱの少女が美琴を見て不思議そうな顔をする。
「この子は…え?お姉さま?」
おキヌと同い年くらいのメガネの少女は何故か誰もいない横を向いて誰かに確認するように。
「ああ、思い出しました。ほら、玲子。女帝さんですよ女帝さん~。いやあ~TVで見たとは気づかず…」
美琴と同い年くらいのおかっぱの少女が嬉しそうに美琴にとってはあんまり嬉しくないあだ名で呼ぶ。
「な!?ちょっと!誰が女帝よ!?」
その呼び方に反応し、思わず美琴が声を荒げる。放電付きで。
「うわっ!?」「きゃあっ!?」
その放電に驚いたおキヌとメガネの少女が同時に声を上げる。
「え?違うんですか~?」
その放電に毛ほどもビビらず、おかっぱの少女が首をかしげる。
「…っく。そりゃあ一部の、ほんのごく一部の馬鹿がそう呼んでるのは知ってるけど…」
美琴が悔しそうに目をそらす。
さすがにツンツンヘアーでも柊でも黒子でもない普通の女の子に手を上げたら拙い。色々と。
「ま、まあ桜花さん…とりあえず自己紹介しますね」
天然気味の相棒をとりなすようにメガネの少女が美琴に言う。
「私は、輝明学園の赤根沢玲子(あかねざわれいこ)と言います。よろしくお願いしますね」
メガネの少女…玲子に続くように、おかっぱの少女も言う。
「どうも~。同じく輝明学園の倉沢桜花(くらさわおうか)です~。桜花ちゃんとでも呼んでくださいね~」
のんびりとした口調で、おかっぱの少女…桜花も自己紹介する。
「いや、あの感じだと多分聞こえて無いです…いや、そんな驚いた顔されても」
桜花の自己紹介に続いて、玲子が困ったような顔をして、やはり誰もいない虚空を見る。
「あの~…玲子さん、ですよね?さっきから誰に」
「あ~、そう言えば、ようやく分りましたよ~」
その様子を不審に思った美琴を遮るように、微妙に空気が読めてない桜花がおキヌに話しかける。
「え!?本当ですか?」
「はい~。つっち~に聞いたら一発でしたよ~。同僚が知ってたぜよって。やはり持つべきものは仲魔ですね~」
うんうんと頷く桜花。そして、何かに気づいたように美琴に向きなおる。
「あ、そうだ~。え~と、女帝さん?」
「女帝言うな」
「冗談です。美琴さんは、今、ヒマですかね~?」
美琴の突っ込みはやはり気にせず、桜花が美琴に問う。
「へ?そりゃあ…少しなら…」
一方の美琴もそんな桜花にペースを崩されてしまい、ちょっとだけ素になった美琴が返す。
「それじゃあ…ついて来て貰えませんかね?いえ、そんなにお時間は取らせませんので」
その一瞬。
桜花は打って変わって真面目な、懇願するような表情で美琴に問いかける。
まるで、否とは言わせないとでも言うように。


―――操車場

「ここって…」
連れてこられた場所で、美琴は息を飲んだ。
そこは、学園都市内を走る電車の操車場。
「なんで…?」
そこで出会った恐ろしい記憶を思い出(フラッシュバック)し、美琴の顔が蒼白になる。
「やっぱり、間違いなさそうですね」
「そうですね。となるとここに…」
「はい~。探しますよ~」
そんな美琴の様子を見た3人は、何かを確信したかのように辺りを探し出す。
「ちょっと!アンタら一体なに「見つけました!多分あれです!」
美琴のセリフを遮るように、電車の下を覗き込んでいた玲子が、叫ぶ。
それに反応して2人と、それにつられるように美琴が電車の下にあつまる。
「ありましたね~」
「はい…ただちょっと手は届きそうにありませんね」
そこに、光を反射して僅かに輝く何かが見える。場所は電車の下のちょうど中間。どちら側から手を入れても多分届かない位置だ。
「となると…桜花さん「ちょっと待ちなさいよ!」」
美琴のことはほったらかしで話を進める3人に、美琴が叫ぶ。
「とりあえず、アンタらが何をしようとしてるのかはさっぱり分からないけど…」
すぅっと手を伸ばす。
「ようはそれが取れればいいのね?」
バチィ!
そう言った瞬間、美琴の手に電流が走る。そして。
パシィ!
美琴の能力(エレクトロマスター)で瞬間的に強力な電磁石と化したそれが、同じく電磁石となった美琴の手に吸い寄せられる。
「ほら。取れたわよ。一体これが…!?」
その手に握られたそれを確認して、美琴の表情が驚愕に彩られる。
「これって…まさか!?」
それは、1つのバッヂだった。
安全ピンが取れてしまい、上から押しつぶされてひしゃげ、更には…べっとりと血がこびりついたそれ。
そこいらのガチャガチャで簡単に手に入れられるそれは…
「あのとき、あの妹(こ)にあげた…!?」
かつての、美琴の"プレゼント"である。
「はい。そうです。それを探してました」
驚愕する美琴に、おキヌが悲しげに頷く。傍らの…虚空にずっと佇んでいたそれを見ながら。
「それを失くしちゃったこと、ずっと気にしてたみたいです。それで…」
玲子が悲しい瞳で、だけど優しくそれの頭をなぜる。慰めるように。美琴の目にはけして写らぬ、その…少女を。
「それは~、彼女…9982号さんに必要なものだったんですよ~。彼女が"成仏"するために~」
そして、2人に頼み、1日中それを探しまわった桜花が言葉を紡ぐ。そして。
「9982号さんが無事に逝けるように、美琴さんも来て下さい。彼女を悼む…参列者として」
死者を送るための儀式へと誘う。学園世界の守護者にして…彷徨える御霊としての責務を果たすために。


休日の過ごし方(鎮魂編)

―――公園

「ここでいいの?」
美琴がよく使う自動販売機の、すぐそば。
並み木の下を掘り起こし、バッヂを"埋葬"し終えた美琴が3人に尋ねる。
「ええ。そこがいい、と。後は…」
頷いたおキヌが懐から経文らしきものを取り出す。
「それは?」
「鵺野先生から借りてた、お経です」
そして、朗々と読み上げる。幾多の彷徨える御霊を成仏させてきた、学園世界でも屈指の霊能力の持ち主が使っている、経文を。
「よく分からないけど…よく、分からないのに…」
霊を慰め、解放するその言葉を聞き、ほとんど忘れかけていた彼女を思い出した美琴は涙を流す。
美琴が初めて出会い…たった1日にも満たない間共に行動し…そして、結局助けられなかった、妹。
彼女が自らの犯した罪と向き合うきっかけとなった、可愛い妹。
それを思い出し、美琴は泣きじゃくる。そんな時だった。
「…お姉様には涙は似合わない、とミサカは泣きやんでくれるよう懇願します」
「…え?」
まるで"妹達"のように喋る桜花に、美琴は顔を向ける。そこには。
「…私の身体をお貸ししました~。少しの間ですが~、お話してあげてはくれませんか~?」
微笑む玲子の傍らに"浮かんだ"桜花が笑顔で言う。そして。
「死んでしまったことが悲しいのは、嬉しいことだと、ミサカは矛盾する気持ちを口にします」
見かけこそ桜花のままだが、同時に、間違いなく『あの日の実験で命を落としたミサカ9982号』である少女が、美琴に言う。
「どういう、意味?」
「それは…」
その言葉の意味が分からず聞き返す美琴に、9982号は少しだけ考えて、その答えを言う。
「もし、お姉様に出会うことも無く、あのまま実験に挑んでいれば、そもそも迷わなかったはずである、とミサカは推論を口にします。
 それが、あのとき、死にたくないと思い、死んで悲しいと思ったのは、お姉様(オリジナル)との楽しい時間をもっと過ごしたかったからだった、とミサカは回想します。
 そして、その"楽しい時間"が持てた分だけは何も無かったよりも幸運だった、とミサカは結論を口にします。
 だから…幸運であったこのミサカはお姉様には泣いてもらうより笑って送って欲しい、とミサカは事態に便乗して一生のお願いを口にしてみます」
必死に紡がれた、その言葉。
「…アンタ、ちょっとずるいわね」
その言葉に、ちょっとだけ苦笑するような笑顔で、美琴が言う。
「…女はいつだってずるいものである。とミサカはどこかで聞いたような言葉を口にします」
無表情にとぼけた台詞を返す9982号…その顔もどこか笑っているようで。
「分かったわよ。もう、泣かない…行ってらっしゃい」
涙を拭き、笑顔で美琴は9982号を送る。それに対し、9982号は。
「…それでは、用がすみましたら―――――」
うっすらと微笑んでぺこりと頭を下げ、次の瞬間ガクリと崩れ落ちる。
「あ…ちょっと!?」
それを慌てて起こした美琴に、うっすらと目を開けた桜花が言う。
「…大丈夫ですよ~。彼女は、無事、旅立ちました~」
グッと親指を挙げて返す。
「…そう」
霊を見ることのできない美琴にはそれが本当なのかは分からない。分からないが、それはきっと嘘じゃない。
そう確信した美琴がただ一言、3人に言う。
「…妹が本当に世話になったわね。ありがとう」
と。
かくして、御坂美琴の奇妙で切ない休日は終わりを告げた。
…なお、後日、御坂美琴が"お参り"に訪れたとき、バッヂの埋められた場所に1本の缶コーヒーが供えられているのを見つけることとなるのだが、それはまた、別の話。


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